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「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」感想・・・のようなもの(6) [アニメーション]

※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。

○キャラ編・その1


■沖田

「方舟」の冒頭、艦長室で沖田と古代が語らうシーンがある。
この二人の接点も本編では少なかった。

LPレコードを聞きながらの会話。
そんなものが2199年まで生き残っているのか?
残っててもかなりのレアものになってそうだが。

「でも、アナログのレコード、っていうのが
 ヤマトのファンには胸に沁みるんじゃないの?」
とはかみさんの弁。
確かに、旧作からのファンはアナログ世代だからねえ。

初めて買ったインストゥルメンタルのレコードが
「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」だった、って人は多いんじゃないか。
っていうか私がそうなんだけど。

曲のタイトルは「Muss i den」。寡聞にして知らなかったよ。
日本語では「別れ」という曲名になってるとのこと。
「えー、知らないの? あたし中学校で歌ったことあるよ。
 さらば~さらば~わ~が~と~も~」
「いや、歌わなくていいから。
 うーん、メロディーは聴いたことあるなあって思ったんだけど
 学校で歌った記憶は無いなあ・・・」
「そんなことないよ。有名な曲じゃない!
 さすがにドイツの民謡だったとは思わなかったけど。
 あ、あなたとは世代が違うせいね!」
「え・・・そんなに年違わないじゃん、私と」
「○年違えば、ひと世代違うのよ!」
「・・・(-_-;)」

閑話休題。

沖田は、この曲をかけながら何を思ったのだろう。
やはり、地球で待つ親友のことか。
自分の命が残り少ないことを自覚しながらも、
故郷へ帰る日に思いを馳せていたのだろか・・・

考えたら今回沖田は艦長室から一歩も出てない。
(まあ「星巡る方舟」自体、作中時間は1日くらいだろうし。
 古代たちには一週間でもね。)

最終決戦では制服に着替えて、
いつでも第一艦橋に降りる気満々だったけど
古代をはじめとする若いクルー中心に危機を乗り切り、出番無し。
でもそれこそ "嬉しい誤算" だったんだろうね。

未来を託すべき若者たちの成長で後顧の憂いも無くなり、
ヤマトとガミラスとの恩讐を超えた共闘も目にすることができた。
地球を目前に逝くとき、沖田の胸中は全くの平穏だったと信じたい。


■古代

旧作では、古代が動くことによって物語も動いていく。
常にストーリーの中心にいる存在だった。

それが2199においては、ある意味 "不遇" なキャラになってしまった。
観客の多くは、イスカンダルへの旅の途中で
沖田の倒れた後を引き継ぎ、ヤマトを率いていく。
そういう展開になると思っていたのではないか。

仕方がないよねえ。
旧作の古代を知っていたら誰でもそう思うじゃないか。

直情径行熱血キャラは、リブートされた新生ヤマトには
確かにそぐわないのだろう。
総監督をはじめとするスタッフは、
あくまで "沖田を主役に据えた群像劇" を目指した。
それはそれで分かるし、2199古代の性格改変も理解できる。

でもねえ・・・理屈では分かっても感情がねえ・・・
今でも思うよ。23話の扱いは何とかならなかったのか・・・
尺の問題はあったにせよ、ね。

そんなファンの思いをすくい取ったように、
「星巡る方舟」での古代は見違えるように颯爽と見える。

冒頭のガトランティスとの遭遇戦も、
ホテル内での持久戦も、バーガーとの対決でも、
そして最終決戦での采配でも。

八面六臂の大活躍で、まさに主役。
古代守の思いを引き継ぎ、
沖田の後継者として舞台の中央に躍り出た。

 チェーンでつながったままメガルーダに突っ込んでいったのは
 旧作の "遺伝子" がちょっぴり残っていたのだろうか。

退くべき時には退き、押すべき時には押す。
その臨機応変の判断も秀逸。

私はかつてこう書いた。

 古代が "指揮官へと踏み出す一歩" を、
 "未来のヤマト艦長としての器の片鱗" を、見せていただきたい。
 それさえ実現すれば、私は充分に満足して映画館を出られるだろうし、
 それが "私にとっての「2199」の完結" になるだろう。

そう、2014年12月6日は、
私にとって「宇宙戦艦ヤマト2199」が
"見事に完結" した日となった。


古代については、もう一つだけ書きたいことがあるのだけど、
それは最終回にまわすことにする。


■森雪

雪のファンにとっては、出番が少ないことが残念だっただろう。
でも彼女は、「星巡る方舟」の直前には
大要塞 "第二バレラス" を破壊するという "勲功" を立てたばかり。

しかもこの後、ヤマトに乗り込んできたデスラーと対峙するとか
銃の乱射を受けて "彼岸を見る" とか、
まだまだイベントがたくさんあるので、今回くらいは
桐生さんにヒロインの座を譲ってあげてもいいんじゃないかな。

まあ、画面に映る頻度は低くても、確実に古代との仲が
進展していることを窺わせる描写が多かったように思う。

舞台挨拶で森雪役の桑島法子さんが
「古代くんカッコよくなったな~って思った」って言ってたが
まさに第一艦橋で古代の後ろ姿を眺め続けてきた雪は、
この「星巡る方舟」戦役を通じてこう思っただろう。

「あたしの男を見る目に間違いはなかった!」と。


■島

惑星表面でのワープとかの、古代の無茶ぶりな命令や
まさかの火焔直撃砲の "直撃" を回避するとか、
今回も島の "超絶技巧な操艦" にヤマトはたびたび救われてる。

勝利への貢献度はものすごく高いはずなのに
その割に目立たないのは可哀想だよなあ。

彼に "春" が来るには、やっぱり続編が必要なのだろうか・・・
中の人は熱望しているみたいだが、それこそ神のみぞ知る、だね。


次回、「感想・・・のようなもの(7)」につづく。


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