「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 ーSTASHAー」感想・・・のようなもの その2 [アニメーション]
※ネタバレ全開です。未見の方はご注意を。
第6話「移民船団救出作戦・次元の壁を越えて行け!」
■ゴルバ登場
「デザリアム軍指揮官に告ぐ!・・・」呼びかける古代。
しかし、デウスーラIII世はデスラー砲をぶっ放す。
「すまんなランハルト 虚しかろうと人には許せぬことが・・・」
蛮行を繰り返す相手に対し、まず一発殴って止めてから話を始めようとする古代。そして、殴りだしたら止まらなくなったデスラー(笑)。
まあ、目の前で母星を破壊されれば頭に血が上るのも無理はないが。
しかし、デスラー砲をあっさり無効化するゴルバ。
公式サイトによると、「波動砲の直撃を無力化できるクラスの位相変換装甲を有する。位相変換装甲はエネルギー波を逆相波によって打ち消す」とある。アクティブノイズキャンセラの巨大版というところか。
「波動エネルギーをもてあそぶ愚か者どもよ。
今という時を生きることしか知らない貴様たちにはしょせん理解できまいが・・・」
「ふふふふふ。そんな石ころのようなエネルギー弾が
このゴルバに通用するものか」という台詞はなかったですね(笑)。
ちょっぴり期待してたんですが。
ゴルバの発生する重力場に翻弄される連合艦隊。
「忌むべき星イスカンダル。
その呪われし力は我らデザリアムの手で管理されねばならぬ。
貴様たちには過ぎたる力だ。
いたずらにもてあそび宇宙そのものを破壊へと導く。
もう関わるな、立ち去れ。
貴様たちにできることはない。デザリアムの調律に全てを委ねよ」
もう余裕というか歯牙にもかけないとはこのことですな。
しかし「忌むべき星」「呪われし力」とか意味深なフレーズ。このへんもデザリアムの正体に絡むところか。
■デスラー謝罪?
「ヤマトの諸君、いささか敵の力を見誤ったようだ」
「あれで謝っているんだよ」
デスラーが自らアヤマチを認めることは珍しい。
■作戦会議
イスカンダルにいる者たちの救出優先を訴える地球側。
デスラー砲(波動砲)が通用しない相手を武力で追い払うなんてことは、ほとんど不可能になってしまったからね。
古代にスターシャの説得を要請するメルダ。しかしそれを断ってしまう。
「恩人との約束を破り、目の前で波動砲を使った者の言葉に
スターシャ女王が耳を貸すとは思えない」
「イスカンダルの理念を自分の心を裏切るよう仕向けてしまったのは自分だ」
『2199』において、波動砲の封印を約束した沖田。しかし『2202』において、それを反故にした地球政府。そして古代自身もまた波動砲の使用を受け入れた。
もともと、今回のヤマト艦隊のサレザー恒星系訪問には、波動砲解禁についてスターシャへ説明(謝罪?)することも含まれていたと思う。
芹澤あたりがそれを行うはずだったと推察するが、彼は途中で置いてきてしまったからね。この段階において地球側の最高責任者は古代なのだから、(スターシャが受け入れるかどうかは別にして)彼には説明する責任があったはずだ。
「大人になるということは、できることとできないことの区別がつくようになるということだ」昔の某アニメにあった台詞だ。
要するに ”先の見通しがつく” ようになるということなのだろうが、先が見えてしまうと、「やる前から諦めてしまう」ということも起こりうる。この場合の古代がそうだろう。
しかし「相手が受け入れないから説明に行かない」という態度は、大人(社会人)として如何なものか。説明なり謝罪なりが必要なら、まず相手のもとに赴いて素直に頭を下げるべきだよねぇ。相手がそれを受け入れるかどうかはまた別の話になる。とにかくそれを行わないことには次に進めない。
「古代 お前は何をしにここに来たのだ?
我らを救いにか? それとも逃げるためか?」
「ランハルトが未来を託したのがかくも小さい男であったとはな・・・」
デスラーが皮肉るのも無理はないとも思う。ただまあ、彼に一般的な社会人としての常識があるかどうかは疑問だが(おいおい)。
■ハイニ、臨時艦長へ
生存者リストを眺める藪。慰めるハイニ。
二号艇の指揮を執ることになるが、これが死亡フラグだった。
■グレート・エンペラー登場?
ゴルバ内で何者かに報告するメルダーズ。
「揺らぎを感じます。お前の内深く生じた揺らぎを・・・
その揺らぎこそ、デザリアム千年の夢が夢でないことの証し。
制御するのです。忌むべきものを遠ざけるのではなく身の内に取り込む。
それでこそ我らは完全になれる。
我ら光と対をなす闇・・・イスカンダルを 早く・・・」
驚きの潘恵子さんの起用です。初見のとき、心の中で「えーっ!?」て叫んでしまいましたよ。
旧作で言うところの「グレート・エンペラー(emperor)」いや、女帝なら「グレート・エンプレス(empress)」ですかね。
とはいっても敵の親玉を演じたのは、旧作の「新たなる旅立ち」では木村幌さん、「ヤマトよ永遠に」では大平透さんというように、声優さんは異なりましたからね。彼女がそのままデザリアムの支配者であるかどうかは不明。
ここでもデザリアムは「光」、イスカンダルは「闇」、しかもこの2つは「対」と表現するなど、意味深な台詞が。
■「そのように飼い慣らしたから」
パレスにたたずむスターシャとユリーシャ。
「誰かを待ってるみたい。同胞を救うためだけじゃない。
デスラーは必ず私たちを救いに来る。それが彼らの本能。
そのように飼い慣らしたから」
ユリーシャさん、キツい物言いですな。
このあたりから第7話への伏線が始まる。
■ヒルデ・シュルツさん
「関係ないでしょそんなこと! 私には父親が2人います。
ザルツ人とガミラス人、2人の父親が。生まれなんて関係ない。
愛されたから。たくさん愛されたから、それを少しでも返したくて」
『2199』で登場し、予想外の人気を獲得したヒルデさん。
世の中の単身赴任/中間管理職のお父さん方が涙した存在(笑)。
素晴らしいお嬢さんに育ったねぇ。シュルツもヒスも以て瞑すべし。
考えたら、沖田、土方、徳川、シュルツ、ドメル、ヒス、多くの者たちがみな逝ってしまった。それでも、次の世代が物語を引き継いでいく。
■暗号通信
「ガミラスの同胞たちよ 脱出の時が来た
これは時間との戦いである 以下の指示に速やかに従え
各船の損傷を再確認 機密が保てない船は放棄せよ
霧に紛れて迅速に行動せよ
恐れるな 敵の目は決して下に向くことはない」
ここで流れるBGM「ドッグ・ファイト」がたまらなくいい。
■救出作戦
瞬間物質移送機で地球・ガミラスの航空隊が出現。これは胸熱なシーンだ。
坂本「どうせならデカブツの腹ん中に運んでくれりゃいいのに」
沢村「そう便利なものじゃねえんだってよ」
これは最終話への伏線だろうなぁ。
次元潜航艇が避難船の救出を行うが、メルダーズの戦況ディズプレイにはしっかり光点が出現する。
連合艦隊の砲撃が始まる。ヤマトとデウスーラが轡を並べて主砲の斉射するのが見られるとはね・・・
「同胞たちよ くじけるな 運命に抗え
新天地ガルマン星で 我らは生きる」
前章の時にも書いたけど、旧作といちばん異なるのが避難民の存在。
彼らがイスカンダルにいることで、デスラー/ガミラス艦隊の戦いにも大義が与えられるし、こんなにドラマ的に盛り上がるんだから。
■ハイニ受難
次元潜行艦を追う謎の光が ハイニの2号艇を捕らえ、ゴルバの内部へ。
デザリアムの多脚戦車が襲来。「3199」でも雲霞のごとく大量に出てきて地球を占領するのかな?
「これが最後のノイズ・・・既に次元潜航を実現していたとはうかつだった。
しかし潜航中の艦を捉えて釣り上げる技術はまだこの時空間にはあるまい。
ここまでだ」
地球/ガミラスの科学技術体系に詳しそうな台詞。これも伏線か。
■要塞砲vs波動防壁
ゴルバの要塞砲がエネルギー反応を示す。狙いは海上の移民船団。
土門の献策を受け入れ、ヤマトは敵要塞の射線上に定位し最大出力で波動防壁を展開する。ヒュウガとデウスーラIII世も追随、3隻で移民船団の盾となるが・・・
要塞砲に対して、波動防壁が保つのかという不安がよぎるが、BGM(元祖ヤマトのテーマ)が大丈夫だと教えてくれる(笑)。実際、要塞砲を遮ることに成功する。
ネットには ”ユニコーンバリアー” なんて揶揄する声もある。私も最初は「いくらなんでも都合良すぎではないか」とも思ったのだが・・・
でも、よく考えたらゴルバの目的は海上の移民船団を一掃することで、イスカンダル星本体に損傷を与えることは極力避けるはず。
ならば、要塞砲の出力はかなり絞ってあるはずで、戦艦の主砲レベルよりは大きいだろうが、波動砲と比べたら2桁くらい小さな出力だったんじゃなかろうか。ならば波動防壁で防ぐことができてに不思議ではないかな。
もっとも、古代や土門が切羽詰まった状態でここまで予想できるとも思えないのだけど・・・こうなることを読み切っていたらそれこそスゴい。
案外、真田さんあたりは分かってたりするかも。
とはいっても、第一撃を食らった段階で「波動防壁出力23%まで低下!」
やっぱり要塞砲の威力は半端ない。しかも要塞砲の第2射が迫る。
■猊下の介入
「やめてっ!」中空に浮かぶ巨大なスターシャの姿。
「観音様みたいね」とはかみさんの弁。
うーん、「スターシャ観音」はともかく、アベルト君ならガルマン星の総統府前広場に巨大なスターシャ像とか創りそう。
「真実を伝える時が来ました。ガミラスの・・・青い血の真実を・・・。
両軍の指揮官はクリスタルパレスへ。お待ちしています」
第7話へ続く。
mojoさん、おはようございます。
「あれで謝っているんだよ」の台詞には劇場で吹きました。そしてそれを言えるのも島君しかいないのでは…とも。
真田さんは勿論気づくでしょうが、意に介さずさっさと仕事に戻るでしょう。森雪も一瞬イラッとするけど、切り替えて仕事を続けます。古代に至っては最後まで気がつかないのでは(笑)
mojoさんが仰る様に、私も今回のヤマトの旅は「お詫び行脚」だと思っていたのですが、豈図らんや。猊下の想像を絶する「罰」を楽しみにしていたのですが(笑)
終盤のバーレンが暗号を解読して臣民に呼び掛けるシーンは胸熱でした。もしかして宇宙のどこかのゲール君にも届かないかなと…(まだ言ってるw
また感想を楽しみにしております。
by めとろん (2022-04-01 07:27)
めとろんさん、こんばんは。
>「あれで謝っているんだよ」の台詞には劇場で吹きました。
>そしてそれを言えるのも島君しかいないのでは…とも。
島は古代にとって、かけがえのない相棒ですよね。
「2205」では、今ひとつ出番に恵まれなかったのが残念です。
「3199」ではもっと活躍の場があるといいな。
>古代に至っては最後まで気がつかないのでは(笑)
まあ、上に立つ者は、何から何まで気づいていたら身が持たないこともあるので、ある程度の ”鈍感力” もあっていいのかと。
100%完璧な上司というのも、それはそれで下の者は疲れますので(実感www)。
>猊下の想像を絶する「罰」を楽しみにしていたのですが(笑)
デザリアムの侵攻がなければ、スターシャはどんな反応を示していたか、気にはなりますよね。
テレザートの存在を知っていたなら、当然ながらガトランティスという、いささか常軌を逸した ”侵略者” の存在も知っていたでしょうから。
それに対抗するための波動砲解禁ならば、緊急避難的に認めたような気もしますけど、もうそれは永久に知ることはできませんよね・・・
>暗号を解読して臣民に呼び掛けるシーンは胸熱でした。
>もしかして宇宙のどこかのゲール君にも届かないかなと…
このシーンはBGMも相まって、感動的でしたね。
ゲール君はどうしているのでしょうか・・・
ありがとうございました。
また、よろしくお願いします。
by mojo (2022-04-02 02:15)