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ネメシスII [読書・ミステリ]

ネメシス2 (講談社タイガ)

ネメシス2 (講談社タイガ)

  • 作者: 藤石 波矢
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/03/12
  • メディア: 文庫

評価:★★★

TVドラマ「ネメシス」をベースにした小説シリーズ、第2巻。

横浜にある探偵事務所ネメシスを舞台に
社長の栗田一秋、新人探偵の風間尚希、
そして助手の美神アンナの3人が事件に立ち向かう。

探偵役を務めるのは、天才的なひらめきをもつアンナ。
ポンコツな風間を陰からフォローして事件解決へ導く役回り。

「第一話 HIPHOPは涙の後に」

TVドラマ第2話がベース。

ネメシスに14歳の中学生・神谷節子がやってくる。
17歳の兄・樹が1週間前から行方不明になっているという。
兄妹は児童養護施設「あかぼし」で暮らしていた。

樹が以前にアルバイトをしていたライブハウスのスタッフから、
振り込め詐欺に関わっているという噂の西園寺という男と
樹が親しくしていたという話を聞く。

”道具屋” と呼ばれる男・星から聞いた情報をもとに、
風間たちは振り込め詐欺に加担した樹を発見するが、逃げられてしまう。

後を追い、樹が逃げ込んだアパートの一室に踏み込んだとき、
室内には西園寺の刺殺死体と、ナイフを手にした樹の姿が。
自分が殺したと主張する樹だったが・・・

ミステリとしてはきっちり解決。
この話は映像で見てみたかったかな。

「第二話 道具屋・星憲章の予定外の一日」

こちらは作者のオリジナルだろう。

探偵事務所ネメシスは、事件のたびに ”所外の人材” に
協力を仰ぐことがあり、彼ら彼女らは準レギュラーになってるみたいだ。

その一人が、本書の第一話にも登場した道具屋・星憲章。
ミニシアター地下の隠し部屋に住み、依頼されたものは何でも作る。

ある日、星は隠し部屋の入り口で出会った男・山田と
「1時間半だけ」と時間を区切って依頼を受ける。

山田は振り込め詐欺グループ(第一話で壊滅させられた)の元構成員で、
リーダーが溜め込んでいた金を横取りしようとしていた。

首尾良く金は手に入れたが、グループの他のメンバーから追っ手がかかり
星は山田とともに逃げ回ることになったが・・・

人と必要以上に関わらず、非情にも見えるクールな星と
胡散臭さ100%全開のチンピラ山田の即席バディだが、
意外なまでに感動的な幕切れを迎える。
いやあ、上手い。


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アンデッドガール・マーダーファルス2 [読書・ミステリ]

アンデッドガール・マーダーファルス 2 (講談社タイガ)

アンデッドガール・マーダーファルス 2 (講談社タイガ)

  • 作者: 青崎 有吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/10/19
  • メディア: 文庫

評価:★★★★

吸血鬼、人造人間、人狼などの怪物や日本の妖怪たちが
公然と(一部は世間から隠れて)跋扈している。それに加えて、
多くの名探偵たちや怪盗、犯罪者たちも実在しているという、
古今東西のホラー&ミステリのテーマパーク(笑)みたいな
パラレルワールドが舞台となっている。

時は19世紀末。
産業革命から100年、科学文明を得た人類は次第に勢力範囲を拡大し
ヨーロッパ各地に潜む怪物たちを排除しつつあったが、
それでも ”人外の存在” が関わる事件は起こっていた。

そんな ”怪物事件” を専門に請け負う探偵・輪堂鴉夜(りんどう・あや)、
彼女の助手兼下僕の真打津軽(しんうち・つがる)、
そして鴉夜に仕えるメイドの馳井静句(はせい・しずく)の
3人組が、異形の怪物や犯罪者に立ち向かうシリーズ、第2作。

「80日間世界一周」という ”偉業” を成し遂げ、
大富豪となったイギリス貴族フィリアス・フォッグは、
ロンドンの大豪邸に世界中から集めた ”お宝” を展示する
博物館を設置した。

その彼のもとに予告状が舞い込む。差出人はアルセーヌ・ルパン。
フォッグの所有する宝石〈最後から二番目の夜〉を頂戴に上がるという。

フォッグが博物館の警備を依頼したのは、
世界一の名探偵シャーロック・ホームズ。
そしてロンドン警視庁からはレストレード、
パリ市警からはガニマール警部がやってくる。
警官隊が周囲を固める中、輪堂鴉夜たちの一行もそこに加わる。

しかし今回、事件に関わるのは彼らだけではない。

宝石盗難を防ごうと、保険機構〈ロイズ〉の諮問警備部から
2名のエージェント、レイノルドとファティマがやってくる。

そして、鴉夜たちが行方を追っている ”教授” と名乗る謎のグループも
「怪物軍団」を率いて宝石強奪戦に参入してくる。

今回はミステリ要素は希薄。その代わり、
全編を通じてアクションシーンの連続だ。

異形の怪物が跳梁するシリーズではあるが、
人間の中にも桁外れの戦闘能力を持つ者がいる。
というか、登場人物で ”普通の人間” を探す方が難しいだろう。

ホームズもルパンも超常の格闘能力を示すのはまあ分かるが
ワトソンもなかなかの活躍をするし、ルパンの相棒として登場するのは、
あの ”オペラ座の怪人”・ファントムだ。
まさに英仏のオールスター集結といったところ。

ロイズからのエージェントに至っては、
人間としての極限に近い ”超絶殺人技” を持つ上に、
「怪物」と名のつくものの一掃を目指しているので、
もちろん鴉夜たちも ”粛正対象” だ。

そして ”教授”(このシリーズを読む人なら正体は見当がつくだろう)が
率いるのは吸血鬼カーミラ、人造人間(前作で登場)などの怪物たち。

ホームズ vs ルパン vs ロイズ vs 教授 vs 鴉夜たち という
三つ巴どころではない五つ巴くらいの大乱戦が展開される。

とにかく出てくるキャラの数が多い上に、みな濃い人(笑)ばかり。
作者はさぞかし大変だったろうと思うが、きっちり交通整理をして
彼ら彼女らそれぞれに ”見せ場” を作ってみせるのは流石だ。

津軽の超人ぶりは前作でも描かれたが、今作では静句さんも大活躍。
表紙に描かれた武器を駆っての吸血美女カーミラとの一騎打ちは
本書の読みどころの一つだろう。

〈最後から二番目の夜〉争奪戦は本巻で決着がつくが、
この宝石が狙われた理由が次巻につながる。
いやはやこのシリーズ、どこまで行ってしまうのだろう。


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ゴーストハント1 旧校舎怪談 [読書・その他]

ゴーストハント1 旧校舎怪談 (角川文庫)

ゴーストハント1 旧校舎怪談 (角川文庫)

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/06/12
  • メディア: 文庫

評価:★★★☆

”ミステリ&ホラー” と銘打った全7巻シリーズの第1巻。

語り手は、女子高生・谷山麻衣(まい)。
小中高一貫校の高等部に外部から入学してきた麻衣は
同級生から ”旧校舎” の噂を聞く。

それは学校に敷地の一角にある、半ば壊れかかった木造校舎のこと。
そこを取り壊そうとするたびに、なぜかトラブルが起こっていた。

解体中に2階部分が崩壊して1階にいた作業員が死亡したり、
工事用のトラックが暴走して生徒が死傷したり。

そもそも、かつて校舎として使われていた時代から
怪奇な噂が絶えない場所だったという。

校長は、心霊現象の調査研究を行っている
SPR(渋谷サイキックリサーチ)に旧校舎の調査を依頼する。

麻衣は、あるトラブルからSPRの機材(テレビカメラ)を破損し、
スタッフの一人に怪我を負わせてしまう。

SPR所長の渋谷は、賠償させる代わりに
麻衣に臨時の助手として働くことを命じる。

麻衣は、図らずも怪異現象の現場に立ち会うことになってしまう・・・

私は基本的にホラーは守備範囲外、というか苦手なんだが
このシリーズは大丈夫だったよ。

確かにホラーな描写は気味が悪くて、読み進めるのが
躊躇われる部分もあるけれど、全体的にみてそういう場面は少ない。

ページをめくらせる原動力のほとんどは、登場人物のキャラ設定だ。

SPR所長に収まっている渋谷は17歳の美少年だが、
学校に通っている様子もなく、高価な機材を多数持っているので
かなりの財力もありそうだ(後援者がいるのかも知れない)。

「一也(かずや)」という名前があるにも関わらず
あまりにも傲岸不遜な自信家、そしてナルシストぶりから
麻衣は彼を「ナル」と呼び始める。

 話が進むうちに、他のキャラもみな彼のことを
 「ナル」と呼び始めるのも面白い。

さらに校長は、SPRだけでは不安なのか、
”怪奇現象の専門家” を複数呼んでいた

化粧がケバいお姉さんだが、本業は巫女という松崎綾子。

麻衣からは ”ぼーさん” と呼ばれる滝川法生(ほうしょう)は、
バンドを組んでベースを弾いているが、
実は高野山から降りてきたロン毛の僧侶。

そして物語が進むにつれて、
怪奇現象に立ち向かう人物がさらに増えていく。

金髪美少年のエクソシスト兼神父のジョン・ブラウン。
日本語は達者だが、なぜかアヤシげな関西弁で喋る。

和服姿で日本人形のような美少女霊媒師・原真砂子(まさこ)。

なんとも賑やかなメンバーだが、彼らは決して一枚岩ではなく
顔を合わせれば憎まれ口をたたき合う。

さて、主役の麻衣さんだが、彼女も ”単体” でみれば
好奇心いっぱいで、かつ元気に満ちあふれた威勢のいいお嬢さん。
通常なら充分 ”濃いキャラ” で通ると思うのだが
如何せん、周囲があまりにもエキセントリックすぎて、
かえって ”普通” に見えてしまう。

彼女自身には霊能力などはないし、お祓いなどの特殊技能も
持っていないのだけど、それだけに ”一般人の感覚の持ち主” として
物語全体を見通して語るには、いちばん適しているのだろう。

それに、こういう ”濃いキャラ” に囲まれていても、
押し負けない逞しさも持ち合わせている。

麻衣を含めて、こういうキャラ同士の掛け合いが
このシリーズの面白さなのだろうと思う。

巻末の解説によると、本シリーズの初出は1989~92年。
それが大幅にリライトされたのが2010~11年。
そしてその文庫化が2020~21年、ということだ。

作中に携帯電話が出てこないのは、初出時の時代背景を
リライト時にもそのまま踏襲しているのだろう。

ホラーであるから、ミステリのように
全てが理詰めで解決されるわけではないが、
上にも書いたように、それを補ってあまりあるくらい
面白いとは思うので、続巻も読む予定。

さて、読み終わってみていちばん疑問だったのは麻衣さん自身のこと。
家庭環境とか家族構成とかは作中に一切出てこない。
娘がこんな ”危ないアルバイト” に駆り出されているのに、家族からの
リアクションが何もない(どうなってるのか知らないのだろうが)。

ストーリー展開上、不要なので描写していないのか。
それとも次巻以降の伏線になっているのか。
はて。


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ネメシスI [読書・ミステリ]

ネメシス1 (講談社タイガ)

ネメシス1 (講談社タイガ)

  • 作者: 今村昌弘
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/03/12

評価:★★★

「ネメシス」とは、広瀬すず・櫻井翔主演で2021年4月から6月にかけて
放送されたTVドラマで、本書はそれをベースにした小説。
ノベライズとも言い切れないみたいで、そのへんは後で書く。

「I」とあるように続巻があり、全6巻構成。
ちなみにドラマは観てない。
じゃあ何で買ったのかというと執筆陣が豪華だから。

本書が今村昌宏、最終巻は青崎有吾。
途中の巻も藤石波矢、周木律、降田天とミステリ作家さんをそろえてる。

そしてこれらの作家さんは、ドラマ各話の脚本協力(トリック監修)を
行い、それをふまえて小説版を書いているらしい。
小説のドラマ化というのは往々にしてあるけれど、
脚本段階からミステリ作家が関わるというのは珍しい試みだろう。

舞台は横浜。探偵事務所ネメシスを経営する
ベテラン探偵・栗田一秋(江口洋介)は第一線を退き、
メイン探偵の座を新人の風間尚希(櫻井翔)に譲って
自分は「社長」に収まった。

美神(みかみ)アンナ(広瀬すず)は18歳。
インドからの帰国子女で、父が失踪したため、
父の親友だった栗田を頼って来日、ネメシスで風間の助手を務めている。

基本はコメディ。風間は事件の謎にきりきり舞いする完全な三枚目で
アンナも突然突拍子もないことを仕出かすような不思議ちゃん。
栗田は渋い中年という役どころなんだが、ところどころ抜けてる。
そんな3人組が遭遇する事件を描いていく。

本作で探偵役を務めるのはアンナ。天才的なひらめきで真相を見抜き、
ポンコツ探偵な風間を陰からフォローして事件解決へ導く役回りだ。

「第一話 天才探偵、現る!」

ベースはドラマ版の第1話。

ネメシスを訪れたのは女医・上原黄以子(きいこ)。
彼女が専属医を務める資産家・澁澤火鬼壱(しぶさわ・ほきいち)のもとへ
「誕生日パーティーを中止せよ」という脅迫状が届いたという。

風間とアンナが赴いた澁澤の豪邸では予定通りパーティーが開かれ、
彼の寵愛を競う ”恋人たち” が集まっていた。

読者モデル出身のルビー赤井、演歌歌手の森みどり、
ピアニストの青海唯衣(あおみ・ゆい)、
銀座でクラブを経営する村崎由香里、
占い師の黒檀(こくたん)エイラ、地下アイドルの桜田桃。

招待客はみな澁澤邸に宿泊するが、翌朝に火鬼壱の死体が発見される。
死因は撲殺で、遺体の傍らにはやたら文字数の多い
ダイイングメッセージが残されていた。ついでに絵まで書いてある(笑)。

遺言書の隠し場所を示す暗号とか、ミステリ的な仕掛けも多く
もちろん屋敷の見取り図も示される(笑)。
コメディではあっても、謎解きはしっかり。
さすがは鮎川哲也賞受賞作家さん。

「第二話 美女と爆弾と遊園地」

巨大遊園地シーユートピアを訪れた風間とアンナ。

園内の売店で四葉朋美という同世代の少女と知り合ったアンナは
彼女と一緒に園内を回ることに。

一方、風間は知り合いの刑事に出会う。なんと着ぐるみに入ってる。
彼らは世間を騒がす連続爆弾魔・”ボマー” の潜伏捜査中だったのだ。

今日の朝、遊園地の経営者・前園へ脅迫電話がかかってきた。
電話の声は ”ボマー” を名乗り、三億円の現金を用意せよ、
さもないと園内に仕掛けた爆弾を爆発させる、と告げた。
そして身代金の引き渡し方法として ”ボマー” が指定したのは
何とも奇想天外な方法だった。

風間から携帯電話で連絡を受けたアンナは、
爆弾から一般客を守るため、朋美とともに園内を奔走するが・・・

”ボマー” の居場所を見つけだして解決、ではなくさらにもうひと捻り。

ドラマ版の第3話がベースみたいだが、wikiでの記述をみると
ストーリー展開はかなり異なるみたい。

ここで登場し、アンナの親友となる四葉朋美(橋本環奈)は、
これ以後は準レギュラーになって、
ドラマ版終盤のストーリーにも絡む重要キャラになるらしい。


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アンデッドガール・マーダーファルス1 [読書・ミステリ]

アンデッドガール・マーダーファルス 1 (講談社タイガ)

アンデッドガール・マーダーファルス 1 (講談社タイガ)

  • 作者: 青崎有吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/12/17

評価:★★★★

本書で描かれる時代は19世紀末、1898年のこと。
しかし、私たちの世界が辿った19世紀ではない。

吸血鬼、人造人間、人狼などの怪物が公然と
(一部は世間から隠れているが)跋扈している。
そして、西洋の怪物たちだけでなく、日本の妖怪のような
東洋の ”人外” たちもまた人間たちの間に根を下ろしている。

さらに加えて、多くの名探偵たちや怪盗、犯罪者たちも実在している。
つまり、我々の世界ではフィクションの中にだけ存在していた
それらのものを、まとめて放り込んだような世界が舞台となっている。

 作者の(たぶん)好きなものを集めた ”ごった煮” のような世界だけど
 不思議と調和がとれているような気もする。
 そう思わせるだけの筆力が備わっているのだろう。
 作者の ”抽斗の多さ” には驚かされる。

産業革命から100年、科学文明を得た人類は次第に勢力範囲を拡大し
ヨーロッパ各地に潜む怪物たちを排除しつつあったが、
それでも ”人外の存在” が関わる事件は起こっていた。

そんな ”怪物事件” を専門に請け負う探偵・輪堂鴉夜(りんどう・あや)、
彼女の助手(下僕?)の真打津軽(しんうち・つがる)、
そして鴉夜に仕えるメイド(!)の馳井静句(はせい・しずく)の
3人組が本シリーズの主役を務める。

「序章 鬼殺し」では、鴉夜と津軽の出会いが描かれる。

「第一章 吸血鬼」
舞台はフランス。吸血鬼ゴダール卿は人間との共存を目指す
「人類共和派」で、スイス国境近くの街で隠棲していた。
しかし彼の妻ハンナが殺害される。彼女もまた吸血鬼であり、
驚異的な再生能力を持つが故に通常の凶器では殺すことができない。
遺体の状況から、凶器は ”銀の杭” かと思われたが、
吸血鬼は銀に触ることができない(ひどい火傷を負ってしまう)・・・
いわゆる特殊状況ミステリなのだけど、作中で吸血鬼の特性が
十分に説明されていて、それに則って解決される。
途中で「そうか!」って見当がつく人もいるだろうが
同時に「なるほど!」って思うだろう。
流石は「平成のエラリー・クイーン」である。

「第二章 人造人間」
舞台はベルギー。天才と呼ばれたボリス・クライブ博士は
入手した「フランケンシュタイン博士の手記」をもとに
人造人間の研究を進めていた。
しかし、研究の完成を目前に、博士は殺害されてしまう。
遺体の首は切断され、密室状態の現場から持ち去られていた・・・
ミステリ的なオチは見当がついてしまうかも知れないが
そこはメインではないのだろう。終盤になって
鴉夜と津軽の ”ある関わり” が明かされるところが胆(きも)か。

このシリーズの魅力は3つだろう。

まずは本格ミステリ要素。
「第一章 吸血鬼」のように、作中に示される手がかり、
与えられた情報をもとに、理論的に推論して真相に辿り着く。
これは作者がもともと本格ミステリ作家だからね。

2つめは、アクションシーン。
怪物相手だから、場合によっては格闘戦に移行する場合もある。
頭脳労働担当の鴉夜に対し、肉体労働担当は津軽。
人外の血を引く津軽は、常人を遥かに超える戦闘能力を有し、
怪物たちとも互角以上に渡り合ってみせる。
読んでいて感じたのは、菊地秀行の伝奇アクション小説。
「魔界都市 新宿」(おお、懐かしい)のような
”超人vs怪物” の戦闘シーンが展開する。

 実はもうこのシリーズ、3作目まで読了済なんだが、
 次巻以降では戦闘シーンも大増量。
 本作では披露されなかったけど、静句さん(彼女は人間、たぶん)もまた
 ただのメイドさんではない。そのあたりは次巻のお楽しみ。

3つめは、台詞回しの面白さ。
本書には異形の怪物たちが登場し、鴉夜や津軽の正体を含め、
全体的にホラーな設定で統一されているのだけど
それを上手く中和しているのが、鴉夜と津軽(+ときどき静句)の
間で交わされる軽妙な会話。これが抜群に楽しい。
落語好きな津軽の軽口を、鴉夜がピシッと切って捨てるあたり
よくできた漫才を見ているようだ。
静句さんもまた、津軽に対しては容赦ない毒舌の嵐。
それでもくじけない津軽もいいキャラだ。
会話劇の楽しさは、裏染天馬シリーズにもあったけど、
このシリーズではそれが全開になっている

「アンデッドガール・マーダーファルス」
直訳すると「不死の少女の殺人笑劇」。
読み終わって改めてこのタイトルを見ると、
見事に内容を表しているなあと感心してしまった。


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鏡館の殺人 [読書・ミステリ]

鏡館の殺人 (新潮文庫nex)

鏡館の殺人 (新潮文庫nex)

  • 作者: 月原 渉
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/07/29
  • メディア: 文庫

評価:★★★

ロシアの血を引く(と覚しき)クールビューティなメイド・シズカさんが
活躍する『使用人探偵シズカ』シリーズ、第4作。

海運業で財を築いた黒澤松太郎。しかし男子に恵まれなかったことから
多くの妾を囲うが、皮肉にも生まれたのは女子ばかりだった。

松太郎は鎌倉の一画に屋敷を構えた。
新館・旧館それぞれに多数の鏡が配置された ”鏡館” には
妾腹の娘たちが集められて暮らしていた。

彼の眼鏡にかなった娘は政略結婚の道具として扱われ、
意に染まない娘は身一つで放逐されてしまう。
昨年も館を追われた娘が一人、絶望のあまり自殺していた。

語り手は、松太郎の妾腹の娘の一人、澄香(すみか)。
異母姉妹である真昼(まひる)、久樂々(くらら)、
佐和子、瑠璃(るり)とともに館で暮らしている。

館には年に一度、松太郎が訪れる。娘たちの成長を見定めるためだ。
そしてその夜、松太郎の刺殺死体が発見される。

現場は、旧館の衣装部屋。
壁の一面が鏡になっており、”鏡の間” と呼ばれていた。
遺体はその鏡の前にあったが、部屋の中央の血だまりから
鏡に向かって引きずられたような血の跡が。
まるで、鏡に引きずり込まれそうになったように・・・

毎度のことながら、舞台や人物のぶっ飛んだ設定には驚かされる。

強烈なキャラを示す娘たちの中にあって、
ヒロイン・澄香の性格は穏やかそうに見えるが
その彼女にもかつて ”桐花” という双子の姉がいて
既に亡くなっているはずの姉の幻影を、しばしば鏡の中に見る・・・
というなんともホラーな設定。

ミステリで双子、とくれば海外の某有名作品を連想する人も多いと思う。
作中にも、それを思わせるような描写が散見するが
読者が ”そういう連想” をするところまで作者の計算のうちだろう。

殺人以外にも、殺人を予告するような手鏡や、
館内に多数配置された鏡の謎など、ミステリ的な仕掛けが多数。

異常な男によって異常な館に集められた娘たち。
当然ながら、姉妹の間でも激しい愛憎の物語が生じる。

そんな中で起こる殺人事件だが、真の被害者は
”籠の鳥” という立場を強いられた娘たちだろう。

シズカさんによって真相が指摘された後、
「終章」では生き残った娘さんたちの ”その後” が示唆されるが
そこに一片の救いを描くことで、読者もまた救われている。

読み終わった後でじっくり考えてみると、
今ひとつ納得できない部分もありそうに思うが
読んでいる間は全く気にならなかった。
そのあたりは作者の上手さだろう。


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殺意の構図 探偵の依頼人 [読書・ミステリ]

殺意の構図 探偵の依頼人 (光文社文庫)

殺意の構図 探偵の依頼人 (光文社文庫)

  • 作者: 章子, 深木
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/09/08
  • メディア: 文庫

評価:★★★☆

元刑事の私立探偵・榊原聡の登場するシリーズの3作目。

本書は「鬼畜の家」「更衣月家の一族」と続いてきた
榊原シリーズの「三部作の完結編」という位置づけらしい。

ストーリー的には独立しているので、本書から読んでも全く問題ないけど
前2作を読んでおいた方が榊原という人間の背景をよく理解できて、
より興味深く読める、かな。

東京都三鷹市で資産家・峰岸巌雄の住宅が全焼、
焼け跡から本人の焼死体が発見された。

放火殺人の犯人として逮捕されたのは巌雄の娘婿・峰岸諒一。
義父の財産目当てと思われたが、諒一はかたくなに無罪を主張する。

しかし諒一が拘置されてから8か月後、彼の妻・朱実が
巌雄の所有する別荘で死亡してしまう。
状況は不可解だったが、警察は事故死と判定する。

そして妻の死を知った諒一は、
「実は自分にはアリバイがあったのだ」と言い出す。

放火事件のあった夜、神奈川県湯河原町のホテルに
愛人とともに宿泊していたというのだ。

同伴した女性の名は頑として口をつぐむ諒一だったが、
警察の捜査によってホテルでのアリバイは確認され、
諒一は晴れて無罪判決を勝ち取ることになる。

しかし釈放されて2週間後、
妻が事故死した別荘で諒一の死体が見つかる・・・

探偵・榊原は、事件の関係者(誰であるかは最後に明らかになる)から
依頼を受けて調査を始める。

事件自体はかなり単純なように思えるが、それは氷山の一角。
登場人物は多くないけれど、複雑な家族関係をもち、
みな一筋縄ではいかない者ばかり。
彼ら彼女らが心に秘めた想いが、事件をより複雑化させていく。

文庫で約370ページほどなのだけど、
榊原による ”謎解き” がはじまるのは270ページあたりから。
つまり解決編が100ページもある。
それくらい、”濃密な真相” が待っているのだ。

小さな矛盾を丹念に拾い集めて、ジグソーパズルのピースを
少しづつ埋めていくような榊原の推理が読みどころ。

新しいピースが提出されるたびに事件の様相も二転三転、
ひっくり返るたびに驚かされる。
最終的に提示される真相は、実に哀しい。

依頼人にとっても、榊原にとっても。


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小説 シドニアの騎士 きっとありふれた恋 [アニメーション]

シドニアの騎士 きっとありふれた恋

シドニアの騎士 きっとありふれた恋

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/04/30

未知の生命体・ガウナに地球を破壊され、かろうじて生き残った人類は
巨大な播種宇宙船「シドニア」を建造して太陽系を脱出、
内部で世代交代を重ねながら1000年あまりの旅を続けていた。

「シドニア」はガウナの襲来を撃退しつつ、レム恒星系に到達し
そこに人類が居住可能な惑星「セブン」を発見するが、
星系内にはガウナの巨大母船〈大シュガフ船〉が居座っていた。

「シドニア」は人類の生存のために〈大シュガフ船〉の排除を決定、
開戦の時が迫っていた・・・

アニメ化もされたマンガ「シドニアの騎士」の終盤では
この〈大シュガフ船〉との全面戦争がメインストーリーとなるのだが
本書はその外伝にあたり、〈大シュガフ船〉との最終決戦が近づく
「シドニア」艦内で展開されるラブ・ストーリーを描いている。

主人公は〈衛人〉(もりと:ガウナ迎撃用の人型兵器)の整備士を務める
金打(かねうち)ヨシ。人工的に産み出された ”中性” だ。

 かつて人口が激減し、滅亡しかけたことがある「シドニア」では、
 遺伝子工学が極限まで進んでいる。
 ”中性” として生まれた者は、思春期を迎えると
 相手に合わせて男女どちらかに ”分化” するようになっている。

同期にして親友の大森とともに整備の仕事に明け暮れる中、
いつか〈衛人〉の操縦士になること夢見ていたヨシだったが、
仮象訓練装置(シミュレータ)の成績は箸にも棒にもかからない。

そこで、機体制御システムに介入する拡張機能操作機を自作し、
密かに仮象訓練装置に組み込んでみるが、それでも
成績は〈衛人〉操縦士になれるレベルには遠く及ばなかった。

 ヨシの作成した ”拡張機能操作” とは、
 リミッターを解除して機体性能を極限まで高める、というもの。
 その代償として耐久性が犠牲になるわけだが・・・

ヒロインは〈衛人〉操縦士候補生・仄燧(ほのか・すい)。
クローン技術によって産み出された22人の ”仄姉妹” のうちの一人。
しかしながら、操縦士へと最適化された遺伝子を持っていながら
仮象訓練装置の成績は姉妹中最下位と振るわない。

あるとき、燧はヨシの不正行為に気づくが、通報しない代わりに
拡張機能操作器を自分の仮象訓練装置に取り付けさせる。

その結果、訓練の成績を伸ばすことができた燧は
ヨシとの ”共犯関係” を続けていくことになる。

ヨシもまた、燧と親密さを増していくうちに
自分の中に ”新たな感情” が湧き上がってきたことを自覚していく。

やがて燧は正規操縦士へと昇格、ヨシもまた拡張機能操作機を
〈衛人〉本体に取り付けられるように改良し、”共犯関係” は続くが
〈大シュガフ船〉との最終決戦の時が迫ってくる。

二人は戦術防巡艦・水城(みづき)に搭乗し、
最前線へ向けて出撃していくことになるが・・・

”中性” の人間とクローン兵士との恋、って書いてしまうと
いかにもSFな感じだが、彼らのメンタリティは
現代の我々とほぼ同じように描かれているので、違和感なく読める。
ハードSFとしてはともかく、エンタメとしては正解だろう。

ツンデレな燧と不器用なヨシ。すんなり感情移入ができるカップルで
この二人の恋愛模様もひねりがなく、きわめてストレート。

主役である二人だが、燧は本編では名前が出てくるくらい、
ヨシに至っては名前すら出てこないキャラなので、
ストーリーの自由度は大きい。

その代わり、いつお亡くなりになってもおかしくないわけで(おいおい)、
終盤の激戦の中、私は二人の(とくにヨシの)生死を巡って
気も揉むことになってしまったよ。

ラストはかなり ”力業” な感じもするが、
本編を読んでいる人なら納得できる範囲に収まっているだろう。


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レディ・ヴィクトリア 新米メイド ローズの秘密 [読書・冒険/サスペンス]

レディ・ヴィクトリア 新米メイド ローズの秘密 (講談社タイガ)

レディ・ヴィクトリア 新米メイド ローズの秘密 (講談社タイガ)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/08/18
  • メディア: 文庫

評価:★★★

舞台は19世紀のロンドン。ヴィクトリア朝の時代。

女王陛下と同名の貴婦人・ヴィクトリアと、
型破りで個性的な使用人たちが活躍する冒険探偵譚、第2作。

メイドのミス・シレーヌはフランス人(らしい)、
執事のミスタ・ディーンはアイルランド人(らしい)、
小姓のモーリスはインド人、料理人のリュンは中国人、
キッチンメイドのベッツィはアメリカ南部生まれの黒人。

人種も国籍も様々に、しかもそれぞれ ”特殊技能” を持った
“チーム・ヴィクトリア” のメンバーが
ロンドンに起こる謎の事件に立ち向かう。

デヴォンシァの田舎町からロンドンへ出てきた13歳の少女・ローズは
ヴィクトリアのもとで新米メイドとして仕えることに。

ローズには、働き手のいない実家の家族へ仕送りすることの他に、
もう一つの目的があった。それは兄・アーサーを探すこと。

家出をして南アフリカに渡ったアーサーだったが、
彼からの消息は2年前から途絶えていた。
しかし去年、ローズの村を謎の紳士が訪れてこう告げた。
「アーサーはロンドンにいて、立派な館で従者として働いている」

帰国しているのならば、なぜ家族へ知らせが来ないのだろう?
そしてこの紳士は、アーサーとどんな関係があるのだろう?

ヴィクトリアのメイドとしてめまぐるしく働きながら、
ローズは兄の消息を追いつづける。

中国人の料理人・リュンから仕入れた情報をもとに、
ヴィクトリアのもとに出入りしている探偵・”早耳ビル” とともに
ローズはイーストエンドの阿片窟へ向かう。

 wikiによると、この時代のイーストエンド地区は貧困層と移民層が
 集まっていて、かなり治安が悪いところだったようだ。

そしてその阿片窟の入り口で出くわしたのは、
ローズの村を訪れた謎の紳士だった。

ローズから事情を聞き出したヴィクトリアたちは、
この事態へ介入していくが、意外な事実が次々と明らかになっていく。

前巻は連作ミステリといった体裁だったけど、
今作はミステリと言うよりはサスペンス。

前作では胡散臭さ全開の嫌らしい中年オヤジだった ”早耳ビル” も
ローズの前ではすっかり ”頼もしいおじさん” に
なってしまってるのがおかしい。

前作で頭脳明晰さを知らしめたミス・シレーヌは、
今作ではまた新たな ”技能” を示して、ホント有能だねぇこの人。

そして、非道に走る特権階級の人間を
”チーム・ヴィクトリア” が懲らしめるさまは、
「必殺仕事人」とまではいかないが(殺さないし)、
「ザ・ハングマン」くらいには溜飲が下がる。

 「ハングマン」といっても40代以下の人にはピンとこないでしょう。
 分からない人はググってください(おいおい)。


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「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 ーTAKE OFFー」 本予告解禁 [アニメーション]

メインビジュアルと本予告が公開されました。

公式サイトに上がっているビジュアルには
タイトルロゴしか載ってませんでしたが、ネットを探してみたら
それ以外の情報が載ってるもの(宣伝ポスター?)が見つかったので、
そちらを掲げます。
poster.png

イスカンダルとガミラスを背景に、デスラー、ヤマト、艦長服姿の古代、
銃を構える土門、そしてデウスーラIII世。

なんだか古代がやたらとカッコいいですねぇ。
描き方が松本零士風で、キャプテン・ハーロックを彷彿とさせます。

 もともとオリジナル第1作に ”ハーロック” というキャラが
 登場予定でしたよねぇ。松本零士氏によるマンガ版にも出てました。
 でも、肝心のTV放送が短縮になったので出番がなくなったとか・・・
 このビジュアルは、そのあたりを意識してるのかしら・・・?

メインビジュアルの真ん中には堂々と
「もう大人たちには期待しない。」とのフレーズが。
たぶんこれ、土門の台詞なんでしょうねぇ。

そして左上には
「あるべき未来を求め、伝説の艦に乗り込んだ若者たちが波乱を呼ぶ。
 新生ヤマト、出撃の時ーー!」

これを額面通りとると、
「ヤマトに乗り込んだ、『大人たちに期待しない』土門が波乱を起こす」
ってこと?。

思い返してみると、イスカンダルのときだって
古代は沖田に対して葛藤を覚えていたし、
テレザードに旅立ったときの古代はまさに
”大人たち” に絶望していた。

ならば今回、古代はどのように土門に接するのでしょうか。
因果は巡るというか、かつての自分を見るような目で見るのか。
そのあたりも見所、なのでしょうが、さて。

次に本予告。時間は1分ほどですが、シーンも台詞も追加され、
情報量も大幅に増えましたね。

以下に、台詞とシーンを拾っていくけど
如何せん、ここ何年か聴力が衰えてきてるみたいで
聞き取れない単語が何カ所かある(「×××」って書いてあるところ)。

 日常会話の中でも
 「ごめん、もう一回言ってくれる?」
 とか聞き返すことが増えたし、家人には
 「TVを見ているときの音量が大きすぎない?」
 って心配される始末。
 トシはとりたくないもんだねよぇ・・・トホホ。



ま、愚痴は置いといて、始めよう。
「???」とあるのは、台詞を言ってるキャラの名前が不明なもの。

デーダー「回収作業は遅滞なくタイムライン通りに。
     記録に存在しない×××は消し去ります」
・デーダーの目のアップから始まる。
 眼球とその周囲に何やら走査線みたいなものが見える。
 旧作での暗黒星団帝国は首から下が機械化されてたけど
 今度の敵は頭部もそうなってるのかな。
 まさか全身機械化されてたりして(それじゃボーグだ)。

デーダー「グレートプレアデス、前進せよ!」
・今作の中ボス?の登場ですね。

・叫ぶデスラー。
タラン「×××!、発進!」
・デスラーあるところタランあり。
 攻撃しているのはドルシーラかな。

???「何をした、デスラー!」
(肌の色からして、ボラー連邦の方でしょうか?)

・フード姿の土門くん登場。
土門「背負えるんですか? 全ての地球人の運命を」
・いきなり生意気ですねえ。若さ故か。
 もし古代に向けた発言なら、その相手は過去に3回ほど
 「地球を救った」(by森雪)人なんですけどねぇ。
・続けてヤマト新クルーたちと思われる面々。

・玉座みたいなところに偉そうに座ってるデーダー。
 (いや実際、かなり偉いんだろうけど)
デスラー「貴様、誰か?」
デーダー「我らはデザリアム」
・今度の敵勢力の呼称は『デザリアム』なんでしょうかね。
 これまで解禁になった情報にも
 「暗黒星団帝国」って単語は全く使われてないし。

・波しぶきを上げて海を進むヤマト。
 たぶん地球。”あの” 発進シーンですな。
 ここでタイトル挿入。

・閃光に目を瞠るバーガー、フラーケン、デスラー、タラン。
 その視線の先には何が?

デーダー「歴史に残らぬ弱者どもよ、消え去れ!」
 (そうですよねぇ。悪役はこれくらい見得を切ってほしいものです)
・そして謎の艦隊からの一斉攻撃。

・所属不明の戦闘機?と覚しきものが降下していくのはイスカンダル?
 攻撃されてるのはクリスタルパレスのようです。

デーダー「デザリアム、千年の夢のために」
(たぶんデーダーだと思うんだけど微妙に違って聞こえるような)
・ガミラス地表に設置された謎のメカ。ガミラシウム採掘装置?

・バーガーのアップ、そして謎の艦隊の攻撃、
 迎撃するガイベロン級多層式航宙母艦。
 「2199」のころとちょっとデザインが違う? 甲板に主砲が。
デーダー「必要なのはイスカンダルのみ」
(やっぱりイスカンダルに行っちゃうんですねぇ・・・
 まあ、行かないわけがないけど)

???「何で竜介が第一環境に?」
(新クルーの一人ですね。ちょっと誰だか見当がつきませんが)
・歯を食いしばる土門くん。何があったんでしょうか。
・主砲を撃つヤマト。
・波動防壁を張ってるのは、真田さんが指揮する戦闘空母ヒュウガ。

・デスラーのアップ
・焦土と化したガミラス地表?
デスラー「一人でも多くのガミラス人を救うのだ」
(なんだか哀しい展開になりそうだけど、
 これでデスラーは名実ともにガミラスでの復権が叶う・・・のかな?)
・敵艦隊をなぎ払うデスラー砲、そしてデウスーラIII世のアップ。

・そしてなぜかヤマトの操舵席に座る土門くん。
 この時点では島は乗ってないのかな?
 後ろのレーダー席には西条さん。
 雪は補給母艦アスカの艦長だから、当然ここにはいないわけだ。
・ヒス副総統。お久しぶり。
・山本玲の乗機は、今作ではコスモタイガーIIになる模様。
・そして謎のカプセル。見た感じでは
 イスカンダルっぽいデザインなので、中身はもしかして・・・
・スターシャとユリーシャ。美人姉妹のツーショット。
・ワープアウトするガミラス艦隊。なんかカッコいい。
・これは・・・藪?
・古代を見上げる雪。やっと映りましたね(笑)。
・古代、土門のアップ。そして海から飛び立つヤマト。
 土門の後方に、ちらっとだけど沖田のレリーフが見える。
・そして、爆発と噴煙に包まれるガミラスを見つめるスターシャ。
 これら一連のシーンのバックに流れる、古代の力強い言葉で〆。

古代「だがヤマトはただの戦艦ではない。
   人類の希望、どんなときも希望だけは失うまいと願う、
   人の意思の象徴だ!」
(イスカンダルへの旅から6年。
 こんなカッコいい台詞を言えるまでに成長したんですねぇ。
 「2202」では悩みに悩んでましたが、
 「2205」では颯爽とした指揮ぶりが見たいものです)

この本予告から推察できることは・・・

・やっぱりガミラスは滅亡してしまうみたい?
 全滅ではないにしても、ごく少数の人々がデスラーに救われる、
 ってところか?
 ヒスを初め、ガミラスの現政権の方々はみな
 枕を並べて討ち死にしてしまいそう。

・そしてイスカンダルもまたデザリアムの魔の手からは逃れられない。
 スターシャは、そしてユリーシャの運命やいかに。

うーん、このままだと旧作と同じ結末になってしまいそうで
かなり心配な気がしてきましたよ・・・


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