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ねずみ石 [読書・ミステリ]

ねずみ石 (光文社文庫)

ねずみ石 (光文社文庫)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/01/12
  • メディア: 文庫



評価:★★★

山あいの集落・神石村。
そこでは年に一度のお祭りの日に、あるイベントが行われる。
「子」の字が記された「ねずみ石」が7つ、村のあちこちに隠される。
それを見つけた子どもは、願い事を1つだけ叶えられるという。

4年前の祭りの夜、村で女子高生・三島理恵とその母親が殺害された。
その晩、小学3年生だった土井諭大(さとひろ)ことサトは
ねずみ石を探すうちに上級生とはぐれ、行方知れずになってしまう。
翌朝発見されたものの、祭りの夜の記憶を失っていた。

事件は未解決のまま継続捜査となり、いまでも時おり村に刑事が現れる。
そして今年も「ねずみ石探し」の日は近づいていた。

中学1年生となったサトは、親友のセイこと山田誠也の頼みで
神石村の "祭り調べ" にとりかかる。
しかしそれは、4年前の事件を掘り起こす作業でもあった。

祭りの準備に狩り出されながらも、村の人々の間を廻り、
セイと一緒に"祭り調べ" を続ける中、二人は
村の青年団員・玉置憲夫がアパートで死んでいるところに遭遇する。

4年前の事件で、理恵と交際していた同級生の渡内繁樹が
容疑者として浮上したが、玉置の証言によって
犯行時刻のアリバイが成立し、繁樹は容疑を免れていた。
しかし最近になって、玉置はその証言を翻していたという・・・


田舎の村とは言っても時代は現在。
ネットも携帯電話もあるので世間から孤絶したりはしていない。

とは言っても、狭いコミュニティの中で起こった事件なので
関係者はお互いに顔見知だったりする。
親兄弟・親類だったり、友人・先輩・後輩だったり。

主人公である子どもたちから見れば、
みんな近所のおじさん/おばさん/お兄さん/お姉さん。
生まれた時から知っていて、いま隣に座って
祭りの準備をしている人が殺人犯なのかも知れない。
それはなかなか恐ろしい環境だろう。

子どもが主人公ではあるが、真相はかなり苦い。
ミステリとしては良くできていると思うけど
子どもが苦しむ話はあまり好きではないなあ・・・


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