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RDG レッドデータガール 全6巻 [読書・ファンタジー]

すみません、11月読了分はまだしばらく続きます(^_^;)


RDGレッドデータガール  はじめてのお使い (角川文庫)

RDGレッドデータガール  はじめてのお使い (角川文庫)

  • 作者: 荻原 規子
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/06/23
  • メディア: 文庫




RDG2 レッドデータガール  はじめてのお化粧 (角川文庫)

RDG2 レッドデータガール  はじめてのお化粧 (角川文庫)

  • 作者: 荻原 規子
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/12/22
  • メディア: 文庫




RDG3 レッドデータガール  夏休みの過ごしかた (角川文庫)

RDG3 レッドデータガール  夏休みの過ごしかた (角川文庫)

  • 作者: 荻原 規子
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/07/25
  • メディア: 文庫




RDG4 レッドデータガール    世界遺産の少女 (角川文庫)

RDG4 レッドデータガール    世界遺産の少女 (角川文庫)

  • 作者: 荻原 規子
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/12/25
  • メディア: 文庫




RDG5 レッドデータガール  学園の一番長い日 (角川文庫)

RDG5 レッドデータガール  学園の一番長い日 (角川文庫)

  • 作者: 荻原 規子
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2013/03/23
  • メディア: 文庫




RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと (角川文庫)

RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと (角川文庫)

  • 作者: 荻原 規子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/02/25
  • メディア: 文庫



評価:★★★☆

熊野の山中にある玉倉神社。宮司の孫娘・鈴原泉水子(いずみこ)。
父の大成(だいせい)はシリコンバレーのIT企業で働く天才プログラマ、
母の紫子(ゆかりこ)は警視庁公安部に勤務している。
そのため、幼い時から神社で育てられてきた。

世間から隔離された環境に長くいたため、極度の人見知り。
中学3年生になった今も男子と口がきけない引っ込み思案。
機械類を扱うのも壊滅的(というか機械の方で勝手に壊れる)。

同級生たちとそのまま地元の高校へ進学するとばかり思っていたが
彼女の運命はある日を境に急転する。
父の友人・相良雪政が現れ、東京の鳳城学園へ入学することが
両親の意向によって決まったと告げる。
さらには雪政の息子で、幼なじみだった深行(みゆき)が
転校生としてやってくるが、敵意むき出しの態度で泉水子に接する。
その原因は、泉水子自身の出自にあるらしい・・・

2巻で泉水子は、不安を胸に鳳城学園高等部に入学する
一足先に転入していた深行に加え、
寮のルームメイト・宗田真響(まゆら)、優等生の高柳一条ら
様々な学生達が集まってきた鳳城学園で、
泉水子は様々な事件に遭遇していく・・・


途中まで、一体どんな物語になるのかよく分からなかった。
3巻目あたりからなんとなく見えるようになってきたよ(笑)。


ここから先はちょいとネタバレなことを書くので、
これから読もうという人は以後は読まないことを推奨します。


泉水子は時々、"姫神" と呼ばれる謎の存在に憑依され、
人格も一変してしまう。

その正体は、人類が滅亡してしまった未来から時を遡り、
過去へ介入している存在。泉水子に憑依することによって、
滅亡しない未来へと彼女を導こうとしているらしい。

 いわゆるひとつの「幻魔大戦」(笑)ですね。

泉水子自身が、古代より続く姫神が憑依する女性の家系であり、
彼女を取り巻く相楽深行、宗田真響、高柳一条なども
それぞれある目的を持った一族に属しており、
彼ら・彼女ら、さらには大人たちを含めて
学園を舞台に、"姫神" の絶大な力を巡る争奪戦が展開されていく。

・・・とは言っても、これはこの物語の一面でしかない。

人見知り、引っ込み思案、不器用、世間知らず。
自分一人では乗り物にも乗れない泉水子は
何事も受け身で、周囲に流されて生きてきた。
吉野の山奥にずっといれば、それで済んでいた。

 タイトルに「レッドデータガール」とあるんだが、
 たしかに、現代では絶滅危惧種並みに珍しい女の子だろう。
 あ、「レッドデータガール」には物語の中で
 ちゃんとした別の意味付けがありますので念のタメ。

彼女自身の生育環境とか、やがて明らかになってくる
"背負わされた運命" とかを考えると、仕方がない部分もあるけどね。

しかし、住み慣れた故郷を離れ、一人で生活を始める。
友人たちに助けられ、さまざまな危機を乗り越えていくうちに
泉水子は "姫神" の力と折り合いをつけつつ、
自分の人生を自らの意思で選択するようになっていく。
最初は犬猿の仲であった深行との間にも、
苦難を共に乗り越えていくうちに、心を通わせるようになっていく。

"学園伝奇ファンタジー" を舞台に、
その中で描かれる "ヒロインの成長"。
これこそが本来のメインストーリーであり、読みどころなのだろう。

最後にちょっと余計な話を。

本作品は、2013年にアニメ化されている。アニメ自体は未見なのだが、
公式サイトを見るとキャラ紹介が載っている。
これがまた実に可愛いキャラデザインで、イメージもぴったりだ。

 角川文庫版の酒井駒子さんのイラストもいい味なんだけど、
 中学3年~高校1年というヒロインの年齢に見えないのが難。

もっと言うと、声優もよさそうだ。
特に相良雪政役の福山潤と村上穂高役の石田彰がいい。
胡散臭さ100%のこの二人に対しては
もうこれ以上の配役が考えられないくらいカンペキだ(笑)。

そのうちヒマが出来たら観てみようかなあ。

もう一つ書くと、ストーリー紹介によると、
原作の5巻までの部分がアニメ化されているようだ。
なんで最終巻を映像化しなかったのか不思議に思ったんだけど、
読んでみたら何だか納得した。

言ってしまえば最終巻は、一冊まるまるエピローグみたいなもので
ストーリー上の山場は5巻で終わっているんだね。
ビジュアル的にも5巻がいちばん見栄えしそうなシーンが多いし
ここをクライマックスに持っていくのもアリなのかもしれない。

とはいっても、最終巻では泉水子の将来がそれとなく示されていたり
たぶん読者がいちばん気になるであろう、
深行との関係の決着(恋の行方?)も描かれているので、
アニメだけ観た人も、最終巻は読む価値はあると思うよ。


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