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ダチョウは軽車両に該当します [読書・ミステリ]

ダチョウは軽車両に該当します (文春文庫)

ダチョウは軽車両に該当します (文春文庫)

  • 作者: 似鳥 鶏
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2013/06/07
  • メディア: 文庫



評価:★★★

主人公・桃さんをはじめとする楓ヶ丘動物園の職員たちは
同僚の本郷さんを応援するために、彼が出場する
県民マラソン大会のコース脇までやってきた。
しかし道路上を疾風のように駆け抜けたのは
人間のランナーではなく1匹のダチョウだった!

 そういえば、昔「ロードランナー」ってアニメがあったなあ。
 あれに登場するのも鳥だったか。

早速ダチョウ捕獲のために桃さんたちは一肌脱ぐのだが
さすがは現役の動物園の職員たち。無事ダチョウの保護に成功する。

冒頭から驚きのシチュエーション。
キャラ紹介も兼ねて、ツカミはバッチリだ。

ところが捕獲シーンを撮影した動画がネットに投稿され、
美人獣医の鴇先生は一躍人気者になってしまい、
彼女はトラブルに見舞われることに。

謎の4人組に拉致されそうになったり、
桃さんと一緒にさらわれて、どこかの建物に閉じ込められて
焼き殺されそうになったりと、もうたいへん。
どうやら、相次ぐ騒ぎは鴇先生の過去に関わりがあるらしい・・・


冒頭に現れるダチョウはそもそもどこから現れたのか。
当初、桃さんたちは「個人で飼ってたのが逃げ出した」と推測する。

「いやぁ、いくら何でもそれはなかろう」って思ったんだけど
つい最近、「個人で飼ってたダチョウが逃げた」ってニュースがあった。
残念ながら逃げたダチョウは死んでしまったけど、
「ホントに飼ってる人っているんだなあ」って驚いたものだ。
あのニュースで本書を思い起こした人もいるのではないかな。


もちろん、本書に登場するダチョウくんは、
背後にいろいろ事情を抱えていて、
それが今回の事件の原因になっているんだけどね。

人間のエゴで生命を弄ばれる動物たち。
ユーモア・ミステリの衣をまとっているけれど
ラストで明かされる真相はシビアだ。


シリーズ第2弾とあって、今回は鴇先生にスポットが当たってる。
彼女が楓ヶ丘動物園に来て獣医に就任するまで、
どんな経歴でどんな場所で働いてきたのか、
どんな人たちと一緒に暮らし、過ごしてきたのか。
いやあ、彼女ほどの人でも、女性というだけでたいへんなんだね。

レギュラーメンバーもお馴染みになってきた。
オタク飼育員の服部君も相変わらずヘンタイだし(笑)、
アイドル飼育員の七森さんも相変わらずカワイイし。
桃さんも、二人の女性に囲まれてどうなるのだろう・・・

2作目にて既に安定感ばっちりなシリーズ。次巻も楽しみにしてる。
次作「迷いアルパカ拾いました」も手元にあるので近々読む予定。


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