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書き下ろし日本SFコレクション NOVA+ バベル [読書・SF]

NOVA+ バベル: 書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

NOVA+ バベル: 書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2014/10/07
  • メディア: 文庫



評価:★★☆

2013年7月に「NOVA10」が発刊され、全10巻をもって
一応の完結となった「NOVA」シリーズ。

新作短編SFのみでアンソロジーを組むという珍しいスタイル。
ひと頃、雑誌等に発表される短編SFが激減した時代があって
(いわゆる「SF冬の時代」というやつ?)
そのために新作短編発表の場を用意するために
発刊されたシリーズだったと記憶している。

現在は「冬の時代」は過ぎ「雪解け」くらいにはなってきたのかな?

さて、シリーズ終了から1年ちょっとで新シリーズの立ち上げとなった。
今回は、参加している作家さんが全員、日本SF大賞or特別賞の受賞者、
またはその候補だったという人ばかり。
そういう意味では"豪華"な顔ぶれ。

ただ、それと私の好みが合うかは別問題なんだなあ。


「戦闘員」宮部みゆき
 現代社会でやたらと増えてきた監視カメラ。
 そのレンズの向こう側に潜む "何か" に気づいたのは
 御年80歳を超えた主人公・藤川。
 しかしながら、年はとっても気力充実。
 超高齢化社会ならではのヒーローの誕生か。
 これ続編が読みたいなあ。

「機龍警察 化生」月村了衛
 近未来の警察に、人型近接戦闘兵器「機甲兵装」(通称 "龍機兵")
 が導入された世界。龍騎兵とテロリストとの攻防を描いたのが
 本編たる長編シリーズなんだけど、本作はそのスピンオフ短編。
 なので、派手な戦闘シーンはなし。
 その代わり、主役メカたる "龍騎兵" が凡百の機甲兵装を
 上回る高性能を示す、その秘密の一端が明かされる。

「ノー・パラドクス」藤井太洋
 人類が時間を超える技術を手に入れて200年。
 タイム・トラベルはありふれたものとなり、
 時間旅行専門の代理店まである。
 当然、タイム・パラドクスの発生も日常茶飯事になっているという
 なんだかスゴい話。あんまりスゴすぎて、
 途中から訳が分からなくなりました(笑)。ゴメンナサイ。

「スペース珊瑚礁」宮内悠介
 宇宙だろうと深海だろうと、核融合炉の中だろうと
 零下190度の惑星だろうと、さらにはサイバー空間の
 バーチャルな世界だろうと、借金があれば取り立てに行くという
 <スペース金融道>シリーズ。その第4弾。
 主人公の体内細胞のミトコンドリアが主に対して反乱を起こし
 (どこかで聞いた話だなあ)勝手に借金をこさえていた・・・
 毎度お馴染みのドタバタ喜劇が展開する。

「第五の地平」野崎まど
 主人公はモンゴルの覇者、チンギス・ハーン。
 彼は地球を征服したのち宇宙へ進出(おい)、
 宇宙で育つ植物を生み出して太陽系内に播種(おいおい)、
 直径7天文単位に及ぶ "草原" を支配していた(おいおいおい)。
 ここまで壮大なホラ話も珍しい(褒めてます)。

「奏(かな)で手のヌフレツン」酉島伝法
 すみません、最初の3ページで挫けました。

「バベル」長谷敏司
 文庫で約120ページ。80ページまで頑張ったんですけど
 どうしても作品世界に入れませんでした。スミマセン。

「φ(ファイ)」円城塔
 文庫で21ページしかない作品なんだけど、
 最初の12行までしか理解できませんでした。
 もう許して・・・


巻末の3編は、もう私の手に負えません。

私のオツムが日本SFの進化に追いついていけないことが、
よ~く分かりました。


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