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花酔いロジック 坂月蝶子の謎と酔理 [読書・ミステリ]

これでやっと11月分が終了(笑)。
とはいえ12月分もまだまだたくさん残ってる(^_^;)


花酔いロジック  坂月蝶子の謎と酔理 (角川文庫)

花酔いロジック  坂月蝶子の謎と酔理 (角川文庫)

  • 作者: 森 晶麿
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/05/23
  • メディア: 文庫



評価:★★★

思い返すに、酔っ払って周囲の顰蹙を買ったことは
枚挙にいとまがない。
主に大学生から30歳くらいまでのことだが。

電車を乗り過ごすことも何回もあったし
記憶をなくすことは日常茶飯事だった。
隣に座ってた女性に抱きついたこともあるらしいのだが
なにせ記憶がないので反論のしようがない(おいおい)。
一晩で日本酒を一升近く開けて、死にかけたこともある(おい!)。

もっとも私の親父は、一晩でウイスキーのボトル一本あけるのも
平気だったらしいが、不肖の息子の私はそこまで強くはない(笑)。

さすがに嫁さんをもらってからは落ち着いて
そうそう正体をなくすことはなくなったし、
最近はトシのせいか350mL缶ビールを2本くらいで
充分に酔っ払えるようになった。きわめて低燃費だ(笑)。

本書では、大酒飲みの大学生が大挙して登場して
思いっきり乱痴気騒ぎを繰り広げているんだが
自分の若い頃を見てるようで懐かしいやら恥ずかしいやら。

閑話休題。


10年前に子役として活躍しながら、成長と共に仕事が激減。
すっぱり芸能界を引退し、一般人として生きてきた坂月蝶子。

一浪してまで名門・戸山大学への入学にこだわったのは
由緒ある推理研究会へ入るため。
しかし神酒島(みきしま)先輩との出会いをきっかけに
推研ならぬスイ研(酔理研究会)へ入る羽目になってしまう。
ただひたすら酒を飲み続けるという
とんでもないサークルに放り込まれた蝶子が出会う、
さまざまな謎やら事件やらを描いた5編を収める。

舞台になる戸山大学は、作者の母校・早稲田大学がモデルだろう。
宿命のライバル・恵塾大学(慶應大学がモデル?)との間で、
早慶戦ならぬ "戸恵戦" が行われているくらいだし。


「花酔いロジック」
 美人の歴女・エリカとともに新歓コンパに参加した蝶子。
 しかしほとんど酒を飲んでいないはずのエリカが
 突如酒乱状態に陥って大暴れ、さらには失踪してしまう・・・
 第一話なので、登場人物紹介を兼ねてるんだろうけど
 キャラにまだなじみがない上に時系列が前後するので
 一読しただけではよく分からなかった。私のアタマが悪いのか?

「球酔いロジック」
 スイ研メンバーの内野は、青森への里帰りの車中で
 法学部の弥生という女生徒と知り合い、意気投合する。
 すっかり彼女に恋してしまった内野は、
 一緒に戸恵戦(大学対抗野球)を見に行こうと提案する。
 しかしなぜか弥生は、頑なにそれを拒むのだった・・・

「浜酔いロジック」
 熱海へ夏合宿へとやってきたスイ研メンバー。
 しかし合宿場所の民宿に現れたのは女優の海桃ミウだった。
 なんとミウはスイ研のOGで、かつて神酒島とつき合っていたらしい。
 さらには「ミウの恋人」と名乗る老舗旅館のオーナーまで現れる。

「月酔いロジック」
 戸山大学学園祭である<名月祭>。
 <酒博士バー>なるボーイズバーを出店予定のスイ研と、
 アルコールを制限したい実行部との間にバトルが勃発する。
 一方、神酒島先輩は、女性と一緒にどこかへ出かけているらしい。
 さらに学園祭広報部から<名月祭>のチラシ3万枚が盗まれる。

「雪酔いロジック」
  父親のたっての願いで、冬合宿をキャンセルして帰郷した蝶子。
 実家が経営する酒蔵の樽を福井の同業者の元へ運ぶことになるが、
 それは父親が密かに仕組んだ "縁談" だった。
 しかも、到着した酒蔵のとなりにある旅館では、
 まさにスイ研が冬合宿をしていた・・・


神酒島がホームズ役、蝶子がワトソン役となって進行する
"日常の謎" 系なのだけど、ミステリっぽさは希薄。
酒を巡って大学生たちが繰り広げるドタバタ劇を背景に
(他人事と思えないようなエピソード (^_^;) も多々)
神酒島に対する蝶子の揺れる恋心が綴られていく。
二人のラブコメとして読むのが正解かも知れない。

過去に酒のせいで大恥をかいたことのある人は、
また違った感慨を抱くだろうけど・・・


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