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難事件カフェ2 焙煎推理 [読書・ミステリ]

難事件カフェ2~焙煎推理~ (光文社文庫)

難事件カフェ2~焙煎推理~ (光文社文庫)

  • 作者: 似鳥 鶏
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2020/07/24
  • メディア: 文庫
評価:★★★

喫茶店プリオールを経営するのは、男兄弟の2人。
兄の惣司季(みのる)と、その弟の智(さとる)。
智はかつてキャリア警察官で県警で警部をしていた。
しかし突然職を辞し、兄の店を手伝うようになった。

智の刑事としての能力を惜しむ県警本部は、
彼の辞表を ”預かり” 状態にする一方、彼を翻意させるために
秘書室の直井楓巡査を客として頻繁にプリエールに送り込む。

彼女が持ち込む様々な事件の謎を惣司兄弟が解いていく、
という連作短篇集第2弾。

「第一話 最高の仲間 奇蹟の友情」
海岸に立つ別荘で会社員・洞大斗(ほら・ひろと)が殺害される。
一緒に滞在していたのは国会議員の息子、銀行頭取の息子、
大学病院院長の息子で、被害者自身も大手企業の社長の息子だった。
彼ら4人は小学校からの友人で揃って東京大学を出た仲間。
学生時代からこの別荘に集まって4人だけで過ごすのが恒例だった。
警察の捜査により内部にいた3人に犯行は否定されたが、
外部から侵入した者もいないことが分かった。
惣司兄弟は楓と共に現場の別荘に出かけていくが・・・

「第二話 理想は不存在」
楓に頼まれて、惣司兄弟は吉崎夏香(なつか)という
入院中の女性に会いに行く。彼女はJR海浜線秋津駅で、
腹部を果物ナイフで刺された状態で発見された。
命は取り留めたものの、手術後に3日間意識不明になり、
被害を受けた前後の記憶を失っていた。
容疑者として浮上したのは、夏香にストーカー行為をしていた
野田という男だったが、犯行時刻にはアリバイがあった・・・
うーん、人がいいにもほどがある、とは思うんだが
こういう人って一定数いるんだろうなあ。

「第三話 焙煎推理」
古書店とカフェを併設した店を開業準備中の糸川夫妻から
開店前のお試し客として、惣司兄弟と楓は招待を受ける。
夫妻の息子で小学4年生の真広(まさひろ)を含めた6人に
珈琲が振る舞われるが、季は一口飲んで激しくむせてしまう。
何者かが珈琲に毒を盛ったらしい・・・
まさか毒物事件からこういう展開になるとは。
意外な成り行きにびっくりさせられる。

「第二話」登場の夏香さんはこれからセミレギュラー化しそうだし
「第三話」では、智が警察をやめた理由も明かされる。
これでは復帰は難しいかも。

サザエさん時空ではなく、登場人物たちの時間は動いているようなので
どこかの時点で完結するのかも知れない。

ちなみに、シリーズ第1弾は7年前に幻冬舎文庫で出た
『パティシエの秘密巣推理 お召し上がりは容疑者から』。
それがなぜか2巻目からは光文社文庫にお引っ越し。
幻冬舎と喧嘩でもしたのでしょうか(笑)。


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