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化学探偵Mr.キュリー9 [読書・ミステリ]

化学探偵Mr.キュリー9 (中公文庫)

化学探偵Mr.キュリー9 (中公文庫)

  • 作者: 喜多喜久
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2020/04/22
  • メディア: 文庫
評価:★★★

人呼んで ”Mr.キュリー” こと
四宮大学理学部化学科准教授・沖野春彦と、
大学総務部職員の七瀬舞衣がコンビを組んで
大学の内外で起こる事件を解決していくシリーズ、その第9弾。

「第一話 化学探偵と赦されざる善意」
ある夜、酔った学生がマンションの植え込みに嘔吐していった。
学生達の会話に ”四宮大学” という単語がでてきたと
マンションの住人から総務課に苦情が入る。
同じ頃、近隣の大学で食中毒が発生するが・・・

「第二話 化学探偵と金縛りの恐怖」
四宮大学の学生・岩井穂乃花は悪夢に悩まされていた。
穂乃花から相談を受けた舞衣は、沖野と共に調査を始める。
同じ頃、大学校内で廃棄されたゴミが
回収前に盗まれるという怪事件が続発していた・・・
悪夢の理由は意外なもの。そんなこと起こるんかいとも思ったが
人間は些細なことでも安眠が妨げられてしまうものなのだね。

「第三話 化学探偵とフィクションの罠」
舞衣の友人・美間坂剣也(みまさか・けんや)主演のドラマ
『化学探偵』が好評を博し、第二弾が製作されることになった。
ドラマのキモとなるトリックは、”麻薬検査を回避する薬”。
沖野の手による監修済み、との設定なのだが、
「そんな薬は存在するのか?」って疑問は当然起こる。
だけど、そのあたりも含めてちゃんとラストで解決するのは流石。

「第四話 化学探偵と後悔と選択」
理学部4年の新庄貴明は、文学部2年生の安美と二人暮らし。
しかし最近、安美の様子がおかしい。何か悩み事があるようだ。
貴明自身も、謎の咳と息苦しさに悩まされるようになっていた・・・
これくらいの年齢の時には、誰でも一度は悩んだテーマかな。
ちなみに貴明君の体調不良の原因は見当がついたよ。

「第五話 化学探偵と夢見る彼女」
法学部1年生・立石琴子は、弁護士を目指して勉強漬けの毎日。
しかし、先輩の本名美夏(ほんな・みなつ)に誘われて
ボランティア・サークルに参加することになった。
淡々とボランティアをこなしていく琴子だったが、
彼女に対して嫌がらせをする者が現れる。
同じ頃、サークルが訪問した認知症の男性が
体調を崩して入院してしまうことに・・・
いやあ、琴子嬢はいい弁護士になれそうですな。

舞衣さんも就職して3年目を向かえ、もう新米ではないですね。
仕事にも自信を持って取り組んでいる様子が描かれている。
”サザエさん時空” ではなく、きちんと時間の経過が描かれているので
いつかは沖野と舞衣の中にも決着がついて終わるのだろうなあ。

いまのところ、4巻ごとに1年経過というふうに進んでいるので
もう8巻くらいすすむと沖野も40歳越えになってしまう。

舞衣さんが30歳になる頃には通算で30巻を超えてしまう計算。
まあ、そこまでは続けないのかな。


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