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おんみょう紅茶屋らぷさん ~式神のいるお店で、おかわりをどうぞ~ [読書・ファンタジー]


おんみょう紅茶屋らぷさん ~式神のいるお店で、おかわりをどうぞ~ (メディアワークス文庫)

おんみょう紅茶屋らぷさん ~式神のいるお店で、おかわりをどうぞ~ (メディアワークス文庫)

  • 作者: 古野 まほろ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/01/25
  • メディア: 文庫
評価:★★★

大学4年生の6月、就活に失敗した佐々木英子は、
吉祥寺の紅茶屋 "らぷさん" でアルバイトを始めた。
店主の本多正朝は、なんと平成の世に生き残っている陰陽師だった。
"らぷさん" を訪れた客の悩みを、
式神を駆使して解決していくシリーズの第2弾。

「第一章 真実のローズヒップ」
"らぷさん" にやってきた女子高生・美加。
吉祥寺警察署の刑事をしている父親と、
弟・勉が朝に飲むお茶を巡って大喧嘩をした。
何が問題かを調べようにも、勉は急須を綺麗に洗ってしまい、
お茶っ葉を残さない。
しかも、茶筒からは茶葉が全く減っていないことも分かった。
いったい勉はどんな茶を淹れていたのか?
何せ探偵役が陰陽師だから、途中経過は
ややファンタジーかホラーがかっているが
最後にはまっとうな "日常の謎" 系ミステリとしての真相が明かされる。
そして、たぶんシリーズを通しての悪役となる、
正朝にとっての "不倶戴天の敵" もまた姿を見せる。

「第二章 こだわりのラプサン・スーチョン」
外務省に勤務する牧原礼子は、
英国公使ホールドハースト卿を茶会に招いた。
親友の学芸員・園部里見が担当する「漱石書画展」に、
公使が所蔵する2点の絵画を借り出す交渉のためだった。
しかし公使はなぜか機嫌を損ね、早々に帰ってしまう。
里見の心中を思い悩む礼子は、"らぷさん" へと導かれてやってくるが。
毎回毎回、紅茶についての蘊蓄が延々と語られる。
本作はラプサン・スーチョンという特別な茶葉が
テーマとなっているのだから、いつにもまして蘊蓄も大増量。
でも、普段紅茶を飲む習慣のない私には、
やっぱり縁のない世界だなあ・・・と思ったりした。

「第三章 あこがれはアールグレイ」
らぷさんに突然現れた直衣姿の男。
彼こそ正朝にとっての "不倶戴天の敵" だった。
その男の呪詛によって意識を失ってしまう正朝。
万事休した英子は、正朝の姉を呼び出すが・・・
正朝とその姉の過去が明かされ、アルバイトだった英子との関係も
一歩進み始めるきっかけとなるエピソード。


うっかりするにもほどがあるが、正朝の姉さんって
作者の別シリーズでヒロインを務めてる "あの人" だったんだね。
全く気がつきませんでした(←鈍感)。
本文中ではぼかされていたんだけど、
作者による「あとがき」で明言されたので間違いない。
前巻での姉さんの描写ではあまりそう思えなかったんだけど、
この巻では確かに "あの人" っぽく描かれてる。

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