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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章」感想・・・のようなもの その8 (最終回) [アニメーション]


※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。

▼第14話「ザバイバル猛攻・テレサを発見せよ」(後編)

■テレザート星解放

テレザート周囲の岩盤が崩壊していき、消えていく。
これも掘削弾の効果なのか、それとも他の何かの要因があったのか。
それともこれもテレサの力なのか。

 まあ、単純に崩壊した岩盤がテレザートの地表に
 雨あられと降り注いでは不味いからねえ。

いずれにしろテレザート星の周囲のデータは
事前に真田は知っていたのだから、
そのへんは分かってやってるはずだよねえ・・・

これも絵面としては分かりやすいのだが、
何がどうしてこうなったかの理解が追いつかない。

■テレザリアム到着

「進路上に障害無し。これよりテレザリアムへ降下します」

第一話でミサイルを喰らっていた遺跡のような場所。
やって来たのは古代、真田、斉藤。

足元には花が咲いている。
「太陽もないのにどうして」「アレがきっと太陽の代わりだぜ」
テレザリアムが光を放つ。
「これは・・・」「この中に、テレサが」
「ガトランティスはここで何をしようとしていたんだ」「おい、あれ」
球体が輝き周囲の植物が一斉に成長を始める。

そして現れたのはピンク色の球体。
花びらのように開いてゆくのだが、色だけ見てると桃みたいだよね。
そして中には祈りを捧げる少女の姿。
「テレサ・・・テレサだ」
この時の絵面は蓮の花の上の観音様みたいである。
少女はおもむろに目を見開き、語り出す。

「わたしは、テレサ。テレザートのテレサ」

■高次元生命体との対話

このシーン、よく分からなかったので台詞を書き出してみた。

古「テレサ。我々はメッセージを受け取り、必死にここまで来ました。
  何故我々だったのです?
  あなたなら全宇宙の誰にでも呼びかけられたはずだ」
テ「私が選んだのではありません。ヤマトが来ることは決まっていました」
古「決まっていた?」
斉「なんだそりゃ」

ここでの斉藤は、視聴者の素直な疑問を代弁する役回りだね。

真「テレサ。あなたは我々より高位の次元に存在する高次元生命体ですね」
古「高次元生命体?」
真「あなたの本当の声を聞くために、
  私たちはここへ来なければならなかった。違いますか?」
テ「そうです。私と同じ次元に存在して初めて私の声が聞こえる。
  テレザリアムはそのためのゲート」
真「肉体を捨て、生きながら天国の扉をくぐったテレザート人。
  その精神の集合体たるテレサ。
  あなたはあの世とこの世の間(はざま)にあって
  宇宙の始まりから終わりまでを見通す」
斉「え?」
真「彼女は時間さえ可視化される世界に住んでいる。
  そして我々はその入り口に立っている」
古「入り口?」
斉「いま、三途の川の入り口にいるってことか」

斉藤のリアクションというか彼なりの解釈はとてもわかりやすい(笑)。

■天命を知る

古「では今後、ヤマトはどうなると決まっているのです?」
テ「あなた方は白色彗星をご存じですね」
古「はい。ガトランティスの母星と認識しています」
テ「あれは遠い昔に古代アケーリアス人が残したもの」
古・真・斉「!?」
テ「この宇宙に人間の種を蒔く一方で、
  彼らは安全装置も用意していました。
  蒔かれた種が悪しき進化を遂げたとき
  それらを残らず刈り取るための装置」
古「は!? では、ガトランティスは」
テ「全ての生命の目的は一つ。存続することです。
  でもガトランティスは違う。
  彼らは滅びを司る方舟を目覚めさせてしまった。
  この宇宙に存在する全ての人間を滅ぼすまで
  その進撃は止まらないでしょう。
  あなたがたは白色彗星帝国と対決せねばなりません。
  地球だけでなくこの宇宙に住まう全ての生命のために」
斉「その結果は!?  あんたには見えてんだろ」
古「斉藤! よせ」
テ「未来を告げれば未来は変わります。それは過ぎたる干渉」

いやぁ、あなたが関わってきただけで
充分、ヤマトの未来は変わってしまったと思うんだけどね。
でもそれは "過ぎたる干渉" には当たらないのか?

三人の前に僧侶の霊体が現れる。
彼らも、死した後にテレサの一部になっているのだろうか?

斉「なんだこりゃ」
テ「肉体から離れた者が肉体の世界に関わるべきではありません。
  私に許されているのは祈ることだけ」

いやあなた思いっきり関わってるじゃん、ってツッコミを入れたくなるが

真「全ての知的生命を創造した、神のような文明が残した破壊装置」
古「地球の全戦力を結集しても対抗できるかわかりません。
  ヒントを、戦うためのヒントを頂けないでしょうか」

  彼らの背景が宇宙空間に変わる。

テ「あなた方はここに来た。
  それはこの私も "縁" によってあなた方と結ばれたということです。
  ヤマトとは大いなる "和"」 
古「大いなる、"和" ?」
テ「"和" とは "縁" によって結ばれた命と命が生み出すフィールド。
  "縁" とは異なる者同士をつなげる力。
  重力にも似た確かさで事象と事象を結び、
  次元の壁さえ越えて作用します。
  "縁" の力とはあらゆる物理法則を超えたもの。
  それほど巨大な暴力を以てしても決して覆すことはできないのです。
  大いなる "和"、ヤマトを中心とする "縁" が
  滅びの方舟を止めるでしょう」
古「テレサ・・・」
テ「"縁" は育つ。時に痛みを伴いながら。彼も・・・また」

テレサが顔を上げる。テレサの視線の先を追って振り返る三人。
暗闇の奥から足音がこだまする。そして一人の男が現れる。
古代の目が見開かれ・・

「久しぶりだね、ヤマトの諸君」


■次回予告

「終わりにしないか、デスラー総統」
「まだ始まってもいないものをどう終わらせるのかね、ヤマトの坊や?」

サブタイトルは「テレサよ、デスラーのために泣け!」
予想の斜め上どころではないタイトルですね。
いったいどんな展開があればテレサが "泣く" のか想像できません。
だいたいあの人、感情があるのでしょうか。涙を流せるのでしょうか。


■"女神" との対話

金髪の女神様の外見をまといながら
テレサから出てくる言葉は仏教的というか東洋的というか。
内容も "和" とか "縁" とか今ひとつ分かりにくい。

要するに結論は
「大いなる "和"、ヤマトを中心とする "縁" が滅びの方舟を止める」
ということか。

素直に考えれば、ヤマトだけで白色彗星を止めることはもちろん無理で、
ヤマトが今まで "縁" を結んだ存在が結集してガトランティスに当たれ、
ってことでしょう。

ということは最終決戦はオールスターキャストになるってことか。
地球はもちろんガミラス、イスカンダル。
さらにはデスラーまでも含めて。
そこにはメルダやバーガーも参戦してくるかも知れない。
いままでヤマトが関わったすべての人に "縁" の力が働くのなら。

逆に言えば、そういうさまざまな人々と "縁" を結び、
彼らを結集すればガトランティスに対抗できる、
ヤマトとはそういう人々を結びつける "和" の力を秘めたフネだった、
ということか。

だからテレサはヤマトを呼んだ。

第1話でテレサは
「遠い星の戦士たちよ、あなたたちに、すべてが・・・」
と呼びかけているが、
ヤマトこそ暴走するガトランティスを止める鍵だったということか。

■機動甲冑について

最初のビジュアルを観たときにはちょっと不安になったけどね。
違うアニメになってしまわないかと。
ヤマト世界にモビルスーツは合わないから。

でもまあ、実際に動いているのを観たら、
"機動歩兵" の範囲に収まっていそうだ。
2199で出てきたアナライザーの98式特殊機動外骨格の
発展系と考えればさほど不自然でもない。
およそスマートさとは縁遠い無骨な形状も悪くない。

そもそも旧作のように丸腰の歩兵が敵戦車隊を壊滅させてしまうなんて
昭和の頃なら許されても、21世紀の今ではさすがに
「いくらなんでもそれはないだろう」

それに「騎兵」だからね。何かに乗ってこその騎兵だろう。
昔は騎馬だったのだろうが、wikiで調べたら現代の騎兵は
装甲車やヘリコプターに乗ることもあるという。

馬の代わりだったら、武装したホバーバイクか何かに乗っても
面白いと思ったが、これ「GODZILLA 怪獣惑星」でやってたなあ。

ただ、13・14話は空間騎兵隊の活躍ばかり目立って
航空隊の見せ場がなかったのが残念。
もっとも第五章~第六章あたりでたっぷり出番があるのだろうが。

■部下いないの?

14話では、ザバイバルが一人で戦ってるように見える。
シナリオ集ではちゃんと副官とかいるんだけどね。
だから戦闘シーンも今ひとつ緊張感に欠けるように思う。
尺の都合でまっさきにモブキャラが切られてしまうんだろうけど
そういうところの描写で作品に奥行きが出るんだよなあ。

■第14話まとめ

猛将ザバイバルを退け、テレサのもとへ。
戦車(戦艦)群との戦いはそれなりに尺を取ってるんだけど
無人艦(に見える)を何隻沈めても緊迫感に欠ける。
そこのところはもう少し何とかして欲しかったかな。
周囲の岩盤の扱いも含めて、説明不足の感も否めない。

テレサの設定は高次元生命体。あの世とこの世の狭間にいる存在。
そして彼女(性別は意味があるのかな?)の意図も明らかになる。

そしてテレサは女神様と言うよりは意外にも仏教的。
語る内容込みで菩薩か観音か。

そしてヤマトのクルーは、彼らに与えられた天命を知る。
ガトランティスと対決すること。全宇宙のあまたの生命のために。
もちろん彼らの地球侵攻を阻止することが至上命令なのだが
彼らの戦いにはそれ以上の意味があるのだと。

■テレサ = ラプラスの悪魔?

この宇宙の始まりから終わりまで全てを見通す存在なんて
古典物理理学で言うところの "ラプラスの悪魔" ではないのか。
それに、科学の世界では観測するだけでも対象に影響を与えてしまう。
"観察者効果" というものもあるんだが・・・
まあ物理は門外漢なので深入りしないことにしよう。

しかしコスモウェーブを放ったことによって
テレサは既に現世に介入してるわけで
少なからず未来に影響を与えているよねえ。
それとも、自らの影響をも織り込んだ未来を見ているのか・・・?

■第四章をふりかえって

折り返し点を過ぎ、伏線張りもキャラの配置も終わったと思う。
特に12話は9話と並んでラストへ向けての布石を打った
重要な回だったように思う。

そして前半クール最後となる13話では波動砲問題も一応の決着をみて、
いよいよ14話からは後半戦。テレサとの対面も果たし、
広げた風呂敷を畳みにかかったなと言う印象。

第三章・第四章と観てきて、どうやら「2202」のラストは
「さらば」とはかなり様相が異なるものになりそうな予感がしてきたが
こればっかりはフタを開けてみなければ分からない。

第五章の公開は5月。
いままでの公開間隔から考えると、第六章は9月あたりか。
そして最終第七章の公開は来年の1月頃だろう。

「2202」でのヤマトの旅路も半ばを過ぎた。
泣いても笑っても、おそらく1年経たないうちに答えが出る。
願わくば「さらば」でも「2」でもなく、
そして40年という齡をかさねた我々を
納得させてくれる結末をみせてもらいたいものだ。

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章」感想・・・のようなもの その7 [アニメーション]


※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。

▼第14話「ザバイバル猛攻・テレサを発見せよ」(前編)

■テレザート星攻防戦 Part.II

BGM「ヤマト渦中へ」に乗せて上昇するヤマト。
追いすがるように砲撃が。これはテレザートの地上から?
ヤマトの主砲が反撃する。

「ヤマトは来た。不思議なもの。何が彼らをそこまで駆り立てるのか」

そりゃアナタがたがテレザートに関わってるからでしょう。
何がガトランティスをそこまで駆り立てるのか知りたいから。

砲撃していたのはメダルーサ級改造型地上戦車。
初期の設定では多脚戦車だったはずなんだが、どうしてこうなった。

そして佇むザバイバル。
かみさん曰く「毘沙門天みたいな人ね」「おお、言われてみれば」

機動甲冑はニードルスレイブ相手に奮戦。
第11番惑星の鬱憤を晴らすかのようだ。
「キリがねえったら。
 前衛は正面から来るニードルを、後衛は上空の敵を狙え!」

ブースターにもたれかかる鶴見。脇腹に負傷してる。
そこへテレサのコスモウェーブが。
「"縁" が・・・あるのです。
 "縁" の力があのフネと私たちをつないでいる」

■まこと、世はままならぬ

テレサの球体の前に現れるのはテレザートにいた僧侶たちの霊体?

「亡霊どもが。性懲りも無く」
「テレザート首尾艦隊の壊滅を確認。
 ゴーランドタイプ、二体とも生命反応途絶」

ゴーランドタイプ、ですか。ザバイバルタイプとかバルゼータイプとか
ズォーダータイプなんてのもあるのだろうか。

「全師団集結! 先に降下した部隊もろとも殲滅! わしも出る!」

霊体が消滅する。

「まこと、世はままならぬか」
「それまでは命の充実、生きる望みを味わわせてもらうぞ、ヤマトよ!」

ここの台詞、最初は意味がよく分からなかったんだが
シナリオ集ではこの二つの台詞の間に「わしもじきに追いつく」ってある。
自分も遠からず "そっち" へ行くぞ、ってことだったのだね。

テレザート直掩のミサイル艦隊が全滅し、ヤマトが健在であるなら、
制空権を失った地上部隊は劣勢を強いられるだろう。
この段階で敗北を覚悟していた、ってことなのか。

■岩盤破壊部隊発進

ヤマトはテレザート外周に到達 
「第二次降下隊、全機発進!」コスモゼロが発艦する。

この時、古代と雪が第一艦橋にいないので
代わって南部・西条・北野が配置についてる。
そして真田の横にはキーマンが。何をしてる?
たしかキーマンの席ってアナライザーの横だったような。

「岩盤を崩すのならヤマトからでもできるのでは」
「主砲ではパワー不足、波動砲ではテレザートも破壊する結果になる」

発進するのはコスモタイガー+機動甲冑、
コスモゼロ+波動掘削弾+機動甲冑の組み合わせ。

「副長が開発した波動掘削眼に頼るしかない。古代たちを信じろ」

なんだかんだ言ってもヤマトのクルーの能力は認めているのだね。

■山本に生存フラグ?

横たわった鶴見に歩み寄る山本の機動甲冑。

「あ きら さん」「しゃべらないで」
「助かりますよ あきらさんは 大丈夫だって あの人が」「あの人?」

あの人とはテレサのことだろう。こんなに早々と
山本に生存フラグが立ってしまうのも "大人の事情" なのか(笑)。
いや、私もタマちゃんには死んで欲しくないんだけどね。

■機動甲冑vs地上戦艦

「9時方向より敵、メダルーサ級改造型地上戦車群」

この地上戦車、キャタピラないくせにキャタピラ音がするのはなぜ?
山本を後方に残し、永倉たちはメダルーサ級の迎撃へ。

「散開! 各個にぶちのめせ!」

なんと巨大戦艦相手に無双を演じる。
元々が戦艦だから、そもそもあんな小っこいものを
相手にすることは想定してないのかもしれないが
それにしても機動甲冑ちょっと強すぎないか(笑)。

そしてブリッジが無人であることに気づく永倉。
このあたりから流れる新BGMは「大帝ズォーダー」の別アレンジか。

機動甲冑が積んでるパルスレーザー砲はたぶんヤマトと同じもの。
「星巡る方舟」でもメガルーダを蜂の巣にしてたやつだ。

「こいつら無人だ! 艦橋の制御システムを狙え」

しかし、いくら無人とはいえ、ちょいと脆すぎないか。
画面は派手に銃撃や爆発が連続するが、
無人艦相手ではいささか緊迫感に欠ける。
第一陣を一掃するが、すぐさま新手が現れる。

「副隊長、10km先に敵の増援部隊多数」
永倉さんいつの間にか副隊長を拝命してた。
「なんだと・・・こんなに」
「どうする副隊長?」
「決まってるだろ、奴らをこれ以上近づけるな」
「了解、ヤマトのクルーを死なすわけにはいかねえもんな」
「ようやく借りが返せるってもんだ」
「そういうこと」「一度はなくした命だ」

いかにも "昭和" な台詞が聞こえてくるが
福井氏はこういうの好きそうだよなあ。私も嫌いじゃないし(笑)。
玉砕覚悟の空間騎兵隊だが、そこに割って入るのは

「まてまて永倉! 遅れてすまねえ!
 全員今すぐそこから離れろ!  急げ!

上空から迫る巨大岩塊。「これでも喰らえ!」
岩塊に押し潰される地上戦艦群。

このシーン、初見時は「えー!」って驚くばかりだったが
冷静になって考えるといろいろおかしい。

あんな巨大な岩塊を機動甲冑くらいの推力で押し出せるものなのか、
テレザートの地表に落ちてきたのなら、
あんなゆっくりではなくもっと速度があるのではないか・・・

 テレザートの地表が何Gなのかわからないが
 周囲をあんな岩盤に被われていれば
 その質量のせいで案外低重力なのかも知れないし・・・
 とかいろいろ悩んでしまう。

まあ、わかりやすさという面では良いのかも知れないが
かなり無理矢理で強引な演出ではある。
空間騎兵隊の見せ場をつくりたかったのだろうが、
ここは素直にコスモタイガー隊の航空支援でよかったと思う。
第四章ではほとんど出番がなくて、
たまにあっても機動甲冑の運び屋だったりキーマンの護衛だったり。
もっと戦闘に加わって欲しかったし。

■反射衛星砲、ふたたび

「んふふふ、やりおるわ。
 だが人間がそうするときは決まって裏があるもの」

スクリーンに映るのは波動掘削弾とコスモゼロ。

「ヘルベスティア砲、発射!」

ここから、反射衛星砲の時と同じBGMが流れるのが律儀。
中継衛星を経由して岩盤上へ着弾。しかし外れる。

「ええい、命中精度が甘い!」
「ヤマトの波動砲により中継システムの半数を喪失、現状が最高精度です」
「しょせんは奴らのコピーに過ぎぬということか、くそ!」

反射衛星砲が第二射を放つ。そのビーム光を見るヤマトのクルー。

「反射衛星砲?」「なんで」「ガミラスの技術を盗んだのか?」
「奴らはガミラスの科学者を捕虜にして兵器を開発している」
「キーマン中尉、もしそうなら基本制御も
 ガミラスのものが流用されているはずだ」

ツヴァルケで出撃するキーマン、援護は加藤。

「衛星を1つずつ潰している時間はない。狙うべきは中継制御衛星」

地表では戦艦群が一斉射を放つ。そして反射衛星砲は第三射へ。
「危険です、非難を!」西条が叫ぶ。しかし真田は粘る「あと少し」

「あれか」制御衛星を発見したキーマン。「完全にコピーされている」
衛星の制御を手中にして
「人の物を盗んで、勝手に使うような奴らは、お仕置きだ!」

衛星砲第四射。しかしそのビームは地上戦艦群を一掃することに。

「なんだと!」

一方、岩盤では設置作業完了。「爆破まで300秒、よし、待避だ」
ここでコスモシーガルで降下してくる雪。負傷者の収容か。
でも、わざわざ彼女が出てくる必要はあるのか?  それとも
彼女がシーガルの操縦ができることを示しておく伏線なのか?

「総員に告ぐ! 速やかに会合地点に集結せよ!」
「てめえら聞こえたな、じきに岩盤が吹っ飛ぶ。地表への影響も」
「隊長!」
ザバイバルの旗艦がゆっくりと回頭する。
「真打ち登場・・・てか」

■ザバイバルvs斉藤

旗艦が衛星砲を水平に斉射、地表をなぎ払う。
空間騎兵の機動甲冑はほとんどが機能不全に陥る。

「全員ただちに撤収、第二波が来る前にずらかるぞ。永倉」
「はい隊長」「先に行っててくれ。すぐに追いつく」

不安げに見送る永倉。この人、新キャラの中でも一、二を争うくらい
大好きなんだけど、最終決戦で斉藤と運命を共にしそうで辛い。

そして波動掘削弾が炸裂、
崩壊する岩盤の間をシーガルと機動甲冑がヤマトへ向かう。

「衝撃波、惑星全土に拡大。封印岩盤が連鎖的に崩壊している模様」

単騎で旗艦に突撃をかける斉藤、ブリッジへ突入。
すかさず機動甲冑から降り、ザバイバルに格闘戦を挑む。
さすがにザバイバルは強い。斉藤の襟首を締め上げて

「ザンツ・ザバイバル。それがわしの受け継ぐ名だ。貴様は?」
「斉藤始。お前らに部下を殺された空間騎兵だ」

崩壊した岩塊が周囲に渦巻く中、二人の肉弾戦が続く。
ザバイバルは顔面パンチを喰らうと鼻が赤くなる。
ということはガトランティス人の血液も赤いのか?
反撃されて倒れ込む斉藤、
しかしこの時既に相手の胸の剣を奪っていたんだね
落ちた銃を手にしたのはザバイバル。
このとき斉藤の右手が身体の下にあって見えないのがミソ
銃を構えるザバイバル。斉藤は絶体絶命。
しかし艦に振動が走る。その一瞬を突いての斉藤の必殺の一手。
自分の胸に刺さったナイフを観て、ゆっくり斉藤に歩み寄る。
目が血走り、自爆の前兆を示す。

「自爆ぅ? ふざけんじゃねえ!」

斉藤はザバイバルと共に艦外へ落下、主砲の砲身上へ。
次の瞬間、跳びすさって離れる斉藤。
立ち上がったザバイバルは、このとき眼を瞑って
何事か考えているように見えるんだが、案外、
このときズォーダー(あるいはその諜報システム)からの
指示があったのかも。精神感応によるものなのか、
被っている軍帽(?)の中に通信機でもあったのかはわからないが。

目を見開き、ゆっくりと後退して身を投げ、やがて閃光の中に消える。
「なんだってんだい、ばかやろう」
そこへ、斉藤をピックアップするべくコスモゼロが飛来。

(つづく)

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明治座  五木ひろし 特別公演  特別出演 坂本冬美 [日々の生活と雑感]

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突然ですが昨日(2/24)、五木ひろしを観に行ってきました。
べつに五木ひろしのファンだったというわけではなく、
成り行きなのですが。

事の起こりは昨年の暮れ頃だったか。
母がこの公演の無料ペアチケットを手に入れたのです。

さいたま市商店会の商店街活性化事業とかで
福引きだか抽選だかあって、母の友人が四等賞を当てた。
それがこの公演の無料チケット。
ちなみに一等賞は海外旅行だったそうな。

ところがその友人が観に行けないというので券が母に回ってきた。
(たぶん日程が合わなかったのでしょう)
しかし母も80を超えていて一緒に行く相手もいないから、
誰かにあげてしまおうと思ってる、と。
「だったら俺が一緒に行くよ」
と言うわけで、普段の親不孝を帳消しにするべく、明治座へ。
開演は16:15、終演は20:15。途中に30分の休憩を2回挟むので
正味3時間の公演です。

 思い起こせば40年以上前の中学3年生。
 卒業前の最後の音楽の授業は歌のテストでした。
 曲目は自由。つまり好きな歌が歌える。
 クラスメートたちはフォークやアイドルソングを歌ってたんだが
 なぜか私が選んだのは五木ひろしの「ふるさと」。
 (祭りも近いと汽笛は呼ぶが~ってやつですね)
 今になって思うと何故この曲を選んだのか記憶にないのですが
 きっとこの日のためだった(ないないwww)。
 閑話休題。


公演自体は素晴らしかったと思います。

第一部は「紺屋と高尾 松竹新喜劇十八番より」

五木ひろし主演の喜劇です。あらすじを公式サイトから引用すると

大坂から江戸へ、兄弟子二人と観音講でやってきた
紺屋職人の久造(五木ひろし)。
「江戸へ来たからには、花の吉原へ行こう」という
兄弟子たちに誘われるまま行った吉原で、この世のものとは思えない
高尾太夫(坂本冬美)の美しさに見ほれてしまう。
大坂に帰ってきた久造だが、高尾が恋しいあまりに仕事が手につかず、
食事ものどを通らず、とうとう寝込む始末。
しかし親方から、金さえあれば高尾に会えると言われた久造は、
寝る間を惜しんでお金を貯める決心をする。
そしてついに念願の高尾と再会した久造だったが―。

トータルで80分ほどの舞台なのですが、主演の五木ひろしは
長い台詞も堂々とこなし、さすが芸歴50余年は伊達ではありません。
花魁姿の坂本冬美も美しく健気な高尾を華やかさ120%で演じてます。
そして周囲を固める役者さんも達者な人ばかり。
時折アドリブらしきものも(「そだねー」とかwww)散りばめて
観客の笑いを呼び、そしてちょっぴりホロリとさせる。

そして休憩時間になったので夕食。
館内の売店で買った1300円の折り詰め弁当を食べました。
ちと高いかと思ったけど、親孝行親孝行。

第二部は歌謡ショー前半。

五木ひろしのヒット曲が続けざまに歌われる。
「夜明けのブルース」「夜空」「千曲川」・・・
「契り」なんて、ちょっと個人的に思い入れのある曲なんで
冷静に聞いていられなかったり・・・

「よこはまたそがれ」をピアノ弾き語りで歌ったのは驚き。
ギターを弾くのは知ってたがピアノもプロ級。素晴らしい。

そして途中から坂本冬美さん登場、「また君に恋してる」を熱唱。
いやあ彼女は凄いオーラがありますね。
出てきた途端にステージが一気に盛り上がる。
"華がある" ってのはこういう人のことをいうんでしょう。

そして二人で演歌のカバーを3曲。

第三部は歌謡ショー後半。

冒頭は五木ひろしと坂本冬美の歌謡浪曲。
歌い出しを聞いていて
「ああ、これは『一本刀土俵入り』だね」って分かったけど
これ、若い人は知らないでしょうねえ。
この曲(というかこのストーリー)を知ってる人って
かなりの年齢層なんじゃないか・・・というか
"そういう年齢層" に私が入ってることに愕然とした(笑)。

そのあとは森山愛子さんが2曲。
この人、第一部の喜劇に久造の妹役で出演してた人とのこと。
歌ってるときはいかにも "演歌な歌声" なんですが
地声はけっこう高くてアニメ声っぽい。不思議な人(笑)。

そして五木ひろし登場。前半のスーツと変わって和服で。
さらに何曲か歌ったあと(曲名は分からんかった)
そして和太鼓の生演奏を共に坂本冬美さん登場、
「夜桜お七」を迫力たっぷりに歌います。
"脂ののりきった声" ってのはこんな声を言うのでしょうか。

最後は二人のデュエット曲「ラストダンス」で〆。
作曲は何といきものがかりの水野良樹さんとのこと。


五木ひろしって、歌唱力があるのはもう充分知ってましたが
演技力もあるしギターもピアノも浪曲もこなす。
この年齢まで第一線で活躍し続けていられるのも納得の芸の力。

私は五木ひろしのファンではないのだけれど、
それでも充分に楽しめました。
母も「楽しかった」と言ってましたのでまずは安心。
ファンの人にはたまらない3時間だったんじゃないでしょうか。

終演は20:15。母を実家まで送り届け、
そこから自宅に戻ったのだけど着いたのは11時近く。
さすがに疲れたので酒を飲んで寝てしまいました。


公演の内容自体にはとても満足しているのですが、
ここからちょっといちゃもんをつけます。

母も配られたアンケートに同じことを書いてました。
公演の主催者と明治座、どちらに文句を言ったらいいのか
分からないのですが、改善して欲しいところがあります。

(1)チケットの交換について

私たちが明治座についたのは13:30頃。
手元にあるのは「チケット引換券」なので、
窓口でチケットと交換する必要があります。
交換は14:00からなのですが、母の友人からの情報では
なんと先着順に良い席が割り振られるらしい。
だから本当はもっと早く着きたかったのですが
私の都合もあって、この時間になってしまいました。

着いてみてビックリ。明治座の前に行列が。ぐるっと周囲を取り巻いて、
「最後尾はここ」というプラカードを持った人まで。
どこのデ○ズ○ニ○ラ○ドだよ・・・と思いながら並びました。
(この日の観覧者は総勢1100人ほどだったとあとで知りました)

早い人は午前中から並んでいたらしいのですが、
2月のこの寒空の下(たまたま昨日の東京は暖かかったのでよかったが)、
雨や雪が降っていたらたいへんだったのではないでしょうか。

しかも年齢層は私からみて10~20歳くらい上の方が大半。
こういう高齢者の方々を吹きさらしのところに
立ったまま待たせるのは如何なものか。

最長の人は3時間以上並んでたはずなので、
もしこの間に体調を崩す人が出たりしたらどうするのでしょう・・・

 まあタダだからね。文句は言えないのかも知れないが。

さて、14:00からチケット交換が始まりました。
何せ私たちの前には既に大行列があったので、交換を終えたのは14:30。
交換は、積み上げたチケットの山の上から順番に渡されていく感じで、
こっちが選ぶ余地は全くありません。

 まあタダだからね。文句は言えないのかも知れないが。

(2)チケット交換から開場まで

そしてさらに驚いたことに、開場は15:30なので、
それまで外で時間を潰さなければいけないこと。
1000人以上の人たちが、再び2月のこの寒空の下(ry

 まあタダだからね。文句は言えないのかも知れないが。

周囲にはジョナサンとガストがあるらしいのですが
たぶんどちらもすぐ満員になってしまうんじゃないかな。
私と母は5分ほど歩いたところにあるマックに入って
(意外とここは盲点でした。まあ年齢層を考えれば当たり前ですね)
軽食を済ませましたが、他の人たちはどうしたのでしょう。
近くの公園で日向ぼっこでもしてたのでしょうか。


「タダだから文句は言うな」なのかも知れませんが
主なお客さんである高齢者の方々への対応としては
いささか疑問を覚えます。

もしこの行事を来年以降も続けるのなら
このあたりを再考していただけるとありがたいと思います。

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章」感想・・・のようなもの その6 [アニメーション]


※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。

▼第13話「テレザート上陸作戦・敵ミサイル艦隊を叩け!」(後編)

■激闘、テレザート攻防戦(承前)

破滅ミサイルによって岩盤の中央に大穴が。
"重力波の乱れ" によって、嵐のように翻弄されながらも
必死に体勢を立て直そうとするヤマト。

「テレザート周辺の重力場と干渉し合って乱気流のような状態に」

このあたりの重力はかなり特殊な状況にあるらしい。
まあ、あんな岩盤が取り巻いてりゃ、そりゃ変わるだろう。

「さすがテレザートより吸い上げし力を充填したミサイル。
 面白い働きをする」
「ヤマト発見!」
「狩りの仕上げにかかれ!」

テレザートの持つ力とは何なのか。反物質?
巨大ミサイルが一斉に発射される。それに応戦するヤマト。
なかなかミサイルが当たらないなあと思ってたが、
たぶんこの乱気流の影響だね。このあと土方が言うように、
乱流の中にいた方がかえって安全という状態。
狙いが定まらないという意味では双方とも条件は同じ。

「艦隊をもっと広く展開させるべきでは?
 こうも密集していてはヤマトの大砲に撃たれたとき・・・」
「この乱流の中、狙いは定まらぬ。だがそれ以前に奴は撃たん」
「え?」
「撃てんのだ」

ノルは冷静に布陣を考えてるが、ゴーランドはもう勝った気でいる。

反撃を試みようとするヤマト。
「ここから出る  機関長!」「波動エンジン最大出力」
「待て! 今この乱流から飛び出せば敵に狙い撃ちにされる。
 作戦はまだ生きている」

古代の前にはすでにターゲットスコープがオープンされていて、
照準には敵艦隊が映っている。それを見つめる古代。

「波動砲、発射準備!」それを横目で見る島。
「この流れを利用して敵艦隊を観測、
 最善の射点を確保し、波動砲を敵艦隊に直撃させる!」

雨あられと降り注ぐミサイル。

「見ろ、愛という不合理な感情に支配されて
 奴は我々を撃つことができんのだ」

「艦長代理、一撃で敵艦隊を仕留めるのなら今が最上の射点です」

南部の声が響くが、ためらいを見せる古代。そこへ割って入る声が。

「こちら斉藤。聞こえるか。
 おやじ、艦橋にいるんならあんたが波動砲を撃ってくれ。
 ばかげたことさ。でもしょうがねえ。理屈じゃねえんだ。
 あいつは約束してるんだよ、大事な人との約束・・・
 だから、代わりに」

古代の苦衷を察した斉藤の台詞が熱い。しかしそれを遮る声が。

「ダメだ」

新BGMにのってキーマンの台詞が始まる。第四章最大のヤマ場だ。

「これはイスカンダルに旅した者が等しく背負う十字架だ」

第一艦橋のメンバー、一人一人がアップになる。

「自ら呪縛を絶たない限り、ヤマトに未来はない」

斉藤とキーマンの台詞では、まさに福井節が炸裂してる。
そしてそして、この素晴らしいBGM。
何という題名なのだろう。「決意」? 「覚悟」? 「十字架」?
この曲が聴けただけでも「2202」を観てきた甲斐がある(おいおい)。

トリガーを握る古代に沖田が語りかける。

「古代、覚悟を示せ。指揮官としての覚悟を!」

必死の思いで目を見開く。すると

島が「波動砲への回路、開け」
南部が「波動砲への回路、開きます」
徳川が「非常弁全閉鎖、強制注入器作動」
真田が「最終セーフティ、解除」

「お前一人の引き金じゃない」
「島・・・」
「俺も撃つ!」
真田「私もだ」
太田、南部、相原も頷く。彼らの言葉に意を決する古代。

「総員、対ショック、対閃光防御。
 斉藤、聞こえるか。重力乱流のせいでフネの姿勢が安定しない。
 頼まれてくれ」
「よしきた! いくぜ野郎ども!」
「いったいどうするんですか隊長」
「決まってんじゃんか、手で押すんだよ」

ヤマトの艦体に向かって飛ぶ甲冑群。

「古代、艦長拝命、承った」

次々に艦体に取り憑く機動甲冑。

「逃げ場のない、解決しようのないことなら背負っていくしかない。
 俺も、お前も」

この台詞、聞く人の年齢によってかなり受け止め方が異なるのでは。
旧作当時、かつての10代だった少年少女たちは
21世紀の現在、50代の熟年世代に突入しているだろう。
誰しも、今までの人生で「背負ってきたもの」はあったはず。
いや、いまこの瞬間だって「背負い続けている人」もいるだろう。

 かつて職場の先輩に言われた言葉がある。
 「嫌なこと、辛いことほど、向き合わなければいけない。
  逃げ廻るより、向き合った方が楽になる」
 なかなかその通りには実行できないが、今でも思い出す言葉だ。

そんなオジサンの感傷を吹き飛ばすように(笑)、
機動甲冑群が一斉にフルブースト。

「全員で撃つ! 全員で、背負う」

波動砲を使うことが罪ならば、
それはヤマトのクルー全員が背負うべきもの。
土方もまた、その「全員」の中のひとり。もう部外者ではいられない。
だから覚悟を決めた。だから艦長を引き受けた。

■戦の果て

「不合理な感情。人であるが故に。ゴーランド、私は・・・」
「ヤマトの足は完全に止まった。ノル、よく見ておけ。
 これが戦の果てだ。始末しろ!」

個々でノルの言う「私は」のあとにはどんな言葉が続いたのか。
それを知ることは永遠にできなくなった。

ミサイル艦隊は残弾すべて発射か。雨あられと降り注いでいく。

雪「ミサイル多数、接近!」  土方「構うな!」 古代「照準固定!」 
そして南部がカウントダウン。「発射5秒前、4、3、2、1」
「発射あ!」

波動砲の光芒に呑まれていくゴーランド艦隊
閃光を見たゴーランドはとっさに振り返り、ノルを抱きしめる。

「すまぬ、ノル」
「いいのです・・・ いいのです」

最初の抱擁が最後になってしまったか・・・
2199でのシュルツにも泣かされたが、
まさかゴーランドにも泣かされるとは。
トシをとると、こういうシチュエーションにてきめんに弱くなる。

そしてBGM「碧水晶」がいい仕事をする。

古代の心に響くのは

「約束してください。私たちのような愚行を繰り返さないと」
「お約束します」

古代の頬を涙が伝う。この涙が意味するものは何か。
約束を守れなかったことへの罪悪感か。
戦場とはいえ、自らの手で命を奪った相手への贖罪か。
自分を支えてくれた仲間への感謝もあっただろうが・・・

■古代、戦術長へ復帰

「土方艦長、戦術長より意見具申。
 岩盤にはまだガトランティスの拠点が存在するはずです。
 作戦を続行すべきと考えます」
「いいだろう。空間騎兵と協力し、波動掘削弾の
 新たな輸送計計画を立案せよ」

古代が見上げた先にある沖田のレリーフは何を語るのか。

■沖田の声

波動砲のトリガーを握る古代に聞こえた沖田の声。
「指揮官としての覚悟を!」
これは7話で古代が叫んだ台詞
「覚悟って何なんですか!」に対する答えだろう。

そしてこれは沖田が語りかけてきたのではなく、
古代の心から出てきたのだと思う。

7話の時点で、おそらく古代には分かっていた。
「覚悟」の意味するものを。
沖田に代わってヤマトの指揮を執るのならば、
当然背負わなければならないものだから。

分かっていても、あえて目を背けていたのだろう。
そしてこの13話で、キーマンに、そしてクルーたちに支えられながら
逃げずに直視することを決めたのだろう。

12話で、ガトランティスの実態を知ったことも大きかったかも知れない。
彼らの擁する途轍もない武力、そして本拠地である彗星のコアの規模。
こんな途方もない連中を相手にしなければならないのか、と。

■波動砲問題

「2199」からの置き土産としての波動砲問題もこれで一段落だろう。
物語の折り返し点である13話まで引っ張るとは意外ではあったけど、
それだけじっくりと描いてきたことになる。

うじうじしてないでさっさと撃てよ、って意見の人もいるだろうが
節操なくバカスカ撃ちまくって「すかっと爽快」なんて展開になるのも
違うだろうと思う。
(そういうヤマトが観たい、って人も一定数いるのだろうが)

そもそも大量破壊兵器であり、その気になれば
一挙に多数の命を奪うことができる兵器なのだから。

波動砲については、これ以降も安易に使うことなく、
慎重に扱っていって欲しいと願ってる。

それに、波動砲を多用すれば、そのありがたみというか
"決定力" 感が薄れ、あっという間に破壊力のインフレを
引き起こしてしまうだろうから、作劇上もマイナスだろう。

 「復活編」の6連発(!)できる "トランジッション波動砲" なんて
 その最たるものだった。

■沖田と土方

過去の記事で書いたことだが、
「2199」での古代は主役ではなかった。
主役はあくまで沖田であり、古代は脇役筆頭。
そのせいか「2199」本編での古代の扱いは
お世辞にも良いとは言えなかった。
しかしそれは裏を返せば古代というキャラクターには
まだまだ "伸びしろ" があるということ。

だから「星巡る方舟」で実質的な主役を務めた彼を見て、
これで「2199」は真に完結したなあって思ったものだ。
1年間の航海を通じて沖田は古代を "育てて" きたわけだ。

しかし沖田が死亡したことにより、
古代の成長もそこでストップしてしまっていたのかも知れない。
スターシャと沖田の交わした約束による縛りもあっただろう。

「2202」での土方は、沖田から古代の教育を引き継いでるようだ。
直接間接に関わらず、古代の成長を促し続けてきた。

今回、土方はヤマトの艦長を引き受けたが、
最後までヤマトに留まるかどうかはまだ分からない。
古代の成長によりヤマトの指揮を任せるに足ると判断したなら、
ヤマトを下りて他のフネ(たぶんアンドロメダ級)の艦長に
なってしまうかも知れない。あるいは艦隊指揮官に。
そうなると一気に死亡フラグが立ってしまうなあ・・・

■手で押すんだよ

機動甲冑がヤマトの船体を押すシーン。
某機動戦士映画のシーンを思い浮かべた人もいるだろう。
でも、絵面が似ているだけで状況も目的も違うからね。
それに、宇宙にあるものを "手で押す" のなら、
ヤマト第1作のデスラー機雷が元祖だぜ。

11話でのデスラーの「眼で探すのだよ」と並んで
旧作オマージュの台詞か。
こういうアナクロなところがまたいいんだなあ。

■ガトランティスの戦い方

第四章まで観てきて思うのだが、ガトランティスには基本的に
「戦略」とか「作戦」という概念がないのではないか。
なぜなら必要ないから。圧倒的な物量を誇るが故に。

戦略とか作戦というものは、彼我戦力がほぼ互角だったり、
寡兵を持って大軍に当たる場合には必須となるものだろう。

あの大戦艦の数から見るに、ガトランティスは
無限に近い生産能力を持っていそうだ。
戦争において必勝の策とは、究極的には敵より多くの戦力を用意する、
これに尽きるだろう。
どんなに優秀で精強な敵であっても、その数倍の戦力をぶち当てていけば
いつかは必ず負ける。永遠に勝ち続けることなどできないのだから。

被害は大きいかも知れないが、いつか必ず相手を滅ぼす、
そういう意味では100%の成功率を誇るシステムだ。
まさに古代アケーリアス人が残した "安全装置" にふさわしい。

それに加えて、諜報兵の存在がある。
滅ぼす対象のヒューマノイドの間に予め諜報兵を送り込んでおいて
情報収集も怠りない。ヤマトのように敵の中枢部に送り込めれば
敵の作戦まで分かってしまうんだから。
そんな相手を倒すのは赤子の手をひねるより簡単だろう。

そんな戦いを続けていれば、
戦略や作戦を研究する必要なんて全くないだろう。

そして、優れた敵がいたならば奴隷にして、その科学力を利用して
より強い武器を手にすることもできる。完璧だ。

そう考えると、ひたすら物量で磨り潰すというのは
「2202」におけるガトランティスの出自と、
彼らが持つ生産力を勘案すればもっともな戦い方だとも思う。

ただ、それが絵的に面白いかどうかはまた別なのだよなあ。
そのへんの見せ方は工夫がいりそうだが。

■旧作でのガトランティス

ここまで書いてきてふと思い出したのだけど、
この「2202」ガトランティスの戦い方は程度の差はあれ、
40年前の「さらば」を踏襲してるように思う。

前衛艦隊 → 彗星ガス体 → 都市帝国 → 超巨大戦艦

旧ガトランティスにも作戦なんてものはない。
倒しても倒してもきりがなく、
物量に頼って相手の疲弊を待つという点では、やってることは同じ。
「2202」ではそれをスケールアップしているわけだ。

■優先順位?

ヤマト宇宙では、多数の地球人型ヒューマノイドが文明を築いていそうだ。
ガトランティスはそれらすべてを刈り取ろうとしているわけだが、
行き当たりばったりに滅ぼすのではなく、
そこには「優先順位」がありそうに思う。

ネットで散見される
「イスカンダルが波動砲を以て覇権国家になった」のが、
ガトランティスによって滅ぼされた原因になったという説。

イスカンダルの波動砲がガトランティスに目をつけられる理由になった、
というものだが、これには一理ありそうに思う。

波動砲搭載艦が1隻あれば、
その数千から数万倍もの敵を一挙に葬ることができるわけで、
ガトランティスの「数の論理」に対抗できるわけだから。

圧倒的戦力比をひっくり返す可能性を持つ波動砲。
それらを所有するヒューマノイドに対して、
刈り取る優先順位が繰り上がったとも考えられる。

ならば、地球がガトランティスにとって
"辺境の弱小国家" から "優先的に殲滅すべき敵" へと "昇格" したのは
まさに「2202」第1話で拡散波動砲を使用した時だったかも知れない。
芹沢の命令は、地球へのガトランティス侵攻を
決定づけたのかも知れないのだ。

後半のどこかの章で「波動砲を持ったが故にガトランティスが襲来した」
なんてことになったら、芹沢はじめ波動砲艦隊構想を推進した人たちは
どんな顔をするのだろう。

■最後にちょっとしたいちゃもんを

ヤマトが波動砲発射態勢に移行したあと、
ヤマトの全景を後方から捉えたシーンがあるんだが
メインエンジンがしっかり噴射してるんだよねえ。

波動砲発射時って、波動エンジンのエネルギーは
すべて波動砲に回ってしまうから噴射してるのはおかしいはず。

単なる作画ミスなのか、それとも分かってやってるのか。
まあ、噴射してる方が絵面が良さそうだから(笑)後者なのかも。


(つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章」感想・・・のようなもの その5 [アニメーション]


※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。

▼第13話「テレザート上陸作戦・敵ミサイル艦隊を叩け!」(前編)

■砂竜狩り

砂漠のような地表に円錐形の物体がつき刺さる。
そして現れる沙竜を狩るゴーランドとノル。

「あの群れを根絶する」

バンバン撃ちまくって狩られる砂竜が哀れ。

「我らガトランティスは作られし命。
 他の生物や人間と違ってクローニングによって世代を重ねてきた」
「おまえはやがて私の名と艦隊を引き継ぐ。
 初代から20人目を数えるゴーランドだ」

なぜ古代アケーリアス人はクローニングを設定したのか。
ズォーダーは、愛や感情が不要になるからとか口にしたけど、
それが本当の理由なのかなあ。

案外、最初に作ったときの組織をそのままの形で
永久に残すための措置のような気もする。
どこかに穴が開けば、コピーがそこを埋める。
「変質」はしないかも知れないが、「変化」も「進歩」もない。
まさに "生ける機械装置" みたいなもんなのか。

愛情云々は時代が下るにつれて、自分たちが
"普通の" ヒューマノイドと異なる部分について、
勝手に解釈したものなのでは。

いままでの話で描かれてきたとおり、ガトランティス人は
口にするほど愛や感情について "悟り" を開いているわけではない。

いや、メーザーやサーベラー、そしてズォーダーさえも
非情に "感情豊か" な人々である。

もし、そんな "激情的" なガトランティス人に
「個人の感情は忌むべきもの。おまえたちに感情は必要ない」
って古代アケーリアス人が教え込んだのだとしたら、
ずいぶん罪なことだよねえ。

「そこに愛という不合理な感情は存在しない。
 私はお前を育て鍛えてきたが、それはゴーランドという存在が
 ガトランティス帝国に仕え続けるためだ。
 肝に銘じよ  故に我らは純粋」
「ゆえに・・・強い」

「愛という不合理な感情を持たない故に強い」
ガトランティス人はきっとそう信じているのだろう。
でも、実際の行動はその言葉を裏切ってばかりだが。

「しかし自らの後継者を思うことは生物として当然のこと」
「それはエゴだ。忌むべき自己愛であり、
 全体への貢献には結びつかない。お前もじきに初陣を迎える。
 ゴーランドの名を継ぎ、新たなノルを授かる日も遠くない。
  期待している」
「ゆえに・・・我らは」

最優先されるのは「全体への貢献」なのか。
ノルの涙が頬を伝う。
この13話のBパートでも古代の頬を涙が流れるが、
意識的に描写をそろえてるのかな。どちらも眼が映ってないし。

カメラが引いていき、ここはテレザートを封印する
岩盤の上だったことが分かる。
ということは、砂竜はどこかから運ばれて来たわけだ
あの円錐形の物体は、岩盤を移動させる動力。
そしてその岩盤の上空には ゴーランドのミサイル艦隊。

■尋問

ヤマトでは透子の尋問が始まる。担当は古代。メルダのときと同じだね。
モニター越しにそれを見つめるメインスタッフの方々。

そこへ佐渡が現れる。
「検査結果じゃがね。わしらやガミラス人と同じ人間と出た」
「彼女はガトランティス人とは異なる。
 地球人の死体から作られた蘇生体でもないということか」
「奴らのメンタリティではあり得ない。どんな任務があったにせよ、
 正体がばれた時点で始末されているはずだ」
「彼女は子作りをすることもできる。
 古代が聞いたガトランティスの社会とは矛盾する存在。
 いったいなんなのかね」
まさにガトランティスの中にあって唯一無二の存在なのか。

「11番惑星が襲撃を受ける直前、大規模なレーダー障害が
 起こったために軍の対応が遅れた。あれも君の手引きなのか」

そういえば透子さん、空に向かって手を広げてましたよねえ。

「僕となら話をしてもいいというから、こうしてきたんだ」
「偽善者」
「!?」
「言葉、間違ってた? アナタみたいな人、私たちにはいないから」
「わたしたち・・・?」
「解決しようのないことに拘っている無力な理想主義者」

波動砲の使用について葛藤していることを「偽善者」と言われる。
なんだかんだ言っても、波動砲を使って
危機を乗り切ってきたのは事実だし。

「何の話だ。君たちの社会に理想はないのか? 人間なら」

ここで透子が古代の胸に手を当てる。何か意味があるのか?

「シファル・サーベラー。それが私の本当の名前」

雪の表情が厳しいですね。馴れ馴れしく触らないでよってか(笑)。

「今日はここまで・・・ね?」

言いたいことだけ言ってあとはだんまり。透子さんの方が一枚上か。
何も怖いものはなさそうに見える。
スパイとして潜入した以上、殺されることも覚悟の上なのかも知れないが。

■エレベーター

乗っているのは古代とキーマン。
この二人に限らず、古代&雪、古代&斉藤と二人芝居の舞台になってる。
他者がいないから腹蔵ない会話ができるのだろう。

「とにかくこれでもう敵に情報が漏れることはない」
「そうだろうか。彼らの能力は計り知れない。どう対処すれば」
「あんたはもうあの女に関わるな。俺は情報部にいた。
 ああいう手合いの扱いは慣れている」

ノベライズの方でも、地球での情報部の仕事が語られてたよね。
ガミラスに進入したガトランスパイも相手にしたことがあるのか?

「ああいう?」
「人の感情をかき乱して操ろうとする。気にする必要はない」

自分がそういう目に遭いかけたからですかね。

■作戦検討

大作戦室でテレザート攻略作戦の検討。
最後の巨大岩盤の前面と後背に艦隊が展開中。 

機動甲冑隊がワープブースターで進出し、奇襲をかけることに。
ワープブースター、捨ててなかったのですね。
たしか何かの説明で分解して収納してたとか。
ここでこう使うとは思わなかったよ。

航空機の機数分あれば、物質転送システムを持たない地球軍でも
"デスラー戦法"(笑)、もといドメル戦法がとれるね。

 終盤の太陽系決戦あたりで大量に戦線投入されそう。

奇襲部隊の進出に合わせてヤマトも小ワープを敢行、
巨大岩盤の後方にワープアウトする。

「岩盤が護ってくれるわけだ」
「でもこっちからも攻撃できないでしょ、どうするの」
「波動砲を使う。ワープアウトすると同時に180度回頭、
 波動砲で巨大岩盤を粉砕し、敵ミサイル艦隊の動きを封じる」
「結局、岩を相手に波動砲かよ」

斉藤は不満そうだが。

「しかし一つ歯車が狂えば個々に分断されて我々は全滅する。
 あらゆる事態に臨機応変に対応せねばならない。
 初期のプランに拘ることなく。
 だが敵の不意を突ければ勝機はある。各員の健闘を期待する!」

険しい顔の古代のアップ。

そして瞑想室で不敵に笑うズォーダー。「ゴーランドに伝えよ」

やっぱり○○は○○○なんでしょうか?
(皆さんとっくにご承知でしょうが、あえて伏せ字で)
ヤマトの作戦はゴーランドに筒抜け状態。

■ワープの制約

ふと思ったのだが、前方に巨大質量が存在しているとき、
その向こう側へワープすることはできるのか?

「2199」での最初のワープの時、何かの障害で
海王星軌道へ向けてワープする予定が、なぜか木星に出てしまった。
あれは木星の巨大質量が原因じゃなかったのか?

それとも、テレザートからもたらされたデータによって
事前に質量分布が分かっていれば
それを縫ってワープすることは可能なのだろうか?

■ゴーランド艦隊

ミサイル艦隊のアップ。中に一隻、巨大なミサイルを装備した艦が。
ゴーランドの旗艦か。

そしてその中の一室。最初なんだか分からなかったけど、
ここは理容室だったのですね。
そして、ゴーランドの独特の髪形は、地毛を剃っていたことが判明。
じゃあズォーダーの髪形もそうなのかしら。

「お前は抱かれたことがあるか」
「え?」
「お前を育てた先代のお前に」
「いえ、そのようなことは」
「ふ・・・そうか」

一瞬、何の話が始まったんだと焦ってしまいましたが(^_^;)
ノルはゴーランドに抱きしめてもらったことはないのですね。

ふと思ったが、ノルは何歳くらいの時にゴーランドの元へ来たのだろう。
まさか赤ん坊の時に来たとも思えないし。5~6歳くらいかなあ。
今のノルが15~16歳くらいとすると、約10年。
それだけ一緒にいれば親愛の情はイヤでも湧くのではないか。

そしてノルはゴーランドのことを慕っているようだ。
ということは、彼に対するゴーランドの態度も
厳しいだけのものではなかったのだろう。

ブリッジへ上がるノル。風貌はもうすっかりミニ・ゴーランドに。

「初陣である! ガトランティスの戦の神髄をその身に刻め」
「は!」

■作戦開始

ワープブースターにとりつく起動甲冑の群れ。
パンフによると総勢50騎だそうな。パイロットは鶴見くん。

「テレザート上陸作戦を開始する!」

なぜか加わってる山本はともかく、
空間騎兵隊ってけっこうな数がいたんだねえ。
いつも倉田と永倉と天城と斉藤の4人しか映ってなかったから、
てっきりこれで全部かと思ってしまったよ。
一度くらい全員が映ったシーンがあったらよかったよねえ。
尺の都合なのだろうけど、「2202」ではこういうところを切っちゃうので
あとになって「あれ?」って思われるとこが増えちゃうんだよね。

ブースター、ヤマトを発進してワープイン。
つづけてヤマトも小ワープ。

■キーマンの回想?

「同じ穴のムジナ・・・よね。
 このフネのエンジンに何を仕掛けたんだか・・・
 いい・・・黙っててあげる。
 あの男の絶望する顔を見たいから」

ここの甲斐田裕子さんの演技が素晴らしすぎて・・・
ところであの男って誰? 普通に考えれば古代なんだろうが・・・

「お前はなぜ俺のことを話さない」
「あなたはいずれ、ヤマトを裏切る」
「裏切る・・・誰を」

ここで「誰を」というのが謎。

■激闘、テレザート攻防戦

ヤマトはテレザート星前面にワープアウト。
ここから新BGMが。

「艦首魚雷、続けて一斉射」

そして同時に岩盤背後にはブースターがワープアウト。

「よし、いいよ鶴見ちゃん。速度このまま。
 きついの一発ぶちかますよ!」
「ガッテン承知!」

永倉さんいいなあ。頼りになる姉御肌モード全開。
一斉に離脱し、個々に攻撃を始める起動甲冑。

しかしゴーランドは慌てず騒がず。

「何、機械の歩兵? ヤマトではないのか」
「慌てるな。我らが戦は大胆にして緻密。
 戦いの始まる遙か前に布石は打たれている。
 全艦急速回頭! 破滅の矢を放て!」

敵の手の内がすべて分かっていれば、そりゃ負けるはずがないって思う。

しかし起動甲冑は無双すぎだなあ。ミサイル(たぶんコスモタイガー用)が
次々にラスコー級巡洋艦を沈めていく。

混戦の中を逃げ回る鶴見。ブースターって、切り離せないのか?
あんなもの背負ってたらいい的だよねえ。

「くそ、ヤマトが来るまでは・・・来た!」

ヤマト2回目の小ワープ敢行。そしてそれを待っていたかのように

「破滅ミサイル発射ぁ!」

40年前は、このあまりにもストレートすぎるネーミングセンスは
如何なものかと思ったが、こと「2202」のガトランティスに限っては
不思議と違和感がない。思えば "火焔直撃砲" もそうだった。
ヤマトは意外とこういうところがアナクロなんだがそれがいい。


今日はここまで・・・ね?(笑)

(つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章」感想・・・のようなもの その4 [アニメーション]


※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。

▼第12話「驚異の白色彗星帝国・ヤマト強行突破!」(後編)

■滅びの方舟

ここからBGM「滅びの方舟」が。

透子は、キーマンに護ってもらっていたことを知る。
そしてサーベラーは、透子を介してキーマンの体温を感じているのか。

透「なにをしているの  殺すつもりだったくせに  なんでこんな」
キ「まったくだ  ばか げて る」

例え敵であっても、とっさの時には
身を挺して女性を庇ってしまうのだから
基本的にキーマンはいい奴なんだろうなあ、って思ってしまう。
胡散臭さ120%にも関わらず、憎めないんだよなあ。

透「この感覚  遠い昔に あの人と」
サ「あの人と私を苦しめた  永遠に逃れられぬ でも 温かい  苦しみ」

二人だけで共鳴を始めたサーベラー&透子。

ズォーダーは叫ぶ。「出て行け・・・全員ここから出て行け!」

感情を否定しているはずのガトランティス。
その根幹にいるはずのズォーダーがいちばん感情的になってる。

■彗星のコアの中で

そしてBGM「大帝ズォーダー」が始まり、
ここが12話のクライマックス。

透「これは  なに」
サ「これが 愛  私とあの人を ズォーダーを苦しめてきたもの」
ズ「なぜ繰り返す」

ヤマトの背後に浮かび上がる彗星のコア。

「大帝・・・ズォーダー」
「おまえは白銀の巫女だ」
「私はシファル・サーベラー」
「愛こそが人間を間違わせると知る者だ」
「そう   私は愛を知っている  あなたも」
「違う!」

コアのデータが判明。直径約6800km、火星とほぼ同じ大きさ。
「彗星の中に惑星が」「もしや これが ガトランティスの」

「もうやめましょう  前にも言ったはずです  ここはあなたの心の中」
「やめろ」
「アナタが壊そうとしているのは  この宇宙ではなく」
「やめろ」
「あなた自身・・・」

 このあたり、BGMのせいもあるのだろうが、
 なんとなく「999」を彷彿とさせる雰囲気を感じたよ。

サーベラーの絶命時の衝撃が襲ったのか、
このとき透子も死んだかと思ったが失神しただけだったね。

ここで重力波が消え、ヤマトはワープで脱出。

「ガイレーン 新しい巫女を」
「これで何人目か。記憶のコピーは制限してあるのに
 なぜ、何度でもオリジナルの記憶を取り戻してしまうのか」

サーベラーにオリジナルの記憶が甦ってしまうというのは、
クローン技術にもともと不備があるのか。
案外、これも古代アケーリアス人の "仕込み" だったりして。

■土方の決断

「地球司令部に状況は伝えた。我々は前進を続けるべきだろう。
 あれほどの規模を持つガトランティスがなお欲しがる力、
 テレザートを開放するために」

■それぞれの "愛"

この12話は、9話と対になってるように思う。
古代と雪、ズォーダーとサーベラー。それぞれの "愛" が描かれる。

愛する者のためには自らの命さえ省みない古代と雪、
意のままにならない相手を手にかけてしまうズォーダー。

「愛故に人は奪い、憎み、殺し合う」
9話で古代に対して放った台詞が
巨大なブーメランになってズォーダーに帰ってくる。
感情を否定しているはずのガトランティス人自身が、
実はどっぷりと感情にはまっている。

そもそも古代アケーリアス人がガトランティスを創造したとき、
彼らに感情はあったのか、なかったのか?

当初からあったがそれを押さえつけてきたのか、
それとも、当初は感情を持たなかったが、
次第に取り戻していったのか?

もしそうなら、それは何かのバグなのか、
古代アケーリアス人の仕込んだ "時限爆弾" なのか?

■滅ぼす側の論理

地球の歴史でも、ある文明が他の文明を滅ぼし、
そこにいた人間を虐殺するなんてのは数え切れないほどあっただろう。
滅ぼし、虐殺する側はおそらく自らが悪だなどとは思っていない。
それどころか、当時の価値観では
正しいことだと認識していたかも知れない。

ガトランティスも、自らが邪悪な存在とは毛ほども思ってないだろう。
自分たちに与えられた崇高な使命を実行しているだけ。
そう認識しているのだろう。

そして、自分たちはそれが許される特別な存在なのだという
"根拠" というか "理屈づけ" のために
感情云々が用いられているのかも知れない。

 9話でズォーダーが古代に語ったとおり、
 自分はおまえたちとは違う存在なのだと。
 だからおまえたちは我々にひれ伏すべきで、
 それを拒むなら滅びる定めだのだと。
 徹底的に相手を見下す理由がこれだったからね。

しかし、自分たちもまた感情を持っていると認めることは
今まで滅ぼしてきた相手と自分たちが
同じ存在だと認めること。

今までさんざん見下してきた相手と
実は同等だったという事実は
絶対に受け入れられないことなのだろう。

■白色彗星&サーベラー

今回の話で分かったことは
サーベラーはクローニングで代を重ねる。
サーベラーは生殖能力を有している。
サーベラーは彗星帝国の制御メカ(?)を操ることができる唯一の存在
サーベラーは "人間を裁くことのできる(最後の)人間" である

ガトランティスは、古代アケーリアス人が作り出したもの。
その存在理由は、古代アケーリアス人が播種した種(ヒューマノイド)が
悪しき進化を遂げたとき、それを "刈り取る" こと

そして白色彗星は、"滅びを司る方舟"。

古代アケーリアス人は安全装置としてのガトランティスを創造し
それを実行するための力として
白色彗星(コントロール装置としてサーベラー込みで)を用意した、
ということか。

いつから白色彗星が稼働しているのかは分からないが
13話で語られるように、ゴーランドが20代目というのを考えると
1代平均30年(戦闘の最前線に立つ期間として)とすると600年ほどか。

 まあ、ゴーランドという存在自体がガトランティス誕生時から居たとは
 限らないので、もっと古いのだろう。
 個人的には最低でも1000年くらいは経ってそうに思うんだが。

■ガトランティスの目覚め

目覚めたきっかけがイスカンダルの覇権主義国家化だという説が
ネットでは散見される。
波動砲で大マゼラン雲を血に染めたイスカンダルが
ガトランティスに滅ぼされ、かろうじて生き残った一握りの人々が
サレザー恒星系の双子惑星に移住、相方の星にいた蛮族(ガミラス)に
文明を与えて導き、いつしか神格化された存在となる。
イスカンダル人自体は過去の過ちから、あらゆる星間文明に
救済を与えることを国是として細々と生き残ってきた。
もちろん自らに破滅をもたらした波動砲の使用は禁忌として・・・
なんて考えると、たしかに「2199」にも綺麗につながるんだが、
さてどうだろう。

■暴走ガトランティス

ズォーダー自ら「おまえに従っている」と語るくらいだから
どの星(文明)を滅ぼすかは、サーベラーが決めているのだろうか?
なにせ "裁定者" だからね。

でも、ガトランティスが暴走しているのなら、
ガトランティスそのものこそ "刈り取られる" べき存在に
なってしまってないか?

 古代アケーリアス人の方々(笑)がご存命だったら、
 真っ先に粛正されてそうな気がするんだが。

案外、このへんが「2202」のラストに関わってきそうな気もしてる。

詳しくは13話の感想で書こうと思うんだけど
今回のガトランティスの物量は半端ではない。
彼らを単純に武力で凌駕するのはおそらく不可能。

旧作の「さらば」「ヤマト2」は、いずれも
テレサの介入によってガトランティスは倒される。
いわば「女神様に救ってもらった」わけだ。

しかし今回のテレサはどうか。
先のことだが、第14話での彼女の台詞を聞く限り
"現世" のことに介入する意思はなさそうなのだが・・・

旧作通り、ヤマトの奮戦にほだされて介入してくるのか。
でも、同じ結末を繰り返すのならリメイクした意味はないと思う。
「さらば」でも「2」でもない、第三の結末が見たいものだが。

とは言っても、テレサの介入なしに
ガトランティスを "止める" なんて、果たして可能なのか。

私は第三章9話と第四章12話は、
ラストの決着に向けての伏線だと思ってる。

そう考えると、ガトランティス自身が、
自らが暴走していること("悪しき存在" であること)を
受け入れて、自らを刈り取る("自壊" していく)、
なあんて結末を迎える可能性もありそうな気がしているんだが・・・

■こんな都市帝国はイヤだ

今回明らかになった都市帝国の直径は6800km。
でも、超巨大戦艦も全長が6800kmあるとは考えづらい。
たしか旧作では全長12kmくらいだったっけか。

実は、あの火星サイズの中に12kmくらいの超巨大戦艦が
無数に詰め込んであったりして(笑)。

 地球近傍まで来たら、彗星のコアがパカッと割れて
 中から真っ黒い超巨大戦艦が数万隻単位で
 わらわらと湧いて出てくるとか・・・(爆)
 うーん、想像しただけで夢見が悪そうだ。
 そんなカエルやカマキリの卵みたいな都市帝国はイヤだなあ・・・

でも、レギオネル・カノーネでの250万隻という途轍もない数字を
聞いてしまったからねえ。もう何があってもおかしくない気もする。

■第12話まとめ

サブタイトルに「強行突破」とあるけど、
実際は命からがら逃げ出したという方が近いね。

そして、まさかまさかのサーベラーのヒロイン回。

旧作、とくに「ヤマト2」では
大帝に酒を注ぐか、デスラーをいじめてる(笑)か、
くらいのイメージしかなかったが
今作ではガトランティスの "出自" に絡み、
都市帝国のコントロールを一手に握るという超重要キャラに。

しかもタランに続く "複数化" (笑)。
しっかり白サーベラーさんと黒サーベラー(透子)さんの二本立て。
しかも二人にしたことによって物語が広がる。
第12話では、透子のスパイ疑惑からはじまって
ここまで話が一気に膨らむとは誰が予想しただろう。

白サーベラーさんはガトランティスの太陽系侵攻、
そして最終決戦において重要な役回りを果たしそうだ。

透子さんは・・・彼女も生き残れれば、
面白い立ち位置になりそうな気がする。
案外、ガトランティスを "止める" 切り札になったりして。


(つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章」感想・・・のようなもの その3 [アニメーション]


※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。

▼第12話「驚異の白色彗星帝国・ヤマト強行突破!」(前編)

■黒サーベラー誕生?

全裸で横たわるサーベラー。次第に黒髪に染まっていく。

「我らガトランティスとは異なる唯一無二の存在」

ガトランティス人とは肌の色も異なるし、違う人種のようですね。

「この彗星都市帝国を操るたった一人の巫女」

パイプオルガンを弾くもう一人のサーベラー。
彼女が弾いているのを初めて見たときは「なんで?」って思ったが
どうやらあれは彗星都市帝国の制御装置のよう。
そして、それはサーベラーのみが操れる、と。

■逢い引き(笑)

前回と同じ工場音のするところで逢うキーマンと透子。
キーマンは透子のことをスパイと気づいているのだろう。
それでいて協力を呼びかける真意は何か。

それを立ち聞きする山本。
これはキーマンを追ってきたのか、透子を追ってきたのか。

■エレベーター

「首尾は」「仕掛かり中だ」

この "仕掛け" のターゲットは透子だった。
彼女に狙いを絞ったのはある意味当然ではあるかな。
まず第一に疑われるのは第11番惑星以後にヤマトに乗り込んだ者で
空間騎兵隊を除けば、残りは彼女しかいない。
キーマンが古代に御注進したわけではないだろうし。

■航空隊、会議中

題字を書いたのは加藤かな。まもなく白色彗星と接触する模様。
スパイが航空隊の内部にいる可能性があるという。
でもそこまで疑ってしまったら、
一度でも艦外に出た者はみな容疑者になってしまうよねえ。

■第一艦橋

パネルに投影される白色彗星、その拡大図。

■彗星内部

幕僚の間ではデスラーのことが話題に。
ここで映る絵にはデスラー、タラン弟、
そしてもう一人向こうを向いた士官が。これがタラン兄?

ノイ・デウスーラにはデスラー砲を積んでるんだから、
少なくともノイ・デウスーラの完成までは
タラン兄は生きてたんじゃないかな。今は分からんが。
デスラー砲を量産してガトランティスの艦船に搭載しようなんて
"デスラー砲艦隊構想" なんてものができてたら大変だが。

「転移に必要なエネルギーは吸い上げた」

■エネルギーの行方

テレザート星のエネルギーを手に入れることによって
可能になることって何なのだろう。考えられるのは

(1)進撃速度の向上
白色彗星自体、今までワープして移動してきたのだろうが
なにせ図体が大きいし、周辺にいる無数の艦隊も
一緒に転移させることを考えると
一度に飛べる距離が少ないか、飛べる頻度が少ないか、なのかも。
無尽蔵のエネルギーが手に入れば、距離も回数も増えて移動速度が増し、
結果的に全ヒューマノイドを滅ぼすという
大目標の完遂が大幅に前倒しされるからね。

(2)兵器生産能力の向上
たぶん、彗星内部には艦船や武器の製造工場なんかもあるのだろう。
生産能力がアップすれば、さらに強大な武力を手にすることができる。
あとこれは13話で明らかになるが、テレザードの
反物質(?)エネルギーを充填した "破滅ミサイル" が登場することから、
ストレートに武器へ転用することもできそうだ。

(3)あらたな "遺産" の入手
古代アケーリアス人の残した超兵器群を目覚めさせるのに必要とか。
例えば、彗星内部にある "超巨大戦艦" の起動に必要、とかね。

■透子vs山本

スクリーンに映るヤマトに対して
「そろそろ見飽きたな」
そしてサーベラーを見やる。

そのとき、透子は何かを感じる。そこへ山本登場。
透子をスパイと名指しして銃を向ける。

これは山本の独断専行なのだろうが、結果的に当たりを引く。
透子はシラを切ることなく、自ら正体を暴露する。
艦内の様子をモニターしていれば遅かれ速かれ
自分が疑われるのは分かってただろうから、これは予定の行動なのか。
このあと、艦内を逃げ回るのだが、
彼女は何か目算があって逃げてたのだろうか。

■透子無双

ここからの透子の作画がとにかく綺麗でカッコいい。

「カマかけたりして。好きなの、彼のこと。その感情が人を」
「そこまでだ」銃を構えるキーマン。いつからここにいたのか。

「2199」では保安部員相手に格闘戦を仕掛けてた山本相手に
透子は尋常でない膂力と身のこなしを発揮して圧倒、そして逃げ去る。

「古代、奴が動いた」

走る透子。ここで一瞬挿入されるイメージは何?
ガトランティス人と思われる男の髪は濃紺? 女の髪は栗色?肌は白い。
若い頃のズォーダー? そして先代(先々代あたり?)のサーベラー?

隔壁に阻まれて立ち止まる透子。
催涙ガスが投げ入れられ、倉田・永倉・斉藤が突入。
しかし倉田は瞬殺、永倉と肉弾戦になるが互角以上に戦い、
空間騎兵相手に引けをとらない格闘能力を示して逃げ切ってしまう。

いやあ、こういうシーンはいいね。メカ戦ばかりでなく肉弾相撃つのも。
しかし永倉でさえ敵わないとはねえ。

■白色彗星ワープアウト

透子の逃亡に艦内が騒然とする中、白色彗星が消滅、
次の瞬間、ヤマトの眼前にワープアウト。
カメラが一気に引いていって彗星の巨大さを見せる。

「反転180度!」←旧作の台詞の再現?
古代が叫ぶが、ヤマトは超重力に捕まってガス体の中へ。
響き渡るのは「さらば」を彷彿とさせる大帝の高笑い。

■ガス体に翻弄されるヤマト

ここの作画は往年の金田伊功オマージュかなあ。
思わずガス体の中に女王プロメシューム様の顔を探してしまったよ(笑)。

■透子vsサーベラー

サ「ヤマト・・・あの人の心を惑わし、
  我らガトランティスに災いをもたらす船」
透「私は私を殺そうというのか」
透子に気づくサーベラー。
透「私はサーベラー」
サ「違う! サーベラーは私だ。裁定者としてこの彗星都市帝国に
  目覚めを促し、それを操る。大帝の命に従って。お前は誰?」
透「わたしは・・・」
透&サ「私はサーベラー。唯一無二の・・・」

「重力干渉波が弱まっている。今だ島!」

サーベラーが不調になると彗星帝国も機能不全に陥るのだね。
彼女が全機能を握っていると考えていいのか。
そして "裁定者" とは何?
文字通り考えれば、ガトランティスが出会った文明に対して、
それを滅ぼすべきか否かを判断している?

「二人のサーベラー殿の共鳴、うかつでした。
  二人以上の純粋体がこうも接近するのはかつてなかったこと」
 純粋体は我らとは違う。2つが同時に存在することは・・・」

どうやらサーベラーは一度に一人しか産み出されないのが本来のよう。
その原則を曲げてまで一人余計に作り出し、
ヤマトへ送り込んだのはなぜ? テレサに呼ばれたフネだから?

ズォーダーが目を閉じて何事か念ずると、
透子が何事か衝撃を受け膝から崩れ落ちる。

これは、ズォーダーが透子との "接続を切った" のだろう。
透子は何を感じたか。大帝から見捨てられたと感じたか。

そもそも透子はなぜ逃亡したのか。
ヤマトを脱出して白色彗星に帰還できると思っていたのか?
大帝が迎えに来ると思っていたのか?
この12話を見る限り、大帝は透子がスパイであることがバレた時点で
"使い捨て" にすることを決めていて
"回収" するつもりはなさそうだが・・・

「おまえは唯一の存在。人間を裁けるたった一人の人間」
「私に従っているのではない。私がおまえに従っているのだ。
 最後の人間、シファル・サーベラーよ」

"最後の人間" とはどういう意味なのか。
サーベラー以外のヒューマノイドはすべて人間もどきというわけなのか。
ひょっとして、サーベラー自身が
古代アケーリアス人最後の生き残りだったりして?
ズォーダーがサーベラーに従っているというのもその辺が理由?

サーベラーが正気を取り戻し、制御を回復したガス体は
ふたたびヤマトを襲いはじめる。

透子の前に現れるキーマン。銃を構えるが、通路が崩れ落ちる。

■彗星内部の大艦隊

最大出力を維持しても引き込まれていくヤマトの前に姿を現す
無数のガトランティス艦隊群。

ヤマトだけ引き込まれていって、他の艦船には影響がないらしい。
単なる重力ではなく、ヤマトをピンポイントで捉えてる
トラクタービームみたいなもの?

「なんとしたこと。サーベラー殿の共鳴によってみな沈黙してしまった」

大艦隊は全くヤマトに対して反応しない。
サーベラーによる制御は艦隊にまで働くのか。

「ここまでだな。相転移次元跳躍の準備に入れ」

しかしサーベラーは固まってしまっている。


(つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章」感想・・・のようなもの その2 [アニメーション]


※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。


▼第11話「デスラーの挑戦!」(後編)


■みんなで背負う

ヤマト艦内では脱出方法についての検討会。
「この空間内で波動エネルギーを解放し
 その際に生じる放射熱を波動エンジンに取り込む」
「輻射誘導か」
このあたりの理屈はさっぱりわかりません(^_^;)

とにかく、空洞構造を利用してワープをする、
一歩間違えれば 船が吹き飛ぶ、
そして島が「俺と機関長責任は五分五分」

ここで古代が割って入る。
「いや、みんなだ」「みんなで背負う」
「こんなところで足踏みはしていられない  」

第13話につなげるための台詞なのだろうけど、唐突感は否めない。
もう少し言いようはあるだろうに・・・なんて思ったりする。

■よく見ておきたまえ

一方、主導権を握ったデスラーは悠然と攻撃準備。

「はじめからそのつもりだった。我らの精神感応を断つために、ここに」
「私は屈辱を忘れん男だ」
「おわかりでしょうね、ここでそんなものを使えばどうなるか」
「空間そのものが燃え上がる。ヤマトも、大帝からお預かりした艦隊も」
「デスラー!」
「よく見ておきたまえ、それが君の仕事だろう?」

デスラー砲発射、吹き飛ぶラスコー級、
そして空洞内を進むデスラー砲のビームがヤマトに迫る。

「余剰次元の爆縮を検知」
「波動エネルギーがこの空間とぶつかり合って衝撃波を生成している」
「古代! 重力アンカーを開放し、衝撃波を受け止めれば
  ヤマトは波動エンジンに頼らずともワープできるはずだ!」
「輻射誘導波接近」

ここでも土方の台詞が都合が良すぎるような。
危機がやってきても謎の理屈で切り抜ける。
もうちょっと言い様はなかったのか?

■イナーシャル・キャンセラー?

ヤマト艦尾から迫る輻射誘導波。

ここで島は(たぶん)「イナーシャル・キャンセラー、最大!」
って言ってる。英語で書けば inertial canceller か。

「艦尾接触、押されています!」
「全吸入バルブ開放」
「全艦ワープに備えよ!」

この「イナーシャル云々」という台詞は
「トップをねらえ!」の第4話のオマージュなのかも知れない。
同じ台詞がでてくるからね。

inertial canceller は、SFでいうところの「慣性中和装置」とか
訳されるものだろう。慣性質量を小さくすることができれば、
物体をより小さな力で加速することができる。a=F/m だからね。

 もし慣性質量を0にできれば加速度を無限大にできる。

「トップ-」では、亜光速で飛行する宇宙怪獣を
ガンバスターが真っ正面から受け止めるシーンで使われた。

今回はヤマトの慣性質量を限りなく小さくすることで、
衝撃波に飲まれず、それに "乗って" 前進することを可能にしている、
という理屈づけなのだろう。

おそらく "重力アンカー" というのはこの真逆のはたらきをするもので
慣性質量を限りなく大きくすることによって、
波動砲の反動を喰らっても船体が後退しないようにしているのだろう。

 たぶんヤマトは、慣性質量を可変させるシステムを積んでいる。

とは言っても、上に書いた内容はBDを何回か見直してみて思ったこと。
しかも私個人の解釈だから、正しい保証はない。
このシーンを観て「よく分からなかった」という感想はごく普通だろう。

製作している側はそれなりに理屈づけをしているんだが
お世辞にも万人にわかりやすいとは言えない。
単に「謎空間に入って、危機が来たけどワープで脱出」って
安易な展開に思われても仕方がない。

「波動エンジンを使わなくてもワープできる云々」を含め、
この異次元空間に関する展開をみていると、
同じことをするのでも、もう少し語りようがあったのではないかなあ。

■ガーレ、デスラー!

「ヤマト ジャンプしました」
「相変わらずの強運」

さして残念そうでもないデスラー。ヤマトが脱出するのは織り込み済み?
この程度で沈んでもらっては困る、くらいは思ってそう。

「コアを失った異空間はじきに消滅するだろう」
「なんのつもりだ」
「ミル君、この空間が崩壊してコスモウェーブが戻れば
 きみはうれしいんじゃないのかね」

そして、ガミラス国家のテーマと共にワープアウトする艦隊。
スクリーンに映るのはなんとタラン弟。

「総統、全員ご帰還をお待ちしておりました」
「変わらぬ忠節、心より感謝する」

ここでタランの表情が一瞬かわるのだが・・・
これはどう解釈すればいいのか。

「ガーレ、デスラー」
「どうかね、これが真のわが艦隊」

ミルに銃を突きつけて
「大帝にはいずれ知れる。まあ、そうあわてるな」

■雪と土方

古代からの艦長就任を断る土方。

「今日は敵の罠にはまった。自分の尻拭いをしただけだ」
「心配はわかるが、いま古代が向き合っているのは
 自分で乗り越えるしかない壁だ。
 おまえは倒れそうになった時に支えてやればいい」
「お前のご両親も信じ合い、支え合っていた。お前たちにだってできる。
 どんなときも人間はそうして生きてきたんだ」

ここでの土方は上官と言うよりは古代に成長を促す指導教官か。
そしてここで始めて出たのが雪の両親の話題。
さて、2202では雪の出自についても触れると聞いているんだが・・・
果たして雪は本当に地球人なのか?

■第一艦橋

「さっきのデータだが通常の三倍の出力でワープに突入しとる」

"通常の三倍" www。

「異空間の崩壊をもたらしたものは何だったんですか?」

真田「おそらく」キーマン「デスラー砲」
古代を見やる島。古代は険しい顔。

南部くんの「デスラー戦法!」はありませんでしたね。
まあ、なくて当たり前なんだが、ないならないで物足りない気も(笑)。

■デスラー復活

いよいよ本格登場となったデスラー。
とにかくこの第11話では、ひたすらカッコいいデスラーを描くのが
目的のひとつのようにも思う。

ただ、狂喜乱舞している全国一千万のデスラーファンの方には
誠に申し訳ないのだが、
私はデスラーというキャラにそんなに思い入れがないんだよねえ。

より正確に言うと、TVシリーズ第1作のデスラーは
実に魅力的だったと思う。
「さらば」での復讐鬼としてのデスラーも、
その潔い最期もあって嫌いではない。

それが、「ヤマト2」においてヤマトに対する恨みを捨て、
宇宙の彼方に旅立っていったあたりから怪しくなる。

そして「新たなる旅立ち」以降、なし崩し的にヤマトに、
そして古代に対して親愛的になるデスラーには、
正直なところ違和感しか感じなかったものだ。

 BDに収録のEDでは、その「新たなる」をなぞるような
 デスラーが描かれている。
 ノイ・デウスーラの甲板に佇み、宇宙の風(!)に髪をなびかせ、
 後ろ姿の古代と対峙する。
 このED、往年のデスラーファンが大喜びしているだろうなあ・・・
 でも上に書いたとおり、私はさほど感慨を覚えないんだよねえ。

さて、2202で復活した新生デスラーはどのような道を歩むのか。

おそらく、第五章ではヤマトとデスラーの再戦が描かれるのだろう。
結果は分からないが、第14話におけるテレサの "預言" によれば
おそらくガトランティスとヤマトの最終決戦では、
デスラーはヤマトと共闘するのだろう。
そこにどうガミラス本国が絡んでくるのかは不明だが・・・

共闘自体を否定はしないが、
願わくば旧作のような "馴れ合い" にならず、
最後まで緊張感を持った関係で描いてほしいものだ。

「私はガトランティスと戦いたいから戦うのだ。
 ヤマト? 地球? そんなものは私の知ったことではないよ」

くらいのことは言ってほしいなあ。

■デスラーの目的

公式サイトの第五章のSTORYに
デスラーが率いるのは旧体制派とあるので
現体制(ヒス&ディッツ&ユリーシャ)はとりあえず健在なんだろう。
まあ、地球に大使だって派遣してるし、
定期便も運行されてるんだからねえ。

ならば、デスラーの目的は現体制を倒してバレラスに帰還することか?
まあいきなりは無理だろうから、手始めは
現体制の "本家" ガミラス帝国に対抗して、
旧体制派の星系を根拠地に "元祖" ガミラス帝国(笑)の樹立か?

■タランの真意

さて、ガミラス現政権内にいたはずのタラン弟がデスラーに合流。
その真意は何か。いくつかのパターンが考えられるんだが

(1)本心からデスラーに忠誠を誓っている場合

a:旧体制崩壊時からデスラー支持だったが、
 それを隠して新政権に参加、デスラー健在を知って離反。
b:旧体制崩壊時には反デスラーであったが、
 植民地の離反を止められないグダグダ政権になったこと
 or 現体制下で冷遇された etc で失望して離反。

(2)内心は反デスラーである場合

a:兄タランを助けるため。
b:現政権から密命を受けて潜入、
  機会を見てデスラーの足を引っ張る(笑)ため。
c:現政権内に潜む旧体制派を引き連れて離脱、
 結果的に現政権が一枚岩になり安定化することを狙う。
 また、旧体制派も一カ所にまとまるので殲滅しやすくなる。

 おお、(2)のc は「装甲騎兵ボトムズ」の
 「クメン編」のパターンですねえ。
 でもこの場合、タラン弟は自分の命は捨てる覚悟が必要だけど。

公式サイトの「愛の宣伝会議⑤」では、
「デスラーに再会できて感激してる」とか言ってたから
普通に考えれば(1)なんだろうけどね。実は(2)のパターンだった、
っていうのもあり得なくはない。でも可能性は薄そうだが。

まあ、デスラーと言えばタラン、
そしてタランと言えば太い方(笑)だからね、
この辺も旧作に寄せてきたんだろう。

■第11話まとめ

脚本にところどころいちゃもんをつけたけど
もうちょっと言い回しに工夫があれば
ずいぶん不自然さが回避できたような気がしてて、
もったいないと感じてる。

 説明が少ないと「わかりにくい」と文句を言われ
 説明が多すぎると「ご都合主義」と叩かれる。
 つくづくSFの描写は加減が難しい。

ストーリー自体は良くできてると思う。
デスラーの視点から見ると、今回は100%目論見通りに
事態が進行したわけで、笑いが止まらないだろう。

まさにデスラーの、デスラーによる、デスラーのための回。

第五章で本格的にヤマトと激突し、
おそらくガトランティスとの最終決戦でも
大きな役割を果たすであろうデスラーを、
充分にアピールできたのではないかな。


(つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章」感想・・・のようなもの その1 [アニメーション]


※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。

例によって、本編を見ながら思ったこと感じたことを
ダラダラ書いていきます。

■新OP

ささきいさお "大先生" による
新規収録「宇宙戦艦ヤマト2202」が初披露。
吹奏楽もそれなりによかったが、やはりこの人の歌声を聞くと
「ヤマトだなあ」って思う。
やや声が細くなったかなあとも感じるが、
来年には喜寿を迎えられることを思えばすごいもんである。

ちなみに "大先生" とは、かみさんが
ささきさんのことを口にするときに必ずつける尊称のことである。

かみさんにこのOPの感想を聞いてみた。
「最初のイントロがすごくテンポが速かったでしょ」
「うんうん。でもアレが旧作の『ヤマト2』のテンポらしいよ」
「ふーん。あたし、あんまり速いんで大先生は
 ついてこれるのかって心配しちゃった」
「いくらなんでもそんなことはないよ」
「あと、歌詞が2番なのがいいなあ。『誰かがこれをやらねばならぬ』
 ってところが最高。仕事中に何回この歌詞を思い浮かべたことか」
「あの歌は人生の応援歌だからね。
 そういう人はたくさんいると思うよ。私を含めて」

バックの絵はそのままだったが、第五章からは変わるのかな。


▼第11話「デスラーの挑戦!」(前編)

■汚染艦隊

古代に情けをかけられて生き延びたメーザーとコズモダート。
ヤマトの追撃戦に入っているんだが
第11番惑星に集結した艦隊のうち、どれくらいがこれに加わってるのか。
仮に1%としても2万5000隻なんだが。
そして残りはどうなってるのか?

大帝の命に背いている自覚はあるようだが、それでも二人は
「戦いあるのみ!」

■デスラー&ミル

そしてその艦隊をみつめる二人。
前章のラストで姿を見せたデスラー総統、そして監視役のミル。

 ちなみにミル君のCVは内山昴輝さん。
 『ガンダムUC』の主役・バナージくんですね。

ミルがこの艦隊を指して<汚染物質>と言い切ってしまうあたり、
感情に触れるのがいかにガトランティスにとって
禁忌なものなのかが窺われる。

彼の口ぶりからはこれが初めての "汚染" とも思えないので、
過去にも同じようなことがあったのだろう。

■デスラー砲お披露目

ワープを終えて通常空間に戻るノイ・デウスーラ。
ここでデスラー砲発射準備に入るんだが
デスラー砲はワープアウト直後でもOKなの?

あんだけ図体が大きいんだから、航行用とは別に
デスラー砲専用の波動機関でも積んでるもかも知れないなあ・・・
なんて思ってたんだが、考えてみたら13話では
ヤマトもワープ終了直後に波動砲を撃ってるよなあ・・・
うーん、あっちは小ワープだったからOKなのか?

観ているときは勢いにのってるせいか、あまり疑問に思わなかったんだが
こんなふうに書き出してみると意外と気になるものだ。
ワープも波動砲もお手軽に使いすぎるのは禁物だと思うなあ。
何でもありになっちゃうからね。

■ぞっとしませんね

「個人の感情に支配されなかったが故に
 我らガトランティスの栄達はあった」
「正直、ヒューマノイドに関わるのはぞっとしませんね」

 わたしは普段「ぞっとしない」という言い回しを使わないので
 思わず辞書を引いてしまいました(笑)。
 この「ぞっとしない」は「おもしろくない・感心しない」の意味で
 「怖い」という意味での「ぞっとする」の否定形ではないらしい。

そしてそれに答えるデスラー。
「時に取り返しがつかないからね。
 感情に、愛に狂わされるということは」

これは4年前の自分自身のことを言ってるのか。

■テレサからのデータ

ヤマトでは、テレザード星に関するデータの解析。
コスモウェーブはデータ通信でもあるのだね。

星を取り囲む岩盤はエネルギー吸収システム。
そしてその前後には大艦隊が。

「当然、波動砲の使用も考慮に入れるべきだ。
 残された時間は少ない。どう戦う、艦長代理」

ここで土方は具体的な策は出さない。
無茶振りをしているのではなく、11話の最後で語ったように
「自分で乗り越える」決断をするのを待っているのだろう。

■キーマンと透子

艦内で佇むキーマン。響いているSEからすると艦内工場の近く?
現れる透子に「おまえはなぜヤマトに残った」
答えは「このぬくもり」かみ合わない会話。
そして透子の中にイメージが。
サーベラーらしき女性が赤子を抱くイメージ。赤子の肌は緑色。
先代(先々代?)のサーベラー&幼少期のズォーダー?

■デスラー襲撃

BGMに載せてミサイル群がワープアウト。応戦するヤマト。

「どうやらあのフネは何一つ変わっていないようだ」

何をもってそう言い切れるのか。

「ミル君、これから面白いものを見せてあげよう」

このあたりからの総統がもうホントに楽しそうで。
ヤマトに逢えて嬉しいんだろうねえ。

全方位から襲い来るミサイル。針路側からも攻撃
艦橋に上がってくる土方「艦長代理、どうなっとる?」
アナライザーが脱出経路を計測「18秒後に1時の方向に6秒間だけ開放」

「罠かも知れんぞ」
土方を見つめる古代。わずかに頷く土方。
すかさず「島!」
これだけでワープに入るんだから阿吽の呼吸だね。

「目標、ワープに入りました」
ヤマトはワープで窮地を脱するが、それはデスラーの罠。
かつてのグリーゼ581での戦いのように、
ヤマトを謎空間に追い込む。そのためにミサイル攻撃。

 ちょっと用語の統一感が気になる。
 地球側は「ワープ」、ガミラスは「ジャンプ」、
 ガトランは「次元跳躍」のはずなんだが、
 この11話のデウスーラ艦内ではワープとジャンプが混在してる。
 何か意味があるのか単なるミスなのか。

「死中に活を見いだす これがヤマトだ」

デスラーは沖田の死を知っているのか。
たぶん知らないんじゃないかとは思うのだが。

■謎空間

波動エンジンの変調からエンジン停止を命じる真田。
周囲の真空は通常の真空と異なって高エネルギー状態とのこと。
そしていつの間にか艦長席についている土方。
さらに続く攻撃に指揮を始める。
南部にまで命令を始める始末で、古代くんの立場がない(笑)。

■ガトランティスの "手品"

ミルに重なる透子のイメージ。

「たいしたものだ、君たちの手品は。
 距離はもちろん空間の種類も問題にしないらしい」
「コスモウェーブとはそういうもの」
「おかげでヤマトの捕捉に手間取ることはなかった。ここまでは。
 精神感応波による超次元通信。
 たしかテレサの祈りとやらもそう呼ばれていたね」

まあ簡単に言えばテレパシーのようなもんだろう。
ズォーダーは宇宙の各星系に送り込んだ諜報兵や "蘇生体" から
リアルタイムで情報を得るシステムをもっていることが
前章で示唆されていたが、正式に情報公開となった。
これもまた "安全装置" としての "機能" なのか。

第14話まで見終わってから改めてこのシーンを見ると、
デスラーもまたテレザートからのコスモウェーブを受け取った
"テレサに呼ばれし者" なのだろう。

「ズォーダー大帝同様、君はガトランティス人としては
 ユニークな存在だ。ヤマトに潜り込ませたスパイもね」

ここでの「ユニーク」とはどういう意味? 唯一の?

■ "ちくわ" 登場

「あの円筒型の天体は」「あきらかに人工物だな」

ああ、やっぱり出すんだなぁ、というのが第一印象。
「ヤマト2」といえば宇宙蛍とちくわのエピソードは外せないのか(笑)。

空洞内部に入り込んで危機を迎えるのはもうお約束なので、
それ自体はいいんだけど、中に入る理由がなあ・・・

「古代アケーリアスの遺跡なら我々にとって有利に働く可能性が高い。
 賭けだが」

ええと、2199の亜空間ゲートは確かにそうだったけど
星巡る方舟のシャンブロウでも、2202第8・9話のシュトラバーゼでも
けっこう苦労させられてないですか? なぜ有利と判断できる?

 せめて観測データを示して、
 「あの空洞内部が通常空間につながっている可能性がある」
 くらいにしとけば無難だったんじゃないかなあ?

「あの物体はこの異空間のコアと考えていいだろう。
 近づくにつれコスモウェーブに変化があったと思うが」
「もはや自慢の手品は役に立たない。正攻法でいこうか、ミル君」
「どうしろと」
「ふっ、目で捜すのだよ」
そして
「無駄だよ。ここでは君の精神派も大帝には届かない」

この異空間はコスモウェーブを遮る効果があるらしい。
それを知っていてヤマトをここに追い込み、自らも来たことは
あらかじめすべて計画的だったということ。

■「ちくわの中に入ってるぜ」

「この空洞内部の空間は外部とは異なる次元階層で形成されている」
「ならば、我々も通常の宇宙に出られるのではないか」
真田さんが言うのは分かるが、どうして「ならば」って言えるのかなあ。
しかも土方の台詞で。
第9話でもそうだったが、土方の発言は先の見通しがよすぎるような。

■デスラーvsミル

ワイン(?)を飲むデスラー
「ガトランティスの技術の数々と独特の思想には目を見張らざるを得ない」
「ただ、大帝の御心を臣下の誰が理解しているのだろう。
 君たちには汚染源でも彼には香しき毒酒。お気に入りのおもちゃでは」
「おそらく大帝はヤマトの殲滅を望んではいない」
「ヤマトとその乗員は大帝が久しぶりに興味を持った存在」

勿体ぶった台詞が続くんだが、それが似合うのがデスラー。
"御心を臣下の誰が理解しているのだろう"
いやあ、臣下はもちろん、観ている私たちにも
よく分かりませんでしたよ、2199でのアナタは。
そしてヤマトに関する考察は、かつての自分の立ち位置だろう。

銃を抜くミル、その手を銃ごとねじ上げるデスラー。
意外と体術は冴えてる。

「大帝ははじめから気づいている。
 私にとってヤマトなど何の意味も持たないということを」

ここで意外な事実が明らかに。
どうやら2202でのデスラーには、ヤマト以上に大きな目的がある。

それでもかつてヤマトに一敗、地に塗れた身だからね。
このフネの存在は彼のプライドに刺さった棘みたいなもんだから
これは抜かずに済ますわけにもいかないだろう。

「この銃は預からせてもらうよ、ミル君」

クールな監視役として登場したのに、あっという間に立場が逆転(笑)。


(つづく)

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スター・ウォーズ フォースの覚醒 [読書・SF]


スター・ウォーズ フォースの覚醒 (講談社文庫)

スター・ウォーズ フォースの覚醒 (講談社文庫)

  • 作者: アラン・ディー・フォスター
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: 文庫
皆さんご存じのスペースオペラの金字塔、
映画「スター・ウォーズ」シリーズ第7作
「フォースの覚醒」のノベライズである。

著者名にはJ・J・エイブラムズやローレンス・カスダンなど
脚本執筆者が名を連ねているが
実際に小説化したのはアラン・D・フォスター。
懐かしいというか、40年前の第1作のノベライズも
彼の手によるものだから、ずっと第一線で活躍してたんだね。
たいしたものだ。

ストーリーは映画と同じなので割愛。
ノベライズの楽しみは映画ではカットされたシーンや
追加エピソードや設定の説明とかが読めることなんだが
本書はその辺の楽しみが少ない。
追加エピソードは、惑星ジャクーに墜落したタイ・ファイターから
ポー・ダメロンが脱出し、レジスタンスに生還した経緯くらい。
もちろん、登場人物の心理描写などは映画では分からないから、
そのあたりを楽しむことは充分にできるんだが。

あと感じたのは、ペース配分が悪いんじゃないかな・・・ってこと。
本書は文庫で約400ページあるんだが
終盤のクライマックスになるスターキラー基地の要塞砲破壊のために
ミレニアム・ファルコンが基地のある惑星に到着するのが
残り60ページほどのところ。
さらに、ハン・ソロとカイロ・レンが対決するのは残り20ページの時点。
レジスタンスのX・ファイターによる総攻撃、
フィンvsレン、レイvsレン、
レジスタンス基地でのルークの居場所特定、
そしてレイとルークの出会いが
わずか20ページで語られるのはちょっとせわしない気が。

映画と違って尺を気にする必要はない
(その代わりページ数に制約があるのかな?)のだから
このへんはじっくり書いてほしいなあ、って思った。


和製スペースオペラの代表作で、現在第四章までが公開されている
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」(全七章構成)も、
皆川ゆかによるノベライズが刊行中だが、
こちらの書き込み具合を体験してしまったら、
本書はちょっと物足りなく感じる。

ヤマトネタついでに言えば、この小説版の中では
今回ファースト・オーダーが使用した要塞砲は
ビームを超空間(ハイペースペース)経由で飛ばし、
星系をまたいだ攻撃をすると説明されている。
思わず「おお、火焔直撃砲!」って呟いてしまったよ(笑)。

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