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GODZILLA 怪獣惑星 [映画]

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ここ何年か、ゴジラ映画が再び作られるようになってきた。
アメリカに引き続き、去年は本家の日本で「シン・ゴジラ」が。
いずれも実写だったけど、今度は初のアニメーション作品となった。
全三部構成で本作が第一部。第二部は来年5月公開とのことだ。

まずはこの映画の背景設定から。

20世紀末、世界各地に「怪獣」が出現し、
人類はその生存を脅かされるようになった。
なかでも「ゴジラ」は核兵器も通用しない超生物で
他の怪獣たちを凌ぐ暴威をふるい、人類は敗走を続けることになる。

そんな中、地球に異星人が相次いで飛来する。

2035年に現れた「エクシフ」は母星が滅亡し、宇宙を放浪していた。
"他者への献身" を教義とする宗教を信奉しており、
ゴジラの猛威に絶望した人類に新たな精神的支柱を与える。

そして2036年に飛来した「ビルサルド」。
彼らもまた、ブラックホールによって母星を失っていた。
彼らはゴジラを葬ることを条件に地球への移住を申し出る。
そしてそのために、彼らの持つ超技術で
対怪獣兵器「メカゴジラ」を建造するのだが
その起動実験に失敗し、ゴジラに敗れ去る。

人類・エクシフ・ビルサルドの三者による地球連合は
地球外惑星移民を決定し、異星人の技術を導入した移民船が建造された。

主人公ハルオ・サカキは、4歳の時に
移民船「アラトラム号」で地球を脱出、船内時間で20年の後
地球から約12光年離れたくじら座タウeへ到着した。

しかしタウeは人類の生存に適さないことが判明する。
長引く航海に物資は欠乏し、人心は荒廃しており
新たな移住先を見つける前に限界が訪れることは明白だった。
アラトラム号は危険とされる超空間航行で太陽系へ帰還することを決定、
往路より遥かに短い時間で地球に到達するが
亜空間航行の影響で地球では既に2万年の時が流れていた。

・・・というのが、映画の冒頭で断片的に語られるのだけど
ほんとに断片ばかりなので、正直よく分からない(笑)。

特に異星人関係はほとんど情報が開示されないんだけど
基本みんな地球人型で、外見上の差異はエクシフは髪の色と髪形、
ビルサルドは眉毛の形が違うくらいしかないので
知らずに見ていたら異星人と思わないんじゃないかな。

ちなみにここに書いたのは、映画の公式サイトと
wikiに書いてあることをまとめたものだ。
まあ、わからなくても映画を観るのにあまり支障は無いんだけど(笑)。

要するに、2万年後の世界でもやはりゴジラは生き残っていて
地球の生態系の頂点に君臨している。
人類が地球で暮らすためには、ゴジラを倒さなくてはならない。
これだけ分かってれば大丈夫(笑)。

ハルオは、艦内の機密情報に密かにアクセスし、
地球で得られたゴジラのデータを異星人の技術で解析、
ゴジラを倒す戦術案を策定していた。

アラトラム号はハルオの案に従って対ゴジラ作戦を決定、
攻撃部隊を地表の三カ所へ分散降下させるが
ハルオのいる部隊はゴジラの亜種とも言える小型生物
(とは言っても体長10m以上はありそう)の
襲撃に遭い、かなりの損害を出してしまう。

指揮官は撤退を決定するが、揚陸艇が損傷してしまったために
衛星軌道まで戻ることが出来ない。
やむなく分散降下した他の部隊と合流すべく
地表を移動し始めるが、そこへゴジラが現れる・・・


時代設定といい舞台設定といい、今までのゴジラ映画にないものばかり。
当然ながら、できあがった作品のテイストもかつてないものになってる。

監督は静野孔文と瀬下寛之、
アニメーション制作はポリゴン・ピクチュアズとくれば
これはTVアニメ「シドニアの騎士」と同じ布陣。
実際、映画の前半を占める移民船や宇宙空間の描き方は、
シドニアにも通じる硬質な雰囲気を感じる。

ストーリー原案・脚本は虚淵玄。
人気の脚本家で「魔法少女まどか☆マギカ」で有名なのだが
残念ながら「まどマギ」は未見なんだよねぇ。
(あ、「翠星のガルガンティア」は観たよ。)

作画は全編フルCGであるので、メカの動きはバッチリである。
人間の動きも、「シドニア」第一期の頃は
ちょっと不自然かなぁと思わせるようなところもあったが
第二期ではかなりこなれてきたし、本作ではもっとよくなってきたかな。
観ていて違和感を感じるところはほとんどなかったように思う。
(まあ、観ている側がフルCGアニメに慣れてきたせいもあるのかな)

問題なのはCGゴジラだが、ずっしりとした重量感をもった
描き方をされていて、これもうまくいっていると思う。

物語は、よく言えばハード。悪く言えば暗い。

まず "遊び" がない。
例えば、おちゃらけたキャラがいないし
ギャグシーンは皆無と言っていい。
登場人物が笑いを見せるシーンも記憶にない。

主人公ハルオを巡る恋愛描写もほぼ皆無。
もっとも彼は地球脱出直前にゴジラの襲撃で両親を失っており、
そのこともあってゴジラ殲滅にすべてを賭けているので
そういう要素が入り込む余地が(第一部の段階では)ないとも言えるが。
ハルオの幼なじみでユウコというキャラが登場しているので
彼女といずれそういう関係になるのかも知れない。

後半戦はホバーバイクに多脚戦車、そしてパワードスーツと
未来兵器を駆使した人類とゴジラの、まさに "肉弾戦" を
迫力たっぷりに描いていてこれも今までのゴジラ映画にはなかったもの。
人類側は、人的にも物的にも多大な損耗を被りながら、
一歩ずつゴジラを追い詰めていくのだが・・・

とまあ、いくら "人類の存亡" をかけた物語だといっても
90分間息の詰まるようなシーンばかりでは観ている方が疲れる。

「面白い」とは思うが「楽しい」映画ではないなあ。今のところは。

「シン・ゴジラ」を観て、それがきっかけでゴジラ映画に興味を持って
本作を見に来た人がいたとしたら、まるっきりテイストが異なるので
ちょっと当てが外れるというか、
期待と異なる映画になってるかも知れない。

ファミリーで観るには内容が過酷だし、
デートで観るにはちょっと殺伐としてるように思う。
どの辺を狙ってるのかねぇ?

ちなみに、観客は私と同年代の人々もいたけど
意外と若い女性が多かったかな。多分声優さん目当てだろう。
宮野真守、梶裕貴、小野大輔、櫻井孝宏をはじめとして
イケメンボイスが大挙して出演してるみたいだから。


さて第二部だが、この映画の終わりに
予告編として画像がワンカットだけ挿入される。

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幾何学的な構造物の前に人間たちが佇むイメージなのだが
たぶんこれは地球脱出前に異星人ビルサルドが建造していて
起動に失敗したメカゴジラじゃないかな。
第一部の冒頭でちょこっとだけ画面に出てたような気がしている。
たぶんこれが第二部の "目玉" になるのだろう。

第二部のタイトルは「GODZILLA 決戦機動増殖都市」。
2018年5月公開とのこと。
これもたぶん観に行くと思う。

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