SSブログ

ハン・ソロ/スターウォーズ・ストーリー [映画(レンタル)]


言わずと知れた超有名映画シリーズ『スターウォーズ』。
ルーカスの手を離れ、ディズニーに移ってから
製作が再会され、本伝(EP.7~)と並行して
外伝的な映画も製作されるようになった。
本作は『ローグ・ワン』に続くスピンオフ2作目となる。

solo-a-star-wars-story.jpg
本作は、日本での公開前から「評判が悪い」とか
「アメリカでは大コケした」とかの
マイナスイメージが飛び交う映画だった。
(私が映画館へ行かなかったのはそれが理由ではないのだが)

結局、この時期になってレンタルビデオで観ることになったのだけど
これも「ハン・ソロ」を借りよう、って思って
TSUTAYAに行ったのではない。

かみさんが「グレイテスト・ショーマン」が観たいと言い出したので
そっちを借りに行ったところ、たまたまその横にあったので
ついでに借りてきた、ってのが本当のところ(笑)。

でも、家に帰ったらかみさんが思いのほか喜んで
「先に観よう」って言い出した、というわけで・・・


時代はEP.4の10年前って設定らしい。
もちろんルークやレイアにも出会ってない、
20代のころのハン・ソロが描かれる。

惑星コレリアは宇宙船の造船で知られる工業惑星。
若きソロと幼なじみのキーラは、コレリアを脱出しようとするが
キーラは途中で捕まってしまう。

ソロはキーラの救出を誓って帝国軍のパイロットに志願するが、
3年後、なぜか彼は歩兵としてどこかの惑星の地表を這いずり回って
戦闘に明け暮れている。

ここでも彼は戦場からの脱走を企てて失敗し、
それがきっかけでチューバッカと知り合う。
さらにはトバイアス・ベケット率いる盗賊団に加わることになり
宇宙船燃料のコアクシウムを運ぶ輸送列車を襲うことになる。

しかしすんでのところで強奪に失敗、
依頼主に詫びを入れるために、ベケットともに
ドライデン・ヴォスのもとを訪れたソロは
そこでキーラと再会する。

埋め合わせのためにドライデン・ヴォスから
新たな命令を授かったソロたちは、実行の手始めとして
銀河一速い宇宙船を手に入れようとするのだが・・・


冒頭のカーチェイス、どこぞの惑星での地上戦、
(上にも書いたが)チューバッカとの出会い、
雪山の連なる中を驀進する列車上でのアクション、
ランド・カルリシアンとの賭博勝負、
囚人惑星での反乱、重力嵐の中を飛ぶミレニアム・ファルコン、
そして砂漠の惑星での決着と
さまざまなシチュエーション下でのアクション・シーンのつるべ打ち。

ベケットの相棒の女性・ヴァル、4本腕のパイロット・リオ、
女性型ドロイドのL3など魅力的なキャラも多いし、
ピカピカの新品だったミレニアム・ファルコンが
映画の中でガリガリと酷使されて、どんどんボロボロになっていって、
”おなじみの姿” に近づいていくのも楽しい。

ストーリーもシンプルなので理解に悩むこともなく
頭を空っぽにして観る分には十分楽しいSFアクション映画だと思う。

ただ、やっぱり『スターウォーズ』って看板を背負ってしまうと
途端に観る側のハードルが上がってしまうのだろうなあ。


そして、いちばん致命的なのは『ハン・ソロ』ってタイトル。
そう聞いたら、みんなハリソン・フォードを頭に描いてしまうだろう。
ところが主演のオールデン・エアエンライクが見事なまでに
ハリソン・フォードに ”似ていない”。

もちろん、そっくりさんを起用しろとは言わないけれど
「もうちょっと何とかならなかったのかなぁ」byかみさん
私も同意見である。

いま「ボヘミアン・ラプソディ」って映画が大ヒットしてる。
フレディ・マーキュリーも現代の俳優さんが演じてる。
ぱっと見、そっくりに思えるけど、
ネットで二人の写真を並べたものがあって、観てみたら意外と違う。

あそこまで似せろとは言わないが、もう少し何とかならなかったのか。
「ハン・ソロ」って題名をつける以上はねぇ・・・

映画のラストでは、”本伝” にも登場してる意外な人物が姿を現し
”続編” の可能性を匂わせて終わる。
たぶんディズニーは、ハン・ソロ主演のシリーズを
新たに立ち上げたいのだろうなあ・・・なんて思ってみたり。

果たして本作は興業に於いて合格点をもらえたのかなぁ。
私としてもこの続きは是非観てみたいのだけど・・・さて?

nice!(3)  コメント(3) 
共通テーマ:映画

機動戦士ガンダムNT(ナラティブ) [アニメーション]


「機動戦士ガンダム」と名のつくシリーズは数あれど、
その中でも本家と言える「宇宙世紀(U.C.)」を舞台にした作品群に連なる
新作アニメーション映画である。

G-NT.jpg
一年戦争(U.C.0079)時に、ジオン軍のコロニー落としを
事前に察知した3人の子どもたち、ヨナ、ミシェル、リタ。

戦後、孤児となった3人は連邦軍のニュータイプ研究所で
被験者として研究対象となる。

グリプス戦役が終了した(U.C.0088)後、
ヨナは地球連邦軍士官学校へ入学、モビルスーツパイロットとなる。
ミシェルは巨大財閥ルオ商会会長ルオ・ウーミンの養女となり、
組織の中で頭角を現してゆく。
そしてリタは、U.C.0095に能力を見込まれて
ユニコーンガンダム3号機・フェネクスのテストパイロットとなるが、
起動実験中に暴走事故を起こして消息不明となっていた。

U.C.0096には「ラプラス戦役」(『機動戦士ガンダムユニコーン』)が
起こり、本作の舞台となる時代はそのさらに1年後となる。

U.C.0097、行方を絶っていたフェネクスが再び地球圏に姿を現した。

その追撃・捕獲を任務とするシェザール隊とその母艦・ダマスカスに
新型モビルスーツ・ナラティブガンダムとそのパイロットとしてヨナが
増援としてやってくる。

そしてルオ商会運用の宇宙輸送船ローズバッドとともに
ミシェルもまたフェネクス追撃に同行する。

一方、ジオン共和国軍のゾルタン大尉が率いる部隊もまた
フェネクス確保を目論んで行動していた。

フェネクスを巡る連邦軍とジオン軍の戦いは、やがて
思いもよらぬ巨大な災厄と化していくのだが・・・


メインのストーリーは、『機動戦士ガンダムユニコーン』の
外伝として執筆された中編小説『不死鳥狩り』をベースに、
大幅に増補・再構成したものと思われる。

90分という尺に収めるためもあるのだろうが
ヨナ・ミシェル・リタの幼少期のエピソードが断片的かつ短くて
3人の間に何があったのかが把握しづらい。

そのせいか、主人公のヨナの行動に今ひとつ感情移入がしにくく
なかなか物語に ”乗れ” なかった。
終盤近くのミシェルの台詞までいくと
だいたいのところが見えてくるので、もう一度観ると
また受け止め方が変わってくるのかも知れない。

あと、好みの問題なのだろうが本作のキャラデザには
最後まで馴染めなかったなあ。
特に主役のヨナの造作がどうも好きになれないのには参った。

私は小説でも映像でも、キャラに ”入れ込んで” 観る人間なので
この映画は、私に対して ”分が悪い” 作品だったように思う。

メカ作画の素晴らしさはもう折り紙付きなのだろうけど
それに比べてキャラの作画がちょっと安定さを欠いていた気も。
このへんは円盤では修正されるのかな。


ここから先はネタバレになりそうな内容を書くので
未見の方はここで止めておきましょう。


観ていて一番気になったのは、
”ニュータイプ” と ”サイコフレーム” の扱い。

この二つが揃ったら不可能はないのではないか?

『逆襲のシャア』では星を動かし、
『ユニコーン』ではコロニーレーザーすら蹴散らし、
今作ではヘリウム3の核融合まで引き起こす。

そしてさらには、死者の ”魂” までも取り込んでいく。

リタは十数年後に起こる人類の危機を予感するし
ニュータイプは過去も未来も見通すのか。
極大の世界から極小の世界まで、さらには時間も超えて。

「人の意思の力が物理法則をもねじ曲げる」

フィクションでは往々にして描かれることではあるし、
実際にそれが起こると強烈なカタルシスを感じることも事実だが・・・

”ニュータイプ” ってそんなにものすごい力を秘めたものだったの?
そして、”ニュータイプ” をそういう風に描いてしまっていいの?

なんだかどんどんエスカレートしていってしまって
これからの「宇宙世紀ガンダム」の物語が
みんなこういうパターンになっていってしまいそうな心配が
頭をよぎる。

”ニュータイプ”(または強化人間) と ”サイコフレーム” があれば
どんなカタストロフだって引き起こせるし、
それを止められるのもまた
”ニュータイプ”(または強化人間) と ”サイコフレーム” だけ、
なんて話になっていってしまいそうな。

まあ、最後の最後には ”人の可能性” を示して終わるし、
それを描いてこそのガンダムなんだろうけど。


 なんだか、狂った ”ニュータイプ” によって
 ”サイコフレーム” が暴走して、
 すべての人類の ”意思” を吸い込んでしまい、
 最後にはその ”サイコフレーム” を搭載した
 モビルスーツが1機残るだけ、なんて未来を想像してしまった。
 どこぞの第六文明人みたいである。
 劇中での ”II(セカンド)・ネオ・ジオング” の戦いぶりを観て
 イデオンを連想した人もいるんじゃないかなあ・・・


なんだか否定的なことを長々と書いてしまったけれど
これからの宇宙世紀シリーズがどう描かれていくのか
ちょっと心配になったので。

誤解されないように書いておくと
私もガンダムファンの端くれのつもりである。
ファーストガンダムの放映時は大学3年生だった。
それから40年近く、まあつかず離れずって感じでつきあってきた。

現代日本における最高のアニメコンテンツの1つであるのは間違いないし
これからも面白い作品を生み出して頂きたいし、
それで楽しませてもらいたい。
純粋にそう思っている。

上に書いた心配が杞憂であることを願っている。


最後に余計なことを。

映画の終わった後、『閃光のハサウェイ』の製作予告が。
うーん、あの原作を
どの程度改変するのか、それともしないのか・・・
もしもそのまま映像化するんだったら
観に行くかどうか二の足を踏んでしまうなあ・・・


あともう一つ。

この映画『ガンダムNT』にはノベライズが出ている。
これも手元にあるので近々読む予定。
読んだら、この映画に関する感想も変わるかな?

nice!(4)  コメント(10) 
共通テーマ:アニメ