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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第六章 回生編」感想・・・のようなもの その8 [アニメーション]


例によって、本編を観ながら感じたこと考えたことを
ダラダラ書いた感想もどきです。無駄に長いのはご容赦願います。

※ネタバレ全開です。
 円盤の到着待ち、あるいはTV放映待ちの方はご注意ください。

◆第22話「宿命の対決!」(前編)

■「私たち人間もこの奇跡の一部」

英雄の丘でたたずむ古代と雪の回想シーンから始まる。
「もう1年になるんだね」というから、2年前の2200年の暮れ頃か。

「信じようよ。私たち人間もこの奇跡の一部」
ズォーダーとは真逆な思想だね。これも何かの伏線なのか。

「古代、どうした」「久しぶりにお前の顔を見て気が緩んだかな」
やっぱり古代と島は一緒にいないとねえ。
こういう会話がもっと聞きたいのだが尺の都合ですかそうですか。

エレベーターの止まった先にいたのは雪。戸惑いながらすれ違う二人。

「2202」はエレベーターを使ったシーンがよく出てくるが、
それぞれうまく使ってるよなあ。

ざっと思い出しても、雪に婚約指輪を突っ返されたり、
11番惑星に向かう時にキーマンからヤマトの ”弱点” を指摘されたり、
宇宙蛍騒ぎで斉藤と乱闘騒ぎになりかけたり、
「首尾は」「仕掛かり中だ」とか。

おお、みんな古代絡みのシーンばかりじゃないか。
古代と他のキャラを1対1で喋らせるために使われてるってことか。

「失ったのはこの4年の記憶だけだ。治ったんだよ、彼女」
記憶を失った雪のことで取り乱したりせず、
彼女を慮って距離を置いて接する。優しいよなあ、古代は。

■ヤマト最終決戦仕様

火星沖で修理と改装を受けるヤマト。
外観の変化としては、対空火器・近接防御火器類の「銀河」からの移設、
コスモレーダーを大型の高次元微細レーダーへと換装、
艦載機発射用カタパルトも「銀河」より移設されて4基へ。

ネットではすこぶる評判が悪いと聞く ”巨大レーダー” なんだが
以前の記事にコメントを頂いたことをきっかけに考えてみた。

これはまあ副監督の趣味もあるのだろうが、
それよりプラモデル展開との絡みが大きいのではないかなぁ。

ロボットアニメだと主人公の乗る機体は、
たいてい物語の中盤でより性能の良い新型に乗り換える。
いわゆる ”Mk.IIメカ” ってやつだ。
乗り換えの無かったユニコーンガンダムだって、「最終決戦仕様」として
ハリネズミみたいに武装を満載したものが登場したし。
メカの種類が多ければそれだけプラモデルが売れるからねえ。

ところがヤマトはそうはいかない。
乗り換えるなんてのは以ての外だし、
デザインの変更だって(原則として)許されない。
でもバンダイさんは、やっぱりプラモデルをたくさん売りたいよねえ。
だから ”ヤマト最終決戦仕様” なるものを出してきた。
(バンダイと2202制作陣のどちらからの提案かは知らないが)

デザインは大幅に変えられないので、小火器とカタパルトを増設したが、
それだけでは一見してどこが変わったのか分かりづらい。
そこで、誰でも分かるようにレーダーをでっかくした、
なぁんてのが実際のところじゃないかなあ・・・

「銀河」にしろ、ヤマトカラーのアンドロメダ改にしろ、
D級火星防衛戦仕様にしろ、根底にはプラモデル販売があると思う。

ヤマトのリメイクだって結局の所は営利事業だから
儲からなければ誰も出資してはくれない。
映画館の興行収入も大事、円盤の売り上げも大事、
関連グッズの売り上げも大事なんだろうけど、バンダイさんとしては
やっぱりプラモデルの売り上げも大事なんでしょうね。

 ロボットアニメというものは、黎明期の頃から
 プラモデル(玩具)のPV的役割を持たされてた。
 もちろん富野由悠季監督をはじめ、その制約の中で
 作品としてのクオリティを高める努力を続けた人々がいて、
 さまざまなロボットアニメが高評価され、市民権を得てきた。
 でも、プラモデルが売れなければ作品としては続かない。
 それは今に至るまで変わらない。

 現代にリメイクされたヤマトもまた、その枷からは逃れられないのか。

旧作当時に発売されたヤマトのプラモデルを思い出すなあ。
艦底部にゼンマイボックスがついていて幻滅したものだ。
で、そのボックス部分を削ってプラ板を張って、
第三艦橋を手作りしたのを思い出す。ああ、何もかもみな懐かしい・・・・

■航空隊再結集

航空隊は全員無事で、銀河とアンタレスに分散収容されていた様子。
そしてついに「コスモタイガーⅡ 雷撃タイプ」の登場。
回転砲座がしっかりあります・・・悪い予感しかしませんが。

■加藤復帰

加藤は隊長職は解任されていない様子。
ブラックバード隊での活躍で首が繋がったのか・・・?
それとも、有能なパイロットを遊ばせておく余裕もなくなったのか。

そして、ガミラスの盾とその前に居座る白色彗星。これ場所はどこ?

■東堂父娘

東堂長官に報告する東堂艦長(ややこしいので以下早紀さんと記す)。

「じきに地球は本土決戦に突入する。
 こうして話せるのはこれが最後かも知れない」
早紀さん目がうるんでいる様子。

「お前には何もしてやれなかった」
これ、フィクションで父と娘が今生の別れをするシーンの
決まり文句なんだけど・・・まあ人の親になってみると思う。
いざこういう場面になったりしたら、
やっぱりこう言ってしまうかも知れないなぁ・・・

 全くシチュエーションは異なるけど、「機動戦士ガンダムSEED」で
 中立国家オーブの指導者・ウズミが娘へ告げる、今生の別れの言葉。
 この台詞もたまらなくいいんだが・・・ここでは書きません(笑)。

通信を切ろうとする長官に早紀さんは語る。
ここからの彼女の台詞も福井節だ。

「お父さん、お母さんのこと少し分かったような気がします」

彼女の台詞をバックに、最終決戦を控えた人々の点描が続く。

「脆く壊れやすい心を持っているからこそ人は理想を描くことができる」

「伯父は、アベルト・デスラーは狂った独裁者ではなかった。
 それがわかっただけでも今回の任務は」

バレル大使へ、最終決戦への参加を願い出るキーマン。
もうすっかりヤマトの一員になった感が。

「同じ環境の新天地を見つけ出して、全民族を移住させねばならん。
 その難事業を背負って立つ人材を失いたくないが・・・
 そんな顔を見せられてはな、可愛くなっとるぞクラウス。恋でもしたか」

たしかにここでのキーマンは素直な好青年になってるね。
これが本来の彼の姿なのだろう。

「分かったんです。この脆く壊れやすい心が、人を人たらしめている。
 移り気で不確かで、でもどこかで筋を通さずにいられない」

「いちばん欲しい部品はお前だ。そう言ってはもらえんのですか」
山崎を残していく決断をした徳川。不穏なフラグがまたひとつ。

「それが機械に代えられない、人の本質。
 時に自分で自分を壊してしまうほどに強い、
 人間にだけ与えられた力の源だって」

「土方さん。あなたの方が正しかった。
 波動砲艦隊。力のみを過信する者は結局」
「俺は沖田の思いを汲んだだけだ。
 現実を、地球の明日を見据えていたのはお前の方だ」
「でも未来は見えていなかった。
 これから始まるのはその未来を賭けた戦いです」
「本当に試されるのもここからだろうな。俺もお前も、人間のすべてが」

土方と山南の会話がホントに渋いし、物語を締めている。
この二人が1つのシーンで共演するのは「星巡る方舟」冒頭以来か。
あそこからここまで来るとは感無量ですな。

「私も人間でありたい。
 どんな運命が待ち受けていようと、最後の1秒まで」

■発進するヤマト。なぜ単艦?

まあ普通に考えれば、割ける艦艇がもうないってことかも。
司令部からすればトランジット波動砲の威力は未知数。
ゴレムの存在も確実とは言えず、しかもあの巨大な要塞に侵入して
大帝の玉座というピンポイントにたどり着き、それを制圧するなんて
「針の穴にラクダを通す」なんて言葉があるが
ラクダを通す方がまだ可能性がありそうな作戦だ。

決戦宙域まで行けば、同行するフネも現れるのかも知れないが
それも、その前に彗星帝国によって全滅させられていなければ、の話か。

■月のサナトリウム

住民は本土(地球)へ避難する模様。翼くん、元気になったみたいだね。
ガトランティスが伝えた特効薬は本物だった様子。

■「足止めするだけでいい。時間断層ある限り、地球の兵力は」

やっぱり最終章では時間断層に何らかのトラブルが発生すると予想。
んでもって芹澤の精神が崩壊すると予想。

■「裏切りは裏切りだ」

「翼だけでなく、多くの子どもの命が救われた」
「裏切りは裏切りだ。そんな顔すんなシノ。
 みんな何も言わずに受け入れてくれた。借りを返すまで死ねねえよ」

これも死亡フラグなのか。誠と翼のためにも生き残って欲しいのだが
たとえ万が一生き残っても、加藤は退役して軍から身を引きそう。

■中央作戦室

CRSによる波動エネルギー増幅システムが失われ、
彗星帝国の防御フィールドを打ち破れるのはトランジット波動砲のみ。

 スクリーンにはINFILTRATION(侵入)とある。
 止め絵にして確認したら、その下にはしっかり
 SKYSCRAPER(摩天楼)の文字が。ちょっと笑ってしまった。

一点突破で敵の懐に侵入する決死隊が向かうのはズォーダーの玉座。
それこそがゴレム。

 第一章のパンフレットの表紙がズォーダーの玉座だったよねえ。
 そこまで考えて表紙にしてたのだとしたら流石だが。

「われわれはゴレムを作動させすべてのガトランティスを一気に葬る」
「皆殺し・・・」
「人間じゃねえんだ、気にするこたぁねえ」
いかにも戦争のプロらしい倉田のこの台詞、結構好きだったりする。

「もう一度ズォーダーと話し合うことはできないだろうか。
 ゴレムは占拠するに止めて、ズォーダーとの交渉に使う手も」
「甘いですよ! ガトランティスに何をされたか忘れたんですか」
「忘れてはいない。
 でも、彼らの歴史を、ズォーダーの過去を知ってしまった今は。
 1000年も絶望した男を簡単に説得できるとは思っていない、それでも」

ここで「それでも」って言えるのがリメイク版の古代だよねえ。
表向き ”愛” を否定してはいても、根底ではその ”愛” に悩み苦しむ。
そこは自分たちと何ら変わらないガトランティス人。ならば。

「俺たちは戦うべきじゃなかった。愛し合うべきだった」
そう悟ったはずの旧作の古代は、その言葉を実践したか。
実践しようとしたか。

「たとえ違う星に生まれても、俺たちはわかり合える」
「2199」「星巡る方舟」でそう語ったリメイク版古代は、
まさにその言葉を実践しようとしている。

まあ、それが通じる相手かどうかはまた別の問題だが
「問答無用」とゴレムを作動させる古代ではないよねえ・・・

「よかろう。そのチャンスがあれば逃すな。だが引き際は心得ろ」
土方もそれに理解を示す。彼もまた戦い一辺倒の人ではないようだ。

「なんであの人、みんな反対してるのに、一人で」
古代の言動をいぶかしむ雪。そこに玲が
「そういう人なんです。そんな古代さんをあなたは愛した。
 あなたたちのように深く愛し合えた人を私は知らない。
 それだけは知っておいて」

この台詞もたまらなくいい。いやあ玲さん成長したねえ。
そしていい女になった。

(つづく)

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