SSブログ

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第六章 回生編」感想・・・のようなもの その6 [アニメーション]


例によって、本編を観ながら感じたこと考えたことを
ダラダラ書いた感想もどきです。無駄に長いのはご容赦願います。

※ネタバレ全開です。
 円盤の到着待ち、あるいはTV放映待ちの方はご注意ください。

◆第21話「悪夢からの脱出!!」(2/3)

■火星戦線

奮戦するバーガー戦闘団。「2199」第11話だったか、
ドメル艦隊とガトランティス艦隊の戦いを思い出す。
あの頃とは打って変わって沈着冷静な指揮ぶりが成長を伺わせる。
第六章ではサービスカット程度の出演しかなかったが
最終章ではもう少し見せ場を貰えるのかなぁ。

超巨大空母バルゼーからデスバテーターが発艦するが
やっぱりカタパルトは回るんだね(笑)。
かといって、回らないと怒り出す人もいそう。
ヤマトのリメイクはいちいち大変だ。

それを迎撃するのはアルデバラン艦隊。
逃れたデスバテーターの一群がバレル大使座乗のゼルグート級に迫る。

ここで地球艦隊が身を挺して守るのは「完結編」のオマージュか。

■YF-2203参上

山南のアンドロメダ改を旗艦とした無人アンドロメダ艦隊が到着。
YFはヤマナミ・フリートの略か。

D級2隻をワープブースターにして、ワープアウトと同時に波動砲攻撃。
コロンブスの卵的なアイデアだけど、絵的には面白いしわかりやすい。
まあ、好みは分かれそうだけど。

そういえば、ノイ・デウスーラも複数の機関を持っていて、だから
ワープアウトしてすぐにデスラー砲が撃てたって小説版にあったなあ。

YF-2203が都市帝国上空から迫るアングルは
「ヤマト2」のコスモタイガー隊のオマージュだね。
迎撃するは滅びの方舟の北極部上空には浮かぶ多数のカラコルム級。
直衛艦隊なのでしょう。
ここの戦闘も激しいんだけど、放たれる波動砲のビームが多すぎて
ショックカノンくらいに見えてしまうのはもったいないかな。

しかし、そんな波動砲の雨アラレ的攻撃でも
都市帝国には傷一つつけられない。

■波動砲艦隊の位置づけ

もともと波動砲艦隊というものは、本作の中では
否定されるべきものとして位置づけられてる。
ヤマトもそれを拒否するが故に地球を飛び出したわけで。

ならば、波動砲艦隊によってガトランが退けられる展開は
根本的にあり得ない。それなりに敵の侵攻を食い止めてはしても
最終的な解決(勝利)には結びつかない。

波動砲を無効化する防護フィールドの存在も、
時間断層内の無人工廠における生産能力を以てしても対抗し得ない
ガトランティスの圧倒的物量も、それを象徴してるわけだ。

それに、もともとヤマトという作品は、
圧倒的に物量で不利な状態(ほとんどの場合ヤマト単艦)から
逆転して勝利をつかむ物語なのだから、
物量で迫る敵に物量で勝利する物語が成立するはずはない。

ならば、たぶん最終章では、ヤマト以外のほとんどの艦艇は沈むか
残ったとしても戦闘能力を失う展開になるのだろう。

もっと言うなら、時間断層そのものが何らかの理由で失われるとか、
無人工場がトラブルで無期限停止するとかの描写もあると思っている。
(もしそうなったら、芹澤は精神が崩壊してしまうだろうなあ。)

いつぞやのインタビューで福井氏は
「さらば」終盤の絶望感も再現する、とか言ってたような記憶もある。
(いつ頃のだかよく覚えてないんだけどwww)

 「絶望」といえば、いつかのイベントで司会役の声優・白石稔が
 「さらば」終盤の展開を「絶望の三段活用」って
 評してたのを思い出した。うまいこと言うものである。

「ヤマトの物語」である以上、
この物語に決着をつけるのは物量以外の要素であろうし、
そのためのガトランティスの設定でありシュトラバーゼであったと思う。

まあ、どうなるかは製作者のみぞ知る、だけどね。

■ヤマト発進

「地盤の崩壊を利用して離陸する」「補助エンジン始動」
「船体、起こせ!」舵を握るのは古代。そして「ヤマト、発進!」

「なんとしても通信可能域へ出る。地球にゴレムの情報を」

「2199」第2話をなぞるような一連の発進シーン。
このあたり、私は結構喜んで観ていたのである。

もちろんファンサービスでありオマージュでもあるのだろうけど
ここは、ヤマトのクルーがガトランティスのアキレス腱である
「ゴレム」の存在を知り、これからヤマトが ”反撃” に転じていくという、
ストーリー上の ”転換点”、とまでは言わないが
大きな ”節目” じゃないかと思う。
だから、改めて「発進する」んだと感じた。

 もっと言うなら、私は「2199」第2話の発進シーンを
 あまり評価してない。これも過去に記事に書いてる。
 特に惑星間弾道弾を迎撃するシーンでは重厚感が全く感じられず、
 がっかりして映画館を出たのを覚えてる。
 ああ、もう6年半も前のことなんだねぇ・・・

この、ヤマト発進から始まるゼムリア脱出のシーンは
CG技術の進歩もあるのだろうけど、とてもよくできてると思う。

■「もう地球もガトランティスもない」

都市帝国へ攻撃を敢行するも、ダメージを与えられなかった
アンドロメダ改の艦橋に1人残る山南。その独白。

「時間断層がある限り、殺し合いは永遠に続く」
「地球復興のため、最善の道を選んだつもりだったのだがなぁ・・・」
土方と袂を分かってまで、波動砲艦隊司令に就いたのにね・・・

そのアンドロメダ改は、ひらひらとまるで戦闘機並みの機動。
そういうふうに改装されているのだという。
だから山南も強化宇宙服(耐G機能があるのだろう)を着用してる。

モニターに映る都市帝国下部。「あの重力源を破壊できたら」
土星沖での敗戦の理由の一つがこれだからねえ。

しかしそんな中、山南は彗星帝国内部にヤマトの艦影を発見する。

■G計画発動

木星空域へワープアウトした銀河。

「地球ガミラス連合軍の損耗率が50%を超えた。
 本艦はもう戦闘には加わらない。司令部よりG計画の発動を受理した。
 以降本艦の指揮は部分的に当方の指揮下に委ねられる」

「AIの指揮下に」驚く島。

G計画とは? と問われた銀河クルーが答える。
「兵器は無尽蔵に作り出せても人間は遠からず限界が来る」
「AIの導入による兵員の削減、人体の改造による兵器運用の効率化」
「この先、戦争が長引けば、人類は生き残るために
 どんな選択をするか分からない。
 だから今のうちに正常な遺伝子を保存して、最悪の場合・・・」

「地球を脱出して新天地を探す。それがG計画か」

四肢の義体化に留まらない、遺伝子レベルでの
種の改変まで行ってしまうかも知れない。
それはもはや人類とは呼べない存在になってしまうかも知れない。

そうなったときのために、本来の人類の正常な
(何を以て正常かと言い始めるとまた別の議論になってしまうが)
遺伝子を残すのがG計画。

太陽圏を離脱し、他の星系への移住を目指すのか。
まあ遅かれ早かれガトランに見つかって
滅ぼされてしまうのは目に見えてるような気もするが。

かつてのイズモ計画の発展形なのだろう。

”G” とはなんの略だろうとずっと疑問だった。
最初は銀河のGか、GALAXYのGかと思ってたんだが
ここでその全容が分かってみると、
遺伝子(GENE)、あるいは、新たな人類の歴史を作り出す
”創世”(GENESIS)を表すのかも知れない、って思うようになった。

■「そこまでしなきゃいけないのかよ!」

どうやって生殖細胞から人間を生み出すのか?
新見はその答えに自ら答えを導きだして驚愕する。

しかしそのために乗員がほとんど女性というのはねえ。
最初、銀河のクルーがなんで女性ばかりなのかと思っていたが
その裏にはこういう事情があったというわけだ。

 もっとも、監督が何かのインタビューで
 女性キャラを出さなくてはいけないという大人の事情(笑)
 があったらしいので、その理屈づけなのかも知れないが。

女性を産む機械扱いするこの計画は倫理的にどうなのか。

 かつて同じような発言をした政治家がいて
 問題になったのを思い出す。

島が激高するのも無理はない。
第六章の島は、要所要所でホントにいい台詞を言う。


nice!(3)  コメント(7) 
共通テーマ:アニメ