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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第六章 回生編」感想・・・のようなもの その4 [アニメーション]


例によって、本編を観ながら感じたこと考えたことを
ダラダラ書いた感想もどきです。無駄に長いのはご容赦願います。

※ネタバレ全開です。
 円盤の到着待ち、あるいはTV放映待ちの方はご注意ください。


◆第20話「ガトランティス、呪われし子ら」(後編)


■「はたして、勝てますかな」

付き従うはガミラス仕様の空母型アンドロメダ級。
ガミラスはイスカンダルの手前、
おおっぴらに波動砲艦の開発/製造は行えないからねえ。
地球製のOEM供給(笑)で間に合わせてる、ということか。

「2202」では、D級だってガミラスのガイデロール級が
ベースになってるって設定。
ならばアンドロメダだって、ガミラスの協力のもとに
開発・生産が進められたはず(第1話で司令部にガミラス人がいたし)。
公式サイトには「ライセンス生産」って書いてあるけど
実際は共同設計に近いんじゃないかと推測。

先行して完成した4隻が戦線に投入、指揮はあのフォムト・バーガー。
「政治的信条がどうとか言ってらんねえ時だから強力はするが」
なんて言ってることから、バーガー自身は現在のガミラス指導体制に
必ずしも賛同してない様子。ひょっとして ”隠れデスラー派” かも。

■「こんな役立たずの手、早く交換しちゃいたい」

白色彗星近傍で訓練航行(?)中の銀河。
市瀬を指導する島。その市瀬が呟く言葉。
親から五体満足な体をもらいながら、なんて罰当たりな・・・
なんて思うが、”自分の生身の肉体より、戦闘における効率が最優先”
というとんでもない価値観を植え付けられてるんだね、この子たち。
時間断層ではそれ専用の義手偽足まで作り出してるとは恐れ入る。

G計画なるものを立案した者たちが、
それに参加する人員にそんな価値観を叩き込んでるってとこか。

 戦争を扱ったSFでは、しばしば戦闘に特化して改造された人間は
 ありふれた存在ではあるが、
 ヤマトはそっち系の作品ではなかろう・・・って思いたい。

 ああ、旧作における真田さんの義手義足という設定はあったなあ。
 爆弾も内蔵されてたりしたから、あれも戦闘用だったのかなあ。
 たぶん、衛星爆破に行く前に自分で仕込んだんだろうなあ・・・

 昨今は、手足が欠損した描写は御法度みたいだけどね。

■「あなたの席なんです」

レーダー席に連れてこられても記憶にない様子の雪。
このシーンを見てると、”暗殺者” は西条ではないのかな?
それともあのときの雪は意識がもうろうとして、覚えていないとか?

■「すっと気になってたんだ」

古代vs透子、第2ラウンド。

「愛を笑い、否定しようとするガトランティス。
 それは彼らも愛を知っていることの証明なんじゃないかって。
 愛に傷つき苦しめられてきたからこそ愛を憎むんじゃないかって」

前回は奔走されるだけだった古代だが、今回は終始主導権を持って語る。
シュトラバーゼを経験した古代だからこそ言える台詞なんだろう。

■ガトランティスの歴史 part2

○ズォーダー、サーベラーの遺体からの再生クローン作成を決定(2)

 「死者の眠りを妨げるおつもりか」
 「人間の言葉しか聞かぬと言うなら捧げよう。
  我が最愛の女。人に裁きを下す裁定者を!」

100年以上もの間、サーベラーの遺体と共に
宇宙をさすらっていたということか。
その遺体に手をつける。そこまでして ”滅びの方舟” に拘る。

ズォーダーにも有り余るくらい ”執念” があるじゃないか。
「我らには無いもの」なんて言ってたが、どうしてどうして。

○サーベラー再生クローン、”滅びの方舟” の一時的起動に成功(4)

 「苦痛を終わらせよう。愛故に奪い合い殺し合う人間たち。
  生き続ける限り逃れられない苦痛を消し去るのだ」
  滅びという唯一の救済を以て」

○サーベラー再生クローン、
 ズォーダーに「もうやめて」と告げて消滅(9)

彼女は必ずしも復讐を望んではいなかった。
しかしズォーダーの執念は止まらない。

「ならん。データは残っている。
 記憶を制限した状態でサーベラーを複製するのだ。
 滅びの方舟を目覚めさせ制御できればそれでいい。
 問題が生じたならやり直せ。コピーはいくらでも作れる。
 もとより人間は不完全な存在。愛に呪われた哀れな命」

もう方舟の起動そのものが目的化している。

○ズォーダー、記憶を制限した新たなサーベラークローンを作り出し、
 ”滅びの方舟” 制御に成功(10)

○ズォーダー、”滅びの方舟” を使ってゼムリア人を滅ぼし、
 惑星ゼムリアを方舟内に収める(11)

○全宇宙のヒューマノイド根絶という大事業に乗り出す(12)

■「人間が人間である限り愛という業からは逃れられない」

これ、そっくりそのままガトランティスに返ってくるブーメランだ。
第20話は、ガトランティス(ズォーダー)が ”愛” と ”憎しみ” によって
がんじがらめに縛られていることを描き出す。

シュトラバーゼで、古代を相手にヒューマノイドという存在を
徹底的に糾弾したズォーダー。

「愛故に奪い合い、殺し合う」
「感情という毒に犯され、道に迷いし者」
「愛故に人は死に、星は壊れ、宇宙は滅びる」
「感情という病から沸き出すエゴ」

しかしこの20話を観ると、その言葉はそっくりそのまま
ズォーダーにも当てはまっていたわけだ。

■アナタはイデか浅倉か

「そんな者をだれが創造した? 誰が宇宙に蔓延らせたのだ?
 古代アケーリアス文明の実験は失敗した。
 悪しき種は滅ぼさねばならぬ。そして新たな種の発生を待つ。
 この宇宙に真の秩序と安定をもたらす新たな知的生命を」

この台詞を聞いて「伝説巨神イデオン」に登場する
”イデ” を連想した人もいるだろう。
あの物語は ”イデの発動” によって衝撃的な結末を迎えたが・・・
(あの結末については、人によっていろいろな解釈もあるだろうが)

人間に絶望して「すべてをリセットしてやり直す」言う意味では
「逆襲のシャア」のシャア・アズナブルや
「終戦のローレライ」の浅倉大佐に通じるものもありそうだ。

 ちなみに、私はかつて「終戦のローレライ」と「宇宙戦艦ヤマト2」
 関連づけて記事を書いたことがある。

「2202」の脚本家でもある福井晴敏の小説「終戦のローレライ」では
その浅倉の巡らした策謀を食い止めるべく
「人の可能性を信じる者」たちによる最後の戦いが描かれる。

2202でも、願わくば後者のような戦いが描かれることを願う。
ああでも、お亡くなりになるキャラはなるべく少ない方がいいなあ・・・

■特別仕様?

ゴーランドのクローンは赤ん坊として生まれ、
成長しながら様々なことを学んでいくようだ。

双子であっても、成長の過程で環境や経験が異なれば
異なる個性を示すようになると聞くけど
本編を見ているとズォーダーとガイレーンの二人だけは
1000年以上前からずっと同一人物が生きているように感じてしまう。

この二人だけが異様に長命なのだろうか?
それでも、成長の過程でどこかに記録された先代の記憶を
リロードしたりしてるのだろうか。そうとでも考えないと、
この二人の存在には説明がつかない気もするのだが。

ズォーダーとガイレーンの関係もよく分からない。
外見というか特徴がよく似ていることから
同タイプなのかも知れないし。

先代のズォーダーがガイレーンになるのかとも思ったこともあるが
どうもそんな雰囲気は感じられないし。

このへんも最終章で明かされるのかな。
思わせぶりなガイレーンのマスクが外れる日は訪れるのか?

■「彗星帝国、移動を開始」

「”滅びの方舟” をコアとする彗星都市帝国こそ、
 すべての苦痛を焼き払う真実の愛の具現」

自らの正当性を微塵も疑うことのない台詞と共に侵攻を再開する白色彗星。

「火星守備隊に連絡! 彗星都市は土星沖を離脱、
 火星空域へワープする公算大、警戒されたし!」

白色彗星のワープをやや後方から捉えたカットは初か。

最終防衛ラインを火星に設定してる地球軍だが
そこを飛び越えて一気に地球に行ったりせず、
しっかり火星まで来てくれる律儀な彗星帝国。
これがヤマト世界なのか(笑)。

(つづく)

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