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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第六章 回生編」感想・・・のようなもの その1 [アニメーション]


例によって、本編を観ながら感じたこと考えたことを
ダラダラ書いた感想もどきです。無駄に長いのはご容赦願います。

※ネタバレ全開です。
 円盤の到着待ち、あるいはTV放映待ちの方はご注意ください。

私とかみさんは、映画館での舞台あいさつで2回ほど
羽原監督と福井氏を見たことがある。

そのかみさんが言う。
「あんなにニコニコして人の好さそうな監督と、
 あんなにギャグ飛ばしてボケをかましてる脚本の人が
 こんなにえげつない話をつくるなんて」

そんな「えげつない」結末を迎えた第五章。

そこから5ヶ月という長い時間を、やきもきしながら待ち続けた
全国のヤマトファンたち。もちろん私もその一人だ。
その我々の前に、満を持して公開された第六章とは
いったいどんな物語だったのか・・・

◆第19話「ヤマトを継ぐもの、その名は銀河」(前編)

■アンタレス登場

推力を失って白色彗星内部に落下していくヤマト。
しかしその後方でしっかり待っていたアンタレス。
左右にD級を従えて、ヤマト乗員へ脱出を呼びかける。

アンドロメダ共々、尻に帆かけて逃げ出したかと思ってたんだが
そのアンドロメダも横にいるので、これは山南の指示なのだろう。

■「沖田、すまん」

全乗組員に対し、ヤマトからの退艦を命じる土方。
沖田のレリーフに詫びるのが土方らしい。

■「いやだ!・・・俺はヤマトに」

島は退艦を拒否するが土方に「反論は許さん!」と一喝される。
ヤマトに乗ることを最後まで躊躇していた島が
降りることには抵抗する。
ヤマトの操艦は島が一手に引き受けていたからね。
それだけに余計、”ヤマトを諦めたくない” のだろう。

「わしらが動かねば乗員たちにも迷いが生じる。
 行こう。辛くともそれが責任者の役目だ」

往年のヤマトファンの中には、組織の中で
上に立つようになった人も多かろう。
そんな人にとっては他人事ではない言葉だろう。
主題歌の歌詞にもあるよね。「誰かがこれをやらねばならぬ」って。

もっとも、説得した徳川の方がヤマトに残ってしまうという・・・

■「生きて、ひとりひとりが明日の地球を支えろ!」

真田と古代の指揮で退艦が始まる。
コスモタイガーⅡの発艦シーン、これ2202では初出ではないか?
発艦したあと、ヤマトに接近していくのは乗員を運ぶため?

艦内に土方の声が響く。
「生き延びるために最善を尽くせ!」
気を失った加藤も救出。これ、退艦を拒否して殴られたものと推定(笑)。
「戦いは始まったばかりだ!」
コスモタイガーⅡの主翼に機動甲冑が取り着いていたり。
船外服を着た乗員もしがみついてたりしたのかも。
「生きて、ひとりひとりが明日の地球を支えろ!」
ここでの土方の台詞がたまらなくいい。

■雪さんまたしても受難

キーマンは加藤を探す。玲はキーマンを探す。
その玲は、透子を連れ出そうとする雪を発見。
透子は死を覚悟したのか腰を上げようとしない。
そこへ入ってくる玲を、崩れる天井からかばって・・・
まあヒロインの宿命とはいえ、過酷な人生を送ってるのは間違いない。

■「たのむ」

補助電力が10%切り、艦内重力が低下。歩くこともままならなくなる。
ここに及んで土方は脱出の打ち切りを決断する。
アンタレスに脱出したヤマト乗員を託し、漏らしたのがこの台詞。
石塚運昇さんによる土方最後の台詞でもある。
そう思うと感慨もひとしお。

ガス帯の中へ落ちていくヤマトを見つめて、救出を誓う山南。
これが21話の奮戦に繋がるのか。

■追い打ち

脱出するアンタレスとアンドロメダに破滅ミサイルが迫る。
逃げられないかと思われた時に現れる謎の光。
真田は巨大な波動防壁と気づく。それは「銀河」の出撃を意味していた。

■次世代艦・銀河

ここで華々しく始まる新BGM「銀河のテーマ(仮)」にのり、
堂々と全景を表す、ヤマト級連邦航宙艦・「銀河」。
でもやっぱり艦首の ”銀河” の文字はないわー(ホントしつこいw)。

「ここから先は通さない、ガトランティス!」
予告編でおなじみのシーンですね。藤堂早紀艦長の登場です。

■「ある地球人兵士の愛に報いて、謹んで進呈する」

ガミラス・地球連合軍とガトラン艦隊の戦闘のさなか、
地球への通達をするゲーニッツ。
その中で、ズォーダーは地球に対して
遊星爆弾症候群の治療薬の製造データを開示する。

初見では「ガトランティスは意外と律儀なんだな」なんて思ってんだが
20話を見たあとだと、ズォーダーの ”意地” というか
”矜恃” なのかも知れないって思うようになった。
ヒューマノイドに裏切られた過去を持つゆえに、
「あいつらと違って、俺たちは約束は守る」
っていう主張なのかも知れない。

その ”地球人兵士” は銀河の中で目覚めて
自決を謀るも止められる。まあそうだよねえ・・・

■「戦って死ね」

加藤のことを報告した真田に対して芹沢が言い放つ言葉がこれ。

「それじゃガトランティスと同じじゃない」これもかみさんの弁。
まさに地球がガトランティスの二の舞、
デッドコピーへと変貌していく一端をここで示している。

まあ、その兆候は第17話で始まった土星沖海戦で、
物量で迫るガトランにこれもまた
物量で対抗しようとしたところから始まっているんだが。

さらに遡れば第7話で ”250万隻のカラコルム級” なんてシロモノが
出てきた時点で、地球vsガトランの決戦が物量勝負になるのが
暗示されてたんじゃないかなぁと思う。

「物量を過信する愚か者よ、力は力によって滅ぼされると知れ!」
山南のこの台詞は自らに対する強烈なブーメランであったと同時に、
的確すぎる予言でもあったわけだ。

■ヤマトクルー in 銀河

はじめに耳に入るのはなんとも不安な艦内音。
そういう風に聞こえる音を選んでいるのだろうが。
「銀河」はAIによる自動制御艦。AIの判断承認だけが人間の仕事。

旧作でもアンドロメダに代表される地球防衛艦隊は
省力化・自動化が進み、真田をして「戦闘マシーン」と
呼ばしめていたけど、リメイクではそれが
究極にまで進んでいく様子がこれでもかと描かれていく。

旧作では、アンドロメダの自動化については
特に深く掘り下げられることは無かったが
「2202」ではきっちり拾っている。
というか ”戦争の無人化” はこの第六章において
重要なテーマの一つにまでなっていると言っていいだろう。

■声優さん

銀河クルーのCVも、林原めぐみさんのようなベテランもいて
若手でも実力派の方を集めてるみたいだね。

高垣彩陽さんの声を初めて聞いたのは「ガンダムOO」だったかな。
「シンフォギア」も観てましたが、まさか「ヤマト」にご登場とは。

そんな中、チョーさんの演技が素晴らしい。
無機質で非人間的な(まあ人間じゃないんだがwww)銀河AIと
人間味あふれるアナライザーの演じ分けが特筆もの。
いままであまり出番が無かったチョーさんだったが
第六章ではその鬱憤を晴らすかのような大活躍だ。

■あの ”板” の正体

けっこうデザイン的に叩かれてた、あの ”ガミラスの壁” には
ワープを阻害する性能があるそうな。
それがガトランの次元跳躍を防いでいる、と。
副監督がtwitterでいろいろバラしてたみたいだけど
公式な設定が出たのはこの章が初だと思う。
第一話で登場した ”謎の壁” の設定、ちょいと引っ張り過ぎの感も。

しかも、素朴な疑問を挙げれば、
木星規模の大きさの都市帝国のワープをあの大きさで防げるものなの?
防げるとしても、あの枚数で足りてるの?

 画面ではせいぜい数十枚程度かと思われるのだけどね・・・

■「より完全を目指して」

銀河のAIも進化しているが人間の経験を超えるにはまだ時間がかかる。
ゆえに、ヤマトクルーのノウハウを手に入れる。
G計画の達成のためには不可欠なのだと。

「ヤマトは沈んだ。
 地球人類が生き残るため、ヤマトの遺伝子をこのフネに」

(つづく)

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