黎明の笛 陸自特殊部隊「竹島」奪還 [読書・冒険/サスペンス]
昨今、隣の国との間にいろいろと問題が起こって
新聞やTVを賑わせているが、それに便乗して
記事を書いてるわけではない。
なにせ私が本書を読み終わったのは昨年の11月24日。
これまで時間が空いてしまったのは、単に私がグウタラだったから(笑)。
新聞やTVを賑わせているが、それに便乗して
記事を書いてるわけではない。
なにせ私が本書を読み終わったのは昨年の11月24日。
これまで時間が空いてしまったのは、単に私がグウタラだったから(笑)。
主人公は航空自衛隊三等空佐・倉橋日見子(ひみこ)。
航空総隊司令部で情報課情報班長の任にある。
アラフォーなのだが、まもなく結婚する予定だった。
彼女の婚約者は陸上自衛隊二等陸佐・秋津和生(かずお)。
特殊作戦群の第二中隊長を務めている。
特殊作戦群の第二中隊長を務めている。
その秋津が率いる40名の隊員が失踪する。
自衛隊は総力を挙げて行方を追うが、その数時間後、
YouTubeにアップされた動画の中で
秋津は陸上自衛隊が竹島を奪還したことを宣言する。
自衛隊は総力を挙げて行方を追うが、その数時間後、
YouTubeにアップされた動画の中で
秋津は陸上自衛隊が竹島を奪還したことを宣言する。
この行動を、事前に全く知らされていなかった日見子は驚愕するが、
同時に彼女の立場は一変することになる。
秋津の協力者ではないかと疑われ、司令部に乗り込んできた情報保全隊に
取り調べを受け、さらには彼らの監視下におかれてしまう。
同時に彼女の立場は一変することになる。
秋津の協力者ではないかと疑われ、司令部に乗り込んできた情報保全隊に
取り調べを受け、さらには彼らの監視下におかれてしまう。
そんな中、彼女は秋津の真意を知るべく行動を開始するが
彼の行動の背後に、より大きな陰謀が隠れていたことに気づく・・・
彼の行動の背後に、より大きな陰謀が隠れていたことに気づく・・・
読んでいてちょっと首をひねってしまうところもある。
例えば、秋津たちがどうやって竹島を奪還したのかが描写されないこと。
wikiからの引用で恐縮だが、竹島の警備部隊40名は
名目こそ「警察」だが実は軍からの出向で、実質 ”韓国軍” らしい。
そこに上陸して彼らを排除しようとしたら
”戦闘” は避けられないだろうし、まして死者/負傷者がゼロというのは
ちょっとありえなさそうに思うのだが。
ただ、本書は「竹島を ”奪還しようとした” らどうなるか」ではなく
「竹島を ”奪還してしまった” らどうなるか」を描きたかったのだろう。
「竹島を ”奪還してしまった” らどうなるか」を描きたかったのだろう。
とは言っても、日本も韓国も政府高官や政治家は全くといって登場せず
ほとんどのストーリーは日見子をはじめとする
現場の自衛官の視点から描かれる。
ほとんどのストーリーは日見子をはじめとする
現場の自衛官の視点から描かれる。
だから、「ポリティカル・フィクション」とも異なるように思う。
いちばん据わりのいいのは、”竹島奪還” という仮定の下に展開する
「戦略シミュレーション小説」なのだろうか。
いちばん据わりのいいのは、”竹島奪還” という仮定の下に展開する
「戦略シミュレーション小説」なのだろうか。
そして、その自衛官の ”戦い” も、ほとんどは
航空総隊司令部の中で展開する。
なにせ、ヒロインが終始その中にいるのだから。
航空総隊司令部の中で展開する。
なにせ、ヒロインが終始その中にいるのだから。
勇ましいタイトルや表紙イラスト(F-16?)から連想されるような
自衛隊と韓国軍が竹島周辺で派手にドンパチをするような話を期待すると
当てが外れるだろう。
日見子らは、そうならないように努力する側なのだ。
自衛隊と韓国軍が竹島周辺で派手にドンパチをするような話を期待すると
当てが外れるだろう。
日見子らは、そうならないように努力する側なのだ。
上にも書いたが、秋津の行動の裏にはさらに大きな陰謀があり
最悪の場合には日韓が交戦状態に突入しかねない。
陰謀の ”真の目的” を突き止め、阻止すべく孤軍奮闘する日見子。
本書の読みどころはここだろう。
最悪の場合には日韓が交戦状態に突入しかねない。
陰謀の ”真の目的” を突き止め、阻止すべく孤軍奮闘する日見子。
本書の読みどころはここだろう。
作者は航空自衛隊の元自衛官だという。
次回作は『深淵の覇者』というタイトルで、潜水艦ものだという。
これに文庫化されていて手元にあるので近々読む予定。