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小説 機動戦士ガンダムNT(ナラティブ) [アニメーション]


あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

さて、滞っている感想録ですが、先ほど確認してみたら
なんと現在27冊も溜まってます。

いつになったら書き終わるのか気が遠くなりそうですが
千里の道も一歩から、というわけで新春第1弾はこの本から。

小説 機動戦士ガンダムNT (角川コミックス・エース)

小説 機動戦士ガンダムNT (角川コミックス・エース)

  • 作者: 竹内 清人
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/11/24
  • メディア: コミック
言わずと知れた「機動戦士ガンダム」、宇宙世紀シリーズの最新作にして
昨年公開された映画版のノベライズ。

 タイトルになってる「ナラティブ」(narrative)は
 辞書ではいくつかの訳語があるのだけど、
 本書の中で充てられていた意味は「神話」でしたね。
 なかなか意味深ではあります。

内容としては、基本的に映画の内容から逸脱することなく
加えて、映画では描かれなかった部分を補完した作り。

具体的には主役の三人組、ヨナ・リタ・ミシェルの
過去のエピソード部分が大幅に書き込まれている。

三人が知り合ったきっかけや
彼らが「奇蹟の子どもたち」と呼ばれるようになった事件、
つまりコロニー落下を予知した彼らがとった行動とか、
その後、ティターンズのニュータイプ研究所に送られた三人の境遇とか
ミシェルがルオ商会に引き取られるに至る経緯とか。

このあたり、映画内におけるヨナとミシェルの行動に
大きく関わってくる内容なので、ある意味とても重要で
このあたりを理解しているかいないかで、
作品の受け止め方が大きく変わってくるとも思う。

でも、映画の感想のところでも書いたけど
3人の過去は断片的で、かつ時系列順でもないので
初見ではなかなか分かりづらいように思った。

まあファンの人なら何回も観るのだろうけど。

私はこのノベライズのおかげで、
そのあたりがとてもよく理解できました(^_^)。

ただまあ、ストーリー的には
「ユニコーン」の後日談的な要素も少なくなく
前作までの設定やキャラクターを知らないと理解はしにくいかな。
この作品で「初めてガンダムを観た」なんて人は
たぶんほとんどいないとは思うのだけど
いろんな意味で初見の人には ”ハードルが高い” 作品ではあると思う。


そして、これも映画の感想のところでも書いたけど
私はニュータイプとサイコフレームの描き方には
かなり違和感というか危うさも感じていて
(だって、あの描き方はほとんどオカルトかファンタジーだよねえ・・・)
それはそっくりそのままノベライズでもしっかり踏襲されてる。
そういう意味では映画に忠実なノベライズになってる。


1979年、大学3年生だった私が
”1stガンダム” を観た時の衝撃は大きかった。
実際、「これは凄い作品だ」とも思ったし。

巨大ロボットという ”キワモノ” を、
徹底的に「その世界に普通に存在するもの」として描いた。
その手法は、その後 ”リアルロボットもの” という
ジャンルとして定着するけど、その嚆矢となったのがガンダムだった。

 ちなみに「伝説巨神イデオン」という作品は
 主役ロボットを徹底的に「人智の及ばないもの」として描いた。
 「訳が分からないけど、そこに存在するんだもん。仕方ないじゃん」
 というふうに。
 巨大ロボットの描き方の両極端を、一人で極めてしまったところにも
 富野由悠季という人の非凡さがあったと思う。


「ガンダム」という作品はその ”リアルさ” が売りで
個人的には、物語の99%はリアルで固めて、
最後の1%くらいにファンタジー(ニュータイプ要素)が入るのが
いちばんいい案配じゃないかって思ってるんだが・・・
まあ、そんなことを言ってる私はオールドタイプなんだろうなぁ。


しかし、これも映画の記事で書いたけど、
21世に入ってからファンになったような若い世代には
今作のような描き方の方がウケが良いのかも知れないが・・・

それが吉と出るか凶と出るのかを判断するには
これからの作品群を観ていくしかないだろう。

なぁんだ、結局観るんじゃないか(笑)。

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