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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第六章 回生編」感想・・・のようなもの その9 [アニメーション]


例によって、本編を観ながら感じたこと考えたことを
ダラダラ書いた感想もどきです。無駄に長いのはご容赦願います。

※ネタバレ全開です。
 円盤の到着待ち、あるいはTV放映待ちの方はご注意ください。

◆第22話「宿命の対決!」(後編)

■もう一人のスパイ

「作戦から空間騎兵隊を外す」と告げられた斉藤。
「なんでだよ、おやじ!」「よせ! 斉藤」

外部の人間であるキーマンがこれを告げるのは訳があるのか。
順当に行ったら戦術長の古代が伝えるべきことなのだが
最終決戦前で幹部同士に亀裂を生じないようにとの配慮かな、って思った。
まあ、暴れる斉藤をなだめるならキーマンより古代の方が適任か。

「桂木透子以外に艦内に潜り込んでいるスパイがいる。
 加藤の証言からもこれは事実だ。その可能性が最も高いのは空間騎兵隊」

このとき、斉藤の脳裏にあったのは永倉さんにようだ。
「どうすりゃ連中の操り糸を切れるんだ」
この方法、小説版の方にはあったけど
アニメ本編と同じかどうかはわからないよねえ。

■キーマンに届く信号

ガミラス人と地球人は、可視光の波長に差があるのか?
土方に具申するキーマン。

「何よりも名誉を重んじる男が、まるでだまし討ちのような手を。
 デスラーは本気だ。ここで後顧の憂いを絶つ!」

うーん、11話でも奇襲を仕掛けてきて、
ヤマトを異次元空間に追い込んでからは後ろから撃ってきましたよねえ。

 もともとデスラーって、旧作の頃から奇襲ばっかり仕掛けてきて
 勝つためにはけっこう手段を選ばない人のようなイメージがある。
 なぁんて書くと、デスラーファンから石を投げられそうだなあ・・・

■デスラー襲撃

「ヤマト・・・大いなる和・・・けだし理想は美しい。
 だが理想だけでは何も救えない。その理想に
 現実を変える力があるというのなら、私を倒しに来い。ランハルト」

デスラー砲の一閃にヤマト消滅か、と喜ぶミル君。
しかし直後にヤマトが眼前にワープアウト。
しかしデスラー慌てず騒がず「コアシップ緊急分離」
土方は「このままだ、このまま突っ込め!」
この流れはすべて織り込み済みのデスラー。

■白兵戦

彗星帝国編でのデスラーとの決着と言えば、もう白兵戦以外あり得ない。

空間騎兵隊の機動甲冑が出撃する。
「総員乙武装! 白兵戦に備え! 
 古代戦術長はチームブラウンを率いて敵艦に突入!」
それを聞いた医務室の雪が立ち上がる。
うーん、不穏な展開の開始だね。

波動防壁を突破してニードルスレイブが侵入、機動甲冑が迎え撃つ。
斉藤率いるチームアルファは艦内防御に。

「まるでヤマトが突撃してくると分かっていたような」
「君たちにはわからんだろうがね。
 似てくるのだよ、身内の考えというものは」

ガトランに家族という概念はないはずだが
ゴーランドとノルのような疑似親子の情愛はあった。
”先代のミル” とかいないのですかね。

もっとも、デスラーだってキーマンと
叔父・甥として過ごした時間はわずかだったはずだが。
これが ”血は水よりも濃い” ってやつなのか。

■スパイ判明

艦外のニードルスレイブは増設したパルスレーザーが一掃、
艦内でも迎撃が進み、倉田が誘導した敵を斉藤と永倉が迎え撃つ。

しかし永倉が危機に陥る。斉藤の機動甲冑も動作不良に。
外へ出て、永倉を庇うようにニードルスレイブの前に立ちはだかる斉藤。
「なにやってんの隊長」「知るか!」
永倉は斉藤にとって自らの命よりも大事な存在なのか。

しかしニードルスレイブは攻撃を中止、去って行く。
斉藤の脳裏に響く大帝の声。
「やはり愛が必要だ」「実に虚しい」「 絶望を知れ」

「まさか・・・俺か・・・俺がぁ」
スパイは斉藤で決定かな。ひょっとして
永倉姉さんの方かとも思ってたんだが・・・まさか両方とか?

これで斉藤のフラグは確定だなあ。
そしてたぶん、その場には永倉姉さんもいることになりそうな・・・

■「この苦しみを消し去る愛」

「ただ運命に弄ばれているとも知らずに、
 お前たちは誰もが殺し殺されていく。
 絶望を知れ。
 殺し合いの果てにすべてを焼き尽くし滅びる。それが人間」

かなりの部分は自分たちへのブーメランのような気もするが、
そんなことはこれっぽっちとも思わないんだろうなあ大帝は。

「やはり愛が必要だ。命をつなぐために愛ではなく、
 記憶のいたずらで消し飛んでしまう愛でもなく
 この苦しみを消し去る愛。
 死を以てすべての人間に永遠の安息をもたらす、大いなる愛が」

やはり雪の記憶が飛んでいることは知ってるんだね。
でも、あの状態の雪を一目見ただけで分かるものなのか。
ズォーダーのコスモウェーブは雪の記憶の中まで探れるのか。

■宿命の対決?

「ズォーダーの目的は全宇宙のヒューマノイドの根絶だ。
 たとえ約束を守ったとしても我々とは絶対に相容れない。
 手を結ぶべきは地球。心の底では分かっているからあなたは」
「それはヤマトという小さな世界でお前が得た救いでしかない」

デスラーがキーマンをここに呼び込んだ目的は何なのだろう。
ヤマトとともに葬り去るに忍びなくて助命したかったのか?

ここでミルの銃が火を噴き、崩れ落ちるデスラー。
16話の時といい、彼の銃はろくなことをしませんね。
最終章ではやっぱり雪に向かって撃ったりするのか?

「クラウス・キーマン。デスラーを殺せ。
 そうすれば地球もガミラスも救ってやると約束する。
 1万年の猶予を。言われたとおりにすればそれが手に入る。
 さあ、デスラーを、お前の愛を殺せ!」

ガトランは約束については守りそう。
遊星爆弾症候群の特効薬のくだりも、これの伏線だったりするのか。
ならば・・・キーマンの選択は?

なあんてところで以下次章。

でも、この話を「宿命の対決」って銘打つのはミスリードだよなあ。
普通に考えれば ”デスラーvs古代” になるはずが、どうみても
”デスラーvsキーマン” あるいは ”キーマンvsミル” だよねえ。

まあ、 ”デスラーvs古代” は23話でのお楽しみなのかな。
まさか何も無いはずはないよねえ。
そうなったら旧作ファンが暴動を起こしそう。

■最終章はどうなる

予告映像や最終章の特報を見る限り、
古代と雪がこのシーンに乱入(笑)してくるのは間違いないだろう。

古代はキーマンを止める役回りになりそうだが、雪さんは・・・
予告の絵を見る限り、これも悪い予感しかない。
さて、どんな結末を迎えるのか。

あと4話という時点でデスラーとの対決を放り込んでくるのだから
これが単独のイベントとなるとは思えず、
最終章の展開に大きく関わってくるのだろう。

ただ、都市帝国の弱点については透子が教えてくれそうだし
デスラーがここで登場(あるいは次話で退場?)するのは
どういう意味があるのだろう?

デスラーが艦隊を率いて太陽系を去るのか。
それとも都市帝国攻略戦に一枚噛んでくるのか。
いや、そもそもデスラーは生き延びることができるのか?
アベルトが死んでランハルトが二代目襲名とか・・・まさかね。

このへんもいろいろ予想のしがいはありそうだが。
まあすべては3月ですかね。

■反波動格子の出所

公式サイトの第七章のストーリー紹介に
「トランジット波動砲の閃光が都市帝国を焼き」ってあるから
トランジット波動砲が発射されるのはもう間違いない。

ここでふと思った。
反波動格子っていったいどこから出てきたのか?
本編中で説明が無かったように思うのだが・・・

ガミラス人の中のデスラー派が持っていたのだから
出所はガミラス星系だろう・・・と仮定する。

(1)ガミラス由来のもの?

 タラン兄が指揮してた ”デスラー砲開発チーム” あたりなら作れそう。
 ガミラスとイスカンダルは基本的に同一の技術体系らしいので、
 これもありかと。ならばヤマトに限らず
 ガミラス艦のエンジンだってコントロールできそう。
 ならば、量産だってできるのでは? 真田の発案で、
 波動砲の威力を指数関数的に増大できることが分かれば
 今後増産されて標準装備されそう。

(2)イスカンダルからちょろまかしてきたのか?

 ヤマトの波動エンジンがイスカンダル由来であることを考えれば
 これもありそう。もっとも、どうやって手に入れたのかは不明だけどね。
 女王様や王女様の目を盗んで持ってきたんだろうけど。
 これなら単発で、今回のみの使用って限定できるから
 こっちのような気もするが。

ストーリー的には一回こっきりの武器にしたいみたいだし
もし量産可、なんてなったら将来の波動砲軍拡に歯止めがなくなりそう。
(あるかどうか知らないが)次シリーズなんてものをつくるにも、
いろいろ面倒くさいことになりそうで邪魔じゃないかなあ。


■終わりに

始まる前は、いささか複雑な心境だった「2202」。
このブログのあちこちで書いてるが、私は「さらば」否定派なので。

彗星帝国編というのは40年前の公開時から賛否両論があった作品。
だから原典の通りにつくっても、原典を変えてしまっても、
必ず否定的な声が出る。まあこれは2199も同じだったけどね。
要するに、どこをどういじっても非難される要素を持った作品。

実際、始まってみると「2199」を超えそうな
毀誉褒貶に晒されているみたい。まあ、評価は人それぞれ。
100人のヤマトファンがいれば100通りの「理想のヤマト」がある。
すべての人を満足させるリメイクなんぞ最初から不可能。
そんな状況で、制作陣の苦労には頭が下がります。

じゃあ私はどうか。
いざ始まってみると、意外なくらい楽しんでる自分がいた。
まあ、「もう少し何とかならなかったのか」と思うところも散見するが
総じてよくできていると思ってる。

評判が悪いと聞く第三章だって、嫌いじゃない。
今回の第六章もとても楽しませてもらった。

しかし、やはり完結しなければ最終的な評価はできない。
「2202」が「私の観たかった彗星帝国編」となるのか
「ヤマトデハナイナニカ」に変貌してしまうのか。
すべては3月1日に。

まあ、いつもの通り過度の期待はせず、
かといって過度に悲観もせず、
淡々とその日を待ちましょう。

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第六章 回生編」感想・・・のようなもの その8 [アニメーション]


例によって、本編を観ながら感じたこと考えたことを
ダラダラ書いた感想もどきです。無駄に長いのはご容赦願います。

※ネタバレ全開です。
 円盤の到着待ち、あるいはTV放映待ちの方はご注意ください。

◆第22話「宿命の対決!」(前編)

■「私たち人間もこの奇跡の一部」

英雄の丘でたたずむ古代と雪の回想シーンから始まる。
「もう1年になるんだね」というから、2年前の2200年の暮れ頃か。

「信じようよ。私たち人間もこの奇跡の一部」
ズォーダーとは真逆な思想だね。これも何かの伏線なのか。

「古代、どうした」「久しぶりにお前の顔を見て気が緩んだかな」
やっぱり古代と島は一緒にいないとねえ。
こういう会話がもっと聞きたいのだが尺の都合ですかそうですか。

エレベーターの止まった先にいたのは雪。戸惑いながらすれ違う二人。

「2202」はエレベーターを使ったシーンがよく出てくるが、
それぞれうまく使ってるよなあ。

ざっと思い出しても、雪に婚約指輪を突っ返されたり、
11番惑星に向かう時にキーマンからヤマトの ”弱点” を指摘されたり、
宇宙蛍騒ぎで斉藤と乱闘騒ぎになりかけたり、
「首尾は」「仕掛かり中だ」とか。

おお、みんな古代絡みのシーンばかりじゃないか。
古代と他のキャラを1対1で喋らせるために使われてるってことか。

「失ったのはこの4年の記憶だけだ。治ったんだよ、彼女」
記憶を失った雪のことで取り乱したりせず、
彼女を慮って距離を置いて接する。優しいよなあ、古代は。

■ヤマト最終決戦仕様

火星沖で修理と改装を受けるヤマト。
外観の変化としては、対空火器・近接防御火器類の「銀河」からの移設、
コスモレーダーを大型の高次元微細レーダーへと換装、
艦載機発射用カタパルトも「銀河」より移設されて4基へ。

ネットではすこぶる評判が悪いと聞く ”巨大レーダー” なんだが
以前の記事にコメントを頂いたことをきっかけに考えてみた。

これはまあ副監督の趣味もあるのだろうが、
それよりプラモデル展開との絡みが大きいのではないかなぁ。

ロボットアニメだと主人公の乗る機体は、
たいてい物語の中盤でより性能の良い新型に乗り換える。
いわゆる ”Mk.IIメカ” ってやつだ。
乗り換えの無かったユニコーンガンダムだって、「最終決戦仕様」として
ハリネズミみたいに武装を満載したものが登場したし。
メカの種類が多ければそれだけプラモデルが売れるからねえ。

ところがヤマトはそうはいかない。
乗り換えるなんてのは以ての外だし、
デザインの変更だって(原則として)許されない。
でもバンダイさんは、やっぱりプラモデルをたくさん売りたいよねえ。
だから ”ヤマト最終決戦仕様” なるものを出してきた。
(バンダイと2202制作陣のどちらからの提案かは知らないが)

デザインは大幅に変えられないので、小火器とカタパルトを増設したが、
それだけでは一見してどこが変わったのか分かりづらい。
そこで、誰でも分かるようにレーダーをでっかくした、
なぁんてのが実際のところじゃないかなあ・・・

「銀河」にしろ、ヤマトカラーのアンドロメダ改にしろ、
D級火星防衛戦仕様にしろ、根底にはプラモデル販売があると思う。

ヤマトのリメイクだって結局の所は営利事業だから
儲からなければ誰も出資してはくれない。
映画館の興行収入も大事、円盤の売り上げも大事、
関連グッズの売り上げも大事なんだろうけど、バンダイさんとしては
やっぱりプラモデルの売り上げも大事なんでしょうね。

 ロボットアニメというものは、黎明期の頃から
 プラモデル(玩具)のPV的役割を持たされてた。
 もちろん富野由悠季監督をはじめ、その制約の中で
 作品としてのクオリティを高める努力を続けた人々がいて、
 さまざまなロボットアニメが高評価され、市民権を得てきた。
 でも、プラモデルが売れなければ作品としては続かない。
 それは今に至るまで変わらない。

 現代にリメイクされたヤマトもまた、その枷からは逃れられないのか。

旧作当時に発売されたヤマトのプラモデルを思い出すなあ。
艦底部にゼンマイボックスがついていて幻滅したものだ。
で、そのボックス部分を削ってプラ板を張って、
第三艦橋を手作りしたのを思い出す。ああ、何もかもみな懐かしい・・・・

■航空隊再結集

航空隊は全員無事で、銀河とアンタレスに分散収容されていた様子。
そしてついに「コスモタイガーⅡ 雷撃タイプ」の登場。
回転砲座がしっかりあります・・・悪い予感しかしませんが。

■加藤復帰

加藤は隊長職は解任されていない様子。
ブラックバード隊での活躍で首が繋がったのか・・・?
それとも、有能なパイロットを遊ばせておく余裕もなくなったのか。

そして、ガミラスの盾とその前に居座る白色彗星。これ場所はどこ?

■東堂父娘

東堂長官に報告する東堂艦長(ややこしいので以下早紀さんと記す)。

「じきに地球は本土決戦に突入する。
 こうして話せるのはこれが最後かも知れない」
早紀さん目がうるんでいる様子。

「お前には何もしてやれなかった」
これ、フィクションで父と娘が今生の別れをするシーンの
決まり文句なんだけど・・・まあ人の親になってみると思う。
いざこういう場面になったりしたら、
やっぱりこう言ってしまうかも知れないなぁ・・・

 全くシチュエーションは異なるけど、「機動戦士ガンダムSEED」で
 中立国家オーブの指導者・ウズミが娘へ告げる、今生の別れの言葉。
 この台詞もたまらなくいいんだが・・・ここでは書きません(笑)。

通信を切ろうとする長官に早紀さんは語る。
ここからの彼女の台詞も福井節だ。

「お父さん、お母さんのこと少し分かったような気がします」

彼女の台詞をバックに、最終決戦を控えた人々の点描が続く。

「脆く壊れやすい心を持っているからこそ人は理想を描くことができる」

「伯父は、アベルト・デスラーは狂った独裁者ではなかった。
 それがわかっただけでも今回の任務は」

バレル大使へ、最終決戦への参加を願い出るキーマン。
もうすっかりヤマトの一員になった感が。

「同じ環境の新天地を見つけ出して、全民族を移住させねばならん。
 その難事業を背負って立つ人材を失いたくないが・・・
 そんな顔を見せられてはな、可愛くなっとるぞクラウス。恋でもしたか」

たしかにここでのキーマンは素直な好青年になってるね。
これが本来の彼の姿なのだろう。

「分かったんです。この脆く壊れやすい心が、人を人たらしめている。
 移り気で不確かで、でもどこかで筋を通さずにいられない」

「いちばん欲しい部品はお前だ。そう言ってはもらえんのですか」
山崎を残していく決断をした徳川。不穏なフラグがまたひとつ。

「それが機械に代えられない、人の本質。
 時に自分で自分を壊してしまうほどに強い、
 人間にだけ与えられた力の源だって」

「土方さん。あなたの方が正しかった。
 波動砲艦隊。力のみを過信する者は結局」
「俺は沖田の思いを汲んだだけだ。
 現実を、地球の明日を見据えていたのはお前の方だ」
「でも未来は見えていなかった。
 これから始まるのはその未来を賭けた戦いです」
「本当に試されるのもここからだろうな。俺もお前も、人間のすべてが」

土方と山南の会話がホントに渋いし、物語を締めている。
この二人が1つのシーンで共演するのは「星巡る方舟」冒頭以来か。
あそこからここまで来るとは感無量ですな。

「私も人間でありたい。
 どんな運命が待ち受けていようと、最後の1秒まで」

■発進するヤマト。なぜ単艦?

まあ普通に考えれば、割ける艦艇がもうないってことかも。
司令部からすればトランジット波動砲の威力は未知数。
ゴレムの存在も確実とは言えず、しかもあの巨大な要塞に侵入して
大帝の玉座というピンポイントにたどり着き、それを制圧するなんて
「針の穴にラクダを通す」なんて言葉があるが
ラクダを通す方がまだ可能性がありそうな作戦だ。

決戦宙域まで行けば、同行するフネも現れるのかも知れないが
それも、その前に彗星帝国によって全滅させられていなければ、の話か。

■月のサナトリウム

住民は本土(地球)へ避難する模様。翼くん、元気になったみたいだね。
ガトランティスが伝えた特効薬は本物だった様子。

■「足止めするだけでいい。時間断層ある限り、地球の兵力は」

やっぱり最終章では時間断層に何らかのトラブルが発生すると予想。
んでもって芹澤の精神が崩壊すると予想。

■「裏切りは裏切りだ」

「翼だけでなく、多くの子どもの命が救われた」
「裏切りは裏切りだ。そんな顔すんなシノ。
 みんな何も言わずに受け入れてくれた。借りを返すまで死ねねえよ」

これも死亡フラグなのか。誠と翼のためにも生き残って欲しいのだが
たとえ万が一生き残っても、加藤は退役して軍から身を引きそう。

■中央作戦室

CRSによる波動エネルギー増幅システムが失われ、
彗星帝国の防御フィールドを打ち破れるのはトランジット波動砲のみ。

 スクリーンにはINFILTRATION(侵入)とある。
 止め絵にして確認したら、その下にはしっかり
 SKYSCRAPER(摩天楼)の文字が。ちょっと笑ってしまった。

一点突破で敵の懐に侵入する決死隊が向かうのはズォーダーの玉座。
それこそがゴレム。

 第一章のパンフレットの表紙がズォーダーの玉座だったよねえ。
 そこまで考えて表紙にしてたのだとしたら流石だが。

「われわれはゴレムを作動させすべてのガトランティスを一気に葬る」
「皆殺し・・・」
「人間じゃねえんだ、気にするこたぁねえ」
いかにも戦争のプロらしい倉田のこの台詞、結構好きだったりする。

「もう一度ズォーダーと話し合うことはできないだろうか。
 ゴレムは占拠するに止めて、ズォーダーとの交渉に使う手も」
「甘いですよ! ガトランティスに何をされたか忘れたんですか」
「忘れてはいない。
 でも、彼らの歴史を、ズォーダーの過去を知ってしまった今は。
 1000年も絶望した男を簡単に説得できるとは思っていない、それでも」

ここで「それでも」って言えるのがリメイク版の古代だよねえ。
表向き ”愛” を否定してはいても、根底ではその ”愛” に悩み苦しむ。
そこは自分たちと何ら変わらないガトランティス人。ならば。

「俺たちは戦うべきじゃなかった。愛し合うべきだった」
そう悟ったはずの旧作の古代は、その言葉を実践したか。
実践しようとしたか。

「たとえ違う星に生まれても、俺たちはわかり合える」
「2199」「星巡る方舟」でそう語ったリメイク版古代は、
まさにその言葉を実践しようとしている。

まあ、それが通じる相手かどうかはまた別の問題だが
「問答無用」とゴレムを作動させる古代ではないよねえ・・・

「よかろう。そのチャンスがあれば逃すな。だが引き際は心得ろ」
土方もそれに理解を示す。彼もまた戦い一辺倒の人ではないようだ。

「なんであの人、みんな反対してるのに、一人で」
古代の言動をいぶかしむ雪。そこに玲が
「そういう人なんです。そんな古代さんをあなたは愛した。
 あなたたちのように深く愛し合えた人を私は知らない。
 それだけは知っておいて」

この台詞もたまらなくいい。いやあ玲さん成長したねえ。
そしていい女になった。

(つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第六章 回生編」感想・・・のようなもの その7 [アニメーション]


例によって、本編を観ながら感じたこと考えたことを
ダラダラ書いた感想もどきです。無駄に長いのはご容赦願います。

※ネタバレ全開です。
 円盤の到着待ち、あるいはTV放映待ちの方はご注意ください。

◆第21話「悪夢からの脱出!!」(3/3)

■福井節、炸裂

この21話は、今までになく作家・福井晴敏のカラーが
色濃く出た回だったと思う。
いわゆる ”福井節” と呼ばれる台詞回しも随所に現れる。

「恐怖を克服するには、自らが恐怖になるしかない」

これ、小説版「終戦のローレライ」にも
同様の台詞があったと記憶している。
まさにここからが福井脚本の真骨頂なのだろう。

「波動砲艦隊も、時間断層による軍拡も、
 それがガミラス戦争で滅びを経験した人類の・・・結論」
「この残酷な世界で生きて行くには・・・人は弱すぎる」

■「ヤマトは生きている!」

G計画が発動され、銀河は戦闘から離れ、
AIの指揮下へ移行しようかというまさにその時。

「アンドロメダより全艦優先通信! 聞こえるか、ヤマト発見!」

全艦優先通信とのことなので、すべての連邦航宙艦に届いているのだろう。
だから銀河にも、そしてヤマトにも。

「一瞬だが光学的に補足した。あれはヤマトだ! ヤマトは生きている!」
「だが、彗星帝国の強大な重力に囚われている。
 ヤマト単独での脱出は困難だ」
「残存艦艇、聞こえていたらヤマト脱出の援護を!」

そして山南は乾坤一擲の戦いへと身を投じる。

「本艦はこれより彗星中心核に突入し、敵重力源の破壊を試みる!」

しかしアンドロメダ単艦では無謀すぎる。

「艦長、意見具申。銀河のコスモリバースで増幅してやれば
 アンドロメダ1隻の波動砲でも重力源にダメージを与えられるはずだ」

しかし真田の意見具申に対してAIの回答は

「期待する効果を得るにはCRSに負荷がかかりすぎる。
 不確実性の高い作戦のためにコスモリバースシステムを失うわけには」

「お前には聞いていない! 艦長!」

真田の一喝が早紀の心を揺さぶり始める。

おそらく「2202」で(今のところ)最高にカッコいい真田さんだろう。
私のかみさんも超感激してた。きっと惚れ直したに違いない(笑)。

■「死んでとれる責任などない」

山南の独白は続く。

「多くの、多すぎる命が失われた。今更責任をとれるものではないが、
 せめて俺とアンドロメダの命と引き換えに、戻ってきてくれ、ヤマト!」

「山南、死んで取れる責任などないぞ、山南」

第六章の白眉ともう言えるシーンがここから始まる。

映画館で観ているときはもう夢中だったので考えもしなかったのだけど
冷静になってからこの一連のシーンを思い返してみる。

まず、この土方の台詞は山南の独白に対するものだよねえ。

ということは、山南は通信を切り忘れて独り言を言っていたのか、
それとも、これからも戦い続ける人々にも聞かせようとして
あえて通信を切らずにいたのか。

もし前者だったら、あとで山南は猛烈に恥ずかしい思いをしたかも(笑)。
だけども、そのお陰でヤマトも救えて自分も救われたのだけどね。

これに続く、一連の土方の台詞も、アンドロメダを中継して
銀河に届いていたっていう解釈でいいのだろうな。

もっとも、土方はあくまで山南に向かって説いていたわけで
自らの言葉が銀河の艦橋に響いていたとは思わなかったのだろうが。

■「俺たちは機械じゃない!」

崩壊するゼムリアをバックに飛び立つヤマト。
ここから始まるBGMが、否が応にもクライマックスを盛り上げていく。
13話の波動砲シーンのBGMと双璧だね。サントラ第二集待ってます。

「生きろ!」上方からの直撃を受けるヤマト。これも旧作のオマージュか。
「生きて恥をかけ」この通信は加藤にも聞こえているのか。
「どんな屈辱にまみれても生き抜くんだ」顔を上げる加藤
「人間は弱い。間違える。それがどうした?
 俺たちは・・・機械じゃない!」
「優先すべきはG計画」
「機械は恥を知らない」
「人類存続のために」
「恥をかくのも、間違えるのも、全部人間の特権なんだ!」

 長く人間をやってると、恥をかいたことは数知れず。
 間違えて頭を下げて回ったことも数知れず。
 でもそれでこそ血の通った人間、と認めてくれる。
 私みたいなポンコツな男には、この台詞は沁みるなあ・・・

その土方の言葉がついに早紀を動かす。

「本艦は直ちに」早紀の銃がAIを打ち砕く。

「現時点を以て指揮AIを更迭。本艦の指揮は私が執る!
 銀河、火星星圏へ!」

この一連の流れも福井節全開で、いろいろ書きたいこともあるのだけど
もういい加減、長い文章になったのでこれ以上はやめておこう。
ああ、「終戦のローレライ」をもう一度読み返したくなってきたよ。

■人馬(人艦?)一体

イーターが盛大に突き刺さっても、さらにはブリッジを直撃しても
突進をやめない山南&アンドロメダ。

速射魚雷で後方から迫るイーターを迎撃、そして波動砲発射機構も健在。

「お前もしぶといな、アンドロメダよ」もうこの台詞、最高である。

発射態勢に入ったアンドロメダ後方にワープアウトする銀河

「山南艦長、お供します。共に、生き抜くために」
「コスモリバース限界稼働」「この一撃でもう使い物に」
「かまわない。これは我たちの、人間のフネだ!」
「コスモリバース、発動」「波動砲、発射!」

アンドロメダ&銀河の合体技だね。

CRSによって増幅された波動砲が重力源を破壊。

それによって生じた波動共鳴(?)に翻弄されるカラクルム級。

■ヤマト、脱出

機関が今ひとつ不調なのか、もたもたと飛ぶヤマト。
でもいかにも艦体が重そうなのがヤマトらしくて、これもいい。

崩壊したゼムリアの破片が接近。逃げられないかと思いきや
そこへロケットアンカーが飛来、強制的に接続される。
牽引しているのはアンドロメダ

「全艦、白色彗星より脱出!」

ガス帯を抜け、火星上空へ逃れてくるが
アンドロメダはすでに瀕死の状態のようだ。

「ヤマト・・・生きて・・・生きていてくれた」感涙にむせぶ加藤。
まあ自分がしでかしたことを思えばそうなるだろう。

■「山南艦長救出に成功!」

誘爆を引き起こしながら火星へ落下していくアンドロメダ。
「ここまでか」山南はヤマトとの牽引を切り離し、雲海の下へ。
やがて艦体は爆発、轟沈する。思わず立ち上がる土方

しかし立ち上る噴煙から姿を現すブラックバード隊。
加藤機の上には山南の姿が。
山南救出を伝える加藤の声が、またいい。
そしてそれを聞き、口元を緩めて敬礼する土方も。

ブラックバードって3機しか生き残ってないのかと思ったんだが
ラストシーンを観るとヤマトと銀河の周囲に
10機以上の機影が見える。思ったより残ってたのか、補充したのか。

■アンドロメダ最強伝説

思えばアンドロメダというのは不運なフネなのかも知れない。
「さらば」の公開直前頃に、アニメ雑誌かなんかに設定画が載ってて
やたらカッコいいその姿に、心ときめいた人も多かろう。

しかし本編中では目覚ましい活躍と呼べるものはほとんど無く、
彗星帝国の強大さを強調させるための ”やられ役”、
結果的にはヤマトの前座的な扱いに終始した。

本来、ヤマトを凌駕するスペックを与えられながら
それを発揮する場を与えられずに退場していった。まさに不運のフネ。

しかし2202においては、その ”前世” の鬱憤を晴らすかのような
文字通り獅子奮迅の大活躍、危機に陥ったヤマトを救うべく
彗星帝国に単艦で突入し、見事ヤマトを連れ帰る。
そしてヤマトの復活と入れ替わるように自らは宇宙に散る。

ある意味、最高の舞台を与えられて、しかもその役割を全うしたわけで
(ヤマトを除けば)「山南の駆るアンドロメダは地球防衛軍最強」
と呼んでも、異論を唱える者は少なかろう。

■第21話まとめ

9話とか18話みたいな話ではないので、あまり悩まずに
短くスッキリ書けると思ってたんだけど、
熱い台詞が満載で、しかも最終章へ向けて制作陣が語りたいテーマも
見えてきたような気がして、実際書いたら他の回の五割増しに。
まあ、内容の密度も高かったし。

とは言っても、まだ油断はできませんよねぇ。
なんと言ってもあの監督とシリーズ構成は ”えげつない” んですから(笑)。

(つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第六章 回生編」感想・・・のようなもの その6 [アニメーション]


例によって、本編を観ながら感じたこと考えたことを
ダラダラ書いた感想もどきです。無駄に長いのはご容赦願います。

※ネタバレ全開です。
 円盤の到着待ち、あるいはTV放映待ちの方はご注意ください。

◆第21話「悪夢からの脱出!!」(2/3)

■火星戦線

奮戦するバーガー戦闘団。「2199」第11話だったか、
ドメル艦隊とガトランティス艦隊の戦いを思い出す。
あの頃とは打って変わって沈着冷静な指揮ぶりが成長を伺わせる。
第六章ではサービスカット程度の出演しかなかったが
最終章ではもう少し見せ場を貰えるのかなぁ。

超巨大空母バルゼーからデスバテーターが発艦するが
やっぱりカタパルトは回るんだね(笑)。
かといって、回らないと怒り出す人もいそう。
ヤマトのリメイクはいちいち大変だ。

それを迎撃するのはアルデバラン艦隊。
逃れたデスバテーターの一群がバレル大使座乗のゼルグート級に迫る。

ここで地球艦隊が身を挺して守るのは「完結編」のオマージュか。

■YF-2203参上

山南のアンドロメダ改を旗艦とした無人アンドロメダ艦隊が到着。
YFはヤマナミ・フリートの略か。

D級2隻をワープブースターにして、ワープアウトと同時に波動砲攻撃。
コロンブスの卵的なアイデアだけど、絵的には面白いしわかりやすい。
まあ、好みは分かれそうだけど。

そういえば、ノイ・デウスーラも複数の機関を持っていて、だから
ワープアウトしてすぐにデスラー砲が撃てたって小説版にあったなあ。

YF-2203が都市帝国上空から迫るアングルは
「ヤマト2」のコスモタイガー隊のオマージュだね。
迎撃するは滅びの方舟の北極部上空には浮かぶ多数のカラコルム級。
直衛艦隊なのでしょう。
ここの戦闘も激しいんだけど、放たれる波動砲のビームが多すぎて
ショックカノンくらいに見えてしまうのはもったいないかな。

しかし、そんな波動砲の雨アラレ的攻撃でも
都市帝国には傷一つつけられない。

■波動砲艦隊の位置づけ

もともと波動砲艦隊というものは、本作の中では
否定されるべきものとして位置づけられてる。
ヤマトもそれを拒否するが故に地球を飛び出したわけで。

ならば、波動砲艦隊によってガトランが退けられる展開は
根本的にあり得ない。それなりに敵の侵攻を食い止めてはしても
最終的な解決(勝利)には結びつかない。

波動砲を無効化する防護フィールドの存在も、
時間断層内の無人工廠における生産能力を以てしても対抗し得ない
ガトランティスの圧倒的物量も、それを象徴してるわけだ。

それに、もともとヤマトという作品は、
圧倒的に物量で不利な状態(ほとんどの場合ヤマト単艦)から
逆転して勝利をつかむ物語なのだから、
物量で迫る敵に物量で勝利する物語が成立するはずはない。

ならば、たぶん最終章では、ヤマト以外のほとんどの艦艇は沈むか
残ったとしても戦闘能力を失う展開になるのだろう。

もっと言うなら、時間断層そのものが何らかの理由で失われるとか、
無人工場がトラブルで無期限停止するとかの描写もあると思っている。
(もしそうなったら、芹澤は精神が崩壊してしまうだろうなあ。)

いつぞやのインタビューで福井氏は
「さらば」終盤の絶望感も再現する、とか言ってたような記憶もある。
(いつ頃のだかよく覚えてないんだけどwww)

 「絶望」といえば、いつかのイベントで司会役の声優・白石稔が
 「さらば」終盤の展開を「絶望の三段活用」って
 評してたのを思い出した。うまいこと言うものである。

「ヤマトの物語」である以上、
この物語に決着をつけるのは物量以外の要素であろうし、
そのためのガトランティスの設定でありシュトラバーゼであったと思う。

まあ、どうなるかは製作者のみぞ知る、だけどね。

■ヤマト発進

「地盤の崩壊を利用して離陸する」「補助エンジン始動」
「船体、起こせ!」舵を握るのは古代。そして「ヤマト、発進!」

「なんとしても通信可能域へ出る。地球にゴレムの情報を」

「2199」第2話をなぞるような一連の発進シーン。
このあたり、私は結構喜んで観ていたのである。

もちろんファンサービスでありオマージュでもあるのだろうけど
ここは、ヤマトのクルーがガトランティスのアキレス腱である
「ゴレム」の存在を知り、これからヤマトが ”反撃” に転じていくという、
ストーリー上の ”転換点”、とまでは言わないが
大きな ”節目” じゃないかと思う。
だから、改めて「発進する」んだと感じた。

 もっと言うなら、私は「2199」第2話の発進シーンを
 あまり評価してない。これも過去に記事に書いてる。
 特に惑星間弾道弾を迎撃するシーンでは重厚感が全く感じられず、
 がっかりして映画館を出たのを覚えてる。
 ああ、もう6年半も前のことなんだねぇ・・・

この、ヤマト発進から始まるゼムリア脱出のシーンは
CG技術の進歩もあるのだろうけど、とてもよくできてると思う。

■「もう地球もガトランティスもない」

都市帝国へ攻撃を敢行するも、ダメージを与えられなかった
アンドロメダ改の艦橋に1人残る山南。その独白。

「時間断層がある限り、殺し合いは永遠に続く」
「地球復興のため、最善の道を選んだつもりだったのだがなぁ・・・」
土方と袂を分かってまで、波動砲艦隊司令に就いたのにね・・・

そのアンドロメダ改は、ひらひらとまるで戦闘機並みの機動。
そういうふうに改装されているのだという。
だから山南も強化宇宙服(耐G機能があるのだろう)を着用してる。

モニターに映る都市帝国下部。「あの重力源を破壊できたら」
土星沖での敗戦の理由の一つがこれだからねえ。

しかしそんな中、山南は彗星帝国内部にヤマトの艦影を発見する。

■G計画発動

木星空域へワープアウトした銀河。

「地球ガミラス連合軍の損耗率が50%を超えた。
 本艦はもう戦闘には加わらない。司令部よりG計画の発動を受理した。
 以降本艦の指揮は部分的に当方の指揮下に委ねられる」

「AIの指揮下に」驚く島。

G計画とは? と問われた銀河クルーが答える。
「兵器は無尽蔵に作り出せても人間は遠からず限界が来る」
「AIの導入による兵員の削減、人体の改造による兵器運用の効率化」
「この先、戦争が長引けば、人類は生き残るために
 どんな選択をするか分からない。
 だから今のうちに正常な遺伝子を保存して、最悪の場合・・・」

「地球を脱出して新天地を探す。それがG計画か」

四肢の義体化に留まらない、遺伝子レベルでの
種の改変まで行ってしまうかも知れない。
それはもはや人類とは呼べない存在になってしまうかも知れない。

そうなったときのために、本来の人類の正常な
(何を以て正常かと言い始めるとまた別の議論になってしまうが)
遺伝子を残すのがG計画。

太陽圏を離脱し、他の星系への移住を目指すのか。
まあ遅かれ早かれガトランに見つかって
滅ぼされてしまうのは目に見えてるような気もするが。

かつてのイズモ計画の発展形なのだろう。

”G” とはなんの略だろうとずっと疑問だった。
最初は銀河のGか、GALAXYのGかと思ってたんだが
ここでその全容が分かってみると、
遺伝子(GENE)、あるいは、新たな人類の歴史を作り出す
”創世”(GENESIS)を表すのかも知れない、って思うようになった。

■「そこまでしなきゃいけないのかよ!」

どうやって生殖細胞から人間を生み出すのか?
新見はその答えに自ら答えを導きだして驚愕する。

しかしそのために乗員がほとんど女性というのはねえ。
最初、銀河のクルーがなんで女性ばかりなのかと思っていたが
その裏にはこういう事情があったというわけだ。

 もっとも、監督が何かのインタビューで
 女性キャラを出さなくてはいけないという大人の事情(笑)
 があったらしいので、その理屈づけなのかも知れないが。

女性を産む機械扱いするこの計画は倫理的にどうなのか。

 かつて同じような発言をした政治家がいて
 問題になったのを思い出す。

島が激高するのも無理はない。
第六章の島は、要所要所でホントにいい台詞を言う。


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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第六章 回生編」感想・・・のようなもの その5 [アニメーション]


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 円盤の到着待ち、あるいはTV放映待ちの方はご注意ください。

◆第21話「悪夢からの脱出!!」(1/3)

■早紀さんの回想シーン

2193年って、ガミラスによる遊星爆弾攻撃が始まった年か。
早紀の母は、「こんな残酷な世界には」と言い残して自ら命を絶つ。

目の前に展開する世界のありように絶望した、ってことか。
青い海は干上がり、美しい山河は赤茶色に荒れ果て
多くの人が命を落としていく。

第2話の藤堂長官の台詞に
「今の地球の人口は往時の1/3に満たない」とあった。
単純計算で、自分の身の周りの人の3人に2人が亡くなったことになる。
まあそんな状況に置かれたら絶望する人も出てくるだろう。
早紀さんの母に限らず、自ら命を絶った人は少なくなかったように思う。

「母は優しく、弱い人だった。
 優しさや人間らしさが人を殺すなら、それを捨ててでも」

これが彼女の思考の根源なのですね。

■火星絶対防衛圏

「奴らとて無限の戦力を持っているわけではありません。
 波動砲艦隊で敵艦の数を減らしていけば、まだ勝機は」

芹澤は波動砲艦隊の力を信じているが。

■「ガトランティスを永久に隷属させるための安全装置」

その名は ”ゴレム”。
”ゼムリアの語り部” によって、すべてのガトランティス人に
死をもたらす ”安全装置” の存在が明かされる。

ヤマトクルーへの開示を拒む語り部だがそこへ現れた透子。
「答えなさい。最後のゼムリア人である、この私が聞いているのです」
ここでズォーダーのカットが入る。
大帝はこのシーンのやりとりを知ったということだね。

しかしゴレムの存在する場所はわからない。
しかし透子はそれをも明かす。「ゴレムは大帝と共に」

ここでの透子の心境変化の理由、最初はよく分からなかったんだけど
何回か見返して思った。
透子は古代(&語り部)に見せられた映像で、
オリジナルサーベラーの記憶を取り戻したのだろう。
「もうやめましょう」
第20話の回想シーンであったようにオリジナルサーベラーは
ズォーダーによる ”ゼムリア人への報復”、
さらには ”宇宙レベルでのヒューマノイドの根絶” は望んでいない。
怒りと憎しみのままに突っ走るズォーダーの姿を見ることも。

透子は、盲目的にズォーダーに従う存在から、
自らの意思を以て彼を止める側に回った、ということなのだろう。

■都市帝国突入作戦決定

ゴレムの存在が明かされ、これを手中に収めることが
この戦いに終止符を打つ唯一の方法であることが判明する。

これで、都市帝国への決死隊潜入が確定だなあ・・・

旧作では動力炉の破壊が目的だった。
今から思えば、キロ単位の大きさがある都市帝国で
ピンポイントの場所に潜入するなんてかなり無理がある展開。

それに加えて、2202版都市帝国は木星並の大きさがあるのだから
さすがに「いくらなんでも突入作戦はないだろう」って
思ってたんだが・・・やっぱりやるんですね?

まあ、これをなくしたら「さらば」ファンが反乱を起こすかも知れないが
これをやってしまうと、斉藤隊長の戦死はほぼ確定。
かなりの確率で永倉姉さんも。そしてひょっとしたら真田さんまで。
さて、2202ではどう描かれるのか。

そして、ゴレムの場所へ導くために、
突入部隊へ透子さんが加わることもほぼ確定になったように思う。
もしキーマンも加わったら、突入部隊は地球・ガミラス・ゼムリアと
”三惑星連合軍” ですねえ・・・

ただ、ゴレムを突入部隊が制圧し、これを作動させてガトラン全滅、
ってラストはヤマトらしくないとも思うし、まあ無いだろうなぁ。

順当に考えれば、ゴレムを挟んで
ズォーダーと古代の対決、ってなるのだろうが・・・

■ゴレムの ”本体”

語り部の言葉によれば、ゴレムは破壊しても機能は失われないようだ。
これはどういうことなのだろう。

ガトランが握っている ”ゴレム” なるものは実は端末に過ぎず、
本体はどこか別の場所、ズォーダーの知らない遠方の星系とかに
隠蔽されて設置してあるのかも知れない。
で、それが端末と定期的に通信していて、
それが途切れると作動するとか。

全宇宙にむけて効果を及ぼすらしいので、逃げ場はないみたい。
案外、ズォーダーが ”中継点” なのかも知れない。
彼はコスモウェーブを通じて全ガトランティス人&全蘇生体と
つながってるはずなので、彼を通じて ”信号” を送る。
すると、細胞がアポトーシスするみたいに全ガトランが ”壊死” するとか。

 ここまで書いてきたら、福井晴敏の江戸川乱歩賞作にしてデビュー作
 「Twelve Y. O.」に ”アポトーシスII” って名前の
 コンピュータ・ウイルスが登場したのを思い出したよ。

■「奴らは知りすぎた」

「地球を喰らうにはどのみち星を一つ捨てねばならぬ」

ゼムリアの破壊を決断するズォーダー。
彗星内に抱え込める惑星の数には限度がある様子(まあそうだろう)。
ゼムリアの代わりに地球を取り込むのは、
時間断層を手に入れるためだろう。

「これもまたお前の導きか、テレサ」

悪魔の選択を突きつけたはずが、ヤマトは生き残り、
ゼムリアに漂着して、ガトランにとっては
致命的な秘密を知られることになってしまった。

ズォーダーにとっては予想外の成り行きだが
テレサにはこの未来が見えていたのか。

■「ゼムリアを消せ」

第7話で不発だったレギオネルカノーネ、ここで満を持して登場。
今回はきっちり発射される。

その威力は惑星ゼムリアを崩壊させるほど。ほぼ波動砲と同等か。
第7話で、地球に向けて放たれていたら人類絶滅は確定でしたね。

もっとも、地球に届くまで1年くらいかかるって小説版にはあった。
11番惑星は太陽から1光年くらい離れてるってことか。

惑星規模の異変を感じたヤマトは発進準備に入る。

■「来るなら来い」

「防衛司令部より全艦隊に発令、徹底抗戦だ!戦線を維持せよ!」
「時間断層ある限り、地球の戦力は無尽蔵だ!
 怯むな! 戦え! 地球のために! 明日を生きる子供たちのために!
 我らの文明を、人類という種を絶やしてはならん!」

芹澤はあくまで戦いを続行。
しかし、あんな敵を相手に、ここまで来たら
いまさらやめることはできないよねえ。

画面に出てくるアンドロメダ級の側面には
「BBB BLACK BERSERK BATTLION」の文字が。
さしづめ「暗黒 ”狂戦士” 軍団」というところか。

芹澤の言動からして、まさしく「正気の沙汰じゃない」状態に
なってるが、自分から名乗っちゃダメでしょう。

「生き延びるのだ! いかなる犠牲を払おうと! どんな姿になろうと!」

見送る親子が立つのは鞆の浦(広島県福山市)かな。
BD収録の各話エンディングの冒頭の風景にも出てるね。

 最初に見たときには「竜宮(たつみや)島」かと思いましたよ。
 ちなみに「竜宮島」とは、2004年に放映された
 羽原信義監督(ストーリー原案・シリーズ構成は冲方丁)の
 アニメ「蒼穹のファフナー」の舞台になった島。
 太平洋にある絶海の孤島なんだが、実は・・・って話。
 私はこの作品が大好きで、これで羽原監督と冲方丁を知りました。

■「寂しいな。なあ、アンドロメダよ」

AIによる自律制御で乗員は山南1人。人員不足もあるのだろうな。
土星沖海戦の時点で、D級1隻を5人で動かしてるとかの
記事を読んだ記憶がある。1年間の長期航海のためとはいえ、
ヤマト1隻で999人だったことを思えば桁違いの少なさだ。

艦長5人組の写真がいいなあ。みんな笑顔で。
山南も可愛がられていたのが分かる。
沖田艦長の満面の笑顔なんてレアものだよ。

(つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第六章 回生編」感想・・・のようなもの その4 [アニメーション]


例によって、本編を観ながら感じたこと考えたことを
ダラダラ書いた感想もどきです。無駄に長いのはご容赦願います。

※ネタバレ全開です。
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◆第20話「ガトランティス、呪われし子ら」(後編)


■「はたして、勝てますかな」

付き従うはガミラス仕様の空母型アンドロメダ級。
ガミラスはイスカンダルの手前、
おおっぴらに波動砲艦の開発/製造は行えないからねえ。
地球製のOEM供給(笑)で間に合わせてる、ということか。

「2202」では、D級だってガミラスのガイデロール級が
ベースになってるって設定。
ならばアンドロメダだって、ガミラスの協力のもとに
開発・生産が進められたはず(第1話で司令部にガミラス人がいたし)。
公式サイトには「ライセンス生産」って書いてあるけど
実際は共同設計に近いんじゃないかと推測。

先行して完成した4隻が戦線に投入、指揮はあのフォムト・バーガー。
「政治的信条がどうとか言ってらんねえ時だから強力はするが」
なんて言ってることから、バーガー自身は現在のガミラス指導体制に
必ずしも賛同してない様子。ひょっとして ”隠れデスラー派” かも。

■「こんな役立たずの手、早く交換しちゃいたい」

白色彗星近傍で訓練航行(?)中の銀河。
市瀬を指導する島。その市瀬が呟く言葉。
親から五体満足な体をもらいながら、なんて罰当たりな・・・
なんて思うが、”自分の生身の肉体より、戦闘における効率が最優先”
というとんでもない価値観を植え付けられてるんだね、この子たち。
時間断層ではそれ専用の義手偽足まで作り出してるとは恐れ入る。

G計画なるものを立案した者たちが、
それに参加する人員にそんな価値観を叩き込んでるってとこか。

 戦争を扱ったSFでは、しばしば戦闘に特化して改造された人間は
 ありふれた存在ではあるが、
 ヤマトはそっち系の作品ではなかろう・・・って思いたい。

 ああ、旧作における真田さんの義手義足という設定はあったなあ。
 爆弾も内蔵されてたりしたから、あれも戦闘用だったのかなあ。
 たぶん、衛星爆破に行く前に自分で仕込んだんだろうなあ・・・

 昨今は、手足が欠損した描写は御法度みたいだけどね。

■「あなたの席なんです」

レーダー席に連れてこられても記憶にない様子の雪。
このシーンを見てると、”暗殺者” は西条ではないのかな?
それともあのときの雪は意識がもうろうとして、覚えていないとか?

■「すっと気になってたんだ」

古代vs透子、第2ラウンド。

「愛を笑い、否定しようとするガトランティス。
 それは彼らも愛を知っていることの証明なんじゃないかって。
 愛に傷つき苦しめられてきたからこそ愛を憎むんじゃないかって」

前回は奔走されるだけだった古代だが、今回は終始主導権を持って語る。
シュトラバーゼを経験した古代だからこそ言える台詞なんだろう。

■ガトランティスの歴史 part2

○ズォーダー、サーベラーの遺体からの再生クローン作成を決定(2)

 「死者の眠りを妨げるおつもりか」
 「人間の言葉しか聞かぬと言うなら捧げよう。
  我が最愛の女。人に裁きを下す裁定者を!」

100年以上もの間、サーベラーの遺体と共に
宇宙をさすらっていたということか。
その遺体に手をつける。そこまでして ”滅びの方舟” に拘る。

ズォーダーにも有り余るくらい ”執念” があるじゃないか。
「我らには無いもの」なんて言ってたが、どうしてどうして。

○サーベラー再生クローン、”滅びの方舟” の一時的起動に成功(4)

 「苦痛を終わらせよう。愛故に奪い合い殺し合う人間たち。
  生き続ける限り逃れられない苦痛を消し去るのだ」
  滅びという唯一の救済を以て」

○サーベラー再生クローン、
 ズォーダーに「もうやめて」と告げて消滅(9)

彼女は必ずしも復讐を望んではいなかった。
しかしズォーダーの執念は止まらない。

「ならん。データは残っている。
 記憶を制限した状態でサーベラーを複製するのだ。
 滅びの方舟を目覚めさせ制御できればそれでいい。
 問題が生じたならやり直せ。コピーはいくらでも作れる。
 もとより人間は不完全な存在。愛に呪われた哀れな命」

もう方舟の起動そのものが目的化している。

○ズォーダー、記憶を制限した新たなサーベラークローンを作り出し、
 ”滅びの方舟” 制御に成功(10)

○ズォーダー、”滅びの方舟” を使ってゼムリア人を滅ぼし、
 惑星ゼムリアを方舟内に収める(11)

○全宇宙のヒューマノイド根絶という大事業に乗り出す(12)

■「人間が人間である限り愛という業からは逃れられない」

これ、そっくりそのままガトランティスに返ってくるブーメランだ。
第20話は、ガトランティス(ズォーダー)が ”愛” と ”憎しみ” によって
がんじがらめに縛られていることを描き出す。

シュトラバーゼで、古代を相手にヒューマノイドという存在を
徹底的に糾弾したズォーダー。

「愛故に奪い合い、殺し合う」
「感情という毒に犯され、道に迷いし者」
「愛故に人は死に、星は壊れ、宇宙は滅びる」
「感情という病から沸き出すエゴ」

しかしこの20話を観ると、その言葉はそっくりそのまま
ズォーダーにも当てはまっていたわけだ。

■アナタはイデか浅倉か

「そんな者をだれが創造した? 誰が宇宙に蔓延らせたのだ?
 古代アケーリアス文明の実験は失敗した。
 悪しき種は滅ぼさねばならぬ。そして新たな種の発生を待つ。
 この宇宙に真の秩序と安定をもたらす新たな知的生命を」

この台詞を聞いて「伝説巨神イデオン」に登場する
”イデ” を連想した人もいるだろう。
あの物語は ”イデの発動” によって衝撃的な結末を迎えたが・・・
(あの結末については、人によっていろいろな解釈もあるだろうが)

人間に絶望して「すべてをリセットしてやり直す」言う意味では
「逆襲のシャア」のシャア・アズナブルや
「終戦のローレライ」の浅倉大佐に通じるものもありそうだ。

 ちなみに、私はかつて「終戦のローレライ」と「宇宙戦艦ヤマト2」
 関連づけて記事を書いたことがある。

「2202」の脚本家でもある福井晴敏の小説「終戦のローレライ」では
その浅倉の巡らした策謀を食い止めるべく
「人の可能性を信じる者」たちによる最後の戦いが描かれる。

2202でも、願わくば後者のような戦いが描かれることを願う。
ああでも、お亡くなりになるキャラはなるべく少ない方がいいなあ・・・

■特別仕様?

ゴーランドのクローンは赤ん坊として生まれ、
成長しながら様々なことを学んでいくようだ。

双子であっても、成長の過程で環境や経験が異なれば
異なる個性を示すようになると聞くけど
本編を見ているとズォーダーとガイレーンの二人だけは
1000年以上前からずっと同一人物が生きているように感じてしまう。

この二人だけが異様に長命なのだろうか?
それでも、成長の過程でどこかに記録された先代の記憶を
リロードしたりしてるのだろうか。そうとでも考えないと、
この二人の存在には説明がつかない気もするのだが。

ズォーダーとガイレーンの関係もよく分からない。
外見というか特徴がよく似ていることから
同タイプなのかも知れないし。

先代のズォーダーがガイレーンになるのかとも思ったこともあるが
どうもそんな雰囲気は感じられないし。

このへんも最終章で明かされるのかな。
思わせぶりなガイレーンのマスクが外れる日は訪れるのか?

■「彗星帝国、移動を開始」

「”滅びの方舟” をコアとする彗星都市帝国こそ、
 すべての苦痛を焼き払う真実の愛の具現」

自らの正当性を微塵も疑うことのない台詞と共に侵攻を再開する白色彗星。

「火星守備隊に連絡! 彗星都市は土星沖を離脱、
 火星空域へワープする公算大、警戒されたし!」

白色彗星のワープをやや後方から捉えたカットは初か。

最終防衛ラインを火星に設定してる地球軍だが
そこを飛び越えて一気に地球に行ったりせず、
しっかり火星まで来てくれる律儀な彗星帝国。
これがヤマト世界なのか(笑)。

(つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第六章 回生編」感想・・・のようなもの その3 [アニメーション]


例によって、本編を観ながら感じたこと考えたことを
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※ネタバレ全開です。
 円盤の到着待ち、あるいはTV放映待ちの方はご注意ください。


◆第20話「ガトランティス、呪われし子ら」(前編)


■「ヤマトだけは必ず救い出す」

D級2隻にエスコートされて地球圏へ帰還した山南&アンドロメダ。
両舷にフネをひっつけているのは重力アンカーの利用らしい。
そういう機能もあるのか。

そして、先行量産されたアンドロメダの艦隊とすれ違う。
旧作ではアンドロメダ級は1隻のみの登場で唯一無二だったんだけど
今作では量産体制。旧作ではD級が ”主力戦艦” とか言われてたけど
2202版ガトランに対抗するには、D級ではもう力不足ということか。

■「何で・・・何で・・・」

雪の記憶回復&喪失に、思わず崩れ落ちる古代。
思えばこの二人、特に雪さんは苦難の連続だよねえ。

「2199」の本編開始前の時点で既に両親はお亡くなりになっていて
自身も事故で18年間の記憶をなくし、ヤマトに乗ってからも
エンケラドゥスではガミロイドにさらわれかけたり
七色星団ではホントにさらわれたり、
第二バレラスの爆発に巻き込まれかけたり
デスラー襲撃時には銃で蜂の巣にされてお亡くなりになったり
CRSで甦ったりと忙しかった雪さん。

艦内に残された記録映像を見ても記憶は甦らない。
でも指輪は外さないんだよね。こういう演出はいいね。

ああ、沖田艦長の声が懐かしい。
イスカンダルを目の前にした時の台詞は、
旧作ファンなら魂レベルで記憶に刻まれてる言葉だろう。

3年経って「2202」になっても苦難は終わらない。
シュトラバーゼでは宇宙船から身投げする羽目になったりと
生きてるのが不思議なほど休まる暇がありません(笑)。

ここのところ平穏だったかと思いきや、
ラストが迫ってきた今になってこの有様。
ヒロインの宿命とは言え、艱難辛苦の人生を歩んでますねえ。

とは言っても、残り数話となったこの時点で
こういう要素をぶち込んできたということは、
これが終盤の展開に深く関わってくるものと推測するのだが
はたしてどうなるのでしょうか・・・

■「むしろ戻ったんだ」

雪の記憶が戻らないことに驚く永倉にキーマンが返す。
イスカンダルへの旅の1年前に事故で失った18年分の記憶が戻り、
その後の4年間の記憶が失われた。
イスカンダルへの大航海も、古代との間に育んだ愛も。
ここでの永倉姉さんのリアクションがいい。
この人もホント良いキャラになった。

ふと思ったんだが、ならば雪は両親の記憶も取り戻したのかな?
”18年分の記憶” とやらの中身が描かれていないので、
そのあたりがちょいと謎。

■ゼムリアの語り部

遺跡に訪れたキーマンたちを見て語り合う謎の声。
アナライザーを乗っ取ったのは ”ゼムリアの語り部” と名乗る存在が
突如、ゼムリアの歴史を語り出す。

■「それはもはや、人間」

「”タイプ・ズォーダー”。
 感応波によるネットワーク機能を有した最上位モデル」

PCのスペックみたいな表現(笑)だけど、ズォーダーが
初めからガトランを束ねるために生み出された個体だというがわかる。

そしてその能力が高すぎ、”家畜” を超えて「もはや人間」であると。

 「フランケンシュタインの怪物」以来、人工的に作り出した存在が
 創造主(人間)を滅ぼしにかかるのは、もはや王道というか定番。
 ここまで書いてきて「新造人間キャシャーン」なんて単語が
 思い浮かぶあたり、トシが分かるね(笑)。
 ブライキング・ボスを演じられた内海賢二さんも、
 鬼籍に入られてしまったねえ・・・(T_T)。

”タイプ・ゴーランド” とか ”タイプ・ザバイバル” みたいに
指揮運用する部隊ごとに ”用途別仕様” もあったりするのか。

■ガトランティスの歴史 Part.1

画面登場順と時系列が揃っていないので最初はよく分からなかった。
何回か見返してなんとか理解した感じ。
ここでは、時系列順に並べてみたいと思う。
あくまで私の考える順番で、しかも情景の解釈なども
間違ってるかも知れない。括弧内の数字は、画面登場順です。

○ゼムリア人、ガトランティス人を創造(0)

 戦争を代行する、”家畜” として。
 現代の戦争は無人化の方向、ていうか弾道ミサイルやサイバー攻撃など
 ”戦場に人間が立つ以前” に大勢が決まってしまうような方向へ
 進んでると思うんだけど、”人造人間” を作り出せる技術が
 開発されれば、そういう方向へ進むのかなあ。

○サーベラー(オリジナル)、ゼムリア人を裏切りズォーダーのもとへ(5)

 若いズォーダーがイケメンだね。そして愛を得て幸せそうだ。

○ズォーダー率いるガトラン人、ゼムリア人に対して反乱を起こす(3)

○ゼムリア人、サーベラーとズォーダークローンベビーを人質に
 ズォーダーに選択を迫る(6)

 ここで「ズォーダーは選択をした」との語り部の言葉に
 シュトラバーゼのことを回想する古代。
 これ以後、ずっと顔をうつむけたままなのが古代らしい。

○ゼムリア人、ズォーダーを裏切ってサーベラー&ベビーを殺害し、
 反乱を鎮圧(7)

○ズォーダー、生き残りのガトランティス人を連れてゼムリアを脱出、
 ”滅びの方舟” の探索に旅立つ(8)

 その探索行の期間は、ガイレーンの台詞から
 100年以上かかったことが明かされる。

○ズォーダー、”滅びの方舟” を発見する。(これが1000年前)
 しかしシステム起動せず(1)

 起動には ”人間” による ”裁定” が必要。
 ガイレーンはガトランティスには人を裁く権利は無いと告げるが
 ズォーダーは「だからこそ裁けるのだ」
 「愛もエゴも持たぬ我らこそ最も純化された知的生命体」
 「人類がその業から逃れるために生み出した新たな種だ」

■ガトランティスの論理

自分たちこそが何よりも優れた存在だとの主張を始める。
まあだいたい、歴史を見ても虐殺を正当化する側の論理はこれだ。
ガトランは自分たちを ”最も純化された” とか ”新たな種” とか
言ってるが、やってることは旧来のヒューマノイドと同じである。

これが彼ら(ズォーダー)のアイデンティティであり
心の拠り所なんだろう。
これがあるから ”すべての知的生命体の抹殺” なんてことを
正当化し、そして堂々と行えるわけで・・・

物量によってガトランを食い止めることはほぼ不可能であることは
”あの250万隻” に始まって以来、本編では再三語られてきた。
ならば、ガトランティス(ズォーダー)の暴走を止めるには
物量以外の方法に拠るしかない。そしてそれはおそらく
この20話で明らかになったこの部分を突くことしかないのだろう。

「お前たちは、決して優れた種なんかではない。
 俺たちヒューマノイドと変わらない」
ということを彼ら(ズォーダー)に受け入れさせること。

それはかなり至難の業に思えるが、それをやろうとしているのが
「2202」なのだろうと勝手に思ってるんだが。

そしてそれを誰が行うのかと言えば、やっぱり古代でしょう・・・
その可能性を彼に与えるために、今まで
さんざんいろんな試練を与えてきたのだろうから・・・

見事にそれをやってのける古代を見たいものだが、さて。

・・・なぁんて予想はしているものの、最終章はどうなるのかなぁ。
あっさり「ハズレ」を引いたりして。

■バレル出撃

地球の上空では増援のガミラス艦隊が発進。

バレル大使が陣頭指揮。
この人、本業は何なんだろう。
何処にでも出てきて、しかも有能すぎて正体不明。

ある時は大使、ある時は情報部の要人、そしてまたある時は艦隊司令。
そしてまたあるときは(私は聞いたことないんだが)
特典ディスクで盛大に ”壊れて” いるそうな。

「この戦いは宇宙に生きるヒューマノイドすべての運命を左右する。
 ガミラスの誇りに賭け、共に地球圏の防衛を。
 人類の興亡この一戦にあり!」

ここでガトランティスを食い止めておかないと、
次はガミラスの番だからね。

(つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第六章 回生編」感想・・・のようなもの その2 [アニメーション]


例によって、本編を観ながら感じたこと考えたことを
ダラダラ書いた感想もどきです。無駄に長いのはご容赦願います。

※ネタバレ全開です。
 円盤の到着待ち、あるいはTV放映待ちの方はご注意ください。


◆第19話「ヤマトを継ぐもの、その名は銀河」(後編)


■CRS(コスモリバースシステム)

敵の第二波が擁する対消滅ミサイルによって
壁を突破されることを防ぐために、少数精鋭による奇襲を立案。
銀河の波動防壁でもって敵に切り込むという。

銀河が率いる艦隊が出撃、同時にCRSが稼働を始める。
CRSは、惑星再生能力は失っているものの、
波動エネルギーの制御デバイスとしてこれ以上のものはないのだと。
実際、銀河から広がるフィールド内にいる艦艇は
波動防壁が強化されている様子。

この設定自体、かなりご都合主義な感じはするが
まあ理屈はいくらでもつけられそう。

地球再生には膨大なエネルギーが必要だっただろうし。
そのエネルギーは、CRSによって増幅された波動エンジンで
賄っていた・・・とか?

かなり強引だが、これがなければ21話のクライマックスの盛り上がりは
やや物足りないものになっていただろうし、痛し痒しかなぁ。

しかしCRSは、波動砲も通常火器も拒否するとのこと。
スターシャのつけた安全回路かなんかがあるのか、
それとも沖田の ”魂” のなせる技か・・・

真田によると、もともと探査船として設計されたもの。
それがでかいガラスドームの理由か。それが戦闘に投入され、
さらにはG計画に転用されていくことになった、と。

■ブラックバード

CRSによる波動防壁は、敵の攻撃を防ぐがそれだけでは戦況が好転しない。
銀河AIによる作戦が具申される。
「現有戦力では効果的な砲撃は不可能。
 作戦 ”ブラックバード” の実施を提案する」
それを受けた東堂艦長「承認」。

このとき一瞬躊躇するのは、やはり加藤のことが頭にあって
必ずしも賛同してないということなのだろう。
このあたりも21話の伏線だね。

ブラックバードの実態は、無人操縦によるコスモゼロ隊。
量産型の波動コアを爆装、敵の中枢にばらまきCRSで増幅、
波動共鳴で敵を足止めするという作戦。

しかしAIのみでの敵中突破は困難だ。
「先導役に志願した優秀なパイロットが導いてくれる」
もちろんこれが加藤。その名の通り、黒色のコスモゼロで出撃。
まあ、あの性格と、自らのしでかしたことを考えれば
志願しないはずもないが・・・まさに死に場所を求めての出撃。

■「人はどうするんです?」

東堂艦長の語る戦争のビジョン。
おそらく司令部のそれをなぞっているのだろうが・・・
「現有戦力で10日、敵の侵攻を食い止める。
 その間に時間断層では100日が経過し、
 新たに数十隻の波動砲艦が完成する。
 それを戦線に投入してさらに10日もたせる。
 さらに10日。さらに・・・
 これを繰り返せば、如何に強大な敵といえども」

 敵の圧倒的な物量に対して、戦力の逐次投入という
 最悪手に追い込まれる。昔の ”あの戦争” を思い出す人もいよう。

島が当然の疑問を口にする。
「人はどうするんです? それではフネを動かす人間が」
この回の島は、至極真っ当なことを言う役割を振られているようだ。
それによって銀河クルーの思考の異常さが際立つ。

「無人艦隊まであと一歩! この銀河とブラックバードがその証明。
 ガトランティスから採取したデータで、
 人造兵士の製造も現実味を帯びている。
 100日、あと100日持ちこたえれば・・・」

ますます ”ガトランティス化” に拍車がかかってますねぇ・・・
それに ”100日” の根拠って何? それもAIがはじき出したの?
案外、100日持ちこたえても勝てなかったら
もう ”GAME SET” ってことじゃないかって思ったり。

そんなことを言ってる間に、波動コアが撃ち減らされていく。
「緊急提案、直ちに共鳴開始」
加藤の待避を待つこと無く、非情の共鳴開始。

■効果は抜群だ! しかし・・・

機関が停止してコントロールを失ったガトラン艦隊は
互いに接触、盛大な打ち上げ花火みたいな爆発を繰り広げる。
”誘爆はヤマトの華”、なんて言われてきたが・・・
このシーンのBGMもあえて高揚感ゼロのものを持ってきてる。

■「正気の沙汰じゃない」

まさに戦争というものは人間を狂気へと駆り立てていくもの。
もっとも、ここで返ってくる「正気で戦争に勝てますか」という台詞は、
裏返せば「自分たちはいま正気じゃない」って認識してるわけで
まだマシなのかも知れない。

切羽詰まってきたらそこの区別を飛び越えて、
人間は狂気の彼方へ向かって突っ走ってしまうのは
過去の歴史を見れば明らかなこと。
作中における現在の地球もまさにその方向に向かいつつある。

しかし今回の島はいい台詞をしゃべるねぇ。
前章までワープマンって呼ばれて揶揄されてきて、
その鬱憤を晴らすかのようだ。
いや、島の「ワープ!」って号令も好きだけどね(^_^;)

■新見さんと東堂艦長

「不要なものは排除し、使えるものは何でも使う。効率的で最速で勝利へ」
「それでいいんですか東堂艦長。
 お母様のことを考えればあなたの気持ちは分かる」
東堂長官が写真を見るシーンが入って、ここで娘であることが判明。

 孫じゃないか、いや息子の嫁だろうとか、
 さんざん与太を飛ばしてスミマセンでした(笑)。

新見さんと東堂艦長は以前からのお知り合いらしいが・・・
具体的にどんな関係かは不明。年齢も3~4歳離れてるし。

「力の無いものは滅びるだけ。
 私たちはガミラス戦争でそれを骨身に刻んだ。
 何を失うことになっても、私は」

これが彼女の ”信念” なのですね。

■「何で死なせてくれねえんだぁ!」

いや、君が戦死しなくてホントに良かったと思ってるよ。
愛する妻子の元へ無事に帰れることを願ってるんだが・・・
あの監督と脚本家はとんでもなく ”えげつない” からねぇ・・・

■不時着したヤマト

謎の惑星上に不時着しているヤマト。

いくらヤマトが頑丈とは言え、火星並の大きさを持ち、
(画面で見る限り)重力も地球とさほど変わらないような、
そんな惑星に推力ゼロで墜落したら無事に済むとは思えない。

徳川さんが反波動格子のコントローラを手にしているので、
ヤマトは墜落寸前に推力をいくぶんは取り戻したのだろうと推測する。
(すくなくとも補助エンジンと慣性制御くらいは)

ちなみに、艦内に残ったのは誰だろう。画面に登場するのは
土方、古代、徳川、佐渡、森雪、西条、斉藤、永倉、山本、キーマン、
透子、そしてアナライザー。

11人+1体なんだけど、退艦時に土方が見てたパネルでは、
けっこう残っていそうな表示だった気も。
画面に登場しないけど他にも残った者がいるのかな。

■謎の遺跡

コウノトリとコスモタイガーⅠが探査に出かけ、謎の遺跡に遭遇。
BGMが「星巡る方舟」の ”シャンプロウ” だね。

ガイレーン「よりにもよって」
ズォーダー「これもテレサの導きか」
ガ「あの星はまだ生きています。ゼムリア人の血に反応すれば」
ズ「わかっている。とうに命運の尽きた命」

これは透子のことだね。
ヤマト艦内に残る蘇生体に、彼女の暗殺を命じたのだが・・・

「誰?」

■「皮肉な」

蘇生体を通して雪を観ているズォーダーの台詞。何が皮肉なのか?

あれほどまで ”愛に殉じた” 女が、記憶を失っていることに、か?
それとも、雪の正体? 素性? 何らかの異常? に気づいたのか?
雪を殺さずに逃走したのもそれが理由?
このへんも最終章で明かされるのかな?

■「誰? あなた・・・誰?」

いやあ、しかしあと残り一章(4話分)しかないのに
この時点でこんなものをぶち込んでくるとは。

「ねえ、ちょっとこれ、大丈夫なの?」byかみさん。

確かに(笑)。それとも、これもラストの展開の伏線になってるのか?

(つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第六章 回生編」感想・・・のようなもの その1 [アニメーション]


例によって、本編を観ながら感じたこと考えたことを
ダラダラ書いた感想もどきです。無駄に長いのはご容赦願います。

※ネタバレ全開です。
 円盤の到着待ち、あるいはTV放映待ちの方はご注意ください。

私とかみさんは、映画館での舞台あいさつで2回ほど
羽原監督と福井氏を見たことがある。

そのかみさんが言う。
「あんなにニコニコして人の好さそうな監督と、
 あんなにギャグ飛ばしてボケをかましてる脚本の人が
 こんなにえげつない話をつくるなんて」

そんな「えげつない」結末を迎えた第五章。

そこから5ヶ月という長い時間を、やきもきしながら待ち続けた
全国のヤマトファンたち。もちろん私もその一人だ。
その我々の前に、満を持して公開された第六章とは
いったいどんな物語だったのか・・・

◆第19話「ヤマトを継ぐもの、その名は銀河」(前編)

■アンタレス登場

推力を失って白色彗星内部に落下していくヤマト。
しかしその後方でしっかり待っていたアンタレス。
左右にD級を従えて、ヤマト乗員へ脱出を呼びかける。

アンドロメダ共々、尻に帆かけて逃げ出したかと思ってたんだが
そのアンドロメダも横にいるので、これは山南の指示なのだろう。

■「沖田、すまん」

全乗組員に対し、ヤマトからの退艦を命じる土方。
沖田のレリーフに詫びるのが土方らしい。

■「いやだ!・・・俺はヤマトに」

島は退艦を拒否するが土方に「反論は許さん!」と一喝される。
ヤマトに乗ることを最後まで躊躇していた島が
降りることには抵抗する。
ヤマトの操艦は島が一手に引き受けていたからね。
それだけに余計、”ヤマトを諦めたくない” のだろう。

「わしらが動かねば乗員たちにも迷いが生じる。
 行こう。辛くともそれが責任者の役目だ」

往年のヤマトファンの中には、組織の中で
上に立つようになった人も多かろう。
そんな人にとっては他人事ではない言葉だろう。
主題歌の歌詞にもあるよね。「誰かがこれをやらねばならぬ」って。

もっとも、説得した徳川の方がヤマトに残ってしまうという・・・

■「生きて、ひとりひとりが明日の地球を支えろ!」

真田と古代の指揮で退艦が始まる。
コスモタイガーⅡの発艦シーン、これ2202では初出ではないか?
発艦したあと、ヤマトに接近していくのは乗員を運ぶため?

艦内に土方の声が響く。
「生き延びるために最善を尽くせ!」
気を失った加藤も救出。これ、退艦を拒否して殴られたものと推定(笑)。
「戦いは始まったばかりだ!」
コスモタイガーⅡの主翼に機動甲冑が取り着いていたり。
船外服を着た乗員もしがみついてたりしたのかも。
「生きて、ひとりひとりが明日の地球を支えろ!」
ここでの土方の台詞がたまらなくいい。

■雪さんまたしても受難

キーマンは加藤を探す。玲はキーマンを探す。
その玲は、透子を連れ出そうとする雪を発見。
透子は死を覚悟したのか腰を上げようとしない。
そこへ入ってくる玲を、崩れる天井からかばって・・・
まあヒロインの宿命とはいえ、過酷な人生を送ってるのは間違いない。

■「たのむ」

補助電力が10%切り、艦内重力が低下。歩くこともままならなくなる。
ここに及んで土方は脱出の打ち切りを決断する。
アンタレスに脱出したヤマト乗員を託し、漏らしたのがこの台詞。
石塚運昇さんによる土方最後の台詞でもある。
そう思うと感慨もひとしお。

ガス帯の中へ落ちていくヤマトを見つめて、救出を誓う山南。
これが21話の奮戦に繋がるのか。

■追い打ち

脱出するアンタレスとアンドロメダに破滅ミサイルが迫る。
逃げられないかと思われた時に現れる謎の光。
真田は巨大な波動防壁と気づく。それは「銀河」の出撃を意味していた。

■次世代艦・銀河

ここで華々しく始まる新BGM「銀河のテーマ(仮)」にのり、
堂々と全景を表す、ヤマト級連邦航宙艦・「銀河」。
でもやっぱり艦首の ”銀河” の文字はないわー(ホントしつこいw)。

「ここから先は通さない、ガトランティス!」
予告編でおなじみのシーンですね。藤堂早紀艦長の登場です。

■「ある地球人兵士の愛に報いて、謹んで進呈する」

ガミラス・地球連合軍とガトラン艦隊の戦闘のさなか、
地球への通達をするゲーニッツ。
その中で、ズォーダーは地球に対して
遊星爆弾症候群の治療薬の製造データを開示する。

初見では「ガトランティスは意外と律儀なんだな」なんて思ってんだが
20話を見たあとだと、ズォーダーの ”意地” というか
”矜恃” なのかも知れないって思うようになった。
ヒューマノイドに裏切られた過去を持つゆえに、
「あいつらと違って、俺たちは約束は守る」
っていう主張なのかも知れない。

その ”地球人兵士” は銀河の中で目覚めて
自決を謀るも止められる。まあそうだよねえ・・・

■「戦って死ね」

加藤のことを報告した真田に対して芹沢が言い放つ言葉がこれ。

「それじゃガトランティスと同じじゃない」これもかみさんの弁。
まさに地球がガトランティスの二の舞、
デッドコピーへと変貌していく一端をここで示している。

まあ、その兆候は第17話で始まった土星沖海戦で、
物量で迫るガトランにこれもまた
物量で対抗しようとしたところから始まっているんだが。

さらに遡れば第7話で ”250万隻のカラコルム級” なんてシロモノが
出てきた時点で、地球vsガトランの決戦が物量勝負になるのが
暗示されてたんじゃないかなぁと思う。

「物量を過信する愚か者よ、力は力によって滅ぼされると知れ!」
山南のこの台詞は自らに対する強烈なブーメランであったと同時に、
的確すぎる予言でもあったわけだ。

■ヤマトクルー in 銀河

はじめに耳に入るのはなんとも不安な艦内音。
そういう風に聞こえる音を選んでいるのだろうが。
「銀河」はAIによる自動制御艦。AIの判断承認だけが人間の仕事。

旧作でもアンドロメダに代表される地球防衛艦隊は
省力化・自動化が進み、真田をして「戦闘マシーン」と
呼ばしめていたけど、リメイクではそれが
究極にまで進んでいく様子がこれでもかと描かれていく。

旧作では、アンドロメダの自動化については
特に深く掘り下げられることは無かったが
「2202」ではきっちり拾っている。
というか ”戦争の無人化” はこの第六章において
重要なテーマの一つにまでなっていると言っていいだろう。

■声優さん

銀河クルーのCVも、林原めぐみさんのようなベテランもいて
若手でも実力派の方を集めてるみたいだね。

高垣彩陽さんの声を初めて聞いたのは「ガンダムOO」だったかな。
「シンフォギア」も観てましたが、まさか「ヤマト」にご登場とは。

そんな中、チョーさんの演技が素晴らしい。
無機質で非人間的な(まあ人間じゃないんだがwww)銀河AIと
人間味あふれるアナライザーの演じ分けが特筆もの。
いままであまり出番が無かったチョーさんだったが
第六章ではその鬱憤を晴らすかのような大活躍だ。

■あの ”板” の正体

けっこうデザイン的に叩かれてた、あの ”ガミラスの壁” には
ワープを阻害する性能があるそうな。
それがガトランの次元跳躍を防いでいる、と。
副監督がtwitterでいろいろバラしてたみたいだけど
公式な設定が出たのはこの章が初だと思う。
第一話で登場した ”謎の壁” の設定、ちょいと引っ張り過ぎの感も。

しかも、素朴な疑問を挙げれば、
木星規模の大きさの都市帝国のワープをあの大きさで防げるものなの?
防げるとしても、あの枚数で足りてるの?

 画面ではせいぜい数十枚程度かと思われるのだけどね・・・

■「より完全を目指して」

銀河のAIも進化しているが人間の経験を超えるにはまだ時間がかかる。
ゆえに、ヤマトクルーのノウハウを手に入れる。
G計画の達成のためには不可欠なのだと。

「ヤマトは沈んだ。
 地球人類が生き残るため、ヤマトの遺伝子をこのフネに」

(つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章 新星編」 特報公開 [アニメーション]


いよいよ最終章となる「第七章 新星編」の特報が公開されました。



絵面的には、劇場公開版第六章の最後にあった
「次章予告」とほぼ同じで、
斉藤などの台詞がなくなった代わりに
字幕のアップが入り、そして
古代のアップと土方の台詞を追加、って感じでしょうか。

「特報公開」って聞いた時に「これは新しい記事を書かねば」
って思ったのですが、内容を見たらさほど新情報があるわけでもないので
記事にするほどでもないかな・・・って思っていたのですが
本ブログへコメントを頂いた方へ返事を書いていたら
結構長くなったので、記事に昇格(笑)してしまいました。


劇場公開版の「次章予告」には
斉藤の ”不穏な台詞” なんかもありましたが
私が一番気になったのは古代の前に雪が入ってくるシーン。

この雪は船外服を着ているようですから
ノイ・デウスーラで行われている
デスラー・キーマン・ミル、そして古代も加わった
”宿命の対決” シーンへ ”乱入” してくるのは間違いないところですね。

旧作での雪さんはここで悲惨なことになりましたので
心配でなりません。
桑島さんの心配が現実にならないように願いたいものです。
(彼女は一時期 ”死亡フラグ声優” なんて呼ばれてましたからねぇ)

そして、特報で追加になった土方の台詞ですが、これも
どこかの時点で土方が戦死するか負傷するかして
古代に指揮が回ってくるのは旧作でもありましたから、
予想される展開ではあります。

ただ私が気になったのは言い回しです。
実際にそんな場面が来たら、土方は古代に対して
「きみだ」ではなく「おまえだ」って言いそうな気がするので・・・

 第13話での波動砲発射シーンでも
 「背負っていくしかない。おれも、おまえも」って言ってますから。

でも、ひょっとしたらこのシーンは「おまえ」ではなく
「きみ」って言うのがふさわしいシチュエーションなのかも知れません。
今回の旅における古代の成長を認めて
「おまえ」から「きみ」へ改めたのかも知れません。
あるいは・・・

うーん、シーン一つ、台詞一つでいろいろ妄想が膨らんでしまいますね。
ああ、こんな思いをするのもあと一章のみ。


不安のタネは尽きませんが、精一杯に妄想の羽を広げつつ(?)
粛粛として3月1日を待ちましょう。


 ある程度の戦死者が出るのは覚悟してますが
 それでも、希望の感じられるラストにしてほしいなあ・・・

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