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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章」感想・・・のようなもの その8 (最終回) [アニメーション]


※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。

▼第14話「ザバイバル猛攻・テレサを発見せよ」(後編)

■テレザート星解放

テレザート周囲の岩盤が崩壊していき、消えていく。
これも掘削弾の効果なのか、それとも他の何かの要因があったのか。
それともこれもテレサの力なのか。

 まあ、単純に崩壊した岩盤がテレザートの地表に
 雨あられと降り注いでは不味いからねえ。

いずれにしろテレザート星の周囲のデータは
事前に真田は知っていたのだから、
そのへんは分かってやってるはずだよねえ・・・

これも絵面としては分かりやすいのだが、
何がどうしてこうなったかの理解が追いつかない。

■テレザリアム到着

「進路上に障害無し。これよりテレザリアムへ降下します」

第一話でミサイルを喰らっていた遺跡のような場所。
やって来たのは古代、真田、斉藤。

足元には花が咲いている。
「太陽もないのにどうして」「アレがきっと太陽の代わりだぜ」
テレザリアムが光を放つ。
「これは・・・」「この中に、テレサが」
「ガトランティスはここで何をしようとしていたんだ」「おい、あれ」
球体が輝き周囲の植物が一斉に成長を始める。

そして現れたのはピンク色の球体。
花びらのように開いてゆくのだが、色だけ見てると桃みたいだよね。
そして中には祈りを捧げる少女の姿。
「テレサ・・・テレサだ」
この時の絵面は蓮の花の上の観音様みたいである。
少女はおもむろに目を見開き、語り出す。

「わたしは、テレサ。テレザートのテレサ」

■高次元生命体との対話

このシーン、よく分からなかったので台詞を書き出してみた。

古「テレサ。我々はメッセージを受け取り、必死にここまで来ました。
  何故我々だったのです?
  あなたなら全宇宙の誰にでも呼びかけられたはずだ」
テ「私が選んだのではありません。ヤマトが来ることは決まっていました」
古「決まっていた?」
斉「なんだそりゃ」

ここでの斉藤は、視聴者の素直な疑問を代弁する役回りだね。

真「テレサ。あなたは我々より高位の次元に存在する高次元生命体ですね」
古「高次元生命体?」
真「あなたの本当の声を聞くために、
  私たちはここへ来なければならなかった。違いますか?」
テ「そうです。私と同じ次元に存在して初めて私の声が聞こえる。
  テレザリアムはそのためのゲート」
真「肉体を捨て、生きながら天国の扉をくぐったテレザート人。
  その精神の集合体たるテレサ。
  あなたはあの世とこの世の間(はざま)にあって
  宇宙の始まりから終わりまでを見通す」
斉「え?」
真「彼女は時間さえ可視化される世界に住んでいる。
  そして我々はその入り口に立っている」
古「入り口?」
斉「いま、三途の川の入り口にいるってことか」

斉藤のリアクションというか彼なりの解釈はとてもわかりやすい(笑)。

■天命を知る

古「では今後、ヤマトはどうなると決まっているのです?」
テ「あなた方は白色彗星をご存じですね」
古「はい。ガトランティスの母星と認識しています」
テ「あれは遠い昔に古代アケーリアス人が残したもの」
古・真・斉「!?」
テ「この宇宙に人間の種を蒔く一方で、
  彼らは安全装置も用意していました。
  蒔かれた種が悪しき進化を遂げたとき
  それらを残らず刈り取るための装置」
古「は!? では、ガトランティスは」
テ「全ての生命の目的は一つ。存続することです。
  でもガトランティスは違う。
  彼らは滅びを司る方舟を目覚めさせてしまった。
  この宇宙に存在する全ての人間を滅ぼすまで
  その進撃は止まらないでしょう。
  あなたがたは白色彗星帝国と対決せねばなりません。
  地球だけでなくこの宇宙に住まう全ての生命のために」
斉「その結果は!?  あんたには見えてんだろ」
古「斉藤! よせ」
テ「未来を告げれば未来は変わります。それは過ぎたる干渉」

いやぁ、あなたが関わってきただけで
充分、ヤマトの未来は変わってしまったと思うんだけどね。
でもそれは "過ぎたる干渉" には当たらないのか?

三人の前に僧侶の霊体が現れる。
彼らも、死した後にテレサの一部になっているのだろうか?

斉「なんだこりゃ」
テ「肉体から離れた者が肉体の世界に関わるべきではありません。
  私に許されているのは祈ることだけ」

いやあなた思いっきり関わってるじゃん、ってツッコミを入れたくなるが

真「全ての知的生命を創造した、神のような文明が残した破壊装置」
古「地球の全戦力を結集しても対抗できるかわかりません。
  ヒントを、戦うためのヒントを頂けないでしょうか」

  彼らの背景が宇宙空間に変わる。

テ「あなた方はここに来た。
  それはこの私も "縁" によってあなた方と結ばれたということです。
  ヤマトとは大いなる "和"」 
古「大いなる、"和" ?」
テ「"和" とは "縁" によって結ばれた命と命が生み出すフィールド。
  "縁" とは異なる者同士をつなげる力。
  重力にも似た確かさで事象と事象を結び、
  次元の壁さえ越えて作用します。
  "縁" の力とはあらゆる物理法則を超えたもの。
  それほど巨大な暴力を以てしても決して覆すことはできないのです。
  大いなる "和"、ヤマトを中心とする "縁" が
  滅びの方舟を止めるでしょう」
古「テレサ・・・」
テ「"縁" は育つ。時に痛みを伴いながら。彼も・・・また」

テレサが顔を上げる。テレサの視線の先を追って振り返る三人。
暗闇の奥から足音がこだまする。そして一人の男が現れる。
古代の目が見開かれ・・

「久しぶりだね、ヤマトの諸君」


■次回予告

「終わりにしないか、デスラー総統」
「まだ始まってもいないものをどう終わらせるのかね、ヤマトの坊や?」

サブタイトルは「テレサよ、デスラーのために泣け!」
予想の斜め上どころではないタイトルですね。
いったいどんな展開があればテレサが "泣く" のか想像できません。
だいたいあの人、感情があるのでしょうか。涙を流せるのでしょうか。


■"女神" との対話

金髪の女神様の外見をまといながら
テレサから出てくる言葉は仏教的というか東洋的というか。
内容も "和" とか "縁" とか今ひとつ分かりにくい。

要するに結論は
「大いなる "和"、ヤマトを中心とする "縁" が滅びの方舟を止める」
ということか。

素直に考えれば、ヤマトだけで白色彗星を止めることはもちろん無理で、
ヤマトが今まで "縁" を結んだ存在が結集してガトランティスに当たれ、
ってことでしょう。

ということは最終決戦はオールスターキャストになるってことか。
地球はもちろんガミラス、イスカンダル。
さらにはデスラーまでも含めて。
そこにはメルダやバーガーも参戦してくるかも知れない。
いままでヤマトが関わったすべての人に "縁" の力が働くのなら。

逆に言えば、そういうさまざまな人々と "縁" を結び、
彼らを結集すればガトランティスに対抗できる、
ヤマトとはそういう人々を結びつける "和" の力を秘めたフネだった、
ということか。

だからテレサはヤマトを呼んだ。

第1話でテレサは
「遠い星の戦士たちよ、あなたたちに、すべてが・・・」
と呼びかけているが、
ヤマトこそ暴走するガトランティスを止める鍵だったということか。

■機動甲冑について

最初のビジュアルを観たときにはちょっと不安になったけどね。
違うアニメになってしまわないかと。
ヤマト世界にモビルスーツは合わないから。

でもまあ、実際に動いているのを観たら、
"機動歩兵" の範囲に収まっていそうだ。
2199で出てきたアナライザーの98式特殊機動外骨格の
発展系と考えればさほど不自然でもない。
およそスマートさとは縁遠い無骨な形状も悪くない。

そもそも旧作のように丸腰の歩兵が敵戦車隊を壊滅させてしまうなんて
昭和の頃なら許されても、21世紀の今ではさすがに
「いくらなんでもそれはないだろう」

それに「騎兵」だからね。何かに乗ってこその騎兵だろう。
昔は騎馬だったのだろうが、wikiで調べたら現代の騎兵は
装甲車やヘリコプターに乗ることもあるという。

馬の代わりだったら、武装したホバーバイクか何かに乗っても
面白いと思ったが、これ「GODZILLA 怪獣惑星」でやってたなあ。

ただ、13・14話は空間騎兵隊の活躍ばかり目立って
航空隊の見せ場がなかったのが残念。
もっとも第五章~第六章あたりでたっぷり出番があるのだろうが。

■部下いないの?

14話では、ザバイバルが一人で戦ってるように見える。
シナリオ集ではちゃんと副官とかいるんだけどね。
だから戦闘シーンも今ひとつ緊張感に欠けるように思う。
尺の都合でまっさきにモブキャラが切られてしまうんだろうけど
そういうところの描写で作品に奥行きが出るんだよなあ。

■第14話まとめ

猛将ザバイバルを退け、テレサのもとへ。
戦車(戦艦)群との戦いはそれなりに尺を取ってるんだけど
無人艦(に見える)を何隻沈めても緊迫感に欠ける。
そこのところはもう少し何とかして欲しかったかな。
周囲の岩盤の扱いも含めて、説明不足の感も否めない。

テレサの設定は高次元生命体。あの世とこの世の狭間にいる存在。
そして彼女(性別は意味があるのかな?)の意図も明らかになる。

そしてテレサは女神様と言うよりは意外にも仏教的。
語る内容込みで菩薩か観音か。

そしてヤマトのクルーは、彼らに与えられた天命を知る。
ガトランティスと対決すること。全宇宙のあまたの生命のために。
もちろん彼らの地球侵攻を阻止することが至上命令なのだが
彼らの戦いにはそれ以上の意味があるのだと。

■テレサ = ラプラスの悪魔?

この宇宙の始まりから終わりまで全てを見通す存在なんて
古典物理理学で言うところの "ラプラスの悪魔" ではないのか。
それに、科学の世界では観測するだけでも対象に影響を与えてしまう。
"観察者効果" というものもあるんだが・・・
まあ物理は門外漢なので深入りしないことにしよう。

しかしコスモウェーブを放ったことによって
テレサは既に現世に介入してるわけで
少なからず未来に影響を与えているよねえ。
それとも、自らの影響をも織り込んだ未来を見ているのか・・・?

■第四章をふりかえって

折り返し点を過ぎ、伏線張りもキャラの配置も終わったと思う。
特に12話は9話と並んでラストへ向けての布石を打った
重要な回だったように思う。

そして前半クール最後となる13話では波動砲問題も一応の決着をみて、
いよいよ14話からは後半戦。テレサとの対面も果たし、
広げた風呂敷を畳みにかかったなと言う印象。

第三章・第四章と観てきて、どうやら「2202」のラストは
「さらば」とはかなり様相が異なるものになりそうな予感がしてきたが
こればっかりはフタを開けてみなければ分からない。

第五章の公開は5月。
いままでの公開間隔から考えると、第六章は9月あたりか。
そして最終第七章の公開は来年の1月頃だろう。

「2202」でのヤマトの旅路も半ばを過ぎた。
泣いても笑っても、おそらく1年経たないうちに答えが出る。
願わくば「さらば」でも「2」でもなく、
そして40年という齡をかさねた我々を
納得させてくれる結末をみせてもらいたいものだ。

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