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アルスラーン戦記 5~8 [読書・ファンタジー]


征馬孤影・風塵乱舞 ―アルスラーン戦記(5)(6)  カッパ・ノベルス

征馬孤影・風塵乱舞 ―アルスラーン戦記(5)(6) カッパ・ノベルス

  • 作者: 田中 芳樹
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2003/08/21
  • メディア: 新書
王都奪還・仮面兵団 ―アルスラーン戦記(7)(8)  カッパ・ノベルス

王都奪還・仮面兵団 ―アルスラーン戦記(7)(8) カッパ・ノベルス

  • 作者: 田中 芳樹
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2003/11/28
  • メディア: 新書
大河ファンタジー・シリーズ、「アルスラーン戦記」の記事その2。
今回は第5巻から第8巻までを採り上げる。

前の記事に倣って初刊の発行年を掲げてみると

5巻「征馬孤影」(1989年)、6巻「風塵乱舞」(1989年)
7巻「王都奪還」(1990年)、8巻「仮面兵団」(1991年)

おお、このあたりもまだまだ順調に出ていたんだねえ。
『銀河英雄伝説』も完結し、こちらに注力できた頃なのかな。
ちなみに2016年7~8月に放映されたTVアニメ第二期は
この第5巻・第6巻の部分。
第一部完結編である第7巻は未だ映像化されていない。
第二部を含めて全編がアニメ化される日は果たして訪れるのか・・・


さて物語の行方だが、

ルシタニアの侵略により王都を失ったアルスラーン一行は
パルス国内最大の残存戦力が駐屯する
東部国境ペシャワール城塞にたどり着く。

しかしここから王都に向けて進撃するには
東の隣国・シンドゥラの動向が問題。

折しもシンドゥラは王位を巡って内乱状態にあり、
アルスラーン一行はこの内戦に介入して
王子・ラジェンドラに協力、彼を王位に押し上げる立役者となる。
この功を以てラジェンドラとの同盟締結に成功するのだが
まあ要するに恩を売りつけたわけだ。

後顧の憂いをなくして「さあ、ルシタニア討伐へ向けて進撃開始!」
というところで4巻が終わる。

しかし5巻に入ってもアルスラーンの苦難は続く。

東北の遊牧民族国家・トゥラーンが侵攻してきたり、
囚われの父王アンドラゴラスがなんと脱獄に成功して
パルス軍に合流したり、その父によってアルスラーンは
南方の地へ追放されてしまったりと波瀾万丈な日々(笑)。

もっとも、彼に付き従う臣下たちはそんなことは何処吹く風とばかり、
南海の港町ギランを舞台に、王太子を王位に就けるべく
着々と準備をすすめていくのだから、たいしたものだ。

そしてルシタニア軍、アンドラゴラス率いるパルス軍、
そしてアルスラーンが新たに組織した王太子軍の三者が入り乱れて
最終決戦へと突入していく。

激しい戦いの末、ついにルシタニア軍は壊滅、
そしてアルスラーンの出生の秘密もまた明らかになる・・・

というこの第7巻「王都奪還」をもって第一部完結となる。


そして第8巻「仮面兵団」から第二部の開始である。

アルスラーンがパルス王に即位して3年後から物語は始まる。
国民からの圧倒的な支持を背景に、
18歳の若き王による新たな国造りは順調かと思われたが、
そのパルスを狙う新たな陰謀も蠢動を始める。

パルスの西南に位置する国・ミスル、
そして東北の峻険な山地にあるチュルクが相次いで侵攻してきたのだ。
この2国は3年前の動乱に加わっておらず、国力を温存していた。
そしてルシタニアのギスカール、かつての銀仮面卿ヒルメスなど、
3年前の戦いで敗北した面々もまた雪辱の機会を窺う。

新旧の敵が胎動を始め、アルスラーンとパルスの上に
新たな戦乱の気配が漂ってくる・・・


巻末には外伝「東方巡歴」を収録。
これは本編開始の数年前、黒衣の戦士ダリューンが
はるか東方の「絹の国」へと旅し、美姫と出会うというお話。
長編の序章みたいな感じなんだけど続きは書かれるのかなあ・・・

第一部と第二部の間の3年間にも、
アルスラーンの治世を覆そうという陰謀があったり
十六翼将たちにも様々なエピソードがあったみたいなんだが
このあたりの話も書いて欲しいなあ。
なんと言っても本編が終わったわけだし。

作者は未完シリーズをまだまだ抱えてるはずなんだが
とりあえず「タイタニア」と「アルスラーン」を完結させてくれたので
良しとするかな。私個人としては、これ以上は望みません(笑)。

「創龍伝」はどうするのかなー、とか言いませんから(おいおい)

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