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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第三章 感想・・・のようなもの その3 [アニメーション]


第7話 光芒一閃!波動砲の輝き  (3/3)

※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください!

■大量破壊兵器

波動砲は大量破壊兵器である。
その気になれば数万数十万の人間の命を奪うことも可能だ。
そんなものの引き金を任された場合を想像してみる。
全く躊躇いなく引くことができるか。

自分の命や愛する者の命を守るためであっても、
全くの躊躇いを持たずに引ける人はそうそういないのではないか。
散々迷った末に引いた場合でも、
自分の手で他人の命を奪うということに無頓着ではいられないだろう。

しかし、いつの時点かは分からないが
古代は敵の殲滅のために波動を使うことを迫られるのかも知れない。

私としては、波動砲はあくまで自分の身を守るため、
絶体絶命の危機を脱するときのためだけに使ってほしいのだけども
「2202」の中ではどう扱われるのだろう。

どちらにしろ、波動砲を撃つときは
多くの命が失われる可能性が常に伴うことを肝に銘じて
安易に使うような描写はしないで欲しいものだ。

こと波動砲の使用に限っては、
使わずに切り抜けられる方策をぎりぎりまで探ってほしい。
つまり古代にはこれからも悩んでいてほしいと思っているんだ(笑)。
(悩みすぎて機を逸してしまっても困るのだけど。)

■なるか、「沖田越え」

この文章を書きながらふと思ったこと。
私の単なる妄想なのだが、「2202」の中で、
「古代の沖田越え」が描かれることはないのだろうか。

「父」というのは「子」によって乗り越えられるのが
物語の世界では大きなテーマの一つで、日本では「巨人の星」、
海外では「スター・ウォーズ」なんかがその典型だろう。

現実の世界でも、男子に生まれたものは多かれ少なかれ
成長期のどこかで「父を越える」ことを果たしているはずだ。

実際は「父を越える」にも様々な形があるだろう。
「力や技、能力において父のそれを上回る」というのもあるだろうし
「父の "在り方" を否定する」というのもあるだろう。
「反面教師にする」と言い換えてもいい。
「オレは親父のようにはならない!」とかね。
"精神的な父殺し" なんて物騒な表現も見たことがあるが。

 ちなみに私の場合は「反面教師」だったが。

「宇宙戦艦ヤマト」という作品群において、沖田と古代の関係が
父と子のそれになぞらえられているのは論を待たないだろう。

ならば本来、ヤマト世界の中でも、古代による「沖田越え」が
描かれてしかるべきだったのではないだろうか。

しかし、ヤマト旧作群においては「古代が沖田を越える」ことは
ついぞ(明確には)描かれなかったように思う。

第1作第24話のガミラス星での戦いでも、
窮した古代は沖田にアドバイスを求める。
そして最終話で沖田は退場してしまい、
古代は沖田を超えることなく終わってしまった。

「描かれなかった」というより「描けなかった」のだろう。

古代が「ヤマトⅢ」で正式にヤマト艦長に就任しながら、
「完結編」においては沖田が復活せざるを得なかったのも
そのためではなかったか。

製作陣の意向もあったろうし、当時のファン心理としても、
古代は "永遠の発展途上キャラ" であってほしかったのかも知れない。
"時代の要請" というものか。あの頃はそれでよかったのだろう。

「2202」では、(今までのところ)第1回をはじめ
物語の節目で沖田はその幻影を現す。これは旧作になかった描写だ。
古代はその沖田になんとかすがり、
心のよりどころを見いだそうとしているようにも見える。

だがそのままでいいのか。時代は21世紀。そしてリメイクである。

このままラストまで行ってしまい、(あるのかないのか分からないが)
「さらば」の時のように最後の最後で
沖田の幻影が語るとおりに行動してしまったら
古代のこれまでの(そしてこれからの)苦悩が
無駄になってしまうような気もするのだ。

もしも、沖田の幻影に対して
「いいえ沖田さん。自分はそうは思いません」
って言える古代が描かれたなら、それだけで「2202」は
(私にとって)充分に存在価値のあるリメイクに
なるような気がしているんだがどうだろうか。

要するに、そんな古代を「私が見てみたい」だけなんだけどね。

うーん、最初はこんなことまで書くつもりは全くなかったんだけど
ズォーダーみたいに、何かが私に取り憑いて書かせているのか(笑)。

こんなことを書いてたら、熱狂的な「さらば」ファンの人々からは
石を投げられそうだなあ・・・

もっとも、本気で古代の沖田越えを描いてしまったら
古代というキャラの成長物語は完結してしまうだろう。

そうしたら「2202」のラストで、もし古代が生き残っても(笑)
古代メインでの続編製作はかなり苦しくなるかも知れない。

私としてはリメイクは「2202」で終わるべきと思ってるので
一向に構わないのだけど。

スタトレみたいに一話完結の宇宙冒険物語ならできるだろうけど
そうなってしまったら、それはもはや
「ヤマトファンが見たいヤマト」ではなくなっているような気もする。

続編を作るつもりがあるのかどうかもわからないのに、
余計な気を回しすぎだねえ・・・

                                                            (つづく)

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