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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第三章 感想・・・のようなもの その2 [アニメーション]


第7話 光芒一閃!波動砲の輝き  (2/3)

※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください!

■決断

波動砲を使えば、何万もの人間を死に至らしめることになる。
この時の古代は、結果として一人も犠牲にならないことは知らない。

しかし考えてみれば、バラン星で使用したときも
多くの敵艦が沈み、間接的にとはいえ敵兵の命を奪っている。
これからも旅を続け、ガトランティスの戦力を払いのけるためには
どこかの時点で吹っ切れる必要はあるのだが。

人が悩み事を他人に相談するとき、
実は本人の中では答えは既に決まっていて
他人に相談するのは、その相手に
「それでいい」と言ってもらいたいため、
という話を聞いたことがある。一理あるとも思う。

理性的に考えれば、真田の言うとおり
波動砲を使う以外にこの危機を脱することはできない。
そしておそらく古代もそのことは十分承知で、
心の底では波動砲の使用を決めているように思う。

しかし古代にとって不幸なことは、
彼に「それでいい」と言ってくれて
しかも古代本人がそれを納得できるのが沖田しかいないということ。
そしてその沖田はもういない。
決断はあくまで古代自身が行わなければならない。

■キーマンの通信

第一艦橋に上った古代。彼を見つめるクルーたちの視線・・・
たしかにキーマンの台詞の通りかも知れない。
そのとき、当の人から通信が。
「我がガミラスが残した人工太陽は美しい」

人工太陽を破壊すれば、ビーム砲台は用をなさなくなり、
当面の地球の危機は遠のくだろう。
敵艦ではなく、人工太陽を狙うことで
古代の負担を軽くさせようとの配慮なのか。

人工太陽の破壊に伴って、
巻き添えを食った敵艦が沈む可能性はゼロではないが
はじめから人間の乗った艦を狙うよりは
古代の心理的な障壁ははるかに下がるだろう。

それを察したのか、古代は「ありがとう」と感謝の言葉を口にし、
波動砲発射シークエンスへの移行を指示、
そして沖田のレリーフを見上げる。
このシーン、BGMの入るタイミングもいい。

■波動砲の光芒

岩塊を吹き飛ばしてゆっくり上昇するヤマト。
アステロイドリングを従えた姿がめちゃくちゃかっこいい。
もっともこのリング、必要性があるのか今ひとつ不明だが(笑)
かみさんも最初はそう思ったらしい。
「なんで岩がぐるぐるまわってるんだろーって思った」
「えー? ここのシーン、すごくいいじゃん」
「でも、2回目に観に行ったときはちょっとカッコいいと思ったよ」
「いやあ、ここはファンの『観たかったヤマト』だったと思うけどね」

土方を救出した斉藤が叫ぶ。
「敵を前にして撃たねえつもりか、古代!」
「いや、古代は撃つ!」
土方がかっこよすぎてもう。
ここでヤマトを発進させた以上、必ず撃つはずだと判断したのか。
土方は古代という男を信じているのだろう。

そしてBGMは「大河ヤマトのテーマ」へ移行、波動砲発射シーンへ。
考えたら、古代が波動砲の引き金を引いたのは
「2199」第五章(13年4月公開)のバラン星以来。
映画「追憶の航海」を除けば4年半ぶりだ。

なにげに「てー!」から「発射!」へ変更になってる。
これもまた旧作の雰囲気に近づけたのか。
私も波動砲に関してはこちらの方がしっくりくる。

人工太陽の臨界炉を直撃、動力部に異常を来す大戦艦群。

地表でそれを見上げるキーマン。山本へ謎解きをする。
波動共鳴干渉波の発生による敵艦の動力停止。

「夜明けの太陽は美しい。俺はそう言っただけだ」
こいつはいちいち台詞がカッコいいよねぇ。
そして、あの声で説明されると何となく納得してしまう不思議さよ。

■ガミラスとは違う

「いまなら本艦の火力で全滅させることもできる」
さすがにそれは無理だろうとは思うが、ハッタリも必要だ。
波動砲を何回か使えばできるかも知れないが
それこそ古代が絶対にやらないことだろう。

敵に対して撤退を勧める古代の言葉に土方がつぶやく。
「間違ったやり方ではない。
 しかしそれは相手が同じメンタリティであればの話だ。
 今度の相手はガミラスとは違う。
 このつけ、高くつくかも知れん」

第三章は、地球人とガトランティス人(というか大帝)との
メンタリティの違いを思い知らされる章でもあったからね。

■エピローグ

ズォーダーに報告するメーザーとコズモダート。
とまどう二人に答える大帝。
「愛だよ」
何でも「愛」の一言で済ませればいいと思ってないか、この人(笑)。

島の慰めの台詞に対して「自分をごまかしただけだ」
しかし古代はこうも続ける。
「自己欺瞞でしかなくとも、ここから始めていかなければ」
何事も、最初は一歩ずつだから、ですか。
とは言っても、必要なときには撃つ、という決断が
躊躇なく出来るようにならなければフネもクルーも守れないが。

ネットに載っているスタッフインタビューとか読んでると
波動砲に関してはもうひと山あるようなので、今後の展開に注目ですね。

                                                            (つづく)

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