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機忍兵零牙 [新装版] [読書・SF]


機忍兵零牙〔新装版〕 (ハヤカワ文庫JA)

機忍兵零牙〔新装版〕 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 月村 了衛
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2019/06/20
  • メディア: 文庫
評価:★★★★

タイトルは「きにんへい れいが」と読みます。

実は本書について2014年12月の記事で書いてる。
(このときは[新装版]ではなかったけど)

以下はその文章を一部再録・修正したもの。

*********************************

いずことも知れぬ異世界、一つの国が滅亡した。

あまたの異次元世界を制覇しようという「無限王朝」。
その尖兵たる "骸魔衆"(がいましゅう) と、
彼らの操る巨大な "機忍獣" によって。

しかし国守の二人の遺児、真名(まな)姫と若君・鷹千代は、
炎上する城を脱出、遙か北の国を目指して落ち延びる。

骸魔衆の追撃に、絶体絶命となった二人を救ったのは、
零牙と名乗る手練れの忍び。そして彼の3人の仲間たち。
彼らは、「無限王朝」と戦い続ける
伝説の忍び集団<光牙>(こうが)から遣わされた者たちであった。

亡命の旅をゆく一行の行く手に立ちはだかるは、
骸魔衆の精鋭・"骸魔六機忍" とその頭領・死皇丸(しおうまる)。
骸魔忍群vs<光牙者>、超常の殺戮力を秘めた "機忍法" が激突する・・・

ちょいと古いが、年配の方なら1967年から68年にかけて
1年間放映された特撮TVドラマ「仮面の忍者 赤影」をご存じだろう。
冒頭、骸魔衆に操られた巨大怪獣が街を破壊するシーンを読んで
真っ先に思い浮かんだのがこのイメージだった。

そして、骸魔六機忍と彼らの使う機忍法は、
山田風太郎の忍法帖シリーズだろう。

全体の雰囲気は東映特撮か・・・
映画「宇宙からのメッセージ」(これも古い)
もうちょい後なら「里見八犬伝」(これも古いなあ)、
もっと言えば "戦隊もの" の雰囲気もある。

文庫で350ページほどだが、絢爛な世界描写、奇想天外な "機忍法"、
さらに、熱く哀しい人間ドラマまでをも詰め込んだつくり。

この作品で完結はしてるんだけど、その気になれば続きが作れそう。
いつか "彼ら/彼女らのその後" が読みたいなぁ。

最後にちょっとネタバレっぽいことを書く。
戦隊ものは5人なのに、出てくる<光牙>は4人しかいないじゃないか?
大丈夫、ちゃんと "追加戦士" が登場して5人になります(笑)。
この、"5人目誕生" のエピソードがまた泣かせるんだなぁ・・・

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基本的に上記の文章に付け加えることはない。

[新装版]とあって、初刊本を加筆訂正したものって銘打ってあるんだが
どこがどう変わったのか、よく分かりません(笑)。

分量的にもほとんど変わっていないので、
エピソードの追加等はないみたい。
多分、個々のシーンの描写をブラッシュアップしたのでしょう。

5年振りの再読でしたけど、やっぱり面白いと思った。
かなり濃~い(笑)作品なので
好き嫌いは出ると思うんだけど、私は好きです。

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