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ターミネーター:ニュー・フェイト [映画]


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『ターミネーター』(1984)『ターミネーター2』(1991)と続く
シリーズの生みの親であるジェームズ・キャメロンが
製作に復帰した本作は、『2』の正統な続編なのだという。

『3』と『4』は観たけれど、確かに今ひとつの出来で
『新起動/ジェニシス』はとうとう観ずに終わってしまった。

本作が正統な続編ということは、『2』後につくられた3作は
パラレルワールド扱いになってしまうのだろう。

さて、本作は最初の2作でサラ・コナーを演じたリンダ・ハミルトンが
28年ぶりに復帰し、同じ役を演じているのが大きな話題なのだが・・・

映画の冒頭で描かれるあるシーンで、
『2』までのファンは度肝を抜かれるだろう。
しかしこれも、『2』までの設定をリセットして
サラを戦線復帰させるためには必要なエピソードだったのだろう。


2020年、メキシコに2体の戦士が未来から転移してくる。
1体はT-1000を遥かに凌ぐ能力を持つ新型ターミネーター・REV-9、
そしてもう1体は、人類軍がターミネーターの製造技術を応用して
生み出した ”強化人間”(いわゆるサイボーグ)・グレイス。
ちなみに女性である。

REV-9の目的は、ダニー・ラモスという女性を殺すこと。
そしてグレイスの目的は、それを阻止して彼女を守ること。

ダニーの働く工場に現れたREV-9は
殺戮を繰り返しながらダニーに迫るが
間一髪、駆けつけたグレイスに救われる。

ダニーはグレイスとともに逃亡するが、それを執拗に追うREV-9。
追い詰められた二人を救ったのは、サラ・コナーだった・・・

グレイスのいた未来では、サイバーダインもスカイネットも
存在していなかったが、やはり進歩したAIが人類への敵意に覚醒し、
激しい戦争状態が続いて人類は存亡の危機に陥っていた。

サラはここ20年の間、彼女の元に届く謎のメールに従って
未来から送り込まれたターミネーターたちと戦い、倒してきた。

グレイスもまた、「過去へ行ったならばここへ向かえ」という
命令を受けていて、その座標こそ、
サラが受け取ったメールの発信源であることが判明する。

そしてその場所へ到達した3人が出会ったのは、
人間とともに暮らしているターミネーター・T-800型だった・・・


とまあ、ここでシュワちゃん演じるターミネーターが登場するのだが
ここまでが意外と長い。映画の中盤近くにならないと出てこないので
彼をお目当てに観に来た人はいささかじれったいかも知れない。
もっとも、登場した後は文字通り獅子奮迅の戦いをしてくれるのだけど。

彼の演じるT-800は、『2』で溶鉱炉に消えたのとは別個体なのだけど
本作の個体の由来というか出自にはちょっと無理があるような気もする。
でもまあ、長く続くシリーズを再開しようというのだから
多少の無理/無茶は仕方がないのかも知れない。

サラ・コナーは、見事に孤高の女戦士になりきったという感じ。

強化戦士のグレイスは、単独でターミネーターと渡り合える
戦闘力を持つ ”超戦士” だが、瞬発力に特化した改造なので
制限時間が短いという欠点がある。
ビルドアップした上半身は実に精悍で、
ショートカットの髪も似合っていて、実にカッコいい。

今回の敵役となるREV-9だが、おなじみの金属骨格を
液体金属が覆うという二重構造で、
しかも金属骨格と液体金属は別々に行動できるので
実質2体分の戦力である。
おそらくシリーズ史上最強、というか
最も厄介な敵であるのは間違いないだろう。

とにかく全編激しいアクションの連続で
かなりグロテスクというか残虐なシーンもある。
そんな壮絶な2時間を終えて、ラストシーンの穏やかさ。
私はなんだか感激して、ちょっと涙ぐんでしまいましたよ・・・


ちなみに私の観たのは吹替版。

T-800の玄田哲章は鉄板として
サラ・コナーの戸田恵子は貫禄たっぷり。
超戦士グレイスは坂本真綾。こちらも大熱演でハマってます。
ダニーは高垣彩陽。若手かと思ってたらもう中堅ですね。彼女も達者。

変な有名人なんか使わずに、
ベテランの実力派声優陣で固めたのは大正解。

洋画は字幕に限る、って人も多いとは思うのだけど吹替版もいいよ。


今回、主役4人中3人が女性。
スターウォーズも、ep.7以後は女性が主役だし
これも時代の流れかな。

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