SSブログ

扉守 潮ノ道の旅人 [読書・ファンタジー]


扉守 潮ノ道の旅人 (文春文庫)

扉守 潮ノ道の旅人 (文春文庫)

  • 作者: 光原 百合
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/08/03
  • メディア: 文庫
評価:★★★

瀬戸内の山と海に囲まれた町・潮ノ道(モデルは尾道と思われる)で
起こる、不思議なできごとを綴った作品集。

「帰去来の井戸」
大学生・由布の伯母が営む小料理屋の奥には、不思議な井戸がある。
この井戸の水を飲んでおけば、必ず潮ノ道に戻ってこられるという・・・

「天の音、地の声」
美咲が通う小学校の近くにある古い洋館は解体中。しかし
不思議な現象が起きて、たびたび作業が止まる ”幽霊屋敷” だった。

「扉守(とびらもり)」
たびたび幽霊もどきの出てくる夢を見る女子高生・雪乃は
街角で見つけた『セルベル』という不思議な店に入ってみるが・・・

「桜絵師」
女子高生の早紀は、旅の絵師・行雲の描いた桜の絵の中に
男の姿を見つけるが、次の瞬間、男の姿は消えていた・・・

「写想家」
実りのない恋に悩む女性・祥江(さちえ)は、フォトアーティストを名乗る
菊川と出会う。彼の撮るポートレート写真に写るは人物ではなく・・・

「旅の編み人」
大学生の友香(ともか)は下校中の電車の中で、居眠りする女性の
傍らにあった袋から、コウモリ(?)が出てくるところを目撃するが・・・

「ピアニシモより小さな祈り」
幻のピアニスト・神崎零(れい)のコンサートをボランティアで
企画運営する静音(しずね)の家には ”鳴らないピアノ” があった・・・

ホラーあり、ファンタジーあり、ハートウォーミングあり、
ライトなラブストーリーありと、バラエティに富んでるんだけど、
やっぱりこの作者にはミステリを書いて欲しいなあ・・・
デビューして間もない頃に書いてた作品なんて好きなんだけどね・・・
もう、ああいうのは書かないのかなぁ・・・

nice!(4)  コメント(4) 
共通テーマ: