トッカン the 3rd おばけなんてないさ [読書・その他]
京橋中央税務署の新米徴収官・鈴宮深樹(すずみや・みき)。
生来の口下手で、言いたいことも言えずに
グッと口ごもってしまうことから、ついたあだ名が “ぐー子”。
生来の口下手で、言いたいことも言えずに
グッと口ごもってしまうことから、ついたあだ名が “ぐー子”。
その名付け親にして直属の上司は、“京橋中央署の死神” と恐れられる
特別国税徴収官(略して "トッカン" )の鏡雅愛(かがみ・まさちか)。
特別国税徴収官(略して "トッカン" )の鏡雅愛(かがみ・まさちか)。
“ぐー子” と ”死神“ のコンビが
様々な税金滞納者と対決する、シリーズ第3弾。
様々な税金滞納者と対決する、シリーズ第3弾。
ぐー子も徴収官として2年目を迎えたある日。
例によって鏡との間に一悶着起こし、
彼の逆鱗に触れてしまったぐー子は栃木県への出張を命じられる。
調査対象は2つ。
怪しげな水や水晶玉を売りまくる霊感商法を行いながら
税金を滞納している『日光一心修験会』、
そしてもう一社は、
産業廃棄物運搬を請け負う『有限会社 ミツカタ運送』。
怪しげな水や水晶玉を売りまくる霊感商法を行いながら
税金を滞納している『日光一心修験会』、
そしてもう一社は、
産業廃棄物運搬を請け負う『有限会社 ミツカタ運送』。
事前の下調べのために、ぐー子は両法人の東京事務所を訪れるも
どちらも無人で閉店状態。
どちらも無人で閉店状態。
そんなとき、鏡が無断欠勤をする。
鏡の住まいは千代田区の高級マンションの最上階。
しかし、過去に ”事件” が頻発、死人まで出たことから
”お化けマンション” とよばれている問題物件。
当然、家賃は激安になっている。
しかし、過去に ”事件” が頻発、死人まで出たことから
”お化けマンション” とよばれている問題物件。
当然、家賃は激安になっている。
以前から鏡の具合が悪かったことから、
自宅で倒れているかと心配したぐー子は、彼の自宅へ向かうが・・・
自宅で倒れているかと心配したぐー子は、彼の自宅へ向かうが・・・
徴収官となって1年3ヶ月、いままで鏡の後ろにくっついていたぐー子も
いよいよ一人で滞納者と対決する時を迎える。
後半に至り、栃木での滞納者相手の ”大立ち回り” が
一つのヤマ場になるが、これもまったく彼女らしい
文字通り ”体当たり(笑)の大勝負”。
一つのヤマ場になるが、これもまったく彼女らしい
文字通り ”体当たり(笑)の大勝負”。
全編にわたり、ひたすら懸命に頑張るぐー子の姿が描かれるのだが
彼女が必死になればなるほど、読者は頬が緩んでしまうのも
このシリーズの持ち味。いやはや、この作者はホント達者だなあ。
彼女が必死になればなるほど、読者は頬が緩んでしまうのも
このシリーズの持ち味。いやはや、この作者はホント達者だなあ。
ぐー子と鏡の他にも、多彩なキャラがストーリーを盛り上げる。
レギュラーメンバーである京橋中央税務署の同僚たちも健在だが
その中で、今回スポットが当たる樽井徴収官と、
課税から出向してきた与那嶺のエピソードもいいし、
前作に登場した税務署の ”天敵”・吹雪弁護士もちゃっかり顔を見せ、
栃木でぐー子と行動を共にする地元テレビ局の記者・綿貫も
その印象的な外見と相まって存在感たっぷり。
その中で、今回スポットが当たる樽井徴収官と、
課税から出向してきた与那嶺のエピソードもいいし、
前作に登場した税務署の ”天敵”・吹雪弁護士もちゃっかり顔を見せ、
栃木でぐー子と行動を共にする地元テレビ局の記者・綿貫も
その印象的な外見と相まって存在感たっぷり。
そして ”悪役側” である滞納者側の人々にもそれぞれドラマがあり、
どの登場人物もしっかりキャラが立っているのが驚き。
どの登場人物もしっかりキャラが立っているのが驚き。
終盤で明かされる、鏡が ”お化けマンション” に住む理由。
彼の元妻・華子の動向も目が離せない。
ぐー子を含め、今後この3人の関係がどう変化していくのか。
続編が待ち遠しくなる。
彼の元妻・華子の動向も目が離せない。
ぐー子を含め、今後この3人の関係がどう変化していくのか。
続編が待ち遠しくなる。