凍雨 [読書・冒険/サスペンス]
福島県北部にそびえる単独峰、嶺雲岳(れいうんだけ)。
登山シーズンも終了した10月末、そこを訪れた一人の男。
彼の名は深江、そしてそこは6年前に親友・植村が遭難死した場所だった。
登山シーズンも終了した10月末、そこを訪れた一人の男。
彼の名は深江、そしてそこは6年前に親友・植村が遭難死した場所だった。
登山口から林道に入った深江は、先客がいることに気づく。
植村の妻・真弓と一人娘の佳子(よしこ)が
3人の登山ガイドとともに夫の慰霊に訪れていたのだ。
植村の死に責任を感じていた深江は、そのまま引き返してしまう。
植村の妻・真弓と一人娘の佳子(よしこ)が
3人の登山ガイドとともに夫の慰霊に訪れていたのだ。
植村の死に責任を感じていた深江は、そのまま引き返してしまう。
しかし深江を乗せたタクシーは、下山している途中で
謎の男たちを載せたワンボックスカーから銃撃を受ける。
辛うじて切り抜けた深江だったが、男たちがそのまま
登山口へ向かっていくのを見て、自分もまた後を追っていく。
謎の男たちを載せたワンボックスカーから銃撃を受ける。
辛うじて切り抜けた深江だったが、男たちがそのまま
登山口へ向かっていくのを見て、自分もまた後を追っていく。
さらに、男たちを追う新たなグループまで出現し、
嶺雲岳を舞台に壮絶な銃撃戦が始まる。
その中に飛び込んでいく深江。
彼には真弓と佳子を守らなければならない理由があったのだ。
嶺雲岳を舞台に壮絶な銃撃戦が始まる。
その中に飛び込んでいく深江。
彼には真弓と佳子を守らなければならない理由があったのだ。
植村の死の原因となった過去の記憶。
そして、彼から託された言葉。
「なあ、嫁さんと子供をたのむよ」
そして、彼から託された言葉。
「なあ、嫁さんと子供をたのむよ」
亡き友との約束だけを胸に、たった一人の戦いが始まる・・・
いくらなんでも、単独であんな重武装の連中に
立ち向かうなんて、普通に考えたら無謀の極みなんだが、
実はこの主人公、常人離れした戦闘能力を秘めているのである。
中盤あたりでその理由というか正体が明かされるのだが
そうはいっても多勢に無勢、激闘に次ぐ激闘で
どんどん満身創痍になっていくのはお約束の展開だろう。
そうはいっても多勢に無勢、激闘に次ぐ激闘で
どんどん満身創痍になっていくのはお約束の展開だろう。
そして、敵方の中にも深江に匹敵する実力の持ち主がいて、
こいつが終盤にかけて最大の敵となって立ちはだかる。
こいつが終盤にかけて最大の敵となって立ちはだかる。
亡き親友のために戦う、という理由は『ホワイトアウト』(真保裕一)、
相手を一人ずつ倒してその武器を奪っていく展開は
映画『ダイ・ハード』と、有名作品のいいとこ取りみたいだが、
深江と植村の過去の因縁も十分納得できるものだし
山岳地帯という独特の条件を活かしたアクションシーンも秀逸。
戦闘/格闘シーンも迫力十分で、山岳活劇小説の傑作だと思う。
作者は本格ミステリ(それもユーモア・ミステリ)を
ホームグラウンドにする人なんだが、本書を読むと
もう、どんなジャンルでも書けるんじゃないかって思うよ。
ホームグラウンドにする人なんだが、本書を読むと
もう、どんなジャンルでも書けるんじゃないかって思うよ。