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パンデミックを阻止せよ [読書・冒険/サスペンス]


パンデミックを阻止せよ (新潮文庫)

パンデミックを阻止せよ (新潮文庫)

  • 作者: クライブ カッスラー
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/04/30
  • メディア: 文庫
評価:★★☆

海洋冒険小説ダーク・ピット・シリーズのスピンオフである
「NUMAファイル・シリーズ」、その8作目。

アメリカのNUMA(国立海洋海中機関)に所属するダーク・ピットの
同僚にして、特別出動班を率いるカート・オースチンとその仲間たちが
活躍するシリーズだ。


中国の僻村で発生したのは、SARSを遙かに超える感染力と
高い死亡率を持つ新型インフルエンザだった。

中国政府はアメリカに協力を求め、極秘に建設された
海中研究所<海の墓場>で共同でワクチン開発を始める。
しかし、ワクチン製造の目処が立った頃、
海中研究所そのものが姿を消してしまう。

 この施設は海底に設置してはあるが、
 きっちり固定してあるわけではなく
 その気になれば移動させられる構造になっていたのだ。

それと前後して、ワクチン研究の中心となる
海洋微生物学者・ケイン博士も行方不明となる。

ワクチン開発に対する妨害工作を探るため、サンデッカー副大統領は
オースチンのチームに出動を要請する。

オースチンは中国人女性ウイルス学者ソン・リー博士とともに
調査を開始するが、謀略の背後には中国系グローバル企業が・・・


純然たるエンターテインメント作品で、
主人公オースチンの活躍をきっちり語りきってみせる。
その腕前はさすがにベテランと言えるのだろうけど
(毎回書いてるが)いささかマンネリ化してきてる気もする。
まぁ、払ったお金の分だけは楽しませてくれてるとは思うけど。


ダーク・ピット・シリーズの著者クライブ・カッスラーが
ポール・ケンプレコスと共作する形で書かれているシリーズだなんだが
巻末の「訳者あとがき」によると、
ケンプレコスは本作を以て本シリーズを離れたのこと。
しかしながらカッスラーは新たな共著者を得て
「NUMAファイル・シリーズ」は続行中、
既に4作が刊行されてるという(2015年3月現在)。

いやはや御年87歳(本作刊行時でも78歳!)にしてこの創作意欲。
”元気な高齢者” のコンテストがあれば上位入賞も間違い無いだろう。

内容とは全く関係ないことをちょっと書く。

最近のカッスラー作品は必ずといっていいほど
上下二分冊で刊行されてきたんだけど、本書は一冊での刊行。
(656ページあるので、二分冊にしてもおかしくない分量ではある)
これは何を意味しているか、いろいろ考えてしまう。

共著者が代わった後の本シリーズが翻訳刊行されるのかどうかは
まだ分からないけど、個人的にはもういいかな・・・って思ってる。

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