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植物図鑑 [読書・恋愛小説]

植物図鑑 (幻冬舎文庫)

植物図鑑 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2013/01/11
  • メディア: 文庫



評価:★★★☆


最近、本書を原作にした映画が公開されたけど
別にそれに合わせて読んだわけではない。

私の家には "積ん読" 状態の本が山ほどあって
とにかく毎日その消化に追われている。
とはいっても、気になる新刊も日々発売されるし
在庫と新刊をどんな配分で読むのかもなかなか悩ましい。

というわけで、私なりに読む順番を作ってリスト化し、
それに沿って読んでるわけで、
本書を読む時期が映画と重なったのは単なる偶然である。

前置きが長くなってしまった。

映画のCMもTVでけっこう流れているので
何となくストーリーを知っている人も多いかもしれない。


ヒロインのOL・河野さやかは、仕事帰りに自分のアパートの前で、
"行き倒れ" ていた青年・樹(イツキ)を "拾う"。

イケメンで性格も穏やか、そして家事万能のイツキは、
その日からさやかの居候となり、
スーパー家政婦として大活躍を始める。

さやかはイツキの "正体" に疑問を抱きながらも、
彼との共同生活を始める。

名前しか名乗らないイツキだが、
植物に対して尋常ではない知識を持ち、
やがて二人は週末ごとに、ご近所の「雑草」ならぬ
「野草狩り」に勤しむようになる。

イツキは採った植物の調理についても玄人はだしの腕のさえを見せ、
さやかは彼の振る舞う"野草料理"にすっかり魅せられてしまう。
彼女は "胃袋" までガッチリと掴まれてしまったわけだ。

しかし幸せな日々も突然、終わりを迎える。
イツキとの生活に喜びを感じ、彼に対する愛情が高まってゆく中、
突然さやかの前からイツキは姿を消してしまう・・・


ラブストーリーを書かせたら、
目下のところ右に出るものはいないであろう有川浩。

本作でもベタ甘な、現代のおとぎ話みたいな物語が展開する。
だって、道端に倒れている正体不明の男を部屋に連れ込むとか
一つ屋根の下で暮らしながらも、なかなか男女の仲にならないとかね。

でも、それでいい。
そういう話を堂々と書いてしまって
読ませてしまうのが有川浩という作家さんなのだから。

感動的なエンディングで読後感もさわやか。
これもまた有川浩ブランドの安心感。


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