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ネメシスII [読書・ミステリ]

ネメシス2 (講談社タイガ)

ネメシス2 (講談社タイガ)

  • 作者: 藤石 波矢
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/03/12
  • メディア: 文庫

評価:★★★

TVドラマ「ネメシス」をベースにした小説シリーズ、第2巻。

横浜にある探偵事務所ネメシスを舞台に
社長の栗田一秋、新人探偵の風間尚希、
そして助手の美神アンナの3人が事件に立ち向かう。

探偵役を務めるのは、天才的なひらめきをもつアンナ。
ポンコツな風間を陰からフォローして事件解決へ導く役回り。

「第一話 HIPHOPは涙の後に」

TVドラマ第2話がベース。

ネメシスに14歳の中学生・神谷節子がやってくる。
17歳の兄・樹が1週間前から行方不明になっているという。
兄妹は児童養護施設「あかぼし」で暮らしていた。

樹が以前にアルバイトをしていたライブハウスのスタッフから、
振り込め詐欺に関わっているという噂の西園寺という男と
樹が親しくしていたという話を聞く。

”道具屋” と呼ばれる男・星から聞いた情報をもとに、
風間たちは振り込め詐欺に加担した樹を発見するが、逃げられてしまう。

後を追い、樹が逃げ込んだアパートの一室に踏み込んだとき、
室内には西園寺の刺殺死体と、ナイフを手にした樹の姿が。
自分が殺したと主張する樹だったが・・・

ミステリとしてはきっちり解決。
この話は映像で見てみたかったかな。

「第二話 道具屋・星憲章の予定外の一日」

こちらは作者のオリジナルだろう。

探偵事務所ネメシスは、事件のたびに ”所外の人材” に
協力を仰ぐことがあり、彼ら彼女らは準レギュラーになってるみたいだ。

その一人が、本書の第一話にも登場した道具屋・星憲章。
ミニシアター地下の隠し部屋に住み、依頼されたものは何でも作る。

ある日、星は隠し部屋の入り口で出会った男・山田と
「1時間半だけ」と時間を区切って依頼を受ける。

山田は振り込め詐欺グループ(第一話で壊滅させられた)の元構成員で、
リーダーが溜め込んでいた金を横取りしようとしていた。

首尾良く金は手に入れたが、グループの他のメンバーから追っ手がかかり
星は山田とともに逃げ回ることになったが・・・

人と必要以上に関わらず、非情にも見えるクールな星と
胡散臭さ100%全開のチンピラ山田の即席バディだが、
意外なまでに感動的な幕切れを迎える。
いやあ、上手い。


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