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レディ・ヴィクトリア 新米メイド ローズの秘密 [読書・冒険/サスペンス]

レディ・ヴィクトリア 新米メイド ローズの秘密 (講談社タイガ)

レディ・ヴィクトリア 新米メイド ローズの秘密 (講談社タイガ)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/08/18
  • メディア: 文庫

評価:★★★

舞台は19世紀のロンドン。ヴィクトリア朝の時代。

女王陛下と同名の貴婦人・ヴィクトリアと、
型破りで個性的な使用人たちが活躍する冒険探偵譚、第2作。

メイドのミス・シレーヌはフランス人(らしい)、
執事のミスタ・ディーンはアイルランド人(らしい)、
小姓のモーリスはインド人、料理人のリュンは中国人、
キッチンメイドのベッツィはアメリカ南部生まれの黒人。

人種も国籍も様々に、しかもそれぞれ ”特殊技能” を持った
“チーム・ヴィクトリア” のメンバーが
ロンドンに起こる謎の事件に立ち向かう。

デヴォンシァの田舎町からロンドンへ出てきた13歳の少女・ローズは
ヴィクトリアのもとで新米メイドとして仕えることに。

ローズには、働き手のいない実家の家族へ仕送りすることの他に、
もう一つの目的があった。それは兄・アーサーを探すこと。

家出をして南アフリカに渡ったアーサーだったが、
彼からの消息は2年前から途絶えていた。
しかし去年、ローズの村を謎の紳士が訪れてこう告げた。
「アーサーはロンドンにいて、立派な館で従者として働いている」

帰国しているのならば、なぜ家族へ知らせが来ないのだろう?
そしてこの紳士は、アーサーとどんな関係があるのだろう?

ヴィクトリアのメイドとしてめまぐるしく働きながら、
ローズは兄の消息を追いつづける。

中国人の料理人・リュンから仕入れた情報をもとに、
ヴィクトリアのもとに出入りしている探偵・”早耳ビル” とともに
ローズはイーストエンドの阿片窟へ向かう。

 wikiによると、この時代のイーストエンド地区は貧困層と移民層が
 集まっていて、かなり治安が悪いところだったようだ。

そしてその阿片窟の入り口で出くわしたのは、
ローズの村を訪れた謎の紳士だった。

ローズから事情を聞き出したヴィクトリアたちは、
この事態へ介入していくが、意外な事実が次々と明らかになっていく。

前巻は連作ミステリといった体裁だったけど、
今作はミステリと言うよりはサスペンス。

前作では胡散臭さ全開の嫌らしい中年オヤジだった ”早耳ビル” も
ローズの前ではすっかり ”頼もしいおじさん” に
なってしまってるのがおかしい。

前作で頭脳明晰さを知らしめたミス・シレーヌは、
今作ではまた新たな ”技能” を示して、ホント有能だねぇこの人。

そして、非道に走る特権階級の人間を
”チーム・ヴィクトリア” が懲らしめるさまは、
「必殺仕事人」とまではいかないが(殺さないし)、
「ザ・ハングマン」くらいには溜飲が下がる。

 「ハングマン」といっても40代以下の人にはピンとこないでしょう。
 分からない人はググってください(おいおい)。


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