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ネメシスI [読書・ミステリ]

ネメシス1 (講談社タイガ)

ネメシス1 (講談社タイガ)

  • 作者: 今村昌弘
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/03/12

評価:★★★

「ネメシス」とは、広瀬すず・櫻井翔主演で2021年4月から6月にかけて
放送されたTVドラマで、本書はそれをベースにした小説。
ノベライズとも言い切れないみたいで、そのへんは後で書く。

「I」とあるように続巻があり、全6巻構成。
ちなみにドラマは観てない。
じゃあ何で買ったのかというと執筆陣が豪華だから。

本書が今村昌宏、最終巻は青崎有吾。
途中の巻も藤石波矢、周木律、降田天とミステリ作家さんをそろえてる。

そしてこれらの作家さんは、ドラマ各話の脚本協力(トリック監修)を
行い、それをふまえて小説版を書いているらしい。
小説のドラマ化というのは往々にしてあるけれど、
脚本段階からミステリ作家が関わるというのは珍しい試みだろう。

舞台は横浜。探偵事務所ネメシスを経営する
ベテラン探偵・栗田一秋(江口洋介)は第一線を退き、
メイン探偵の座を新人の風間尚希(櫻井翔)に譲って
自分は「社長」に収まった。

美神(みかみ)アンナ(広瀬すず)は18歳。
インドからの帰国子女で、父が失踪したため、
父の親友だった栗田を頼って来日、ネメシスで風間の助手を務めている。

基本はコメディ。風間は事件の謎にきりきり舞いする完全な三枚目で
アンナも突然突拍子もないことを仕出かすような不思議ちゃん。
栗田は渋い中年という役どころなんだが、ところどころ抜けてる。
そんな3人組が遭遇する事件を描いていく。

本作で探偵役を務めるのはアンナ。天才的なひらめきで真相を見抜き、
ポンコツ探偵な風間を陰からフォローして事件解決へ導く役回りだ。

「第一話 天才探偵、現る!」

ベースはドラマ版の第1話。

ネメシスを訪れたのは女医・上原黄以子(きいこ)。
彼女が専属医を務める資産家・澁澤火鬼壱(しぶさわ・ほきいち)のもとへ
「誕生日パーティーを中止せよ」という脅迫状が届いたという。

風間とアンナが赴いた澁澤の豪邸では予定通りパーティーが開かれ、
彼の寵愛を競う ”恋人たち” が集まっていた。

読者モデル出身のルビー赤井、演歌歌手の森みどり、
ピアニストの青海唯衣(あおみ・ゆい)、
銀座でクラブを経営する村崎由香里、
占い師の黒檀(こくたん)エイラ、地下アイドルの桜田桃。

招待客はみな澁澤邸に宿泊するが、翌朝に火鬼壱の死体が発見される。
死因は撲殺で、遺体の傍らにはやたら文字数の多い
ダイイングメッセージが残されていた。ついでに絵まで書いてある(笑)。

遺言書の隠し場所を示す暗号とか、ミステリ的な仕掛けも多く
もちろん屋敷の見取り図も示される(笑)。
コメディではあっても、謎解きはしっかり。
さすがは鮎川哲也賞受賞作家さん。

「第二話 美女と爆弾と遊園地」

巨大遊園地シーユートピアを訪れた風間とアンナ。

園内の売店で四葉朋美という同世代の少女と知り合ったアンナは
彼女と一緒に園内を回ることに。

一方、風間は知り合いの刑事に出会う。なんと着ぐるみに入ってる。
彼らは世間を騒がす連続爆弾魔・”ボマー” の潜伏捜査中だったのだ。

今日の朝、遊園地の経営者・前園へ脅迫電話がかかってきた。
電話の声は ”ボマー” を名乗り、三億円の現金を用意せよ、
さもないと園内に仕掛けた爆弾を爆発させる、と告げた。
そして身代金の引き渡し方法として ”ボマー” が指定したのは
何とも奇想天外な方法だった。

風間から携帯電話で連絡を受けたアンナは、
爆弾から一般客を守るため、朋美とともに園内を奔走するが・・・

”ボマー” の居場所を見つけだして解決、ではなくさらにもうひと捻り。

ドラマ版の第3話がベースみたいだが、wikiでの記述をみると
ストーリー展開はかなり異なるみたい。

ここで登場し、アンナの親友となる四葉朋美(橋本環奈)は、
これ以後は準レギュラーになって、
ドラマ版終盤のストーリーにも絡む重要キャラになるらしい。


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