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英国パラソル綺譚 アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う [読書・ファンタジー]

アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う (英国パラソル奇譚)

アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う (英国パラソル奇譚)

  • 作者: ゲイル・キャリガー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2011/06/30
  • メディア: 文庫



評価:★★★

吸血鬼や人狼やゴーストなどの<異界族>と、人間とが共存している
パラレルワールドの19世紀イギリスを舞台に、
<異界族>の力を封じることができる
<反異界族>の女性・アレクシアの冒険を描いたシリーズの第2作。

前作のラストで異界管理局捜査官・マコン卿とめでたく結婚して
伯爵夫人となったアレクシアだが
新婚の熱もさめやらぬうちに次なる事件が勃発する。

ロンドンで、突如吸血鬼や人狼がその能力を失い、
ゴーストが消滅していくという現象が発生する。

原因は疫病か、新型の兵器か、はたまた<反異界族>の陰謀か。
というわけで<反異界族>の長たるアレクシアにも容疑が降りかかる。

 とは言っても<反異界族>自体、非常に珍しい存在らしく、
 女性はさらに少ないらしい。物語の中にも、
 現在のところアレクシア1人しか登場していない。

そうこうするうちに、謎の現象が起こる "範囲" が
北へ向かって移動していることが判明する。

アレクシアもまたそれを追って、飛行船でスコットランドへ向かう。
目指すは、かつてマコン卿が城主を務めていたキングエア城。

マコン卿はキングエア城の人狼団から離れ、
ロンドンのウールジー人狼団の長になったのだが、
その理由も物語の進行とともに次第に明らかになっていく。


シリーズタイトルにもなっている「パラソル」だが、
本書ではアレクシアはマコン卿特注によるパラソルを手にする。

帽子店を営むマダム・ルフォーなる人物がそのパラソルの製作者で
実は「007シリーズ」におけるQみたいな人・・・といえば
どんなパラソルになっているのか想像がつくと思う。
マダム・ルフォー自身も、今回の物語のキーパーソンの一人。

この "秘密道具" の活躍も、本書の楽しみの一つだろう。


アレクシアとマコン卿の仲も、痴話喧嘩から夫婦喧嘩へと "昇格"(笑)。
しかしこの二人、結婚しても "落ち着く" という言葉とは無縁である。

主要登場人物の半分以上は人間ではないし、
最初は人間でも、途中から "人間をやめて" しまう人もいたりして(笑)
脇役の方々も主役二人に負けず劣らず "個性" 豊かである。


ラストでは、もちろん謎の "現象" の正体も判明するのだけど
それがまた先の展開につながりそう・・・
って思ってたら、おおっと、そう来ましたか。
ここで終わったら、いやでも続きが気になるじゃないか。

というわけで、近々第3巻も読む予定。


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