英国パラソル綺譚 アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う [読書・ファンタジー]
評価:★★★
吸血鬼や人狼やゴーストなどの<異界族>と、人間とが共存している
パラレルワールドの19世紀イギリスを舞台に、
<異界族>の力を封じることができる
<反異界族>の女性・アレクシアの冒険を描いたシリーズの第2作。
前作のラストで異界管理局捜査官・マコン卿とめでたく結婚して
伯爵夫人となったアレクシアだが
新婚の熱もさめやらぬうちに次なる事件が勃発する。
ロンドンで、突如吸血鬼や人狼がその能力を失い、
ゴーストが消滅していくという現象が発生する。
原因は疫病か、新型の兵器か、はたまた<反異界族>の陰謀か。
というわけで<反異界族>の長たるアレクシアにも容疑が降りかかる。
とは言っても<反異界族>自体、非常に珍しい存在らしく、
女性はさらに少ないらしい。物語の中にも、
現在のところアレクシア1人しか登場していない。
そうこうするうちに、謎の現象が起こる "範囲" が
北へ向かって移動していることが判明する。
アレクシアもまたそれを追って、飛行船でスコットランドへ向かう。
目指すは、かつてマコン卿が城主を務めていたキングエア城。
マコン卿はキングエア城の人狼団から離れ、
ロンドンのウールジー人狼団の長になったのだが、
その理由も物語の進行とともに次第に明らかになっていく。
シリーズタイトルにもなっている「パラソル」だが、
本書ではアレクシアはマコン卿特注によるパラソルを手にする。
帽子店を営むマダム・ルフォーなる人物がそのパラソルの製作者で
実は「007シリーズ」におけるQみたいな人・・・といえば
どんなパラソルになっているのか想像がつくと思う。
マダム・ルフォー自身も、今回の物語のキーパーソンの一人。
この "秘密道具" の活躍も、本書の楽しみの一つだろう。
アレクシアとマコン卿の仲も、痴話喧嘩から夫婦喧嘩へと "昇格"(笑)。
しかしこの二人、結婚しても "落ち着く" という言葉とは無縁である。
主要登場人物の半分以上は人間ではないし、
最初は人間でも、途中から "人間をやめて" しまう人もいたりして(笑)
脇役の方々も主役二人に負けず劣らず "個性" 豊かである。
ラストでは、もちろん謎の "現象" の正体も判明するのだけど
それがまた先の展開につながりそう・・・
って思ってたら、おおっと、そう来ましたか。
ここで終わったら、いやでも続きが気になるじゃないか。
というわけで、近々第3巻も読む予定。
makimakiさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2015-08-15 23:37)
31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2015-08-15 23:37)