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もろこし紅游録 [読書・ミステリ]

今日はたいへんだったなぁ。
職場の中を一日中走り回って
あちこち行ってお願いしたり謝ったり
次の仕事の段取りをつけたり。
なかなか見つからない捜し物もしたなあ。
何だか今日だけで一週間分くらい働いたような気がするぞー。
あぁ~、明日休みたいなぁ~。
でも休めないんだなぁ・・・


もろこし紅游録 (創元推理文庫)

もろこし紅游録 (創元推理文庫)

  • 作者: 秋梨 惟喬
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2010/12/11
  • メディア: 文庫



評価:★★★

中国伝説の黄帝が残した "天下御免の銀牌" 。
それを受け継いだ者たち、"銀牌侠" の活躍を描く第2弾。

「子不語」
 斉の都・臨淄(りんし)の郊外で、惨死体が続けざまに5人も見つかる。
 学徒の青年・霄(しょう)は、遊説の士・淳于髡(じゅん・うこん)
 とともに捜査に乗り出すが・・・

「殷帝之宝剣」
 武者修行中の許静は、旅で知り合った主従・半房と蔡を伴い
 山中の修行場・紫雲観へ赴くが、そこには
 天下に名を知られた武人たちが集っていた。
 しかし、その中の一人、破剣道人が首を切られて殺される。
 紫雲観は山奥深く隔絶した場所で、
 外部からの出入りはありえなかった・・・
 前巻で登場したキャラが再登場している。
 時代を考えると年齢が合わないような気もするが、
 そういうのは深く追求してはいけないのだろう。

「鉄鞭一閃」
 饅頭売りの少年・小八が悪ガキに絡まれていたところを助けたのは
 幻陽と名乗る豪傑だった。
 しかし小八の父親が殺され、首が持ち去られるという事件が起こり、
 二人は下手人を捜し始める。
 折しも、武術の達人・馬崇年が殺され、馬の兄弟たちもここ一年の間に
 次々と殺されていることが判明する・・・

「風刃水撃」
 文庫で約120ページ弱と、本書中一番長い。
 ついでに言えば一番好きな作品。
 何と言っても主人公・関維の弟子の甜甜がほんと可愛いんだもの。
 本作だけぐっと時代が下がって20世紀の話。
 中華民国建国から間もない頃、長江沿いの町・江仙。
  町一番の商人・張家の庭で、木が爆破されるという事件が起こる。
 折しもイギリスの国策を背負った商社・ストーンブリッジ商会が
 江仙を訪れることになり、風水師の関維はその要人警護に駆り出される。
 しかし、ストーンブリッジをつけ狙う組織には関維の弟がいた・・・


読んでいてミステリを読んでる、って感覚はあんまり無いかなあ。
サスペンスか武闘アクション小説の雰囲気で、
犯人あてという要素は非常に希薄になってきてる。

 ある作品なんか、探偵役の "銀牌侠" が容疑者の一団を眺めただけで
 「あいつが犯人だ」って断言してしまうんだから。

でも、物語としては決してつまらなくはないし、
謎解きの要素が希薄なわけでもない。
犯人あての興味は少ないが、そのぶん、
「天下でも指折りの武術の達人が、簡単に倒されてしまったのはなぜか」
とかの how done it や、
「謎の風水師の一団があちこちの家で模様替えを進言したのはなぜか」
とかの why done it がメインとなる魅力的な謎は健在である。

前巻のときに
「本シリーズで使用されてるトリックは、現代だと
 リアリティに欠けたり、非常に特殊で使いにくい」
ようなことを書いた記憶があるんだが、
本書ではそれがさらにエスカレートしてきたような気がしてる。

「風刃水撃」に出てくる某アイテムは、たしかにアレですね。
たしかにコレも、現代ミステリではまず使われない、
というか、使えないものでしょう。

クライマックスの武人同士の戦いなんて、さしずめ
懐かしのマンガ「サスケ」や「伊賀の影丸」みたいな雰囲気。
いや、私はどっちも好きですし、
マンガやアニメ風の展開も大好きなので、当然、本書もOKなんですが。


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