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ゴーストハント5 鮮血の迷宮 [読書・その他]


ゴーストハント5 鮮血の迷宮 (角川文庫)

ゴーストハント5 鮮血の迷宮 (角川文庫)

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/03/24
  • メディア: 文庫


評価:★★★☆

主人公兼語り手は女子高生・谷山麻衣。
彼女がアルバイトをしているのは
心霊現象を専門に調査する「渋谷サイキックリサーチ」(SPR)。

そこの所長である美少年、通称ナルと
個性的なゴーストバスターたちが繰り広げる
ホラーな冒険を描くシリーズ、第5作。

シリーズ第1作は春に始まったのだけど、
この5作目で二度目の春を迎えた。
ということは作中時間で1年経ったということだね。

SPRは、諏訪の山中にある屋敷の調査を依頼される。
元首相夫人の実家が所有するその屋敷は、
明治時代に建てられて以後、無秩序な増築を行い続けて
部屋数が100を超えるまでになり、内部はさながら迷宮のよう。

現在は無人になっているが、地元からは幽霊が出ると噂され
面白半分に肝試しをしようと中に入りこんだ若者が姿を消してしまう。
さらに、その捜索のために訪れた消防団の青年まで失踪する。

さすがに放置はできないと、元首相は屋敷の調査を決めた。
SPRの一行が到着すると、そこには既に国内外の霊能者や心霊研究家が
集められており、ナルたちを含めると総勢なんと20名。

しかし彼らが活動を始めると、”調査団” のメンバーが
ひとり、またひとりと姿を消していくのだった・・・

今回、SPRには前作から登場した安原くんも加わっている。
高校3年生だった彼も今作では大学1年となった。
初登場時は好感度の高そうな少年だと思ってたんだが
今作での言動を見ているとけっこう腹黒そう(笑)。
レギュラーメンバーは曲者揃いのようだ。

このシリーズは、登場人物同士の掛け合いを楽しむ
キャラクター小説の面が大きいと思っていて
ホラーとしての ”怖さ” はあまり感じなかった。

それは、もともと少女向け小説として発表された作品を
原型としているせいだと思うんだけど
この第5作は、いままでの4作よりは怖い。けっこう怖い(笑)。

読んでて、怖くて背筋が凍る・・・とまではいかないが
それに近い感じを久々に味わったよ。

館の秘密が暴かれ、幾多の怪奇現象の ”元凶” と
麻衣が対峙するクライマックスは緊迫感たっぷりで読ませる。

巻末の解説によると、シリーズの残り2冊では
怒濤の展開が待ってるらしい。期待しちゃいますね。


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