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逸脱捜査 キャリア警部・道定聡 [読書・ミステリ]


逸脱捜査 キャリア警部・道定聡 (角川文庫)

逸脱捜査 キャリア警部・道定聡 (角川文庫)

  • 作者: 五十嵐 貴久
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2016/09/22
  • メディア: 文庫



評価:★★☆

タイトルにもあるように、主人公の名は道定聡(みちさだ・さとし)。

身長160cm、体重70kg、25歳にしては頭髪が淋しい。
東大卒のキャリアで、群馬県警の総務課長となったが
部下が不祥事を起こし、監督責任を問われて出世コースから外され、
警視庁捜査一課の警部へと ”左遷” されてしまった。

しかし、捜査についてはド素人の道定を現場は持て余し、
”問題刑事” の山口ヒカルとコンビを組まされることに。

ヒカルは175cm超えの美女で、モデルと見紛うばかりのナイスバディ。
しかし性格は最悪で、コンビを組んだ刑事は過去4年間で9人交代した。
基本的にやる気は無い。どんな事件も事故や自殺で片付けようとする。
階級が上の人間にもため口で話し、移動では常にタクシーを要求する。
しかし、時には天才的なひらめきを発揮して事件を解決してしまう・・・

そんなヒカルに振り回される道定の ”苦闘” を描いた5編が収録。

「第一話 Gの密室」
40歳の独身OLが、新築された高層マンションの20階から転落死した。
公私ともに問題は発見されず、自殺する理由がない。
彼女は現場となったマンションを購入するまでは
頻繁に引っ越しをしていたというのだが・・・
読んでたら早々にオチの見当がついてしまったが、
気がつけばタイトルからしてネタバレだった。

「第二話 アリアドネの罠」
新興宗教の教団トップ・大泉が殺される。
現場は教団のもつ教会。そこの祈祷室の奥の部屋が現場だったが
犯行時刻には祈祷室に大勢の信者がおり、現場は密室状況だった・・・
某古典的有名作品に似たトリックだが、その ”後始末” の方法が独特。

「第三話 元気すぎる死体」
不倫相手を刺し殺したという女性が警察に出頭してくる。
しかし、警察が ”現場” となった不倫相手のマンションに
踏み込んだが、犯行の痕跡は全くない。
「事件性がない」と警察から帰された女性は、その足で不倫相手の
マンションへ向かうが、そこで死体を発見してしまう・・・
しかし、いくらなんでもこのオチはないんじゃないかと思う。

「第四話 ダブル・フェイス」
援助交際をしていた女子高生を取り調べていたら
「殺人を目撃した」と言い出し、現場へ向かう道定とヒカル。
そこで死体が発見されたが、容疑者として浮かんだのは双子の兄弟。
目撃証言では犯人は一人。さて、どちらが殺したのか・・・
ミステリとしてよりも、女子高生のキャラの方が印象に残った(笑)。

「第五話 落人の首」
逃亡中の指名手配犯2人のうちの片方が栃木県の僻村で逮捕され、
警視庁へ護送するために道定とヒカルは現地へ向かう。
もう一人の手配犯も近隣の山に潜んでいるというので
捜索に加わった二人だが、山中で首無し死体を発見してしまう・・・
ヒカルに引きずり回されるばかりで、いいところのなかった道定だが
最後の最後でファインプレーを見せる。

星の数が今ひとつ足りないのは、やっぱりヒカルのキャラが
受け入れにくいのが原因かな。まあ、好みの問題なのだけどね。
こういう女性が大好き、って奇特な人もいるだろう(笑)。


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