ルパンの星 [読書・ミステリ]
- 作者: 横関大
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2020/09/15
- メディア: 文庫
「ルパンの娘」「ルパンの帰還」「ホームズの娘」と
続いてきたシリーズの最新作、第4巻。
3代続く泥棒一家、”Lの一族” の娘・三雲華と
3代続く警官一家に生まれた青年・桜庭和馬の恋の顛末を描いた第1作。
3代続く探偵一家に生まれた娘・北条美雲が登場し、
“Lの一族の黒歴史” ともいうべき三雲玲の存在が明かされた第2作。
その玲が引き起こす凶悪事件に翻弄される和馬と美雲、
そして美雲と華の兄・渉との恋の行方を描いた第3作。
そして第4作となる「ルパンの星」では・・・
和馬と華の間に生まれた娘・杏(あん)も7歳、小学2年生となった。
並外れた運動神経と動体視力を持ち、
友だちと遊ぶときは、逃げたり隠れたりが大得意で
かくれんぼでは見つけられたことがない。
和馬の両親をはじめ桜庭家の人たちは杏が警察官になることを望み、
華の両親たち ”Lの一族” は、もちろん
杏が大泥棒に成長することを期待している。
そんな両家に挟まれて、悩み多き日々を送る華。
一方、前作のラストでめでたく両家から交際を認められた
渉と美雲だったが、”ある事情” から破局を迎えてしまう。
傷心の美雲は警視庁捜査一課を離れ、蒲田署で鬱々としていた。
捜査一課内でも異動があって、木場という女性班長が着任、
和馬も10年近い経験を買われて副班長となった。
木場班長は着任早々に起こった殺人事件を瞬く間に解決し、
その敏腕ぶりを見せつける。
さらに美雲のいる蒲田署の管内でも殺人事件が発生する。
被害者は警備会社で働く元警官。
美雲は久しぶりに和馬とタッグを組むことになり、
木場班長の指揮の下、捜査を開始するが・・・
そして杏の通う小学校では、運動会が近づいていた。
桜庭家・三雲家双方が挙って杏の応援にやってくることになり、
両家の衝突を心配する華だったが・・・
物語は主に、
和馬たちが追う殺人事件に隠された ”ある陰謀” を巡るパートと、
杏と華を巡り、小学校を舞台に展開するパートが並行して進み、
この2つのパートは最終的に意外な形でひとつになる。
桜庭家と三雲家はもちろん冒頭から出ずっぱりなんだが
中盤では北条家まで登場して、まさにオールスターキャスト。
多くのキャラが登場する中、主にスポットが当たるのは華と美雲かな。
杏の将来を心配する母親としてだけではなく、
彼女と杏の生活圏で起こる事件を見事に解決したりと、
華の ”勘” は未だ衰えていないところが描かれる。
もっとも、終盤にはピンチに陥ってしまうんだが
これはヒロインの宿命でしょう(笑)。
美雲については、どん底まで落ち込んだ彼女が
2つの事件を通じて再起を果たすまでが描かれる。
当然ながら渉くんも後半になると登場シーンが増えてきて
最後には2人が別れた理由が明かされるのだが・・・
さて、タイトルの「ルパンの星」。
これだけでは何のことか分からないが
表紙カバーには英文のタイトルも記してある。
「Rookie of Lupin」
これはやっぱり杏ちゃんのことだろうなあ。
”栴檀は双葉より芳し” というが、彼女はまさにそれ。
身体能力のみならず、なかなか聡いところもあるお嬢ちゃんのようで
お母さんに似て美人に育てば、もう鬼に金棒だ。
これは桜庭家も三雲家も期待してしまうでしょう。
前作の時には、「続きはネタ次第」なんて書いたけど、
この路線で行けばまだまだ続けられるね。
杏ちゃんの成長を追っていけば、大河シリーズも夢ではない(笑)。
”本家” のルパンみたいに大怪盗でありながら名探偵、
なぁんてキャラにも成長しそうだ。
華さんは悲しむかも知れないが・・・
前作から1年後の今になって新刊が出たのはなぜかと思ってたら
TVドラマの続編も始まるんだね。
もっとも、パート1の時点で原作からかなり改変された設定だったし、
今回のパート2もそれを引き継ぐので、原作とはもう別物だね。
ネットの情報では、新キャラとなる北条美雲役は橋本環奈さん。
原作よりかなり年下なイメージだが、
美雲の設定自体かなり変えてあるみたいだし。
中学生時代や高校生時代も演じるとのことなので
彼女のファンは嬉しいかも知れない(笑)。
まあ、私はたぶん観ないと思うんだけど(おいおい)。
鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2020-10-28 00:34)
＠ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2020-10-28 00:34)
サイトーさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2020-10-28 00:35)