SSブログ

ヴァンパイア探偵 ー禁断の運命の血ー [読書・ミステリ]


ヴァンパイア探偵 --禁断の運命の血-- (小学館文庫キャラブン!)

ヴァンパイア探偵 --禁断の運命の血-- (小学館文庫キャラブン!)

  • 作者: 喜多 喜久
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2019/08/06
  • メディア: 文庫
評価:★★☆

舞台になるのは関東の地方都市・紅森(こうもり)市。
盆地の中にあって、人口は20万人ほどだが
なぜか殺人事件の発生件数が平均値を大きく上回っている。
そして何より、平安時代の昔から ”吸血鬼伝説” が語り伝えられてきた。

主人公は紅森署の刑事・桃田遊馬(ももた・ゆうま)、そして
彼の幼馴染みにして、市井の血液研究者・天羽静也(あもう・せいや)。

血液絡みの事件が起こると、警察はしばしば天羽に捜査協力を乞う。
そんな彼は、警察からは『ヴァンパイア』なんてあだ名で呼ばれる。
もちろん本人は、その呼び名が嫌いである。当たり前か。

桃田と天羽のコンビが、紅森市で起こる殺人事件に挑む連作短編集。


「第一話 ブラッド・メイカー ーDNAの罠」
大学教授・野尻寿史が自宅で絞殺される。
遺体の服に付着していた血液は研究室の助教・伊上美奈子のものだった。
伊上は逮捕されるが、彼女の容疑に違和感に疑問を感じた桃田は
付着していた血液の分析を天羽に依頼するが・・・
うーん、ちょっと素人には思いつかないトリックだね。
いくら○○○○○が万能でも、流石にそれは無理じゃないかな。
まあ、将来的には可能になるかも知れないけど。

「第二話 ブラッド・オブ・ラブ ー愛の果てに」
殺人犯・黒崎隆壱(りゅういち)は逃亡し、紅森市へ逃げ込んだ。
一方、紅森市でも交番勤務の巡査が刺殺されるという事件が発生。
桃田は、交番に残されていた犯人のものと思われる血液の分析を
天羽に依頼するが・・・

「第三話 デスティニー・ブラッド ー生命の源」
市内を流れる紅乃川で、切断された手首が見つかる。
天羽の分析から、手首の持ち主は癌を発症していたことが分かる。
桃田は市内の病院を聞き込みに回り、手首の持ち主が
長浜という男だったことを突き止め、さらに彼が
神秘的な力に惹かれ、”吸血鬼” の研究をしていたことを知る。
さすがに、この真相は予想の斜め上でした。

「第四話 ブラッド・アンド・ファング ー跋扈するヴァンパイア」
弁護士事務所の事務員・小諸麻友(まゆ)が自宅アパートで殺害される。
死因は頸動脈の傷からの失血死。
凶器は尖った形状の刃物と思われたが
その傷口はヴァンパイアの牙の跡にも見えるのだった。
そして、同じような手口で二人めの女性の死体が発見される。
こちらの遺体の首筋にも、牙のような跡が・・・
天羽の分析は意外な凶器を導き出すけども、
事件の解決についてはちょっと中途半端な感じ。
この話については、天羽自身の物語の方に重きを置いたせいかな。


”吸血鬼” という存在を「科学的に説明する」というのは
古くから多くの作品で試みられてきたけど
本書でも、薬学・医学に精通した作者なりの ”設定” が語られる。
それ自体は興味深く読んだのだけど、本書全体としてみると
あまり本筋に絡んでいないような。

捜査で桃田とペアを組むのが女性刑事の虎姫光(とらひめ・ひかる)。
年は若いがキャリア組の警部どのだ。
ついでに、”加齢臭アレルギー” という失礼な(笑)設定だが
彼女の存在も中途半端。もうちょっと天羽と絡むかと思ったのだが
本書の中では賑やかしに終始してる。
もっとも、続巻が予定されていて、
そちらで活躍させるつもりなのかも知れないけど。

nice!(4)  コメント(4) 
共通テーマ:

nice! 4

コメント 4

mojo

xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-01-23 01:00) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-01-23 01:01) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-01-23 01:01) 

mojo

サイトーさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-01-23 01:01) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント