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屍人荘の殺人 (映画) [映画]


※本編のネタバレはありません。

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話題の映画、観て参りました。

第一印象は「観る人を選ぶ映画だなあ・・・」ということ。
おそらく、楽しめる人と全くダメな人に分かれるんじゃないかなあ。
私は、十分に楽しませてもらいましたが。

映画として素晴らしい出来か? って聞かれたら正直なところ微妙ですが
安くない入場料を払って、2時間という時間を使って、
損をしたとは思いませんでしたので、私的にはOKでした。

ちなみにこの映画、原作におけるミステリとしての骨格は、殺害方法、
トリック、伏線、証拠の提示、犯人まで、ほとんど改変してません。
細かい枝葉の部分での変更や省略はありますが、
全体のストーリーも、原作の流れをほぼ踏襲しています。
いじられまくって原作の面影を留めない作品だって珍しくない中で
本作は、ミステリ映画としては良心的な作りだと思います。


観る人を選ぶ、その理由の最も大きなものは、
やっぱり物語の序盤で起こる ”ある事態” でしょうねぇ(笑)。
これが受け入れられるかどうかで、
この映画の評価はほぼ決まるのではないでしょうか。

原作を読んでいて、映画を観に来ている人は問題ないですね。
映画の中で起こるイベントをすべて知っていて観に来てるわけですから
当然、”ある事態” も受け入れているはずなので。

問題は、原作を知らずに観に来た人たちですね。
若手人気俳優が出てくるちょっとコミカルな映画・・・
くらいの気持ちで臨むと、”ある事態” が始まった途端に
呆気にとられてしまうでしょう。

ここで「ああ、そうか、こういうのも面白いじゃん」って思えるか
「とんでもないゲテモノ映画じゃないか」って思ってしまうか。
そこでこの映画の評価が決まってしまうでしょう。

 後者の場合、それによって、この映画のミステリとしての良さを
 理解してもらえなくなる、ってことも起こるでしょう。

とはいってもこの映画、予告編では
いっさい ”ある事態” について触れてません。
制作陣も悩んだかも知れませんが、ここを伏せてあるがゆえに
読者(観客)を驚かせる、ってのも本作の ”売り” ですからね。
私は、明かさなかったのは正しいと思いますが
観客の中には「騙された」とか
「予告編詐欺だ」とか言い出す人もいるでしょう。


次に、映画はキャストで観る、って人もいますよね。
内容やジャンルや作品の出来は関係ない、
とにかくご贔屓の俳優さんをひたすら観ていたい・・・っていう人。

これを主役三人に当てはめてみましょう。

まず、美少女探偵・剣崎比留子こと、浜辺美波さんを観に来た人。
これは大満足でしょう。とにかく美波さんの可愛さは半端ではないです。
彼女がスクリーンの中で動いて、喋って、ドジを踏んで(笑)、
推理するのを観ているだけでも幸福な気持ちになれるでしょう。
オッサンの私でさえそう思うのだから、
10代20代の男どもはたまらんでしょうな(おいおい)。

ただ、台詞回しが上手くないのはいただけない。
滑舌が悪いのか稽古が足りないのか、
ところどころ聞き取りにくいところがある。
「アルキメデスの大戦」での財閥のお嬢様役や
アニメ「HELLO WORLD」での女子高生役のCVでは
そんなこと感じなかったのにねぇ・・・
慣れない言葉遣いだったのはわかるけど、ちょっと残念でしたね。

次に ”神紅大学のワトソン” 葉村譲こと、神木隆之介くんを観に来た人。
これも大満足でしょう。とにかく神木くんの上手さは特筆ものです。
剣崎比留子と明智恭介という、強烈なキャラに挟まれて
二人が繰り出すどんなボケもツッコミも受けて受けて受けまくる。
”ある事態” と殺人事件という、極限状態に置かれてもなお、
”普通の人間” として振る舞える葉村は、観ていて安心感を与えます。

最後に ”神紅大学のホームズ” 明智恭介こと、中村倫也さんを観に来た人。
これはかなり不満でしょう。上の方で、この映画は原作に忠実だと
書きましたが、明智の扱いもまた、原作とほぼ同じ。
要するに、出番はそんなに多くないんです(笑)。
私は、てっきり脚色にあたって彼の出番を増やすとばかり思ってましたが
(なにせ中村さんは人気俳優ですから)
意外にも原作通りだったのでちょっと驚きました。
だから、中村倫也さんを観に来た人は、彼の出番は少ないし、
それに加えて扱いが ”アレ” ですから(笑)、怒り出すかも知れません。

逆に、比留子(浜辺美波)と葉村(神木隆之介)は全編ほぼ出ずっぱり。
どちらも原作のイメージによく合っているので、
観ているうちに続きが観たくなりました。
この映画がヒットすれば、同じキャストで
第2弾の映画もあるかも知れません。ちょっと期待してしまいます。


さて、今日(12/25)、私はかみさんと二人でこの映画を観てきました。
たまたま休みがそろったので、平日の昼間という
ちょっと贅沢な時間帯での映画鑑賞でした。

私たちが入ったハコは、約120席という小さめなものでしたが
ほぼ満席で、しかもその8割方が若者、しかもカップル多し(笑)。
剣崎比留子と葉村譲のラブコメとしてみれば、
デートムービーとしてはちょうどいいかもしれません。
”ある事態” さえ許容できれば(爆)。

以前、小説版の記事を書いたとき、
映画を観たときのかみさんの反応が心配だって書きました。
なにせかみさんは ”ある事態” 的な展開は苦手なので・・・

私は、自分が原作を読み終わったことは話しましたが、
内容についてはひと言も喋りませんでした。
たとえかみさんが相手でも、ミステリファンのお約束ですから(キリッ)。

だから「面白かった?」って聞かれても
「”私は” 面白いと思ったよ」と言っただけ。
「・・・てことは、アタシには面白くないわけ?」
「いや、そんなことは・・・ない・・・と思うよ・・・むにゃむにゃ」

だから、見終わった後で「何で教えてくれなかったのよ!」って
キレられたらどうしよう・・・って思ってました。

映画の後、恐る恐る聞いてみたら
「ああいうの、観たこと無かったから。まあよかったんじゃない」
思わず、胸をなで下ろしたのでありました(めでたしめでたし)。

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コメント 4

mojo

xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-12-27 23:48) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-12-27 23:49) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-12-27 23:49) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-12-27 23:49) 

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