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『このミス』が選ぶオールタイム・ベスト短編ミステリー 赤/黒 [読書・ミステリ]

毎年年末に刊行される『このミステリーがすごい!』
今年も「2017年版」が書店に並んでいるのを見つけて買ってきた。

ここ20年くらいは毎年買ってるんだけど、
私は基本的にはミステリは文庫しか買わないので
たいていは眺めるだけで終わる。
「うん、これは3年後に文庫落ちしたら買うぞ~」
要するに将来の購入候補を探す本というわけだ。

さて、『このミス 2015年版』で行われたのが
毎年『このミス』を選出しているメンバーの投票による
「オールタイム・ベスト国内短編ミステリー」という企画。

めでたくベストテンに選出された10作品を
5作品ずつ収録し、『赤』『黒』の2冊にまとめてある。


『このミス』が選ぶ! オールタイム・ベスト短編ミステリー 赤 (宝島社文庫)

『このミス』が選ぶ! オールタイム・ベスト短編ミステリー 赤 (宝島社文庫)

  • 作者: 連城 三紀彦
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2015/04/04
  • メディア: 文庫




『このミス』が選ぶ! オールタイム・ベスト短編ミステリー 黒 (宝島社文庫)

『このミス』が選ぶ! オールタイム・ベスト短編ミステリー 黒 (宝島社文庫)

  • 作者: 大坪 砂男
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2015/05/12
  • メディア: 文庫




評価:★★★★

本来、★5つになりそうなものだけど
私の好みと合致しない作品も含まれているのでちょっと減点。

ではベストテン作品の紹介だが、今回はちょっと趣向を変えて
私のミステリ読書歴を中心に語りたい。
文中、太字のものがベストテン作品。


私がミステリにはまったというか読書に目覚めたのは
このブログのあちこちにも書いてるけど
小学校3年くらいの時に父が買ってきたポプラ社の『怪人二十面相』。
ここから少年探偵団シリーズにはまり、
あっというまに全15巻を読破してしまった。
(後に追加されて30巻を越えるシリーズになったそうだが)

次は「ホームズ/ルパン」ものに走るという、
ミステリファンとしてはある意味王道(笑)路線を突き進んでいった。

クリスティ、ヴァン・ダインの少年向けリライトものを経て、
はじめて創元推理文庫に手を出したのはたしか中学2年の頃。
翻訳文が読みにくく、内容も難解で往生したのを覚えている。
(要するに私のオツムがついていけなかったんだね)


高校に入ってからは『宇宙戦艦ヤマト』の影響で
SFにどっぷりと浸かり始め、ミステリを読む比率は下がっていった。
それでも横溝正史と高木彬光は読んでた。

『妖婦の宿』(高木彬光)はこの頃に読んだはず。
初読の時は思わず「えーっ」て声を上げてしまったものだ。

父の蔵書の中に『悪魔の手毬唄』と『化人幻戯』を発見して
ビックリしたのもこの頃だったかな。
どちらも文庫ではなくて、しっかりした作りの単行本だった。
何かの全集だったのかも知れない。

世の中は角川春樹が仕掛けた横溝ブームに向かっていくが、
金田一ものをあらかた読んでしまった私は、
角川文庫から出ていた江戸川乱歩(全20巻くらいだったと記憶してる)
に手を出して、何冊か読んだ。3~4冊くらいですぐに挫けたけど。
『心理試験』(江戸川乱歩)はこの頃に読んでるんだが
『押し絵と旅する男』(同)は記憶にない(読んでるはずなんだけど)。
前者はまさにミステリだけど、後者はホラーだよねえ。
これがなんでベストテンなのか、個人的にはかなり疑問。

大学時代から30歳の手前くらいまではSFの時代。
『SFマガジン』を毎月買ってたのもこの頃だし、
『銀河英雄伝説』をリアルタイムで読んでいたのもこの頃。
独身で、読書にも時間をたくさん割けた、幸福な時代でもあった。

そして1987年の『十角館の殺人』が
またまた私をミステリに引き戻してくれた。
島田荘司のメジャー化とか、
過去の埋もれた名作の発掘が始まったのもこの頃だったように思う。

これ以後、私が読む本は
ミステリ(本格もの&謎解き要素が大きいもの)と
それ以外(SFや冒険小説やファンタジーなどなど)
の比率が、だいたい 5:5 から 6:4 の間くらいで推移してると思う。

ところが、結婚と同時に仕事も猛烈に忙しくなり
読書量が激減する時代が数年続く。
一息つけたのは21世紀に入ったあたりくらいからか。

この頃から創元推理文庫が日本人作家を扱うようになり、
手に入りにくかった鮎川哲也や泡坂妻夫が収録されはじめ、
『達也が笑う』(鮎川哲也)や『赤い密室』(同)、
『DL2号機事件』(泡坂妻夫)を読んだのも
21世紀に入ってからだったと思う。

 『赤い密室』だけは、もっと早い時期(大学生の頃)に
 読んだような記憶もかすかにあるんだが・・・

さらに遅れて連城三紀彦を知り、
『戻り川心中』『桔梗の宿』を含む「花葬」シリーズに出会う。
いやはや、この作品群の衝撃は凄まじかった。
この頃、私は既に40代に突入していたけど、それでよかったと思う。
10代や20代の頃に読んでも、この "情念のミステリ" の素晴らしさは
理解できなかっただろうから。

横山秀夫は、このベストテン中では最後に知った作家だ。
『第三の時効』を読んだのは10年ちょっと前だろうか。
警察小説で、かつ意外性たっぷりのミステリを読んだのは
久しぶりだったような気がした。

今回のベストテン10作中、とりあえず9作が既読だった。
まあ、"そこそこのミステリファン" って自称しても
なんとか罰は当たらないレベルかな。

大坪砂夫は名前だけは知っていたが本書で初読。
でも『天狗』は何処がすごいのかよく分からない。
発表が1948年なので、選者の皆さんの思い出補正かなあ・・・
なぁんて思ったりした。
こんなことを書くと石が飛んできそうだなぁ・・・


今年買った「2017年版」には、特集で
「海外ミステリ」のオールタイムベストテンが載ってる。

来年あたり、また文庫で出るのなら楽しみだ。


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mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2016-12-14 21:17) 

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