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迫りくる自分 [読書・ミステリ]

迫りくる自分 (光文社文庫)

迫りくる自分 (光文社文庫)

  • 作者: 似鳥 鶏
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/02/09
  • メディア: 文庫



評価:★★★☆

主人公・本田理司(ほんだ・さとし)はコンビニチェーンの本社勤務。
ある日、千葉県内のフランチャイズ店を廻って、
会社へ帰るためにJR総武線に乗った。
そのとき、隣を並走する電車の中に自分と瓜二つの人間を発見する。

数日後、船橋駅近くのバーで飲んでいた本田は、
そのときの男にばったりと出会う。
男は次藤(じとう)と名乗り、不思議とウマがあった二人は
二時間近く語り合い、連絡先を交換して別れる。

数日後、本田の同僚の社員・小牧千佳がアパートで何者かに襲われる。
そして本社へ刑事が現れるに至り、
本田は自分が容疑者になっていることを知る。

身に覚えのない本田は、身柄を拘束するために来た
4人の刑事から逃げ出すが・・・


さすがに刑事を振りきるためにはかなりの無茶をすることになり、
本田くんは中盤あたりでもう既に満身創痍状態。

一時はこのまま逃げ切ろうかとも思うが、
もちろんそのままでは終わらない。というか終われない。
彼は、あることを "決意" する・・・


主人公が犯罪に巻き込まれ、濡れ衣を着せられる。よくある話だ。
警察の追跡から必死の思いで逃げ回る。これもよくある。
そしてある時点を境に、自分を陥れた相手に対して反撃に転じる。
これもある意味、お約束の展開だ。
本田くんもそこまでは定石通りの経過をたどる。

しかし、本田くんの目論む "反撃" の内容が、
先行する作品群とはひと味違う。
それがいかなるものなのかは読んでのお楽しみなのだけど、

登場人物があまり多くはないのだが、
その中で本田の後輩社員・朴裕子(ぱく・ゆうこ)さんが
飄々としたキャラでいい味出してる。

前半はあまり台詞がないし、たまに喋ってもかなりぶっきらぼうなので
てっきり外国の方かと思っていたら、実は純粋な日本人らしい。
彼女の中盤以降の "大活躍" もまた、読みどころだ。

この作者は、着々と作風の幅を広げてるよなあ・・・


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mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2016-07-25 00:05) 

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