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英国パラソル綺譚 アレクシア女史、女王陛下の暗殺を憂う [読書・ファンタジー]

アレクシア女史、女王陛下の暗殺を憂(うれ)う (英国パラソル奇譚)

アレクシア女史、女王陛下の暗殺を憂(うれ)う (英国パラソル奇譚)

  • 作者: ゲイル・キャリガー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/04/09
  • メディア: 文庫



評価:★★★☆

吸血鬼や人狼やゴーストなどの<異界族>と、人間とが共存している
パラレルワールドの19世紀イギリスを舞台に、
<異界族>の力を封じることができる
<反異界族>の女性・アレクシアの冒険を描いたシリーズの第4作。
全5巻なので、いわゆる "ラス前" ですね。


夫婦の危機を乗り越え、前作ラストで
無事に元の鞘に収まったアレクシアとマコン卿。

お腹の子も順調に大きくなって8ヶ月を迎えた頃、
未知の "異能者" の誕生を怖れる吸血鬼たちの攻撃を躱すため、
アレクシアたちは一計を案じ、アケルダマ卿の隣の屋敷へ引っ越す。

しかしそこに消滅寸前のゴーストが現れ、
何者かが女王の暗殺を画策していることを告げる。

かくして<陰の議会>の<議長>でもあるアレクシアは
女王陛下の暗殺を阻止すべく、密かに探索をはじめるのだが・・・

 ちなみに、表紙で彼女がメイド服みたいなのを着ているのは、
 家政婦として捜索先の屋敷に潜入しようとしているところ。

なにせ大きなお腹を抱えた身。
とても颯爽とはいかず、よたよたとしか歩けないのだけれど
そんなことくらいで彼女の行動力が制限されるわけがない。

臨月近い身でありながら
飛行船で飛び回るは、パラソル片手に立ち回りはするは、
凸凹道を馬車で激走するはで、読んでる方が心配になってしまう。
いつ破水するか、もう全編通してハラハラし通しである。

妊婦が主役のアクション小説というものを初めて読んだなあ・・・
なーんて思っていたら、終盤近くになって突如、
物語は予想の斜め上の方向への大暴走を開始する。

ここから先は書きたいんだけどネタバレになりそうだから自粛。

 でもこの展開、欧米の人より日本人の方が絶対ウケがいいと思う。
 ていうか、これ絶対、日本のアニメ&特撮の影響が入ってる。

自粛とはいいながら、でもこれだけは書いておきたい。

夜のロンドンを舞台に、史上最強の妊婦(笑)アレクシアが
シリーズ最大にして最凶の "敵" と激突するクライマックスは必読だ。

もっとも、繰り広げられるのは毎度お馴染みのドタバタ劇。
読んでるほうはニヤニヤ笑いが止まらない。
もちろん、物語中のキャラたちは必死なんだけどね。

ラストは、アレクシアが出産するところで終わるのだけど、
これまたトンデモないところで生まれたこの赤ちゃん。
もう波瀾万丈の人生は約束されましたねえ・・・


さて、このシリーズも次巻でいよいよ完結。
間を開けずに、続けて読む予定。


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