「阪急電車」 [読書・恋愛小説]
評価:★★★★
映画にもなって、今話題の作品でもある。
しかし有川浩はうまいなあ。
もう天才的だと思う。
私は関東の人間なので
残念ながら阪急電車にはそうそう乗れないのだけど、
これを読むと一度乗りに行ってみたいと思わせる。
片道15分ほどしかない今津線。
ある日。
その今津線に乗り合わせた人々の
人生を断片を綴っていくのだけど
これがもう絶品である。
8つの駅にちなんだ8つの掌編の中で
老若男女いろいろな人のさまざまな思いを描いていく。
上手なのは、さらに後半。
数ヶ月後の同じ電車で、
前半の人々がもう一度描かれる。
時間が経ったことで起こった
様々な変化。
これがまたいい。
おじさんの私には、
作品中で描かれる若い女性たちの生態には
ややついて行けない部分もあるのだが。
まあ、これが今風なのだろうな。
凄く面白いのだけど
これ、映画にするのはけっこうたいへんなような気がする。
人ごとながら心配してしまう。