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スーパー戦闘 純烈ジャー [映画]

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公式サイトからあらすじを引用すると・・・

スーパー銭湯のアイドルとして歌い続け、2020年には
紅白歌合戦3年連続出場を果たしたムード歌謡グループ純烈。
歌謡界のスターダムである彼らだが、世を忍ぶ仮の姿を持っていた。
皆の憩いの場となる温泉施設の平和を守るヒーロー “純烈ジャー”
としても人知れず温泉の平和を乱す悪と戦っていたのだ――。

ある時、全国の温泉でイケメンが行方不明になるという怪事件が多発し、
巷で話題となっている。 
しかし、事件性は見られず警察の捜査は見送られてしまった。
温泉の危機を感じ取った純烈のメ ンバーは
独自に捜査を開始するのだが・・・。

以前、五木ひろしの歌謡ショーに行ったことを書いたけど
あれは三部構成で、第一部と第三部が歌中心のショー、
間の第二部は、分かりやすくてゲラゲラ笑え、最後は泣けるという
王道エンタメの演劇パートだった。

 五木ひろし以外は知らないのだけど、演歌歌手の歌謡ショーで、
 歌と軽演劇の二本立てはよくあるパターンだろうと思う。

この「純烈ジャー」、という作品、”映画” という形ではあるけど、
純烈というムード演歌歌手の「歌謡ショー・演劇の部」と
考えた方が、本質に近いように思う。
だから、もちろん本作のメイン・ターゲットは、スーパー銭湯まで
彼らを観に来ているおばさま・おじさまたちである。

ストーリー展開は、東映特撮もののフォーマットに則っていて
とても分かりやすい(笑)。これは悪口でなく褒めてる。
たぶん、純烈のファンの方々は、
普段は戦隊ものやライダーは観てないだろうから。
だからわかりやすさは大事。

なぜか途中でミュージカル風なシーンになったり
突然、ステージ上で純烈が歌うシーンに変転したり
脈絡のない展開が始まったりするんだが、それも
「歌謡演劇ショー」って考えれば納得だ。

そして基本はコメディなんだから、あまり深く考えずに
純烈のメンバーがスクリーンの中で頑張るところを楽しめばOK。
逆に「考えてしまったら負け」だろう(おいおい)。

 ただ、上記のようにベースは「歌謡ショー」なのだから、
 ”普通の映画” を期待して観に来た人は
 開始早々10分くらいで呆気にとられるかも知れない。
 私もその一人だったが(笑)。

まあ、純烈ファンの人なら満足できる ”映画” になってるだろう。

 実際、映画が終わって外へ出るとき、私の前を歩いていた
 おばさま二人組が「面白かったわね~」って話してたから。

あと、思いつくままにちょっと書いていくと

悪の女王フローデワルサ様を演じるのは ”ラスボス” 小林幸子様。
ラストで巨大化して、純烈ジャー相手に大暴れするのもお約束通り。
まるで紅白歌合戦のステージを見ているみたいだ(おいおい)。
見ていて勝てる気がしないのは流石の迫力。

 私くらいの年代だと、曽我町子さん演じるところの
 へドリアン女王様を思いだしてしまうんだよねぇ・・・。

純烈たちが、”温泉の女神” と契りを交わすことで
純烈ジャーに変身できる、って設定なんだが
その女神の皆さんが熟年の女優さんばっかり、ていうのは
やっぱりファン層を考慮しているんだろうなあ(笑)。

その中で、謎の占い師・アリサを演じているのが出口亜梨沙さん。
メインキャラの中で唯一の20代女優(28歳)なのは貴重だ(笑)。
なかなか可愛い人だと思う。グラビアアイドル出身なんだけど
wikiを見ると、サブカル系の舞台なんかにも出てるみたいだ。

そして、スーパー銭湯の清掃員として登場するのが小林綾子さん。
「おしん」でデビューしたあの子も、49歳になったんですねぇ・・・・
映画の冒頭から出番がやたらと多いなあと思ってたら、
後半のストーリーのキーマン(キーウーマン?)でした。

小田井涼平が演じる ”純ブルー” の、変身後の武器アイテムが銃なのは
彼が出てた「龍騎」での仮面ライダーゾルダをなぞってるのか?

戦隊ものといえば、主人公たちが搭乗する巨大メカが
欠かせないんだけど、これもしっかり登場する。
未見の人のために書かないけど、見たら
感心すると同時に笑ってしまうだろう(おいおい)。

そして、なんといっても最終決戦開始直後に流れる
主題歌「NEW(入浴)YORK」が素晴らしい。
タイトルこそふざけてるが(笑)、聞いてみるとそのガチさに驚く。
初期の平成ライダーっぽい曲調で始まり、
サビに向けては昭和の熱血ヒーローみたいな歌詞が胸を熱くする。
(このあたり、純烈ファンなら世代的に直撃だろう)
そうして、締めはしっかり戦隊ものの主題歌として着地する。
YouTubeに上がってるMVもカッコよくて、一見の価値ありだ。

ムード歌謡もいいけれど、たまには
こういうヒーローソングもいいんじゃないかな。そのうち、
ホントにライダーや戦隊の主題歌を歌う日が来たりして。

さて、「歌謡ショー」相手に野暮は承知で
ちょっとだけ文句を言わせてもらうと、
セットとかコスチュームなどががいささかチープな感じが否めない。
言い方を変えれば、昭和の頃のライダーや戦隊ものなどの
特撮TVドラマの雰囲気に近い、ともとれる。
まぁこれは予算の都合・・・なんだろうなぁ。

無い袖は振れない中でも、最終決戦のシーンは充分に盛り上がるので
肝心なところにはしっかりお金をかけてる、のだろう。


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