春から夏、やがて冬 [読書・ミステリ]
スーパーマーケットの保安責任者・平田は
万引き犯の末永ますみを捕まえる。
いつもなら警察に引き渡すのだが、彼女の免許証に書いてあった
生年月日を見た平田は、彼女をそのまま解放する。
万引き犯の末永ますみを捕まえる。
いつもなら警察に引き渡すのだが、彼女の免許証に書いてあった
生年月日を見た平田は、彼女をそのまま解放する。
7年前、平田の娘・春夏(はるか)は死んだ。轢き逃げだった。
警察の捜査も、妻とともに行った情報提供を求める運動も虚しく
事件は時効を迎えてしまう。
やがて妻は心を病み、平田は家庭をも失ってしまう。
娘の死に対して自責の念に苛まれる平田は仕事への情熱も失い、
自ら系列会社のスーパーの保安部長へと異動していった。
警察の捜査も、妻とともに行った情報提供を求める運動も虚しく
事件は時効を迎えてしまう。
やがて妻は心を病み、平田は家庭をも失ってしまう。
娘の死に対して自責の念に苛まれる平田は仕事への情熱も失い、
自ら系列会社のスーパーの保安部長へと異動していった。
末永ますみは高校を中退、その後務めていたスナックをクビになって
いまはリョウというDV男と同棲中だった。
いまはリョウというDV男と同棲中だった。
彼女は、春夏と同年の生まれだった。
万引きを見逃したことをきっかけに、
ますみは平田の前にしばしば現れるようになる。
万引きを見逃したことをきっかけに、
ますみは平田の前にしばしば現れるようになる。
ますみを邪険に扱う平田だったが、困っている様子は見捨てておけず
何かと世話を焼くようになっていく。
何かと世話を焼くようになっていく。
ふたりは擬似的な親子関係のような状態になっていくのだが
周囲はそれを ”男女の関係” であろうと邪推する。
しかし平田はそれを一向に意に介さない。
そんな中、ますみは平田の過去を知ってしまう・・・
周囲はそれを ”男女の関係” であろうと邪推する。
しかし平田はそれを一向に意に介さない。
そんな中、ますみは平田の過去を知ってしまう・・・
そして、ページ数で残り1/4ほどのところで
事態は急展開を告げるのだが・・・
事態は急展開を告げるのだが・・・
起こる事件自体は単純なんだが、
その背後に隠された ”真相” は二転三転する。
まず平田の境遇が悲惨の一語だ。
これほど不幸で、先の展望が見えない主人公も珍しいだろう。
ますみも幸福とはお世辞にもいえず、こちらも薄幸な娘だ。
これほど不幸で、先の展望が見えない主人公も珍しいだろう。
ますみも幸福とはお世辞にもいえず、こちらも薄幸な娘だ。
そんな二人が出会うことによってこの物語が動き出すのだが、
最後まで読み終わってみると虚しさ、やるせなさが残るばかり。
最後まで読み終わってみると虚しさ、やるせなさが残るばかり。
ミステリとしてはよくできているとは思うが、
読み終わってどどーーんと落ち込んでしまうのは辛い。
読み終わってどどーーんと落ち込んでしまうのは辛い。
ユーモアミステリでもない限り、犯罪を描く以上は
ある程度の闇を描かざるを得ないのは十分承知なのだけど
ここまで悲しい読後感をもつ作品は苦手です。
ある程度の闇を描かざるを得ないのは十分承知なのだけど
ここまで悲しい読後感をもつ作品は苦手です。