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沈黙の書 [読書・ファンタジー]


沈黙の書 (創元推理文庫)

沈黙の書 (創元推理文庫)

  • 作者: 乾石 智子
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/07/12
  • メディア: 文庫
評価:★★★☆

<オーリエラントの魔道師>シリーズの一編。

今回は年代記的には一番古く、
コンスル帝国が建国される数百年の過去の物語。
世界は群雄割拠の時代を迎えていた。

そんな世界にあって、いまだ平和の中にあった
<風森村>に生を受けた少年ヴェリルは
風を操る力を持つことから<風の息子>と呼ばれている。

その村に生まれた者たちは
みなそれぞれ、超常の力を身につけていたのだ。

しかし村にも戦乱は押し寄せてくる。
ヴェリルが13歳を迎えたとき、近隣の町ケスルの評議会は
村をその領土に加えることを一方的に宣言する。
さらに、ヴェリルを含めて7歳から14歳までの子どもたちは
強制的に拉致されてしまう。
彼らの ”超常の力” を戦力として活用するためだ。

子どもたちは選別されて軍隊に組み込まれ、
それぞれ能力を高める訓練を受けさせられることになる。

5年後、”風の魔道師” として成長したヴェリルは
初めて実戦投入される。戦いには辛うじて勝利したものの、
自分の力が人を傷つけていくことを嫌悪するヴェリルは
軍を脱走してしまう・・・

弟や幼なじみたちとも引き離され、故郷の村もその姿をとどめず、
絶望しながらも平和を願う心を忘れないヴェリル。
失ったものを取り戻すための、彼の苦難の旅路が綴られていく。


こんなふうにあらすじだけを書き出すと、
昭和の頃のヒーローものにあったような話に見えるかも知れないが
作者の物語描写は分厚く緻密で、
見事に平成時代のファンタジーに置き換えられていると思う。

シリーズものであるから、
随所に他の作品に関わるネタが織り込まれていて
例えばラスト近くでは、後の大帝国「コンスル」の
語源らしきものも出てくる。
そのへんも本書を楽しむ楽しみだろう。

もっと書くべきことがあるような気がするんだけど
思い出せない(おいおい)。
本書を読了したのは今年の2月17日と約5ヶ月前なんだけど
前後に読んだ本と比べても、記憶が薄い。
乾石智子さん、ゴメンナサイ m(_ _)m。

読書記録では星3つ半つけてるので、読み終わったときには
それなりに高評価してたはずなんだけどねぇ。

やっぱり感想は間を置かずに書かないとね。わかっちゃいるんだが。
「毎日少しずつ。それがなかなかできねんだなあ」 by 相田みつを

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